世界に誇るデザイナーを再び日本から ―booth style select shop― 平成18年12月16日 塚田ゼミナール Bチーム 深澤・大石・白澤・上田 1 はじめに セレクトショップとは… ショップのオーナー(バイヤー)が自分のセンスで 選んだブランドのアイテムを扱う店舗 販売員 顧客 デザイナー 顧客 本来のデザイナーの意図は伝わらず、 いくらそのブランドを購入していても、本当のファンとはいえない!! 『booth style select shop』 ファッションチーム デザイナー・オーナー バイヤー・販売員 顧客 2 目次 はじめに 第1章 セレクトショップについて 第1節 セレクトショップとは 第2節 70年代と現在におけるファッション界の比較 第2章 「 booth style select shop 」のビジネス展開 第1節 事業目的 第2節 鉄道会社の現状と対策 第3節 「 booth style select shop 」の事業内容 1、若手ファッションデザイナーの発掘 2、ブース 3、シーズンごとのコンセプト設定 4、コラボレート 5、顧客管理 第4節 事業を行う際に発生する鉄道会社側の問題点 第3章 競合との差別化戦略 第1節 数量調節 第2節 「ブランド(デザイナー)」をセレクト 第3節 シーズンごとのコンセプト設定 第4節 デザイナーによる接客 第5節 70年代のリバイバル 第4章 将来展望として おわりに 3 セレクトショップとは 服飾小売店の形態の一種 独自のセンスで、国内外 のブランドのアイテムを買 い付け、ライフスタイルの 提案、アイテムの販売を 行う。 オーナー(バイヤー) ショップのセンスに 共感すれば、効率の 良い買い物ができる。 顧客 最近は、オリジナルアイテムと買い付け品をリミックスするケースが多い。 4 現代のセレクトショップ 現在の大手セレクトショップ3社 (BEAMS、SHIPS、UNITED ARROWS) 既に注目されたデザイナーのアイテム 以前売れた型のリメイク 個性のない自社ブランドアイテム 流行に沿ったアイテム ↓ デザイナーの存在感、描いている世界観が伝わらない いまの日本には、70年代、 80年代のようにデザイ ナーが自由に表現でき、 作品を認めてくれる環境 がない!! 日本から世界に注目されるクリエイターが 創出されなくなる可能性がある!! 5 セレクトショップの問題点 売り上げにこだわりすぎている!! 売れるアイテムしか買い付けない。 流行に左右されやすくなる。 ↓ どこも似通い、個性の感じられない ショップになってしまう!! 強いロイヤリティをもつ顧客(固定したファン)の存在がない!! 企業として成長せず、自社ブランドアイテムを取り扱 わなければならなくなったり、新たな業態への参入も 考えられる。 6 顧客の問題点 自己主張をせず、個性がない ネームバリューに頼り、 御三家と呼ばれる3社に行く 大手3社のショップとしての価値が低下 7 ショップ側も顧客側も、 70、80年代のように 流行に左右されずに個性を発揮することが重要!! デザイナーのオリジナリティを生かし、デザイナーが自由に ものをつくり、表現できる環境をつくる!! ↓ 作品を認めてくれる環境を日本でつくりあげ、 世界に注目されるクリエイターを創出する!! 【booth style select shop】 の提案 8 『 booth style select shop 』の ビジネス展開 9 事業目的 【booth style select shop】 発掘 若手ファッションデザイ ナーを、発掘し、多くの人 の目に出発点・原点の迫 力を印象づける。 デザイナーに飛躍のチャ ンスを与える。 若手ファッションデザイナー ファン獲得 売り上げを意識せず、描い ているものを自由に表現で きる。 デザイナーに共感した「本 物の」ファンを獲得。 