2012年3月31日:札幌 本日の講演のパワーポイントファイルご希望の方 は下記へメールを: [email protected] 関心を持ったきっかけ ●第三回 「チェルノブイリ事故との比較」 (平成23年4月15日) 長瀧 重信・長崎大学名誉教授(元(財)放射線影響研究所理事長、国際被ばく医療協会名誉会長) 佐々木 康人・(社)日本アイソトープ協会 常務理事(前(独) 放射線医学総合研究所 理事長) 原発内で被ばくした方 *チェルノブイリでは、134名の急性放射線障害が確認され、3週間以内に28名が亡く なっている。その後現在までに19名が亡くなっているが、放射線被ばくとの関係は認 められない。 事故後、清掃作業に従事した方 *チェルノブイリでは、24万人の被ばく線量は平均100ミリシーベルトで、健康に影響はな かった。 *福島では、この部分はまだ該当者なし。 周辺住民 *チェルノブイリでは、高線量汚染地の27万人は50ミリシーベルト以上、低線量汚染地の 500万人は10~20ミリシーベルトの被ばく線量と計算されているが、健康には影響は認めら れない。 チェルノブイリ原発内で被ばくし後年度死亡した方の死因 死亡年齢 (才) 26 41 41 45 46 51 51 51 52 53 53 61 61 64 67 68 80 81 87 死亡年 1995 1993 2004 1998 1995 1995 2002 2002 1993 1995 2004 1998 1999 1995 1992 1990 1998 1987 2001 急性放射線症候 群重症度* Ⅰ Ⅰ Ⅲ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅲ Ⅰ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅲ Ⅲ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅲ 死因 急性心臓死 急性心臓死 肺結核 肝硬変 肝硬変 肺結核 骨髄異形成症候群** 外傷 骨髄異形成症候群 外傷性脂肪塞栓症候群 下顎神経鞘腫*** 急性骨髄単球性白血病**** 脳卒中 骨髄異形成症候群 急性心臓死 急性心臓死 急性心臓死 肺壊疽 急性心臓死 チェルノブイリの放射能汚染地図 郡山市・福島市100~600kBq/㎡ 東京10~30kBq/㎡ [kBq/m2 ]= 282×[μSv/h] 年間ミリシーベルト= kBq÷32 チェルノブイリと福島の放射能汚染地図:縮尺同 [kBq/m ]= 282×[μSv/h] 2 3.11以前 • 日本の食品のセシウム量は大部分が0. 1ベクレル/kg以下だった • 日本の土のセシウム量は大部分が10ベ クレル/kg以下だった • 日本人の食品からのセシウム摂取量は 0.02ベクレル/日をはるかに下回って いた Bq/m2=Bq/kg×20~75 もともと土壌は10Bq/kg以下が大半 http://www.kankyo-hoshano.go.jp/01/0101flash/01010621.html Bq/m2=Bq/kg×20~75 もともと土壌の放射線量は一桁Bq/kg 土壌(5~20cm)中のCs-137の調査地点と測定値(2009年度 年間平均値) 単位:Bq/kg 都道府県名 北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 調査地点 江別市 五所川原市, 青森市 岩手郡滝沢村 大崎市 秋田市 山形市 福島市 那珂郡東海村 日光市 前橋市 さいたま市桜区 市原市 新宿区 横須賀市 測定値(平均値) 7.6 2.9, 16 8.2 2.4 23 2.6 16 32 13 0.62 0.70 0.65 2.3 4.4 http://www.kankyo-hoshano.go.jp/01/0101flash/01010622_2.html 東京の土壌のセシウムは200~300倍に増加 土壌中の放射性物質の測定結果について 平成23年9月20日 東京都 福祉保健局 健康安全研究センターでは、文部科学省からの委託事業(環境放射能水準調査)により、年1回、土壌中の放 射性物質のモニタリングを行っています。 このたび、調査結果がまとまりましたのでお知らせします。 