アイスメーキング 平成17年8月6日 於:神奈川カーリング協会 アイスメーキング 1. 2. 3. 4. 5. 6. 成功へのステップ 水 アイスメンテナンス 温度との関係 ストーン アイスプラント 1.成功へのステップ アイステクニシャンの資質 アイスメンテナンス 道具・ログブック・日常のメンテナンスプラン アイスの設置 シーズン前の準備・砂の床・コンクリートの床… シーズン終わりに ペンキの後始末 2.水 水質 水源・pH・浄化・脱イオン・システムセットアップ シーリング 用具・アイスの粒・砂・コンクリート・白ペンキ・ハウス… フラッディング 用具・ホースの収納・水の量・正しい方法・水平度 ペブリング 用具・まき方・ぺブルの密度・パターン・シートの準備・センター部… ペンキ塗り 用具・ペンキ・アイス表面・ハウス・ホッグ・ディバイダー・4フットライン 3.アイスメンテナンス アイスキング 道具・刃のケア・機械メンテナンス・ステップ・パターン… ハンドスクレーピング 刃のケア・ルーチーン・穴の修理・こぶ プロパンバーニング バーナー・機械の収納・シート上で・ホットモップ… アイスの洗浄 道具・方法 主なメンテナンス チッピング・シャットダウン 4.温度との関係 温度 計測・表面温度 凍上 凍上・事前調査 エネルギーコスト 電力・証明設備・熱のハウスへの影響 5.ストーン カーリングストーン 生産地・地質・花崗岩の種類・ケア・研磨・ストーン合わ せ 6.アイスプラント システムメンテナンス 不凍液のチャージ・アンモニア漏れ検知・ブライン… ブライン 冷凍 水の相変化 冷凍サイクル アイスメーキング アイスメーキング 知っている知識をいかに用いるかが大切。まやかしは ない。 場合によっては2日間ぶっ通してアイスを作ることもあ る。1日4時間の睡眠でやることもある。 高精度のアイスは手品ではない。既に知られている知 識を駆使して、労を惜しまぬ執着心があれば充分だ。 アイスが悪いと強いチームと弱いチームの差が縮まる (Equalizer)。世界選手権の場合、いいアイスだとトッ プの選手のショット率は80~95%、それが悪いアイス だと60~75%まで下がる。 いいカーリングアイス 曲がること? すべること? コンスタントな状態が持続するのがいいアイス いいアイスだとゲームが面白くなり、技も駆使で きる。 どちらのターンでも、シート全体にわたってカー ル幅が予測でき、良くすべるアイス。 オフシーズンチェックリスト 使用する用具 必要なものを注文する:ペンキ、リボン(ラ イン用)、コーンブルーム、テープなど (アイスの)ペンキ塗りの準備。時間に余裕 を持って。 ホースも含め、フラッディング用具をチェッ クする。 用具のペンキ塗りにもいい時期。 アイスプラント 冷凍機のチェック 建物や使用する用具の熟知 冷媒の分析:pH、密度 防錆処置 ブライン、グリコールなどの漏れを点検 バランスタンクを½~¾満たす。バルブを開ける 脱イオン水タンクのpHをチェック ウォーターピット、コンデンサー、クーリングタ ワーのチェック リンクアリーナ アイス周り、歩くところの修繕 ハックはすぐ取り付けられる準備をしておく(WCFでも購入可) バンパー(発泡スチロール、ビニールカバーのついたもの、木製) カーペットには小石が落ちていないように 電球交換 (フラッディング用に)フローメーターを設置(毎分何Lか。100ガロン(460L)程度) 屋根が雨漏りしないか チェック 床の壁との接点は全 天候シリコンでシール をする 砂の床の場合は、ス リーパー(冷却パイプ をのせる台)を水平に 冷却パイプ 冷却パイプ(等間隔) 砂 スリーパー この部分も砂を詰める 間隔が開いている ところは低くなる コンクリートフロアの準備 ほこり、油脂、酸などがないように 床掃除は、お酢1に対して水4の割合で混ぜ、 モップがけする。そのあと、綺麗な水で洗浄した 後、モップをかけて乾かす。 傾いた床は、下図のように、低い部分からフラッ ディングする。 砂のフロアの準備 冷却パイプが正しく脚にセットされているの を確かめる。 砂を熊手でかいてならす。 必要に応じて砂を補充する。 スリーパーやパイプの支持脚は水平に。 ストーン・アイスキングの刃 湿気の少ないところで、72 時間冷やす。 今、出しておく。 ストーンのしまい方 取り出して冷やす。 冷えていなかったり、冷えすぎたりしているブ レードは切れ味が悪くアイスに傷を残す。 使う10分前に冷やし始める。冷えすぎると曲が る。(知っているのと知らないのでは大きな違い) 準備が出来たら… プラントの電源を入れる。 除湿機をオンにする。 建物のドアを締め切る。 プラント内の装置の安全装置が正しく作動 することを確かめる。 