10 『 booth style select shop 』とは… • ファッションチームと顧客をつなぐ場 • 70年代のファッション界を、 いまの日本に具 体化させる場 • デザイナーが描いているものを、自由に表現 できる場 • 若手のデザイナーに飛躍のチャンスを与え、 日本から世界に誇るデザイナーを創出する 場 11 事業内容 ①シーズンご とのコンセ プト設定 ②若手ファッ ションデザ イナーの 発掘 ③ギャラリーとして、 デザイナーに ブースを提供 ④全国にコラボ レーションの輪を 広げる 12 【ブース型列車】 デザイナーを多くの人の目に触れさせたい。 デザイナーにチャンスを与えたい。 列車の1車両をショップとし、全国各地を走り回る。 ブースとして、セレクトしたデザイナーの人数に合わせ車内を区切る。 ギャラリーとしてデザイナーにブースを提供し、ひとり一つ空間を与える。 デザイナー自身が描いているものを自由に表現でき、 強いロイヤリティを持つ顧客の獲得につながる 全国に大きなインパクトを与えることができる 今まで考えられなかった、オリジナリティを発揮できる 13 地方鉄道の現状 事業社数→94社(全鉄道会社170社の55.3%) 1日の輸送人員→120万人 輸送人キロ→34億人キロ 営業収入→1022億円 →非常に小さいものとなっている。(数値:平成12年度) *会社ごとに営業収入や輸送密度に大きなばらつきがある。 *ここ10年一貫して減少を続けている。 要因 沿線人口の減少と少子・高齢 化の進展、デフレ経済、国と地 方両方の財政赤字等 地方鉄道の多くは、観光資源に恵まれたところが多く、 車社会になったとはいえ、その存在意義は大きいといえる。 14 アンケートに対する地方鉄道の声 9月3日に鉄道会社75社にアンケートを実施。 38社から回答の返信をいただいた。 • 全国的に地方鉄道は、年々輸送 人員が減少しており、当社別所 線も厳しい状況にある。(上田電 鉄:原様) • 電車を単なる移動手段としてで はなく,付加価値を持たせること ができないか模索している。(函 館市交通局:廣瀬様) • いかに利用者数を増やしていく かが当面の課題である。(井原鉄 道) • 路面電車利用ということで、メ ディア等で取り上げられれば弊 社にもメリットがあるので前向き に考えたい。(豊橋鉄道:戸田様) • 直接お電話等でお話がいたした いと思います。(いすみ鉄道:苅 米様) • 興味深く見せていただきました。 もっと詳しく知りたいので、他の 資料を送っていただきたいと思い ます。(山形鉄道:朝倉様) 15 地方鉄道の行う対策としての事業 【(株)上田電鉄】 • ミュージシャンを招き、車内でボサノバの演奏 • クリスマスには、サンタクロースが車内でプレゼントを配布 • 車内でのお見合いイベントも検討中 【(株)土佐電気鉄道】 • 「土佐のおいしいものコンクール」というタイトルで、ラッピング電車(全面 広告電車)を制作 【(株)会津鉄道】 • 「お座トロ展望列車」というタイトルでのイベントは、会津の素晴らしい景 色を眺めながら、旅を満喫できるプランになっている。 【(株)江ノ島電鉄】 • 2006年4月1日より「情報発信トレインスキップ号」という車両を運行 • 9月1~25日に行われた「EN send 10(エンセンテン)」では、沿線や周 辺で暮らす美術系のアーティスト10人の作品で埋め尽くされた。 16 コラボレーション 地方鉄道 (沿線地域) ブースショップ デザイナー 連携をとり、コラボレートを仕掛けていく!! デザイナー同士 ブースショップとデザイナー ブースショップ・デザイナーと鉄道会社(地域) 若手デザイナーとブースショップから創出されたデザイナー その地域に最新のファッションを走らせる 地方鉄道(沿線地域)とブースショップとの関連性や統一感をもたせる 地方鉄道のPR・イメージアップ・地域活性化 17 競合との差別化戦略 • いま、日本に数えられないほど多く存在して いるセレクトショップの問題点を克服すると同 時に、消費者のニーズに対応できるよう、従 来のセレクトショップにはない新しいスタイル のセレクトショップを提案する。 18 生産数 【問題点】 • 世の中に同じ服が多く出回る。 1点モノ商品 多品種少量生産 真の消費者は他と同じ服を着たがらない。 