土壌採取場所:東京都健康安全研究センター(東京都新宿区百人町) 試料採取日:平成23年9月6日 測定器種類:ゲルマニウム半導体検出器 過去5年間(平成18年度から平成22年度)の測定結果 深さ0~5センチメートルの土壌: ヨウ素131、セシウム134はND(不検出)、セ シウム137は2.00Bq(ベクレル)/キログラム~3.67Bq(ベクレル)/キログラム 深さ5~20センチメートルの土壌: ヨウ素131、セシウム134はND(不検出)セ シウム137は2.3Bq(ベクレル)/キログラム~3.37Bq(ベクレル)/キログラム (参考) 放射性物質 ヨウ素131(131I) セシウム134 (134Cs) セシウム137 (137Cs) セシウム合計 深さ0~5センチメートル 深さ5~20センチメートル Bq(ベクレル)/キログラム Bq(ベクレル)/キログラム ND(不検出)※ 360 430 790 ND(不検出)※ 4.2 7.1 11.3 http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2011/09/20l9k300.htm 農地土壌の放射性物質濃度 福島を中心に土壌のセシウ ム濃度が数千~数万倍に 農林水産省は28日、東京電力 福島第1原発事故に伴う平成2 4年産のコメの作付けについて、 23年産のコメの調査で100ベク レル超500ベクレル以下の放射 性セシウムが検出された地区で も、全袋調査など一定条件を満 たせば作付けを認める方針を発 表した。 2012.2.28 もともと食品の放射線量 は1Bq/kg以下 2000年度調査 食品に含まれる137Cs ●:本調査結果 過去の調査 結果(JCAC2000)▼:最小値 ■:平均値▲:最大値 http://search.kankyohoshano.go.jp/food/download/cs137plot2004.pdf もともと日本人のセシウム摂取量は0.1ベクレル/日以下 日常食中のセシウム137の経年変化 「飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もって国民の健康の保護を図ることを目 的とする食品衛生法の観点から、当分の間、別添の原子力安全委員会により示された指 標値を暫定規制値とし、これを上回る食品については、食品衛生法第6条第2号に当たる ものとして食用に供されることがないよう販売その他について十分処置されたい。 」 もともと日本人のセシウム摂取量は0.1ベクレル/日以下 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf#search='厚生労働省 暫定基準値' もともと日本人のセシウム摂取量は0.1ベクレル/日以下 当面 毎日110ベクレルまでオーケーとされた 穀類や肉、魚、野菜などの「一般食品」は、暫 定基準値の1キロあたり500ベクレルから100ベ クレル、「牛乳」は200ベクレルから50ベクレル、 「乳児用食品」は50ベクレルへと厳格化された。 消費量が多い「飲料水」は200ベクレルから10 ベクレルと、もっとも厳しくなった。 週刊朝日 2012年4月6日号 体 内 セ シ ウ ム 蓄 積 量 ( ベ ク レ ル ) 毎日10ベクレル 食べる ICRP報告書資料 1日だけ1000ベクレル食べた http://www.icrp.org/docs/P111(Special%20Free% 20Release).pdf 毎日1ベクレル食べる 日数 もともと日本人のセシウム摂取量は0.1ベクレル/日以下 食品由来の放射線被ばく: 3.11以前のレベルを維持するべきである 「100mSv以下の被曝は心配ない」 問題 黄緑まで直ちに居住可能とした いのか? http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/leaf_soil_20110916.pdf 「100mSv以下の被曝は心配ない」のか? ↓ • 100mSv以下でもガン死リスクが増え る事が次第に明らかになってきた • ガン以外のさまざまな病気も100mSv 以下で増えることが分かってきた • スウェーデンの疫学調査 • ベラルーシの疫学調査 • 原発労働者の疫学調査 • 原爆被爆者の疫学調査 原爆被ばくで1000mSvでガン50%増。 ところが、原発事故では… ゴメリ(ベラルーシ) 11mSvで 14%増(約30倍) スウェーデン 20mSvで 11%増(11倍) ちなみに、放射能汚染度は ゴメリ≧福島市・郡山市>スウェーデン ゴメリ:14年間で11mSv被ばくし、肺癌が14%増えた。 チェルノブイリに起因するガンの特徴は、潜伏期が認められないことと、非常に大きな被曝リス ク係数である.(今中注:たとえば、図11 の解析結果に基づくと、fiiting 直線の傾きは1mSv 当 り0.014、つまり1Sv 当り14 の相対リスク過剰となる。