設計項目関係図を用いた 自動倉庫の基本設計手順の提案 流通情報工学課程 2003721 駒形 瞳 指導教官 鶴田 三郎 黒川 久幸 研究背景 高度経済成長 人件費の高騰 商品の消費サイクルの短縮 リードタイムの短縮 商品管理の徹底 労働力不足 今後、世界各地域で同様な動きが見られる →自動倉庫設計手順の明確化の必要あり!! 機械化・省力化 自動倉庫 2 自動倉庫の設計項目 格納棚 クレーン速度 クレーン 3 基本設計 従来の設計手順 詳細設計 START 基本設計 1.段数・間口数・設置基数 7.処理能力 2.蔵置量から段数・間口数、 設置基数の適正判断 8.入出庫量から 処理能力の適正判断 蔵置量、入出庫量を別々に考慮して設計している為にどちらか 3.自動倉庫全体の寸法 9.周辺機器 一方に問題がなくても、もう一方に問題があると考えなおす 必要がある。 → 時間のロス 10.周辺機器の 4.寸法の適正判断 繰り返しを回避するために、設計者が長年の経験をもとに 処理能力の適正判断 段数・間口数・設置基数・クレーン速度を設計している。 END → 十分な経験がないと設計が難しく、正確さに欠ける 5.費用の算出 6.費用の適正判断 4 詳細設計へ 研究目的 1. 段数・間口数・設置基数・クレーン速度を十分 な経験がなくても、設定することを可能にする →段数・間口数・設置基数・クレーン速度と蔵 置量・入出庫能力の関係性をシミュレーション によって示す →関係性より設計項目関係図を作成する 2. 繰り返しを回避する →蔵置量、入出庫能力を同時に考慮し、設計 項目関係図を利用した手順を作成する 5 シミュレーションの概要 入庫モデル 出庫モデル 6 シミュレーション検討 段数が増えると、単位時間あたりの入出庫能 力にはどのような影響がでるのか 間口数が増えると、単位時間あたりの入出庫 能力にはどのような影響がでるのか クレーン速度を変化させると、上記の2つには どのような影響がでるのか 7 設計項目関係図 (入庫能力 クレーン速度150m/min) 200 段数 5 段数 10 段数 15 ( 180 単 パ 位 160 レ入 時 ッ 庫 間 140 ト能 当 120 / 力た h り 100 の 80 ) 60 0 10 20 30 自動倉庫 間口数(間口) 40 8 設計項目関係図 (入庫能力、段数10段) 200 150m/min 100m/min ( 単 180 パ 位 160 レ 入時 ッ 庫 間 140 ト 能 当 120 / 力た h り 100 の 80 ) 60 0 10 20 30 自動倉庫 間口数(間口) 40 9 基本設計手順の 全体の流れ START 1.セルの寸法 従来の手順との違い •蔵置量・入出庫能力を 同時に考慮 →繰り返し作業を最小に •段数・間口数・設置基数・ クレーン速度を設計項目 関係図より求める →設計が容易に 2.最大段数・間口数 5.設置基数の変更 3.最大・最小設置基数 4.段数・間口数・設置基数 の適正判断 END 10 設計例 荷姿 パレット 荷の寸法 幅 ・奥行き・高さ 1100mm 蔵置量 5000パレット 単位時間当たりの入出庫能力 110パレット/h 施設の寸法 幅 30m 奥行き 45m 高さ 21m 11 設計例 START (セルの寸法、 最大段数・間口数) 1.セルの寸法 2.最大段数・間口数 5.設置基数の変更 3.最大・最小設置基数 4.段数・間口数・設置基数 の適正判断 END 12 基本設計手順 (セルの寸法、最大段数・間口数) 幅: 3700mm 幅、高さ、奥行き: 1100mm 1.1 荷姿、荷の寸法、荷の種類の確認 1.2 1.1より自動倉庫の1セルの寸法を求める設置基数:8基 2.1 1.1より自動倉庫1基あたりの幅を求める 2.2 自動倉庫設置可能な施設の寸法の確認 2.3 2.1 、 2.2より最大設置可能基数を求める 最大間口数: 31間口 2.4 1.1 、 2.1より最大間口数を求める 2.5 1.1、2.2より最大段数を求める 最大段数: 15段 2.6 段数・間口数の バランスの検討 13 設計例 START (最大・最小設置 基数、適正判断) 1.セルの寸法 2.最大段数・間口数 5.設置基数の変更 3.最大・最小設置基数 4.