19 『ブランド(デザイナー) 』をセレクト 店頭に置かれるのは、ブランドの1部 = インパクトが薄れる 『アイテム』ではなく、 『ブランド(デザイナー)』をセレクト 20 シーズンごとのコンセプト設定 【問題点】 • セレクトされたブランドに統一感がない。 シーズンごとにコンセプトを設定し、 • コンセプトがわかりにくい。 そのコンセプトにあったデザイナーを 集めることで、全体的にも統一感が 感じられるようになる。 21 デザイナーによる接客 【問題点】 • デザイナーのこだわ り抜いたコンセプトで 統一されていたとし ても、販売員のデザ イナーに関する知識 が薄いため、顧客に 伝わらない。 デザイナー自身が列車 に乗り込み、接客を行う ことで、デザイナーの描 いているものが直接顧 客に伝わる。 22 70、80年代のリバイバル 【問題点】 • 流行に左右され、売れるものしか、店頭に並 べられない。 • デザイナーの存在感がない。 23 70、80年代のファッション界 50年代に登場した若者たちが、活発に自己主張・行動を始めたのが 60年代であり、その遺産を継承しつつ発展させ、80年代を準備した 過度期である。 DCブランド 当時の大手メーカーの既製服業界に反発した革命児 単品大量生産のありきたりな既製服 ↓ 多品種少量生産の常に新しい個性的な服作り デザイナーのオリジナリ ティを生かし、シーズン ごとに新しく提案する トータルファッションとし てのトレンドスタイルが 最大の魅力!! 三宅一生、山本耀司、川久保玲、高田賢三など 世界で注目されるデザイナーが誕生した 24 将来展望として • 70年代のフロムファースト通り(表参道)のように、 「booth style select shop」からスタートしたデザ イナーが自力でショップを経営できるようになったら、 ブース型列車を新作発表などのイベントに用いる。 • セレクトしたデザイナーが世界で認められるための 原点となれるようなショップを目指し、消費者だけで なくデザイナーにとっての憧れのショップとなる。 • ニューヨーク、パリなど世界の主要都市に、日本人 デザイナーを乗せ、「booth style select shop」と して列車を走らせる。 25 参考資料 • • • • • • • • • • • • • • • • • • • 「DESIGN-FESTA」 http://www.designfesta.com/index.html 「 Open-Clothes 」 http://www.open-clothes.com/index.jsp 三田村蕗子『一目でわかるファッション業界』 アクロス編集室『ストリートファッション 若者スタイルの50年史』(株)PARCO 「BEAMS」 http://www.beams.co.jp/ 「SHIPS」 http://m.shipsltd.co.jp/ 「UNITED ARROWS」 http://www.united-arrows.co.jp/ 「井原鉄道株式会社」 http://www.harenet.ne.jp/ibarasen/ 「上田電鉄株式会社」 http://www.ukg.co.jp/tetudotop.htm 「函館市交通局」 http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/transport/ 「江ノ島電鉄株式会社」 http://www.enoden.co.jp/ 「江ノ電沿線の魅力 再認識」『読売新聞』 「走る絵画展 出発進行」『神奈川新聞』 「EN send 10(エンセンテン)」『江ノ電沿線新聞』 「江ノ電がギャラリーに「沿線展」で10人の作品を紹介」『リビング湘南』 「江ノ電「スキップ号」で湘南アーティストの展覧会」『小田急沿線新聞』 「色彩豊か湘南を表現」『神奈川新聞』 「江ノ電が展覧会場に」『湘南毎日新聞』 「土佐電気鉄道株式会社」 http://www.tosaden.co.jp/ 26
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