広島・長崎データの場合の肺ガン死相対 リスク過剰は1Sv 当り0.5 程度なので、Malko の値は約30 倍大きい。) http://www.rri.kyotou.ac.jp/NSRG/seminar/No91/Malko_comments.pdf 原爆被ばく者、 チェルノブイリ被 災者、原発労働 者のERRの比較 ●:原爆被爆者 ●;チェルノブイリ被災 者・原発労働者 ERR=1Gy当たりの超過死亡リスク スウェーデン:ガン:20mSvで11%増 (1000mSvなら550%増) +5.5%/10mSv ほとんどが100kBq/㎡以下の汚染 数字はkBq/㎡ 超 過 相 対 リ ス ク トンデルのデータ 100mSv (Gy≒Sv) 「被ばく量が同じなら、医療被ばく は原爆の6倍のガンリスク」という 研究 10mSvの被ばくでガンが有意に3%増加 Eisenberg他. CMAJ. 2011年3月 ↓ 1000mSvなら300%増加 「低線量X線検査を受けた 急性心筋梗塞患者のガンリスク」 マギール大学(カナダ・モントリオール)チームの論文 1. 血管造影、CT等のエックス線を用いた検査・治 療を受けた心筋梗塞患者82861名を5年追跡。 2. 12020名のガン発生。 3. 10mSv被ばく群で有意にガンリスクが3%増加。 4. 被ばくが10mSv増す毎にガンリスクが有意に3% ずつ増加(40mSvで12%増加)。 発 ガ ン 1.200 リ ス 1.100 ク 心臓疾患検査・治療に伴う 低線量X線被ばくと発ガンリスク +3%/10mSv (+3%) 1.028 (+6%) 1.058 (+9%) 1.088 (+12%) 1.119 1.000 0.900 0.800 10mSv 20mSv 30mSv 40mSv 累積線量(mSv) (被ばく0mSvの発ガンリスク=1.000;縦棒=2SD) Eisenberg他. CMAJ. 2011 ただし、 原爆被ばくの6倍の発ガンリスクは高すぎる 5年間以内にガンが増加するのは早すぎる 等の批判がある 今後のさらなる調査が待たれる。 日本の原発労働者でも同様のガン リスク増加が報告された。 日本の原発従業員等の全悪性腫瘍 累積線量群別O/E比および傾向性の検定結果. 傾向性の片側検定p=0.032(有意) O/E 観 察 値 と 期 1.20 待 値 1.10 の 比 ( 1.00 http://www.rea.or.jp/ire/pdf/report4.pdf 文部科学省委託調査報告書 原子力発電施設等放射線業務従事者等に係る疫学的調査 (第Ⅳ期調査 平成17 年度~平成21 年度) 比 0.90 ) 0.80 +2%/10mSv <10 10- 20- 50累積線量群(mSv) >100 ただし、線量と喫煙率に正の相関があるようなので、結論はまだ。 LSS第14報 http://www.bioone.org/doi/pdf/10.1667/RR2629.1 原爆被爆者の追跡調査 LSS第14報 固形ガン 超 過 相 対 リ ス ク ( 死 亡 ) 加重大腸線量(グレイ≒シーベルト) LSS第14報 100mSv以下はもう少し で有意なのだが… 超 過 相 対 リ ス ク LSS第14報 100mSv (Gy≒Sv) LSS第14報 線量反応線がリスクゼロの線と交わる点(閾値)がどの あたりにあるかを推定すると… http://ameblo.jp/knoritoshi/entry-11032999776.html LSS第14報 閾値が0.0Gy(すなわち閾値なし)というのが、最ももっ ともらしい(最尤)推定値である。 235ページ左段 LSS第14報 0からの線量範囲別超過相対リスク:100mSv 以下では95%信頼区間の下限が0を下回る が、リスク値自体は増加する。あと少しで有 意となる線量範囲も複数見られる( )。 超 過 相 対 リ ス ク ( 死 亡 ) 加重大腸線量(グレイ≒シーベルト) 「100mSv以下の被曝は心配ない」 問題 • • 低線量でもそれなりにガン死のリスク があると言う前提で対応すべきだろう。 低線量ではガン以外の障害が発生し ていることを是非とも考慮に入れる べきだろう。 原爆被害の全貌が明らかになるためには 40~50年かかった 全非ガン性疾患 消化器疾患 循環器疾患 全固形ガン 呼吸器疾患 LSS第14報 長期追跡でグラフが立ち 上がってくる: 被ばく20年後までは、低 線量でかえって死亡が減 る、あるいは閾値がある ように見えるデータに なっていた。被ばくを生き 抜いた集団を観察したこ とによるバイアスと考えら れる。 