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電流帰還バイアス回路の設計
本時の予定
1.バイアス回路について
2.電流帰還バイアス回路の設計
3.過渡応答シミュレーション
4.まとめ
5.参考資料
1.バイアス回路について
2.電流帰還バイアス回路の設計
(1)回路の仕様
•電圧増幅度 Av=5
•コレクタ電流 Ic=1 [mA]
•電源電圧 Vcc=9 [V]
•エミッタ電圧 VE=1 [V]
•直流電流増幅率 hFE=200
(2)エミッタ,コレクタ抵抗の計算
エミッタ抵抗(安定抵
抗)
VE V E
1[V ]
RE 
≒

 1[k]
IE
I C 1[m A]
コレクタ抵抗
RC  RE Av  1[k]  5  5[k]
(3)VCEの計算
VCE  VC  VE
 VCC  I C RC  I E RE
 9[V ]  1[mA]  5[k]  1[V ]
 9  5 1
 3[V ]
(4)VB,IBの計算
ベースの直流電位
VB  VBE  VE  0.6  1  1.6[V ]
ベース電流
I C 1[m A]
IB 

 0.005[m A]
hFE
200
(5)ベース・バイアス回路の計算
バイアス電流
20I B  20  0.005  0.1[m A]  100[ A]
ベース電位の分圧(ブ リーダ抵抗の計算)
Vcc  VB
7. 4
R1 

 74[k]
3
IC
0.1 10
VB
1. 6
R2 

 16[k]
3
I C 0.1 10
3.過渡応答シミュレーション
(1)適正バイアス IBIAS=100[μA]
出力電圧
入力電圧
(2)バイアス電流不足の場合
R1=1850[kΩ]
R2=400[kΩ]
バイアス電流:
I BIAS
Vcc

( R1  R 2)
9

( 1850k+400k)
 4[ A]
バイアス電流不足の過渡応答
IBIAS=4[μA]
出力電圧
入力電圧
4.まとめ
• 電流帰還バイアス回路は安定度が高い,
最も標準的なバイアス回路である。
• バイアス電流は,ベース電流よりも十分大
きく(10倍以上)設定する。
• バイアス電流が不足すると,出力電圧の
波形が歪む。
5.参考資料
1.電子回路シミュレータについて
PSpice for Windows(日本語版):DESIGNWAVE
MAGAZINE No.3,CQ出版社
2.PSpice 評価版のダウンロードについて
http://www.orcad.com/downloads.aspx
3.鈴木 雅臣:定本 トランジスタ回路の設計,
CQ出版社
4.棚木 義則:電子回路PSpice入門編
(Pspice 評価版CD付属),CQ出版社