シーリング プラントを立ち上げる前に、砂の床は表面から深さ¾インチ(20mm) まで水で飽和させておく。 ブライン温度を20~24°Fまで下げる。 最初の数回は、細かい霧状のスプレーを用いる。 床面から水漏れしていないことを確かめる。 ブラインの温度が高くなりすぎなければ、スプレーはすぐ凍る。 後10回ほどスプレーを続ける。 グリコールを用いるダイレクトエクスパンション方式と、ブラインを用 いる二次冷凍方式がある。 氷 行き 20°F ブラインライン 床 戻り 22°F 床温度計 フラッディング フロアと砂の温度をチェックする(19°F)。 ドアを閉じる。最初は軽いフラッディング。 数回軽めのフラッディングを施した後多量 の水でのフラッディングを行なう。 アイスが水平であれば、ハックやハウスの センターピンなどをインストールすることを 考える。 どの個所が高い(ハイスポットな)のかを記 録用紙に書き込む。 低い個所(ロースポット)を記録用紙に書き 込む。著しく低い場合は、水を撒いて高さ を積み上げていく フラッディングを行なうのは、アイス表面が すべて凍り、温度が20~24°Fの時のみ。 フロアのペンキ塗り ペンキを塗る前に用具を修理しておく。 ペンキ塗りの日を決める。 アイスが水平であることを確かめる:低いところが あると、フラッディングでペンキが浮いてしまう。 45ガロン(1ガロン=4.38リットル)用ポリバケツ2個 電動ミキサー、もしくはきれいな手動の撹拌機 ペンキ(2の1) 環境上安全か アイスの温度をチェック。表面は冷えて(20°F)乾いているこ と。 水の不純物は、キングもしくはハンドスクレーパーで削り取る (きれいで乾いた氷の表面は、体育館のフロアと同じように、 スニーカーがキュッキュッと音を立てる)。滑りやすいアイス はよくない。 作業の前に靴も冷やしておく。 (氷に至る)歩く場所をビニールシートで保護する。 ペンキは、製造元の説明書にしたがって水と混ぜる。各 シート数回コーティングするには、30~35ガロンのペンキ・水 が必要。 ペンキ(2の2) 氷温が大切。温度が高いと、ペンキが薄まり、ペンキと氷の付 着度が低下する。ゴミや水の中の不純物も付着度を下げる。 ペンキは室温で用いる。 水にペンキの粉を入れる。 最初の3回は、薄いコーティング。1シートあたり35ガロンのペ ンキ・水を混ぜたものが必要。 ブームスプレー、あるいはハンドスプレーを用いる。圧は12~ 20psi(0.8~1.5気圧)に保つ。 ログブックに、1日4回記録する。 白ペンキ塗り ホッケーリンク→カーリング アイス表面の温度OK アイス表面はシーリングがして ある 少なくとも3回塗布 ペンキの厚さが一様になるよう に、ノズルは下向きではなく横 にまっすぐ向ける。 スーパーホワイトパウダー44lb を30ガロンの冷水に入れる。 ペンキ塗布後ホースはきれい な水で洗う。 ペンキ塗布後少なくとも10回は 水を噴霧してシーリングをする。 白ペンキを塗る方向 アイスの管理 アイスの管理 ブレードの砥石;600番、800 番 ブレードを研ぐ まずアイスの観察から始める。 4フィートスウィング(Hans) アイスはどこも同じようにフ ラットでないといけない。 ちりとり、コーンブルーム、温 度計(3体で35ドル)・湿度計 結露点 ペブルヘッド シートの端ではブレードが傾く 5 フィートのエッジ アイスキングのかけ方で、アイスシートは M 型になることが多い 正しい用具 温度の記録、ペブルのサイズ、アイス表面温度、リンク気温、 屋外気温、スピード、カール幅、利用者数、湿度などをエクセ ルで表にしておく。 アイスの汚れ バーニング用具 ホットモップ(毎週):ハックの周り ハンドスクレーピング(2日毎)、カナダでは8エンドゲームが 週に30~40試合。 ひざや手のひらで出来た跡は2、3日ごとに直す。 4~6週毎にフラッディングをやり直すことで、アイスに酸素を 送り込む。Ice with life in it.(スコットランドではクリスマスの ころに一度フラッディングをやり直すのみ。John) シートの大きさ シートが台形にならないように、計 測は対角線で行う。 ハウスをペイント。ロゴのテンプ レートを入れる。 アイスの外側は、靴の裏で外から 持ち込んだ塩分により、溶けて低く なっている。 ハウス周りのラインには、毛糸を 用いる。1本で十分な強さが得られ ないときは2本よりあわせる。 青 ハウスの位置を決める順序 赤 レベリング・散水ホース 注意深く フラッディングは軽めに 水流の圧力を下げる 1シートあたり450L 最後は120ガロン 水圧が高すぎるとペンキが溶けて流れ出す。 継ぎ目の無い一本もののホースを用いる。