各種手術における静脈血栓塞栓症のリスクの階層化(年齢因子を含む) リスク分類 低リスク 中リスク 高リスク 最高リスク 一般外科・泌尿器科手 術 婦人科手術 ・60歳以下の非大手術 ・40歳以下の大手術 30分以内の小手術 ・非大手術:(60歳以 上、あるいは危険因子 あり) ・大手術:(40歳以上 、あるいは危険因子あ り) ・良性疾患手術 (開腹、経膣、腹腔鏡) ・ホルモン療法中の患者 大手術:(40歳以上) +(癌あるいは過凝固 状態) ・骨盤内悪性腫瘍根治術 ・血栓症素因/既往/合併の ある良性疾患 高リスクで静脈血栓塞栓症の既往あるいは 血栓性素因のあるもの 脳神経外 科 開頭術以 外の手術 開頭術 悪性腫瘍 の開頭術 整形外科手術 外 傷 産 科 上肢の手術 ・正常分娩 ・脊椎手術 ・骨盤・下肢手術 (股関節全置換術 、膝関節全置換術 、股関節骨折手術 を除く) ・帝王切開術(高 リスク以外) ・股関節全置換術、 ・重度外傷, ・膝関節全置換術、 運動麻痺を伴 ・股関節骨折 う完全または ・脊髄損傷 不完全脊髄損 傷 ・高齢肥満妊婦の 帝王切開術 ・凝固異常症,静 脈血栓塞栓症の既 往のある経腟分娩 高リスクで静脈血 栓塞栓症の既往あ るいは血栓性素因 あるいは肥満 (BMI≧30) 帝王切開で静脈血 栓塞栓症の既往あ るいは血栓性素因 のあるもの 高リスクで静 脈血栓塞栓症 の既往や血栓 性素因のある もの リスクを高める因子=凝固異常症、静脈血栓塞栓症の既往、悪性疾患、癌化学療法、重症感染症、中心静脈カテーテル、長期臥床、 下肢麻痺、ホルモン療法、肥満、静脈瘤など。 (凝固異常症=アンチトロンビン欠乏症、プロテインC欠乏症、プロテインS欠乏症、抗リン脂質抗体症候群など) 大手術:腹部手術もしくは45分以上のその他の手術 予防ガイドラインにおけるリスク分類と推奨予防法 リスクレベル 推奨予防法 低リスク ・早期離床と積極的運動 中等度リスク ・ 弾性ストッキング または 間欠的空気圧迫装置 高リスク ・間欠的空気圧迫装置または 低用量未分画ヘパリン 最高リスク ・間欠的空気圧迫装置+ 低用量未分画ヘパリン ・弾性ストッキング+ 低用量未分画ヘパリン ・用量調節未分画ヘパリン ・用量調節ワルファリン 低用量未分画ヘパリン:5000単位皮下注.12時間または8時間毎 用量調節未分画ヘパリン:初回3500単位皮下注.4時間後のAPTTを正常下限に 維持するように8時間毎に±500単位を増減 用量調節ワルファリン:PT-INR1.5-2.5になるように内服を調整 理学的予防法禁忌症例 弾性ストッキング 間欠的空気圧迫装置 • • • • • • • 閉塞性動脈硬化症 バージャー病 その他下肢の血行障害 閉塞性動脈硬化症 バージャー病 深部静脈血栓(+) 深部静脈血栓(+)疑い 長期臥床(3日以上) 下肢麻痺 下肢固定 下肢浮腫, 下腿周囲径左右差(+) 抗凝固薬慎重投与症例 一般的には,止血が確認された後,投与するが, 以下の手術では更に慎重に投与適応を決定する • 脳外科手術 • 脊髄手術 • 多発外傷手術
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