屋上緑化と熱環境

屋上緑化と熱環境
緑化の効果
1.ヒートアイランド現象の緩和
2.冷暖房負荷の軽減
3.建物の長寿命化(紫外線)
4.騒音の低減
5.雨水の保水効果(雨水流出)
6.心理的効果(癒しの効果)
7.自然環境、生態系の保全と回復
8.大気浄化
デメリット
1.屋上の使用が制約される
2.安全性の確保
3.水管理等の維持管理
4.重量制限
5.コスト高
6.害虫駆除
緑化に関する政策
*国土交通省
緑化施設整備計画認定制度など
*東京都
「緑の東京計画」
一定規模以上の新規建築物の屋上面積の20%
の緑化義務
*渋谷区
「渋谷区みどりの確保に関する条例」
敷地面積300㎡の土地に建築物を新設、増改築
建築面積の20%を緑化義務
屋上緑化効果の検討
1.温度低減効果
東京23区の建物の屋上を20%緑化すると気温は
何度下がるか
2.冷房への負荷低減での省エネ効果は?
コンクリートスラブの熱貫流量500W/㎡
屋上緑化すると
最大54%低減される
(断熱材を加えると最大96%低減)
気温低下効果の見積もり
計算の仮定
*23区の建築面積の20%を緑化
区部面積 626K㎡
宅地面積57%、平均建蔽率47%
626x0.57x0.47=167K㎡
*蒸発潜熱のみでの気温低下
*水の気化熱:583cal/g (気温30℃)
*一日平均の蒸散量を樹木を参考にして4mm/日
*冷却される空気は、上空20mまでを平均風速
3m/sで運ばれる総量
冷却される空気の体積
24x3600sx25kmx20mx3m/s=1296x108
建築面積
宅地化率57%
建蔽率 47%
区部面積626k㎡
宅地面積=626 x 0.57 x 0.47=167k㎡
空気の比熱;0.24cal/g℃、密度1.29x10-3g/cm3
気温低減効果
簡単な試算
気化熱x蒸発散量x建築面積
=7.8 x 1010kcal/日
この熱量で気温が低下する
7.8 x 1010kcal=空気の比熱x冷却される空気の体積
x密度x低下温度
低下温度=2℃
屋上緑化によって約2℃の低減効果が期待できる
緑化による省エネルギー
*緑化をすると、貫流熱量はコンクリート屋根に比べ
て54%軽減される
*省エネによる便益は年8千円~5万円
*緑化費用を省エネで回収するのに約80年かかる
*断熱材を付加すると96%軽減
回収するのに14年
家屋での省エネ効果
*土地面積100㎡ 建蔽率60%
100x0.6=60
*2階部分の30 ㎡は冷房を使用しなくてすむと考え
る
*エアコンの消費電力は 200w/ ㎡とする
*電気代12円/1kWh
* 200w/ ㎡ x 30 ㎡ x 12円/1kWh=72円/h
*一日5時間とすると360円
*1ヶ月20日使用すると7200円/月