第3章 スタイルシートによる テキストデザイン 3.1 スタイルシートの基本 3.2 文字書式 3.3 行デザイン 3.4 ボックスのデザイン 3.1 スタイルシートの基本 3.1.1 スタイルシートを使うメリット 3.1.2 スタイルシートの記述法 3.1.3 スタイルシートをHTMLに適用 3.1.4 スタイルシートの文字コード 3.1.5 import規則 3.1.1 スタイルシートを使うメリット ① HTMLのサイズを大幅に縮小することができる。 ②Webサイト内の文書でスタイルシートを共有することで一 括管理が可能。スタイルを変更する場合,修正はスタイ ルシートだけでよい。 ③HTMLでは不可能だった多様なデザインが可能になった。 レイアウトデザインにおける配色指定もピクセル単位で 行うことが可能である。 ④印刷用,携帯用,PDA用などのプラットフォーム別にスタ イルシートを分けることで,1枚のHTML文書を共有でき る。 ⑤ 将来的に廃止されることになっている非推奨のHTMLタ グを使わなくて済む。 3.1.2 スタイルシートの記述法 ■セレクタと,複数のプロパティ名・値の組で指定 スタイル記述 h2 {color : blue ; } スタイル終了はセミコロン(;) 値 プロパティと値の間はコロン(:) プロパティ セレクタ スタイルシートの例 @charset “Shift_JIS”; body { /* 文字色と背景色 */ color : blue; background-color : #FF7777; } (「/*」と「 */」に囲まれた部分はコメン ト) 3.1.3 スタイルシートをHTMLに適用 以下の3通りがある ①埋め込み式 ②インライン方式 ③外部リンク方式 (1)埋め込み式 HTML内のhead要素内に styleタグを記述し,その中に記述する方法 (ただし,コメントとして記述する) <head> <META http-eqiuv="Content-Type" content="text/html"> <style type="text/css"> <!-p { font-size : 13px; line-height: 150%; } --> </style> </head> フォントサイズを変えて確認しよう!! <!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.0//EN"> <html lang="ja"> <head> <META http-eqiuv="Content-Type" content="text/html"> <style type="text/css"> <!-p { font-size : 13px; line-height: 150%; } --> </style></head> <body><h2>悪太郎</h2> <p> 乱暴者の悪太郎が,酔って寝込んだときに<br> 伯父に坊主頭にさせられる話の狂言のひとつ。<br> 目が覚めると,僧が念仏を唱えて通りかかり,<br> 悪太郎は改心して,僧の弟子になるという顛末。<br> </p> </body> </html> フォントサイズを変えて確認しよう!! p { font-size : 13px; line-height: 150%; }のとき p { font-size : 20px; line-height: 150%; }のとき (2)インライン方式 ■Body要素内の個別のタグに対してスタイルを適用する方法 <body> <h2 style="font-size: 15px; color:red;">悪太郎</h2> <p> 乱暴者の悪太郎が,酔って寝込んだときに<br> 伯父に坊主頭にさせられる話の狂言のひとつ。<br> 目が覚めると,僧が念仏を唱えて通りかかり,<br> 悪太郎は改心して,僧の弟子になるという顛末。<br> </p> </body> (3)外部リンク方式 ■スタイルシートのファイルを用意し, HTMLファイルからリンクする方法 ■HTMLファイル <head> <META http-eqiuv="Content-Type" content="text/html"> <link href="030104.css" rel="stylesheet" type="text/css"> </head> ■スタイルシートファイル(030104.css) p { font-size : 20px; line-height: 150%; } 3.1.4 スタイルシートの文字コード スタイルシートファイルの1行目に以下のように記述する @charset “UTF-8”; 3.1.5 import規則 ■スタイルシートファイルから 別のスタイルシートを呼び出す方法 【例】 @import url(basic.css); ページレイアウトには,Aというファイル, 本文デザインには,Bというファイル というようにスタイルファイルを分ける場合に使う。 3.2 文字書式 3.2.1 フォントサイズ 3.2.2 フォントの色 3.2.3 フォント名 3.2.4 テキストの画像化 3.2.5 テキストの装飾 3.2.1 フォントサイズ (1)指定方法 値 数値 割合 キーワード 意 味 em,px などの単位を使ってフォントサ イズを指定 基準となる大きさに対して,割合で フォントサイズを指定 キーワードでフォントサイズを指定 (2)絶対単位によるフォントサイズ指定 単位 pt pc in cm mm 意 味 ポイント (1ポイント = 0.3514mm) パイカ (1パイカ = 4.2168mm) インチ (1インチ = 25.4mm ) センチメートル ミリメートル (3)相対単位によるフォントサイズ指定 単位 em ex Px 意 味 エム。ブラウザで設定しているフォン トサイズの高さを1とした相対単位 エックス。