フランスと欧州統合 ー「拘束」か「機会」か?ー

DESK主催「ローマ条約から50年」
フランスと欧州統合-
「機会」あるいは「拘束」?
吉田 徹 [email protected]
北海道大学公共政策大学院(HOPS)
1. 「機会(opportunity/opportunité )」
「フランスのヨーロッパ」?
-50年代:「ユーラフリック構想」と独仏
機軸の形成
-70年代:「相対的安定の島」としての
欧州経済圏
-80年代:グローバル化への対抗戦略
-90年代:統一ドイツに対する出口戦略
-00年代:?
2. 「拘束(constrain/contrainte)」
► 経済から政治へ
-50年代:植民地貿易との断絶
-70年代:スネーク/EMSと金融引締め
-80年代:社会主義の放棄と「競争的ディスイ
ンフレ」政策の継続
-90年代:「主権喪失」の政治的影響
-00年代:「没落主義」と憲法条約否決
3.「拘束」と「機会」のサイクル
► 「躁鬱」としての欧州統合(R.Frank,2003)
-影響力希求と主権喪失の危惧のサイクル:
EDC否決(54年)⇒「フーシェ・プラン」(62年)⇒
スネーク離脱(74年)⇒EMS創設(79年)⇒
「一国社会主義」(81年)⇒SEA(86年) ⇒ ……
-ブレーキとアクセルの相互反復は何故か?
4.Europe à la Française?
アイディア
- 「偉大さ(grandeur)」と「文明」
► インタレスト
- 統合プロセスを政治的に主導
►
「ドゴールを含めてナポレオン3世からミッテランまで、フランス外交の目的は過去
にあった手段を欠いたままにいかに過去の偉大さを復活させるかにあった」
( Pierre Hassner )
≒欧州統合とフランスの関係性は半世紀に渡って不変