(仏製、トリコフ レックス) ホースを常に動かす。一人で行うときはハンガーを用いる。 シート両エンドからフラッディングする(最後を真中にして逃げ 道を作っておく)。 ハウス入れ ハウス入れ(4の1) 1. センターライン決め 14.80m 2. バンパーの位置決め 22.865m ハウス入れ(4の2) 3. 長手方向にセンターを出す 4. バンパーラインに2×4(木枠)入れ ハウス入れ(4の3) 5. ハックライン、バックライン、 ティーライン、ホッグラインの位置決め バックライン ハックライン ティーライン ホッグライン 電気ドリルで穴をあけ、釘を さしておく 6. 各シートセンターライン出し ハウス入れ(4の4) 7. 各ライン書き入れ 8. ハウスティー位置決め 油性マジックで 4 つのコーナーにマークをつける タコ糸 タコ糸(ティーライン) その他は毛糸 (ホッグ・バック・サイドはダブル) 9. ハウスけがき タコ糸(センターライン) ライン入れ・ペブリング センターライン・バックライン引き アイスが水平かどうかチェックし、高いところはキングで削る。 30mmの高低差は、ホッケーではいいアイス。→カーリングの いいアイスの高低差は0mm。 2m×2mのグリッドを考える。30m×60mのリンクでは 15×30=450点。 2~3mmの高低差を取り除くと1回のフラッディングを省ける。 10mmの高低差を取り除くと1日分のフラッディングを省ける。 2mm削る = 1時間のフラッディング・4時間の凍結に相当 ペブリング(3の2) ペブルに影響を及ぼすもの 氷温(-3.3~-6.9℃) –6.9℃は良くない 空気の温度 湿度 水温 水質 アイスが光って見えるところは、ロースポット(周りより低いとこ ろ)。高いところはカットされ、低いところは残る。 アイスが平坦でないとキングをかけた時、縞(すじ)が出来る。 ペブルはシートの端まで届くように撒く。 ホースは柔軟性のあるもの。一番いいのはシリコン製のラジ エーターホース。 ペブリング(3の1) ペブルヘッドを水平に保つ。 (ペブリングに十分な)水圧を得るために太いホースを用いる。 リストアクション(手首)を用いる。 ペブルヘッドの番号 70 大きい 77 最小 (番号は、ワイヤードリルビットのサイズ) (穴は54個) 73 ~ 76 が最もよく用いられる。 湿度が低い時(10~20%)のときは、大きい穴のもの(70~72)を用いる。こ れは、散水時に空気中に吸収される水分量が多くなるため。 雨(高湿度)のときは小さい穴のペブルヘッドを用いる。 例えば、湿度100%で77番のヘッドを用いた場合と、湿度5~15%で70番 のヘッドを用いた場合では、ペブルは同じように見える。 たくさんのペブルを撒く(10cm四方に25個) ペブリング(3の3) ペブリングのデモンストレーション。 75番 (ミディアム) ペブルサイズ約3mm 70番 5~6mm 77番* (エクストラファイン) 1~2mm *10エンド、エキストラエンドまではペブルが持たない。ランニングエッ ジが古くなり、あまり利かないストーン(幅広のストーン)に用いる。 最も影響を及ぼすのは湿度。カルガリーではあるとき湿度が4%で、68番 の極太を用いたことがあった。 ペブルを重ねる時、カルシウム分が上につく(化学)。 小さなペブルに小さなペブルを重ねるのは良くない。一度ニッピングする。 自分がペブリングをしているところを前、横、後ろからビデオテープに取る。 そして、左右同じ高さ、同じ距離までペブルが飛んでいるか確かめる。 ペブリングするシートでプレーしたエンド数、湿度、照明状態などを記録し ておく。 スクレーピング ブレードの取り扱い(2の1) いつもブレードはきれ いにしておく。 ブレードにオイルをス プレーする。 ブレードを布で拭く。 ブレードを降ろす時は、 必ず後ろから。 使用前にブレードを冷 やす。 両端では量が少し少なめ 削りくず ブレードの取り扱い(2の2) ブレードの(切れ味を) チェックする時は、 ホッグラインより外側 で、サイドボードに近 いところで行う。 ブレードは使用してい ないときは氷から離し ておく。でないとブ レードは真中が高く 反ってしまう。 ブレードをチェックす る時のスクレーパーの 進行方向 パイピング 次回の話題 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. いいアイスを作るには 水質 フラッディング ペブリング スクレーパー アイスの品質 ストーン 温度 レベルチェック 相対湿度 冷凍システム
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