「100ミリシーベルト以下では健康被害はないのだから、20ミリシー ベルトを下回ったなら、十分安全に住めるのだ」と言うが、、、 日本放射線影響学会 福島原子力発電所の事故に伴う放射線の人体影響に 関する質問と解説 (Q&A) 第19問への答 …従って、長期にわたって積算量として100ミリシーベルトを被ばくした場合、がん 罹患リスクが男性で1.35%*注2、女性で1%上積みされると推定され、それほど大 きな値ではないことがわかります。疫学調査では、線量が低くなると、放射線を 被ばくした人々と放射線を被ばくしていない人々の発がん率の差はほとんど検 出できなくなります。従って、居住が制限された地域以外で居住する限り被ばく による発がんリスクを心配することはないと思われます。 *注1:原子力安全委員会が公表した「屋内退避等の有効性について」によれば、 屋内での生活によって、外部被ばくおよび内部被ばく量が4分の1から100分の 1程度まで低減するとされています。 *注2:100ミリシーベルトの被ばくで予想される日本人男性の発がん上乗せ分= 0.5(1,000ミリシーベルトの放射線の被ばくで増加する発がん頻度)x0.1(線量の 減少分)x0.5(低線量被ば くによる発がん低減率)x0.54(男性の自然発がん率) =0.0135 仮 に L S S 14 に 沿 っ て 考 え て み る と 低線量被ばくによるガン死の リスクの大きさの説明 仮 に L S S 14 に 沿 っ て 考 え て み る と 「1シーベルトでガン死が50%増加(原爆被爆者調査)」 ↓ 全員が1シーベルト被ばくすると、その集団からガン死が50% 多く発生する(これが唯一のエビデンスです) ↓ 30%がガン死する集団(今の日本人男性)なら、さらに15%が ガン死する(ICRPはガン死リスクを半値の五割引としている) ↓ 全員が100mSv被ばくすると、1.5%ガン死が増える ↓ 20mSvなら0.3%(こどもは2~3倍)ガン死が増える ↓ さて、0.3%ガン死が増えることは、無視しても良いのか、それ とも大変な事なのか? 仮 に L S S 14 に 沿 っ て 考 え て み る と 0.3%=10万人中300人が放射線被ばくでガン 死することは、社会的に許容されるか? ↓ 10万人当たりの生涯死亡リスクはどうなって いるか 仮 に L S S 14 に 沿 っ て 考 え て み る と 10万人当り生涯死亡リスク 日常生活の受動喫煙 10000~20000 残 留 農 薬 基 準 食 ア 品 ス 中 ベ ダ ス イ ト オ 敷 キ 地 シ 境 ン 界 基 準 100 0 6 20mSv おとな 年300 20mSv こども 年1000 20mSv こども 翌年1000 放射線被ばくの基準を緩めると、残留農薬、 ダイオキシン、アスベストなど食品の安全と環 境汚染防止のための規制がすべてナンセン スになってしまう。 仮 に L S S 14 に 沿 っ て 考 え て み て も 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない 妊娠中の放射線被ばくと閾値 放射線被爆と先天異常 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない <日本産婦人科学会> 表1 主な先天異常と胎児発育期間およびしきい値 着床前 期 受精後 器官形成期 胎児期 15~25 25週以後 週 しきい値 (mSv) 0~8日 2~8週 8~15週 流 産 (胎芽・胎児死 亡) +++ + - - - 100以上 奇 形 - +++ - - - 100~200 発育遅延 - + + + + 100以上 (動物実験) 精神遅滞 - - +++ + - 120 悪性新生物 (癌) - + + + + 50以上 - 1000~1500 (推測) 遺伝的影響 - - - - http://www.jaog.or.jp/japanese/jigyo/SENTEN/kouhou/hibaku.htm (1)Kasama T, Ota K.:Congenital Anomalies 42,10~14,(2002) [文献(1)一部改変] 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない ガンだけではない次世代への影響 • • • • 乳児死亡率 周産期死亡率 先天障害、ダウン症 出生児性比 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない 地域別乳幼児死亡率。1950‐2050 国連世界人口予測。