段数・間口数・設置基数 の適正判断 END 14 段数・間口数の設定 最小設置基数: 5000÷930=5.37… 6基 最大蔵置量: 15段×31間口×2台=930パレット 3.1 2.4、 2.5より1基あたりの最大蔵置量を求める 3.2 求められている蔵置量の確認 1基の平均蔵置量: 5000÷6=833.33… 3.3 3.1 、 3.2より最小設置基数を求める 834パレット 3.4 3.2 、 3.3より3.3のときの 1基あたりの平均蔵置量を求める 5.1 設置基数を (3.3)+1に変更 4.1 2.4、 2.5 、 3.4より3.4を 収める段数・間口数の組み合わせ のうち、段数が少ないもの関係図よりを抽出 4.2 4.1の段数・間口数が求められた 入出庫能力に対応しているか検討 4.3 段数・間口数・設置基数の確定 15 設計項目関係図(蔵置量) 間口数:31間口 1200 段数 5 段数 10 段数 15 蔵 1000 置 量 800 平均蔵置量: 834パレット ( パ 600 レ ッ 400 ト 200 段数:15段 段数:14段 間口数:31間口 ) 0 0 5 10 15 20 25 30 自動倉庫 間口数(間口) 35 40 16 段数・間口数の設定 3.1 2.4、 2.5より1基あたりの最大蔵置量を求める 3.2 求められている蔵置量の確認 3.3 3.1 、 3.2より最小設置基数を求める より最小設置基数を求める 3.4 3.2 、 3.3より3.3のときの のときの 1基あたりの平均蔵置量を求める 1基あたりの平均蔵置量を求める 4.1 2.4、 2.5 、 3.4より より3.4を を 設置基数:7基 5.1 設置基数を 収める段数・間口数の組み合わせ (平均蔵置量:715パレット) (3.3)+1に変更 のうち、段数が少ないもの関係図よりを抽出 段数:12段 間口数:31間口 4.2 4.1の段数・間口数が求められた クレーン速度:150m/min 入出庫能力に対応しているか検討 入出庫能力に対応しているか検討 4.3 段数・間口数・設置基数の確定 17 START 1.1 荷姿、荷の寸法、荷の種類の確認 1.2 1.1より自動倉庫の1セルの寸法を求める 結論 2.1 1.1より自動倉庫1基あたりの幅を求める 1. 段数・間口数、設置 基数、クレーン速度 の関係を示した、設 計項目関係図を作成 2. 手順間の無駄な行き 来を省いた、段数・間 口数、設置基数、ク レーン速度を定める 5.1(3.3設置基数を )+1に変更 設計手順作成 2.3 2.1 、 2.2より最大設置可能基数を求める 2.2 自動倉庫設置可能な施設の寸法の確認 2.4 1.1 、 2.1より最大間口数を求める 2.5 1.1、2.2より最大段数を求める 2.6 段数・間口数の バランスの検討 3.1 2.4、 2.5より1基あたりの最大蔵置量を求める 3.2 求められている蔵置量の確認 3.3 3.1 、 3.2より最小設置基数を求める 3.4 3.2 、 3.3より3.3のときの 1基あたりの平均蔵置量を求める 4.1 2.4、 2.5 、 3.4より3.4を 収める段数・間口数の組み合わせ のうち、段数が少ないものグラフよりを抽出 4.2 4.1の段数・間口数が求められた 入出庫能力に対応しているか検討 4.3 段数・間口数・設置基数の確定 18 END ご清聴ありがとうございました。 保管設備 自動倉庫 平置き 固定ラック フローラック 移動ラック 回転ラック 積層棚 荷姿 パレット、ケース、 バラ パレット、ケース、 バラ パレット、 ケース、バラ パレット、ケース パレット、 ケース、バラ パレット、 ケース、バラ パレット、 ケース、バラ 種類 ビル式・ユニット式 軽量、中量、 重量 水平、傾斜 電動、手動 水平、垂直 上部、中間、 単一柱 蔵置量 多~少 中~少 中~少 多 多 中~少 品種 多~少 少 多 少 多~少 多 出庫 頻度 多~中 多 多~中 多 少 中~少 入出庫 機器 スタッカークレーン フォークリフト フォークリフト、 台車 自動補充装置、 フォークリフト フォークリフト、 なし フォークリフト、 なし 費用 2000万/段 0 0.7万/間口 期間 1ヶ月 0ヶ月 1500~3000kg/間口 (パレット) 最大荷 重量 50~100kg/間口 (ケース) 50kg/間口(バラ) 1.5万/間口 どんな荷姿にも対応 1ヶ月 150kg/棚 200~400kg/棚 1000kg/P 蔵置量、品種は多~少 1500kg/間口 (軽量) (中量) (水平) 情報システムと関連 500kg/棚 400~600kg/棚 400kg/棚 100~300kg/棚 (中量) (重量) (バラ) (垂直) →作業員が最小 