金融革新と市場危機 第3章 金融における技術革新の意義と役割 3節

08BA036Z 入江 洋志
金融革新と市場危機
第3章 金融における技術革新の意義と役割
3節 証券化
証券化による住宅金融市場の拡大
・ 証券化の定義
経済主体が保有している資産を切り離し、これを
裏付けとする証券を発行して資金調達を行う技術
・ 証券化の3つの意義
リファイナンスのため
の大規模な資金調達
リスクの移転
分散投資の対象
(投資家)
エージェンシーMBSの拡大
•
モーゲージ担保証券(MBS)
多数集めたモーゲージを裏付けとして資金調達の
ために発行される証券。大規模な証券化はこの
MBSから始まった。
エージェンシーMBSの拡大
1968 連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と政府抵当公社(現ジ
年
ニーメイ)にMBSの発行と元利払いを保証する機能が与えら
れる。
1970 最初のMBS(パススルー証書)がジニーメイの保証を受けて
年
発行される。
1971 連邦住宅貸付抵当公社(現フレディマック)がMBSの発行を
年
始める。
1980 連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)がMBSの発行を始める。
年
1983 フ レ デ ィ マ ッ ク が 初 め て モ ー ゲ ー ジ 担 保 債 権 債 務 証 書
年
(CMO)を発行。
1980 住宅ローンを手掛けていた貯蓄貸付組合(S&L)が危機に陥
年 代 り、その結果生じた不良債権の処理を進めた整理信託公社
末
(RTC)もモーゲージ証券の重要な発行体となる。
エージェンシーMBSの拡大
リスク移転と再配分
流動性
ABS,CMO,CDOへ
MBS
ABS
CMO
CDO
ABS,CMO,CDOへ
•
資産担保証券(ABS)
企業などが保有する信用力を、その保有主体から
切り離した形で資金調達の担保とし、投資家から
資金を集める証券。
ABS,CMO,CDOへ
•
モーゲージ担保債権債務証書(CMO)
モーゲージを新たな証券の発行体であるトラストに
移すが、ここから投資家に売り出す証券のキャッ
シュフローに対して優先順位を持つクラスに分ける
商品。
ABS,CMO,CDOへ
•
債務担保証券(CDO)
当初は、銀行などが保有する貸出債権を100~
200程度集めてプールし、証券化する商品であっ
た。その後、プールに加えられる資産は様々な格
付けの社債やABSが加えられるようになった。サブ
プライムローンが証券化されるようになってからは、
サブプライムRMBSの多くがCDOの裏付け資産と
して用いられた。
論点
日本の住宅ローン市場にもノン
リコースローンを導入していく
べきか