ブラウザで設定している フォントサイズの小文字「x」を1とす るサイズ。 ピクセル。ディスプレイの1画素を1 とする。ディスプレイの解像度に対し て相対的に設定される。 (4)割合(%)でフォントサイズ指定 ■デフォルトを100%として相対的に指定する (Internet 75% = 80% ≒ 90% ≒ 100% = 120% ≒ 140% ≒ Exploreの場合) 12px 13px 14px 16px 19px 22px (5)キーワードによるサイズ指定 ■古いブラウザがキーワードに対応していなかったの で,あまり使われない。 【絶対指定のキーワード】 (小さい順) xx_small x_small small medium large x-large xx-large 【相対指定のキーワード】 smaller larger 3.2.2 フォントの色 (1)指定方法 ■Colorプロパティで指定 値は,以下の4通りで指定(前節の例を参照) (前節の例を変更して色々と指定を変えてみよう) 指定方法 ①色の名前で指定 ②カラーコードで指定 ③数値で指定 ③数値で指定 指定例 color : color : color : color : red; #FF0000; rgb(0, 128, 255); rgb(0%, 50%, 100%); (2)代表的なカラーネーム(色名) yellow aqua lime green olive teal blue navy purple fuchsia red maroon white silver gray black (3)ページ全体のテキストを変えるには スタイルシートに次のように指定する。 body { color : #FF0000; } (4)Webセーフカラー OS,ブラウザ,モニタ表示モードによっては,フルカラー (1677万色)で表示できない場合がある。その時は, RGBそれぞれが, 00, 33, 66, 99, CC, FF のいずれかに固定した色(216色)が用いられる。 これをWebセーフカラーという。 (5)フォントサイズ指定と色指定の例 ■Webページを閲覧する人は様々なので,できる限り, ユーザ側でフォントサイズを調整できるようにする ほうが良い(相対指定を使う)。 h1 { font-size : 100%; line-height: 150%; color : red; } h2 { font-size : 90%; line-height: 150%; color : green; } p { font-size : 80%; line-height: 150%; color : blue; } line_heightについては後述 【Sample】030105.html 3.2.3 フォント名 (1)指定方法 ■font-familyプロパティで指定 h1 { font-family : “フォント名”;} CSS h1 { font-family: "Times New Roman"; } HTML <h1>How to change font name</h1> (2)代表的なフォント名 フォント名 OS メイリオ Windows Vista MS Pゴシック Windows ヒラギノ角ゴ Pro W3 Mac OS Osaka Mac OS Arial Windows Nelvetica Mac OS MS P明朝 Windows ヒラギノ明朝 Pro W3 Mac OS Times New Roman Windows Times Mac OS Consolas Windows Vista Courier New Windows Courier Mac OS (クーリエ) 説明 標準ゴシック系アンチエイリアス 標準ゴシック系 標準ゴシック系 標準ゴシック系 標準san-serif英語フォント 標準san-serif英語フォント 標準明朝系 標準明朝系 標準serif英語フォント 標準serif英語フォント 標準等幅英語フォント 標準等幅英語フォント 標準等幅英語フォント (3)フォントのキーワード ■スタイルシートに指定したフォントが 入っていない場合があるので, フォントを複数指定する必要がある。 ■フォントの種類を ブラウザ側で判断するよう キーワードを値にすることができる。 キーワード serif sans-serif cursive fantasy monospace 説明 明朝体,セリフ体のフォント ゴシック体,サンセリフ体のフォント 手書き風のフォント 装飾的なフォント 等幅フォント (4)フォントの指定例 フォント名を変更してみよう!! CSS h1 { font-family: HTML "ヒラギノ明朝 Pro W3", "MS P明朝", serif; } <h1>フォント名の指定方法</h1> 3.2.4 テキストの画像化 製作者側が意図したとおりの表示にするために ■どうしても特定のフォントで表示したい場合 テキストの画像化 ①ユーザ側でフォントサイズを変更できない。 ②見出しは大きくきれいにみせたい。 むやみにフォントの画像化はやめよう!! ①ユーザ側でフォントサイズを変更できない。 ②見出しは大きくきれいにみせたい。 ①文章部分はユーザ側でフォントサイズを変更してもよい。 ②見出し部分に限って画像化を行う 3.2.5 テキストの装飾 (1)文字の太さ(font-weight) 値 数値 normal bold border Lighter 【例】 機能 太さを100,200,…900と100刻みで指定。標準は400。 (不可能なブラウザもある) 標準 太字。数値700と同じ。 相対的に太くする。 相対的に細くする。 p {font-weight: bold;} (2)斜体/非斜体(font-style) 値 italic oblique normal 【例】 機能 指定したテキストに斜体(イタリック)を適用。 通常のテキストを斜体に変形させる。 (日本語の場合,italicと同じ) 非斜体を適用。 p {font-style: italic;} (注) Windows Vistaのメイリオでは, 斜体用フォントが用意されているので 斜体の指定は無視される。 (3)その他の文字装飾(text-decoration) 値 line-through underline overline blink non 機能 取消し線 下線 上線 点滅させる テキストに飾りを付ける。 (注)text-decoration ブラウザのデフォルトでは,テキストリンクのテキストに 青色/紫色かつアンダーラインが引かれるので,注意すること。 明確な違いなしに強調の意味でアンダーラインを引くのは避ける。 (4)文字装飾の例 CSS h1 { font-family: sans-serif; font-weight: bold; font-style: italic; text-decoration: underline; } HTML <h1>フォント名の指定方法</h1> 3.3 行デザイン 3.3.1 行揃えと表示幅 3.3.2 行の高さとインデント 3.3.3 スタイルシートの継承 3.3.1 行揃えと表示幅 (1)行揃え(text-align) 値 left center right justify 機能 左揃え(日本語のブラウザでは標準) 中央揃え 右揃え 均等割り付け。 (スタイルシート Ver3で日本語を均等に割り付ける text-justifyが審議中) (2)行幅(width) 値 auto 数値 割合 機能 ブラウザに依存した値 (横幅いっぱいに広がる。100%と同じ) px などの単位付き数値 %を使った割合(100%でautoと同じ) <!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.0//EN"> <html lang="ja"> <head> <META http-eqiuv="Content-Type" content="text/html"> <link href="030301.css" rel="stylesheet" type="text/css"> </head> <body> <h1>悪太郎</h1><h2>【解説】</h2> <p>乱暴者の悪太郎が,酔って寝込ん だときに<br> 伯父に坊主頭にさせられる話の狂言の ひとつ。<br> 目が覚めると,僧が念仏を唱えて通り かかり,<br> 悪太郎は改心して,僧の弟子になると いう顛末。<br> </p> </body> </html> (3)行揃えと幅の指定例 ■行揃えと幅指定を 変えて確認しよ う!! h1 { font-family: sans-serif; font-weight: bold; font-style: italic; text-decoration: underline; } p { text-align : center; width : 50%; } 3.3.2 行の高さとインデント (1)行の高さ(line-height) 値 normal 倍率 割合 行の高さ 機能 ブラウザとフォントが持っている初期値 。 単位なし倍率。テキストの高さを1とする。 %を使った割合。テキストの高さを100%とする。 フォントサイズ Text Height 行間 Text Height (2)インデント(text-indent) 値 normal 数値 割合 機能 ブラウザの初期値(一般的には0px) 。 単位付き数値。 %を使った割合。 (3)行の高さとインデントの例 p { text-align : left; line-height: 2; text-indent: 1em; } <p> 乱暴者の悪太郎が,酔って寝込んだときに<br> 伯父に坊主頭にさせられる話の狂言のひとつ。<br> 目が覚めると,僧が念仏を唱えて通りかかり,<br> 悪太郎は改心して,僧の弟子になるという顛末。<br> </p> 1文字空いている 2行分の高さ (4)インデントすべきか,せざるべきか? 【別の見方】 Webデザインでは,段落で区切るので, インデントしない方が良いと主張する人もいる。 インデントした方が普通の文章風で分かりやすいと いう人もいる。 あなたは,どちらですか? 3.3.3 スタイルシートの継承 (1)スタイルシートの階層 ある要素が,別の要素を含み,さらに別の要素を含むという関係 html要素 head要素 title要素 body要素 h1要素 ul要素 p要素 li要素 em要素 (2)プロパティ値は親から子・孫に継承する ある要素が,別の要素を含み,さらに別の要素を含むという関係 <body> <div> 継承関係 親要素 注目している要素 <p> 子要素 <em> 孫要素 (3)継承の例 <body>要素の指定が<h1>, <h2>に継承し, <p>要素は定義したプロパティ値が反映されている。 <body> <h1>悪太郎</h1><h2>【解説】</h2> <p> 乱暴者の悪太郎が,酔って寝込んだときに<br> 伯父に坊主頭にさせられる話の狂言のひとつ。<br> 目が覚めると,僧が念仏を唱えて通りかかり,<br> 悪太郎は改心して,僧の弟子になるという顛末。