住宅用エレベータで 使用可能な搬送用ストレッチャー

住宅用エレベータで使用可能な
搬送用ストレッチャーの開発
金沢医科大学
衛生学
中田 実
医工連携セミナー: 基礎研究棟2階会議室
2011年9月2日(金):16:30 – 17:50
Background 1/
%
High prevalences of musculoskeletal complaints among
ambulance personnel in Sweden and Japan during the last 12
months (2002)
(IEA2006 conference, Holland:Nakata et al)
100
Swedish males
90
Swedish females
80
Japanese males
70
60
50
40
30
20
10
0
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 High complaint rates were found in the ”Lower back”, ”Neck” and ”Shoulders” in
both countries.
1.石川県で勤務する救急隊員128名の健康調査(2011年)
「腰痛がある者」: 80 %
2.大阪府内の介護労働者(258名) : 最近「腰痛がある者」
82%
Background 2/
Background 3/
2種類のストレッチャーの比較テスト (2002)
(NES 2002-conference, Sweden: M.Nakata et al)
Swedish system:
requires additional lifting,
ie, ”Head-end lift”
and ”Foot-end lift”
Japanese system:
requires only pushing/pulling
Background 4/
2種類のストレッチャーの構造
Swedish system (Allfa®)
Ambulance
Transportation position
Lowest position
Japanese system (Ferno 50-J®)
Ambulance
Transportation position
Lowest position
Background 5/
2種類のストレッチャーの比較テストの結果
Torque acting in the L5-S1 joint while loading a stretcher* into an ambulance
(NES 2002-conference, Sweden: M.Nakata et al)
Swedish subject: 179cm
Japanese subject: 182cm
350
torque (Nm)
300
250
Swedish system (F)
200
Swedish system (H)
150
Japanese system
100
(F): Foot-end lift
50
(H): Head-end lift
0
0,5
1
1,5
time (s)
2
Background 6/
石川県で勤務する救急隊員128名の健康調査(2011年)
Background 7/
石川県で勤務する救急隊員128名の健康調査(2011年)
椅子型ストレッチャー
直接持ち上げる/背負う
その他
スクープストレッチャー
布担架
製品開発の提案
Proposition 1/
高層集合住宅用エレベータの奥行平均 142cm
197cm
1.従来型ストレッチャー :
(全長 197cm):
高層集合住宅用エレベータの約10%でのみ使用可能
142cm
2.開発するストレッチャー:
(全長 125cm):
高層集合住宅用エレベータの約80%で使用可能
125 cm
3.ストレッチャーが使用できない場合:
代替搬送法の一例
Proposition 2/
布担架
Proposition 3/
布担架を用いた患者の搬送 (3名の作業者が必要)
Proposition 4/
新開発ストレッチャーを用いた患者のエレベータ搬送
(1名の作業者で可能)
既存品との違い(新規性)
既存品
Proposition 5/
開発する製品
(運ばれる人)
・
苦痛な直立座位
・
安楽な座位
(運ぶ人)
・ 2本足(車輪2個)で不安定
・ 4本足(車輪4個)で安定
・ 移動速度が遅い
・ 移動速度が速い
・ 運ぶには大きな力が必要
・ 運ぶには小さな力ですむ
(運ぶ人・運ばれる人)
・ 運ぶ人・運ばれる人の疲労大
・ 運ぶ人・運ばれる人の疲労小
Proposition 6/
利用対象者(ニーズ)の増加 (1/2)
総務省:平成20年住宅・土地統計調査
全国の6階以上の共同住宅∗ (平成20年) : 6,742棟 (総戸数 1,400 万戸)
Proposition 7/
利用対象者(ニーズ)の増加(2/2)
・
高層共同住宅の増加
全国の6階以上の共同住宅∗ : 6,742棟 (2008年)
・
高齢化社会の進行
日本人の65歳以上の人口: 22.1% (2008年)
全国の老人福祉施設∗ : 5,251施設 (2007年)
全国の介護療養型医療施設∗ : 2,608施設 (2007年)
・
障害者の自立
・
既存のストレッチャー ( 医療用、救急車約6,000台∗ を含む)
既存のストレッチャーは集合住宅用エレベータの約10%でしか使えない
・ 開発する製品: ∗ の施設に最低1台配置するなら総計 約2万台の需要 がある
Project plan 1/
今後の開発の進め方(アライアンス)案
研究の計画・実施
中田1)2)
身体的負荷(疲労度)からみた評価
物理的負荷の大きさからみた評価
金沢医科大学1)2)
金沢医科大学1)2) ・金沢工大?
測定結果を反映しながら
試作ストレッチャーを改良
新型ストレッチャーの総合的評価
金沢医科大学1)2) ・金沢工大?
研究参加機関
1) 金沢医科大学 衛生学 :
2) 金沢医科大学 リハビリテーション医学:
3) 金沢工業大学 ?:
実用化計画(案)
平成23年度:
Project plan 2/
新型短寸ストレッチャーの試作 ・ 実験室内での評価
・ 試作モデル; 実験室での第一次評価実験
第一次評価実験の解析と吟味
・ 改造モデル; 実験室での第二次評価実験
第二次評価実験の解析と吟味
平成24年度: 再改造ストレッチャーの試作と各種施設現場での実用評価
・ 再改造モデル; 各種施設現場での評価実験
実用評価実験の解析と吟味、実用型モデルの画定
・ 実用モデル; 各種施設における実用評価
普及モデルの確定
量産化計画の策定
将来的には、救急車(約6,000台)に搭載可能な専用モデルの開発も望まれる