禁煙方法のご紹介 2012年5月 出光興産健康保険組合 1.喫煙習慣のメカニズム 喫煙習慣=ニコチン依存症 喫煙によりニコチンが血中から脳内に取り込まれると、中脳にあるシナプス前末端の ニコチン受容体に結合して、ドパミン等の神経伝達物質を過剰放出します。 この過剰放出された神経伝達物質により中脳と大脳辺縁系が活性化され、多幸感・ 快感・緊張緩和等を感じるようになります。 ⇒習慣化すると脳がもっともっとニコチンの快感を求めるようになります。 ⇒ニコチン依存症へ 2-1.禁煙失敗の典型的なメカニズム① 禁煙を思いつく理由(代表例) 1.自分自身の健康のため(病気になる前に…) 2.経済的な理由(マイルドセブン:250円/98年→300円/06年→410円/10年) 3.第三者の健康のため(特に我が子の受動喫煙防止) 4.喫煙環境の悪化(職場の全館禁煙、新幹線全車禁煙、歩行喫煙禁止地区拡大…) 5.第三者に禁煙を勧められた(特に奥さんから…) いざ禁煙スタート! しかし… (今度こそ)禁煙しなければ… →プレッシャー、 取り除かれる幸福感 【マイナス感】 ストレス発生! 喫煙への欲求 →ニコチンが支配 満たされる幸福感 【プラス感】 やがて「逃避行動=言い訳さがし」がスタートする (禁煙活動の終わりの始まり) 2-2.禁煙失敗の典型的なメカニズム② 禁煙を思いついた理由の裏返し 1.自分自身の健康のため ⇔ 実際はピンピンしているじゃないか 2.経済的な理由 ⇔ そうは言ってもワンコイン以下で買える、節約は別のところで… 3.第三者の健康のため ⇔ ベランダや換気扇の下で吸えば分煙できているだろう 4.喫煙環境の悪化 ⇔ 多少面倒だが、吸える場所が無くなったわけではない 5.第三者に禁煙を勧められた ⇔ たばこを吸わない奴に俺の気持ちが分かるか! ※中には更にエスカレートする人も ・たばこ税で国の財政に貢献しているんだから、むしろ感謝されるべき。 ・排気ガスや工場からの煤煙に比べれば、たばこの煙なんてかわいいもんだ。 そして最後に辿り着く結論は… 人間どうせいつか死ぬんだから、やりたいことをやろう 2-3.禁煙失敗の典型的なメカニズム③ 【何がいけなかったのか】 1.自分自身の健康のため ⇔ 実際はまだピンピンしているじゃないか 2.経済的な理由 ⇔ そうは言ってもワンコイン以下で買える、節約は別のところで… 3.第三者の健康のため ⇔ ベランダや換気扇の下で吸えば分煙できているだろう 4.喫煙環境の悪化 ⇔ 多少面倒だが、吸える場所が無くなったわけではない 5.第三者に禁煙を勧められた ⇔ たばこを吸わない奴に俺の気持ちが分かるか! ・最初は禁煙の動機だったはずが、いつの間にか 喫煙の理由付けに ・マイナスの動機付け (健康被害・お金が減る・肩身が狭い…) ・一方喫煙の欲求は、主にニコチン依存によるもの (個人の意思とは別のもの) ・ニコチン依存に対して、幸福を取り除くマイナスの動機付け による意思が勝つのは難しい (気合や根性の問題ではない) 3.禁煙を成功させる動機付け ポジティブな動機付けをする 具体的には… 禁煙をしたらこんな良いことがあると考える 1.たばこが原因で病気になるんじゃないかとビクビクしなくてよい 2.もう家族に煙たがられたり、寒いベランダに追いやられずに済む 3.新幹線や飛行機に乗るときのたばこが吸えない苦しみを味あわなくてよい それとプラスして… 禁煙で浮いたお金を全額貯金する(禁煙貯金) ⇒半年~1年タームのたばこ代を計算して、その金額で 買える欲しい物をあらかじめ決めておく ⇒ニコチン摂取の幸福感を、物欲の幸福感に転じて、 マイナスストレスを打ち消す! ちなみに… ※禁煙貯金箱 【閑話休題】禁煙貯金の効果① 現在410円/箱。1日に1箱吸うとしたら、 1ヶ月で約12,500円、1年(365日)で149,650円(約15万円) ところで… 15万円で買える物 【閑話休題】禁煙貯金の効果② 【もう少し長い期間でみると】 3年 45万円 思い切り趣味を楽しむ 5年 75万円 家族で海外旅行へ 10年 150万円 自宅のリフォーム 15年 200万円 夫婦で豪華客船の旅へ 20年 300万円 車を買い替える 4-1.禁煙方法① 1.禁煙外来 【メリット】 ・健康保険が使える。(但し下記条件を全て満たすことが必要) ①患者自ら禁煙を望み、治療に関する承諾書に記述すること ②「喫煙本数/日×喫煙年数 > 200」であること ③ニコチン依存症診断用テストで、5点以上と診断された者 ・第三者(医師)による適切な指導、アドバイスを受けられる。 ・治療開始3ヵ月(一般的な治療期間)後の禁煙成功率が94%と高い。 ・保険適用医療機関が全国に約14千ケ所ある。 (総合病院の他に、内科・耳鼻咽喉科を中心に町医者でも受診できる) 【デメリット】 ・保険適用でも12千円~20千円程度の自己負担費用が発生する。 ・途中で喫煙が発覚すると、そこからは自費診療となる。 (二週間に一度の診察で呼気一酸化炭素濃度測定により判断される) ・服薬治療になるので、薬の副作用を伴う可能性がある。 ・治療期間終了後1年の禁煙持続率が約5割程度に留まっている。 (禁煙は成功しても、完全卒煙まで至る確率は五分五分) 【参考】ニコチン依存症診断用テスト 問 1. 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くたばこを吸ってしまうことがありましたか。 問 2. 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。 問 3. 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、たばこが欲しくて欲しくてたまらなくなることが ありましたか。 問 4. 禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか。(イライラ、神経質、落ちつかな い、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体 重増加) 問 5. 問4でうかがった症状を消すために、またたばこを吸い始めることがありましたか。 問 6. 重い病気にかかったときに、たばこはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。 問 7. たばこのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。 問 8. たばこのために自分に精神的問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。 問 9. 自分はたばこに依存していると感じることがありましたか。 問 10. たばこが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか。 ※5点以上(上記問に5つ以上当てはまる)なら禁煙外来の健康保険診療の対象条件となります。 4-2.禁煙方法② 2.禁煙ツールの活用 【メリット】 ・選択肢が多い。(ニコチンガム、ニコチンパッチ、電子たばこなど) ・(禁煙外来と比較して)経済的負担が軽い。 ・( 〃 )時間的制約がない。 【デメリット】 ・孤独との闘いを強いられる。 (第三者が関わらないため、早い段階から挫折しがちになる) 〈ニコチンパッチ〉 〈ニコチンガム〉 〈電子たばこ〉 6.禁煙成功のポイント(まとめ) 1.何のために禁煙するのか、動機を明確にする。 2.その動機をプラス思考で理由付けする。 3.禁煙貯金を実施する。 4.なぜ禁煙に失敗するのかを考える。 5.自分に合った禁煙方法を考える。 6.禁煙の目標終了期日を定める。 7.禁煙終了後も永続的に卒煙できるかどうかを考える。 7.禁煙おすすめサイト 「禁煙を思いついたら読むサイト」 http://rakurakukinyen.web.fc2.com/index.html 「すぐ禁煙.jp」(ファイザー製薬) http://sugu-kinen.jp/ 「禁煙サポートサイト いい禁煙」 http://www.e-kinen.jp/ 「全国禁煙外来・禁煙クリニック一覧(保険使用可)」 http://www.nosmoke55.jp/nicotine/clinic.html 「禁煙のニコレット」(ジョンソン&ジョンソン社) http://www.nicorette-j.com/ 「禁煙成功!私の方法」 http://how-i-quit-smoking.biz/ 以 上 【参考】たばこと税金 ☆一般会計 (使い道は自由) ☆特別会計 (使い道は予め決定) ⇒・旧国鉄の債務返済 ・国有林野事業の債 務返済 ※たばことは何の関係も ない国の借金返済へ…
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