6章 仮説検定の基礎 統計的仮説検定 1. 有意性検定(矛盾の検出、背理法論理) 帰無仮説 H0 データ (観測値) 分析 無意味な 偶然の一致を表す 仮説 帰無仮説の下で このようなデータが出現する可能性を 求める。 例: トランプ5枚を裏返しで当てた。偶然? 偶然当たる確率 1 1 1 1 1 52 51 50 49 48 1 約 3 億回に1回 311,875,200 主張:「偶然である」 ⇒ この結果が起きる可能性は約 3億分の1 ⇒ 主張を真に受けない方がよい ⇒ この偶然性仮説は棄却(Reject) 有意性検定(矛盾の検出、背理法論理) 帰無仮説(Null Hypothesis) H0 無意味な偶然性を表す仮説 起きる可能性 有意水準(Level of Significance) (P値とも言う) 可能性が低い ⇒ 仮説は疑わしい ⇒ 仮説は棄却(Reject) ⇒ 結果は有意(Significant) 偶然ではない何らかの意味ある背景を持つ。 判別型検定 (選択・意思決定の論理) データ (観測値) 仮説 H1 決定 対立仮説 H2 検定用の指標(検定統計量)を使って あらかじめ準備された H1, H2 の各 採択域 から結論を決める 6.1平均値の検定 μ (分散は既知、または大標本法) 左2.5%線 95% 信頼帯 μH μ の95% 信頼区間 右2.5%線 μL 95% 信頼帯 o _ x _ X 95%信頼区間内 μ < μL ← μ → μH < μ n( μH , σ2/ n) n( μL , σ2/ n) 2.5% 2.5% _ x _ X (横軸 1 目盛 = σ / √n ) 2.5% 2.5% 1) 95%信頼区間: _ x 母平均 μ ≦ μL 赤部のような大きな乖離 可能性 2.5% 以下 母平均 μH ≦ μ 青部のような大きな乖離 可能性 2.5% 以下 2) 任意の母平均 μ 『乖離が起きる「確率」』を計算可能。 _ X μ < μL ← n( μL , σ2/ n) μ → μH < μ n( μH , σ2/ n) 2.5% 2.5% 3) 母数 μ の検定: _ x _ X 「仮説値 μ0 の下での」この「乖離確率」 =「有意水準」または「P値」 この確率値が小さいほど (観測結果から判断して)仮説は疑わしい と考える。 [例1] ある企業 使用電球銘柄 A の寿命 過去の記録 銘柄 A: μo = 1180 時間、 σ = 90 時間 セールスマン 安い電球銘柄 B B 銘柄 100 個の電球の寿命を検査 銘柄 B の検査結果: n = 100、 x= 1140 時間 検定問題: 安い銘柄 B の寿命 μ 銘柄 A と同じ (Ho : μ = μo)? それとも より短い (H1:μ < μo)? B銘柄の検査結果から、その寿命の 母平均 μ の 95% 信頼区間 90 x 1.96 1140 1.96 n 100 1140 17.64≒ [1122, 1157] 仮説 Ho: μ = 1180 を中心にして見ると 信頼区間は 左 に外れている。 (その確率 2.5% 以下) μo= 1180 n( 1180 , 902/100) ← 0.0004% _ x =1140 ← 0.1% ← 1% ← 5% _ X 1152 1159 1165 (横軸 1 目盛 = σ / √n = 9) 仮説 Ho: μ = 1180 の下で、 検定統計量 X が観測された 1140 あるいはそれ以下( H1 側の方向) の値を取る確率(有意水準): P X 1140 | H0 P X 1140 | H o X o 1140 o P Z / n / n 標準正規分布表 1140 1180 P Z z P{ Z < z } 90 / 100 – 1.65 0.05 40 – 1.96 0.025 P Z 4.444 – 2.33 0.01 9 – 3.09 0.001 結果 1. P{ Z < – 4.444…} ≒ 0.0000044 「約 23 万回に 1 回しか起きない」 2. 小さな出現確率(有意水準またはP値) ⇒ 「推論における矛盾」 数学の背理法(帰謬法): 「仮定下で矛盾発生」 ⇒ 「仮定が誤り」 仮説 Ho は棄却される。 3. 対立仮説 H1 「B銘柄の電球はA銘柄よりも寿命が短い」 が極めて有力。
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