2008年 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない [kBq/m ]= 282×[μSv/h] 2 Csか 周 産 期 死 亡 率 ( 千 出 生 当 た り ) 死産の定義が変更されたこと による見かけの増加 Srか (低汚染) (高汚染) (さらに低汚染) 暦年 ゴメリ■では、事故直後と3年後に周産期死亡が増加 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:乳幼児死亡 ウクライナの乳児死亡率(対1000出生)。期間別 汚染 全体 低 高 低 最高 対照地域 【原図】http://www.who.int/ionizing_radiation/chernobyl/WHO%20Report%20on%20Chernobyl%20Health%20Effects%20July%2006.pdf 死産率のトレンド P=0.0116 P=0.2935 P=0.0108 ラトビア アイスランド ノルウェー 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:乳幼児死亡 予想曲線 の大 低気 実測値 下 中 が核 止実 ま験 っ期 た間 ( 米中 国、 )乳 幼 児 死 亡 率 スターングラス博士(ピッツバーグ医科大学放射線科放射線物理学名誉教授) 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:乳幼児死亡 れ米 た国 の 他 の 州 で も 、 同 じ 現 象 が 観 察 さ 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:乳幼児死亡 ドイツの周産期死亡トレンド:チェルノ事故の1987年に 1mSv程度の被ばくでも、若干周産期死亡が増加した。 周 産 期 死 亡 率 ( 1 千 出 生 当 り ・ 年 ) http://www.alfred-koerblein.de/chernobyl/downloads/infantmortality.pdf 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:性比 出生時性比=男児数÷女児数 105:100 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:性比 郡山市・福島市100~600kBq/㎡ 東京10~30kBq/㎡ ユーゴスラビア 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:性比 フランス 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:性比 ドイツ 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:性比 イタリア 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:性比 ユーゴスラビア 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:性比 ロシア連邦 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:性比 ベラルーシ 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:性比 ヨーロッパ vs アメリカ 欧州1975-2007;米国1975-2002 欧州 性比 性比の変動 米国 チェルノブイリ事故 性比(出生男児数/女児数)のトレンド. 米国と欧州28カ国の比較. 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:性比 チェルノブイリ・ジェンダー・ギャップ 60万人~110万人の子供が出生に 至らなかったという試算あり 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:ダウン症 「100mSv以下の被曝では、胎児に異常は起きない」(ICRP) しかし、 チェルノブイリ事故直後5mSv以下の被曝でもダウン症が増えた しかも、その後ダウン症の増加が続いている 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:ダウン症 ピーク時卵巣被ばく線量<5mSv 西ベルリン ベラルーシ 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:ダウン症 ダウン症発生率のトレンド (西ベルリン+バイエルン+ベラルーシ+ハンガリー+スコットランド+イングランド+ス