500kg/棚~ 160~400kg/棚 1000kg/P (重量) (水平) →管理がしやすい →入出庫作業が早く、正確 0.5ヶ月 フォークリフト、 なし 10万/㎡ 0.5ヶ月 300~500kg/㎡ 20 設計項目関係図(蔵置量) 1200 段数 5 段数 10 段数 15 蔵 1000 置 量 800 ( パ 600 レ ッ 400 ト 200 ) 0 0 5 10 15 20 25 30 自動倉庫 間口数(間口) 35 40 21 設計項目関係図 (入庫能力 クレーン速度150m/min) 間口数:31間口 200 段数 5 段数 10 段数 15 ( 180 単 パ 位 160 レ入 時 ッ 庫 間 140 ト能 当 120 / 力た h り 100 の 80 入出庫能力: 110パレット/h ) 入出庫能力が 満たされていない 段数:14段 60 0 10 20 30 自動倉庫 間口数(間口) 40 22 自動倉庫導入件数 ( 2000 1800 売 1600 上 1400 件 1200 数 1000 件 800 600 数 400 200 0 1960 ) 1970 1980 1990 2000 2010 年度 23 売上件数(件) 自動倉庫売上件数(国内) 2000 1800 1600 1400 1200 1000 800 600 400 200 0 1988 ユニット式 1990 1992 1994 1996 1998 ビル式 2000 2002 総合 2004 2006 年度 24 自動倉庫売上金額(海外向け) 売 上 金 額 ( 百 万 円 ) 10000 9000 8000 7000 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0 1999 ユニット式 ビル式 総合 2000 2001 2002 2003 2004 2005 年度 25 自動倉庫の種類(構造の違いによる) ユニット式 建物から切り離され、 自立したラック ビル式 ラックの主要構造部分に 屋根及び壁を取りつけ、 屋外に設置するラック 参考文献:JISハンドブック 2001 物流 26 段数・間口数の比 段数 3 4 5 6 間口数 間口数/段数 幅 12~35 3~12 3530~3725 12~35 3~9 3530~3725 12~35 2~7 3530~3725 12~35 2~6 3530~3725 荷の寸法 1100(長さ)*1100(幅)*1100(高さ) 27 自動倉庫の建設工事期間 規模 パレット数 工事期間 基礎工事 小規模 50パレット程度 1週間程度 なし 中小規模 300パレット程度 3ヶ月以内 中規模 1000パレット程度 5ヶ月以内 3000パレット程度 9ヶ月以内 5000パレット程度 12ヶ月以内 10000パレット程度 13ヶ月以上 大規模 あり (基礎を含む) 28 荷の格納方法 シングルストレージ 格納棚の奥行き方向に荷を1つ格納 ダブルストレージ 格納棚の奥行き方向に荷を2つ格納 マルチストレージ 格納棚の奥行き方向に荷を多数格納 29 スタッカークレーン シングルリーチ式 フォーク装置により1つだけ荷を入出庫 ダブルリーチ式 フォーク装置により2つだけ荷を入出庫 シングルフォーク式 1台のフォーク装置を備える ダブルフォーク式 複数のフォーク装置を備え、複数の荷を別々に入出庫 30 自動倉庫内の流れ U型 I型 他工程 他工程 L型 O型 31 世界各国のパレット寸法 国名 寸法(mm) 国名 寸法(mm) APSF(アジアパレットシステム連盟) 1000×1200 日本 1100×1100 マレーシア 1200×1200 ヨーロッパ 1200×800 日本・中国・韓国・フィリピン・タイ・マレーシア 1100×1100 アメリカ 1219×1016 などアジア各国 ヴェトナム 1200×1000 韓国 1100×1100 1100×1100 1100×1100 台湾 中国 1200×1000 一貫輸送用パレット 1200×1000 1200×800 940×940 •1100×1100mm 1000×1200 1264×947 タイ •1000×1200mm 1100×1100 フィリピン 1200×1000 •1200×1000mm 1200×1000 1100×1100 インドネシア 1200×1100 1300×1100 32
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