<br> </p> </body> body{ color : blue; } p { line-height: 1.5; color : green; } (4)継承されないプロパティ Border(後述) margin(後述) padding(後述) text-decoration width 3.4 ボックスのデザイン 3.4.1 ボックス構造 3.4.2 背景色 3.4.3 パディング幅 3.4.4 枠線の表示 3.4.5 マージン間隔 3.4.1 ボックス構造 (1)ボックスの概念 以下の4領域からなっている マージン(margin) ボーダ(border) パディング(padding) コンテンツを表示する領域 (2)ボックスとwidthの関係 全体の横幅=550ピクセル width=420ピクセル マージン=40ピクセル パディング=20ピクセル コンテンツを表示する領域 枠線=ボーダ=5ピクセル ■Background-color body { color : red; background-color : #FFFF77; } h2 { color : blue; background-color : #DCDCDC; } p { line-height: 1.5; color : black; background-color : white; } 3.4.2 背景色 <body> <h1>悪太郎</h1> <h2>【解説】</h2> <p> 乱暴者の悪太郎が,酔って寝込んだときに<br> 伯父に坊主頭にさせられる話の狂言のひとつ。<br> 目が覚めると,僧が念仏を唱えて通りかかり,<br> 悪太郎は改心して,僧の弟子になるという顛末。<br> </p> </body> </html> 3.4.3 パディング幅 ■Padding body{ color : red; background-color : #FFFF77; } h2{ color : blue; background-color : #DCDCDC; } p{ line-height: 1.5; color : black; background-color : white; padding : 60px 20px 30px 40px; } (1)時計回りに指定(上,右,下,左) HTMLは3.4.2と同じ 60px 30px 40px 20px (2)4個以下の指定 ■3個のとき 上,左右,下の指定とみなされる ■2個のとき 上下,左右の指定とみなされる ■1個のとき 上下左右すべて同じサイズとみなされる (3)個別に余白を指定 プロパティ padding-top padding-right padding-bottom padding-left 説明 上側パディング 右側パディング 下側パディング 左側パディング 【例】 p { padding-top: 60px; padding-left: 20px; } 3.4.4 枠線の表示 (1)ボーダスタイル(border-style) 値 non solid double groove ridge inset outset dashed dotted 説明 表示しない 1本線で表示 2本線で表示 へこんで見えるように表示 出っ張って見えるように表示 枠の内側がへこんで見えるように表示 枠の内側が出っ張って見えるように表示 破線で表示 点線で表示 (2)Internet Exploreで確認してみる ■対応していない値がある。 <body> <h1>solid</h1> <h2>double</h2> <h3>groove</h2> <h4>ridge</h2> <h5>inset</h2> <h6>outset</h2> <p><strong>dashed</strong></p> </body> body{ border-style : h1{ font-size : 20px; h2{ font-size : 20px; h3{ font-size : 20px; h4{ font-size : 20px; h5{ font-size : 20px; h6{ font-size : 20px; p { font-size : 20px; Groove,ridge, inset,outset の対応が なされていない dotted;} border-style border-style border-style border-style border-style border-style border-style : : : : : : : solid ;} double;} groove;} ridge ;} inset ;} outset;} dashed;} ■margin 3.4.3 マージン間隔 (1)時計回りに指定(上,右,下,左) body{ background-color:yellow;} h2{ background-color: #CDCDCD;} p{ background-color:white; margin: 30px 40px 50px 60px } <body> <h2>動揺詩人 金子みすず</h2> <p> 1903年(明治36年)山口県長門市仙崎 (当時大島郡先崎村)生まれ</p> <p>大正末期から昭和初期にかけ, 雑誌「童話」,「赤い鳥」,「金の星」に投稿して, 「若き動揺詩人の中の巨星」と賞賛されたが, 26歳の若さでこの世を去った。</p> <p>彼女の詩は,自然な物に対して優しく, 思いやり深さがあり, 多くの人々に大きな感動を与えています。 現在,教科書や副読本にも掲載され, 幅広い年代の人たちに愛されている。</p> </body> 指定結果 (Internet Explorer 表示例) p{ background-color:white; margin: 30px 40px 50px 60px } 30px 50px 60px 40px (2)4個以下の指定 ■3個のとき 上,左右,下の指定とみなされる ■2個のとき 上下,左右の指定とみなされる ■1個のとき 上下左右すべて同じサイズとみなされる (3)個別に余白を指定 プロパティ margin-top margin-right margin-bottom margin-left 説明 上側マージン 右側マージン 下側マージン 左側マージン 【例】 p { margin-top: 60px; margin-left: 20px; }
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