スライド 1

プレヒーティング起源の重力波
-宇宙初期に起源を持つ背景重力波の話-
東京大学宇宙線研究所
須山輝明
プレヒーティング
時間
現在
宇宙背景放射
再加熱
プレヒーティング
インフレーション
O(1) の密度揺らぎ
O(1) の密度揺らぎの生成を
伴う粒子生成
重力波
プレヒーティングのToy model
:インフラトン
:スカラー場
インフレーションを起こす
真空のエネルギー
粒子生成を起こす
相互作用項
インフレーションが終了すると、
振動を始める
振動
背景場が振動する
は
振動する背景場の中での揺らぎの発展
(Traschen&Brandenberger
1990, Kofman et al. 1994)
:波数
方程式に現れる二つのパラメータ
:波数
:結合定数
上の方程式は、ある(k, g) の組み合わせに対しては、不安定解を持つ。
(パラメトリック共鳴)
プレヒーティングの性質
•非常に短波長のモードは、励起されない。
•モードの励起によって、密度揺らぎが誘起される。
•非線型効果が効き始めると揺らぎの成長は止まる。
数値シミュレーションによるプレヒーティング
中の密度揺らぎの進化
数値計算の結果分かったこと
(TS et al. 2005)
•最終的な密度揺らぎ(density contrast)の大きさは、O(1)
•ピークの波数
はだいたい
•エネルギーは等分配される。
密度揺らぎのパワースペクトル
運動エネルギー
≒勾配エネルギー
≒ポテンシャルエネルギー
波数
背景重力波への寄与
生成機構
質量の塊が、加速運動することで重力波が放射される
重力波の振幅とエネルギー密度(オーダー評価)
は、
の空間スケールで揺らいでいる。
の領域が積分に寄与
(エネルギー等分配)
等を用いると
重力波のエネルギー密度
この式から分かること
必ずしも低エネルギーで小さく抑えられているとは限らない
インフレーション起源の重力波
1)Chaotic inflationの場合
インフレーションを起こす
真空のエネルギー
重力波の振動数
(Easther&Lim, 2006)
2)Hybrid inflationの場合
(Linde, 1994)
対称性の破れのスケールで
は決まる
重力波の振動数
エネルギー密度と振動数を分離できる。
(Garcia-Bellido&Figueroa, 2007)