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熱放射層による
熱源の放射冷却について
熱伝導と熱放射の関係 (水道で例えると・・・)
領域Ⅰ
水
源
(
熱
源
)
領域Ⅱ
蛇口(熱放射率)
細い=熱放射率が小さい
水道管の太さ
(熱伝導率)
水流は少ない
(放熱しにくい)
蛇口が細ければ、水道管がいくら太くても
水の流れる量は少ない
つまり
いくら熱伝導率が高くても、熱放射率が低いと、放熱されない!!
・従来は熱伝導が重要視されていたが、
最近になって熱放射が注目され始めてきた。
→熱放射率が高い素材が必要。
【A】熱源(LEDやIC、筺体)から空気への放熱
放熱に影響する熱伝導材の物性
Q
Qr+c
T1
熱源
温度
T2
T3
放射面
温度
周囲
温度
℃
℃
λ
熱伝
導率
L
A
H
断面
積
m
㎡
断面
直径
放射
率
hr
hc
Qr
Qc
放射
自然
対流
放射
放熱
対流
放熱
熱伝達率
熱伝
達率
W/㎡K
W/㎡
K
W
W
発生
熱量
放散
熱量
W
W
℃
254.96
254.96
53
61.169
82
60
23
0.17
0.00078
1
1.1286
0.5
3.527564
829
3.3633
9
130.51
99
124.44
54
257.1
257.10
18
50.911
09
50.7
23
0.95
0.00078
1
1.1286
0.912
6.153077
568
3.1285
76
170.44
02
86.661
55
W/
mK
熱伝導
厚み
ε
m
<計算方法>
(1)樹脂被膜層の温度(放射面温度)T2の実験値を
Qr+c=(hr+hc)・A・(T2-T3)に入力し、Qr+cを求めた。
周囲温度T3=23℃であったので、それを入力した。
(2)Qr+cの数値を一旦Qに入力する。
(3)Qの数値を用いて式;Q=λ・(A/L)・(T1-T2)からT1を求める。
(4)Qの数値をQ=Qr+c になるように、Qを変更する。
(5)最終のT1(熱源温度)が解答である。
(6)樹脂被膜層厚み;L=780μとした。
(7)樹脂被膜層の放射率εを0.5から0.9に向上させて計算した。
(8)樹脂被膜層の熱伝導率λを0.17から0.912に向上させて計算した。
(9)放射放熱Qrの方が対流放熱Qcよりも大きく2倍となった。
放熱総量;Qr+c=Qr+Qc
【B】熱源の放射冷却原理;
①熱源(LED、IC、筺体)の表面に熱放射層(塗装被膜)を設ける。
②熱放射層(塗装被膜)の熱伝導率がいくら高くても、熱源と被膜層の温度
が同一になるだけで、空気には熱は出てゆかない。
空気の熱伝導率が0.025W/mKと、あまりにも低いからである。
③熱源の温度は熱放射と対流のみで下げることが出来る。
塗装被膜の熱伝導率は0.17W/mK以上あれば
それ以上大きくてもあまり効果はない。
④しかし塗装被膜表面の熱放射率は0.5から0.9に向上しただけで、
放射による冷却は自然対流の2倍になる。
放射による冷却がいかに大きな割合を占めるかが計算式と実測により
確認できる。
⑤従来は放射による冷却は小さいと思われていた。
しかし実測と計算はこの定説が間違っていることを証明している。
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