ウェーデン) チェルノブイリ後ダウン症は2割増加が続いている 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:先天障害 +83 % +83 % 5 事 故 後 87 ― 事 故 前 82 ― 新 生 児 千 人 当 り 先 天 性 障 害 頻 度 http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/cher-1index.html ゴメリ・モギリョフ:555kBq超/㎡汚染地域 95 85 ゴメリ州 モギリョフ州 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:先天障害 Lugyny地区(37~555kBq/㎡)における(生後7日未満) 新生児の先天性発育異常罹患率(対1000出生) http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/reports/kr21/kr21pdf/Godlevsky.pdf の7ページ目 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:先天障害 Environ Sci & Pollut Res • Special Issue 1 (2003): 117 – 125 チェルノブイリ事故と ドイツ・ヨーロッパの先天奇形・死産 放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない:先天障害 36~54kBq/㎡ 27~54kBq/㎡ 27~32kBq/㎡ 3~5kBq/㎡ 先天性心疾患発生率(バイエルン州):汚染度別 甲状腺ガン 甲状腺ガン 甲状腺ガン チェルノブイリ甲状腺ガン: 山下俊一氏のエディトリアルより http://www.hotthyroidology.com/editorial_158.html CHERNOBYL BEYOND 20 YEARS AND THYROID CANCER Shunichi Yamashita 甲状腺ガン ベラルーシ甲状腺ガン症例数1985-2004年 ■こども ■19~45才 □45才以上 甲状腺ガン ゴメリ地区(ベラルーシ)の甲状腺ガン症例数。 チェルノブイリ事故前13年間と事故後13年間の比較 年令(才) 0-18 19-34 35-49 50-64 >64 1973-1985 1986-1998 増加倍率 7 407 58倍 40 211 5.3倍 54 326 6倍 63 314 5倍 56 146 2.6倍 甲状腺ガン Med Sci Monit. 2004 Jul;10(7):CR300-6 チェコ: チェルノブイリ事故の被ばくで大人の甲状腺ガンが増えた チェコ共和国汚染地図 2.3–2.8 kBq/m2 5.3 kBq/m2 甲状腺ガン 甲状腺ガン チェコ:女性ほど、高齢者ほど甲状腺ガンが増えた(性別・年齢階級別) 女性 男性 チェコ:数キロ㏃/㎡の被ばくでも甲状腺ガンが増えた(汚染度別) 5.3 kBq/m2 2.3–2.8 kBq/m2 甲状腺ガン ベラルーシ: 乳ガンが増えた 乳ガン ベラルーシの 15年間の累積被曝量 ■>40mSv (年2~3mSv) ■20–39.9 mSv (1~2mSv ) ■ 5–19.9 mSv 乳ガン 15年間で 40mSv以上の累積被曝で 乳癌倍増 ―>40mSv ●20–39.9 mSv ■ 5–19.9 mSv 乳幼児白血病 超低線量被ばく胎児で白血病リスク増加 乳幼児白血病 「原爆被爆:100mSv 以上の被曝が白血病発症に必要」 図1. DS02とDS86による白血病のノンパラメトリックな線量反応、1950-2000年。 被爆時年齢20-39歳の人の1970年における男女平均リスク。 乳幼児白血病 ( Busby. Int J Environ Res Public Health. 2009 Dec;6(12):3105-14) 乳幼児白血病 ギリシア 白 血 病 超 過 発 症 リ ス ク 1mSv未満の胎内被曝で白血病リスク が著明に増加。しかも二相性。 青点線は松崎追加 ギリシア ドイツ イギリス ドイツ ベラルーシ ベラルーシ イギリス ギリシア 胎児の累積吸収線量(mSv) (再掲) 低線量領域でのグ ラフの変化の類似 超 過 相 対 リ ス ク LSS第14報 100mSv (Gy≒Sv) 被ばく量と反応が比例関係でない 低線量領域では、被ばく量と反応が 比例関係でない可能性があるようだ。 被ばく量と反応が比例関係でない リクビダートル:線量と発病が線形でない 有 病 率 ( 対 千 人 ) 20 40 60 80 100 120 年間被ばく量(mSv) 140 160 180 被ばく量と反応が比例関係でない リクビダートル:線量と発病が線形でない 被ばく量と反応が比例関係でない リクビダートルのがん罹患率・死亡率(10万人年あたり) 0~50 50~ 100 100~ 150 150~ 200 200~250 250- 白血病 7.68 6.18 8.03 8.48 6.23 全ガン 117.5 122.30 157.51 142.94 134.54 180.56 消化器官と 腹膜のガン 21.94 32.26 49.79 38.16 35.60 37.43 全ガン 36.20 39.12 44.96 57.95 56.07 40.82 消化器官と 腹膜のガン 9.32 15.10 20.87 21.20 24.92 17.0 mSv ガン発生率 3.04 ガン死率 被ばく量と反応が比例関係でない 1:脂質膜粘度 2:血液中の脾由来DNA量 0 60 120 180 240 600 ミリグレイ 1800 マウスに放射線照射を行うと、放射線の 影響が二相性になった 被ばく量と反応が比例関係でない 低線量領域の線量反応関係解明は 今後の課題 放射線被ばくで起きる病気は ガンや先天異常だけはでない チェルノブイリ事故後、心臓病、早期老化、消化 器・内分泌・精神疾患、体調不良、白内障など 様々な病気が激増した 様々な病気・体調不良 チェルノブイリ原発事故で被ばくした北ウクライナ住民の精神、 神経、身体疾患(1987~1992年) 疾患・罹患臓器 内分泌疾患 精神疾患 神経疾患 循環器疾患 消化器疾患 皮膚結合織疾患 筋骨格疾患 1987 631 249 2,641 2,236 1,041 1,194 768 住民10万人当りの罹患数 成人および青少年 1988 1989 1990 1991 825 886 1,008 4,550 438 576 1,157 5,769 2,423 3,559 5,634 15,518 3,417 4,986 5,684 29,503 1,589 2,249 3,399 14,486 947 1,262 1,366 4,268 1,694 2,100 2,879 9,746 1992 16,304 13,145 15,101 98,363 62,920 60,271 73,440 (診断総数) 様々な病気・体調不良 ウクライナの様々な住民集団の健康度低下状態 (健康な者の比率) 被ばく集団 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 Liquidator 78.2 74.4 66.4 53.3 35.8 28.8 23 19.8 17.6 15 避難民 58.7 51.6 35.2 26.2 29.7 27.5 24.3 21.1 19.5 17.9 汚染地域住民 51.7 35.4 35.2 26 31.7 38.2 27.9 24.5 23.1 20.5 被ばく親の子 80.9 66.8 74.2 62.9 40.6 n.d. 36.9 32.4 32.1 29.9 様々な病気・体調不良 ゴメリ地方(ベラルーシ)の小児の疾病発病率(10万人当り) 疾患 1985 1990 1993 1994 1995 1996 1997 全診断数 9,771.20 感染症 4,761.10 6,567.70 8,903.30 13,738.00 11,923.50 10,028.40 8,694.20 腫瘍* 1.40 32.50 144.60 151.30 144.60 139.20 134.50 内分泌・代謝・免疫異常 3.70 116.10 1,515.50 3,961.00 3,549.30 2,425.50 1,111.40 血液疾患 54.30 502.40 753.00 877.60 859.10 1,066.90 1,146.90 精神疾患 95.50 664.30 930.00 1,204.20 908.60 978.60 867.60 神経疾患 644.80 2,359.60 5,951.80 6,666.60 7,649.30 7,501.10 7,040.00 循環器疾患 32.30 158.00 375.10 379.80 358.20 422.70 425.10 呼吸器疾患 760.10 49,895.60 71,546.00 72,626.30 81,282.50 75,024.70 82,688.90 消化器疾患 26.00 3,107.60 5,503.80 5,840.90 5,879.20 5,935.90 5,547.90 泌尿器疾患 24.50 555.20 994.80 1,016.00 961.20 1,163.70 1,198.80 159.00 4,529.10 5,488.30 6,748.20 7,012.60 6,455.00 7,100.40 筋骨格疾患 13.40 266.00 727.70 937.70 847.40 989.90 1,035.90 先天奇形** 50.80 121.90 265.30 307.90 210.10 256.20 339.60 事故・中毒 2,590.20 3,209.70 4,122.70 4,409.80 4,326.10 4,199.10 4,343.00 皮膚疾患 73,754.20 108,567.50 120,940.90 127,768.80 120,829.00 124,440.60 (診断総数) 様々な病気・体調不良 ビテブスク 様々な病気・体調不良 事故から6年後のベラルーシのこどもの健康状態 (汚染地域の線量は浪江・飯館・川俣・郡山市福島市の一部並み) ■健康 ■病弱 ■病気 汚染地域 (ゴメリ) >555kBq/㎡ 汚染地域 (モギレフ) 非汚染地域 (ビテブスク) http://cnic.jp/files/che20_20060304imfr.pdf 15Ciは555kBq ゴメリ州 ■非汚染地域(0.03mSv/年)の こどもの体調不良率 (1995-1998) 様々な病気・体調不良 ARYNCHYN他 45.7** 20.7** 21.2** 11.9** 8.2** 4.9** 0.5 0.5 体 調 不 良 倦 怠 感 め ま い 頭 痛 鼻 出 血 疲 れ や す い 不 整 脈 2.2** 1.1** 胃 痛 嘔 吐 食 欲 不 振 ■ゴメリ州の汚染地域(0.8mSv/年)と ■非汚染地域(0.03mSv/年)の こどもの体調不良率の差 (1995-1998) 72.2 51.9 45.7** 37.6 → 20.7** ARYNCHYN他 3 年 後 31.6 27.1 18.8 21.2** 11.9** 12.8 体 調 不 良 倦 怠 感 め ま い 9.8 8.2** 4.9** 2.3 0.5 頭 痛 鼻 出 血 1.5 0.5 疲 れ や す い 様々な病気・体調不良 不 整 脈 9.0 2.2** 1.1** 胃 痛 嘔 吐 食 欲 不 振 どうすればよいか ドイツ放射線防護協会 日本における放射線リスク最小化のための提言(要旨) 2011 年3 月20 日 1. 放射性ヨウ素が現在多く検出されているため、当面汚 染の可能性のあるサラダ菜、葉物野菜、薬草・山菜類 の摂取をしないこと。 2. 乳児、子ども、青少年に対しては、1kgあたり4 Bq以上 のセシウム137 を含む飲食物を与えないこと。成人は、 1kg あたり8Bq 以上のセシウム137 を含む飲食物を摂 取しないこと。 3. 飲食物の管理および測定結果の公開のためには、市 民団体は、独立した放射線測定所を設けること。 どうすればよいか 今、何が必要か(松崎) 年間被ばくを1mSv以下に減らすために、 あらゆる対策を講ずる 特に線量の高いこの2、3年間の避難 汚染のない物を食べる 除染 被害の記録 つながる・まなぶ・きたえる どうすればよいか (参考) 原子力発電は安いか? 独立行政法人日本原子力研究開発 機構が6年前に米国の研究論文を 入手していた http://www.jaea.go.jp/03/senryaku/seminar/06-6.pdf 独立行政法人 日本原子力研究開発機構 どうすればよいか ▼独立行政法人 日本原子力研究開発機構 http://www.jaea.go.jp/03/senryaku/seminar/06-6.pdf ▼独立行政法人 日本原子力研究開発機構 どうすればよいか http://www.jaea.go.jp/03/senryaku/seminar/06-6.pdf どうすればよいか 大量に税金を投入すれば、火力発電とトントン ただし、使用済み核燃料の処理費用は計算外 200km圏20km圏 ご清聴ありがとうございました 政府は 日本国憲法で課された 国民の生命と安全を守る義務を 果たすべきである ご清聴ありがとうございました 石巻市、第3回「プルサーマル市民勉強 会」 2009年12月22日(火)「原子力発 電は危険、プルサーマルはさらに危険」 京都大学原子炉実験所 小出 裕章氏の レジメより → ファイル御希望の方は↓ [email protected]
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