野球シーズン終了時の勝率は、 打撃・防御率・本塁打数に 依存するか 4400026 上野貴寛 2002/12/10 シミュレーション論 1 目的、ねらい 目的、ねらい • 野球の試合の勝率(Y)が、 チームの打率(X1) 防御率(X2) [通常の防御率の逆数] 本塁打数(X3) によってどのように影響されるのかを解析 する。 2002/12/10 シミュレーション論 2 • 対象:セリーグ6球団(2002年の成績) • 従属変数:勝率 • 独立変数:チーム打率、チーム防御率、 チーム本塁打数(以下「チーム」は省略す る) (注)通常の防御率は低いほうが良いので 逆数を取る。以後これを防御率と呼ぶ。 • 仮説:勝率は、打率が高く、防御率が低く、 本塁打数が多いほど高くなる。 2002/12/10 シミュレーション論 3 使用データ チーム名 巨 人 ヤクルト 中 日 阪 神 広 島 横 浜 チーム チーム チーム 打率(X1) 防御率(X2) 本塁打数(X3) 0.272 0.329 186 0.263 0.295 142 0.257 0.313 125 0.253 0.293 122 0.259 0.229 154 0.24 0.244 97 勝率(Y) 0.623 0.544 0.511 0.485 0.471 0.363 出展:BIGROBEスポーツ(URL:http://sports.biglobe.ne.jp/baseball/stats/team.htm) 測定期間:2002年3月30日~10月17日(各チーム140試合) 2002/12/10 (注)X2 : 1/通常の防御率 シミュレーション論 4 散布図を描く 散布図を描く • 規定問題ではデータをグループ化したが、 今回はデータ数が「6」と少ないのでグルー プ化は行わないで、分析を進めてみること にする。 (先生のコメント) 自由課題では,グループ 化は不要。不可能。散布図からは相関が 2 あるか,どのような形の変数(x?,x ?)が適 切かを読み取ること。 2002/12/10 シミュレーション論 5 散布図を描く 勝率vs打率の散布図を描いて直感勾配を求める 0.7 巨 人 0.6 中 日 阪 神 広 島 勝率 0.5 0.4 ヤクルト 横 浜 0.3 0.2 0.1 0 0.235 0.24 0.245 0.25 0.255 打率 0.26 0.265 0.27 0.275 図1:勝率vs打率の散布図 2002/12/10 シミュレーション論 6 散布図を描く 勝率vs防御率の散布図を描いて直感勾配を求める 0.65 巨 人 0.6 勝率 0.55 0.5 ヤクルト 中 日 阪 神 広 島 0.45 0.4 横 浜 0.35 0.3 0.25 0.200 2002/12/10 0.220 0.240 0.260 0.280 防御率 0.300 図2:勝率vs防御率の散布図 シミュレーション論 0.320 0.340 7 散布図を描く 勝率 勝率vs本塁打数の散布図を描いて直感勾配を求める 0.65 0.6 0.55 0.5 0.45 0.4 0.35 0.3 0.25 0.2 巨 人 中 日 阪 神 広 島 横 浜 50 2002/12/10 ヤクルト 70 90 110 130 150 本塁打数 170 図3:勝率vs本塁打数の散布図 シミュレーション論 190 210 8 回帰分析 回帰分析 • 重回帰分析を行う。 従属変数:勝率 独立変数:打率・防御率・本塁打数 • 変数の選択:変数減少法を用いて変数を 減少させてみる。 (コメント) t 検定の結果,有意でない変数は 順次削除する。 2002/12/10 シミュレーション論 9 回帰分析 算出統計量 • • • • • 打率(X1)の平均値:0.257 [提示不要] 防御率(X2)の平均値:0.289 [提示不要] 本塁打数(X3)の平均値:137.667 [不要] 残差平方和Sr:0.00020 回帰係数:b0=-0.813、b1=3.809 b2=0.801、b3=0.001 • 正規方程式の係数行列の逆行列: 2156.690 -10988.494 832.690 3.128 2002/12/10 -10988.494 56255.162 -4407.734 -16.087 832.690 -4407.734 477.428 1.189 シミュレーション論 3.128 -16.087 1.189 0.005 10 回帰分析 • 単相関行列: 1 0.632 0.942 0.967 0.632 1 0.392 0.795 0.942 0.392 1 0.861 0.967 0.795 0.861 1 • 偏相関行列: -1 -0.502 0.062 0.752 -0.502 -1 -0.784 0.934 0.062 -0.784 -1 0.600 0.752 0.934 0.600 -1 • 重相関係数:0.997 • 寄与率:0.995 2002/12/10 シミュレーション論 11 回帰分析 • t値: t1=1.979 t分布表の値 t(3,0.05)=3.182 t2=4.515 t3=1.299 (コメント)ちゃんとt(3,0.05)を求めている。 自由度が低くて t(3,0.05)が大きいね。 • F値: F1=3.916 F2=20.382 F3=1.687 • 得られた回帰式: Y=-0.813 + 3.809X1 + 0.801X2 + 0.001X3 2002/12/10 シミュレーション論 12 回帰分析 計算によって得られた勾配と 直感勾配との比較(1) • 勝率vs打率 計算:3.809 直感:8.00 0.7 巨 人 0.6 勝率 0.5 0.4 阪 神 中 日 広 島 ヤクルト 横 浜 0.3 0.2 0.1 0 0.235 2002/12/10 0.24 0.245 0.25 0.255 打率 0.26 0.265 0.27 図4:勝率VS防御率における勾配の比較 シミュレーション論 0.275 13 回帰分析 計算によって得られた勾配と 直感勾配との比較(2) • 勝率vs防御率 計算:0.801 直感:1.667 0.65 巨 人 0.6 勝率 0.55 0.5 ヤクルト 中 日 阪 神 広 島 0.45 0.4 横 浜 0.35 0.3 0.25 0.200 2002/12/10 0.220 0.240 0.260 0.280 防御率 0.300 0.320 図4:勝率VS防御率における勾配の比較 シミュレーション論 0.340 14 回帰分析 計算によって得られた勾配と 直感勾配との比較(3) 勝率 • 勝率vs本塁打数 計算:0.001 直感:0.0021 0.65 0.6 0.55 0.5 0.45 0.4 0.35 0.3 0.25 0.2 巨 人 中 日 阪 神 広 島 横 浜 50 2002/12/10 ヤクルト 70 90 110 130 150 本塁打数 170 190 図4:勝率VS防御率における勾配の比較 シミュレーション論 210 15 回帰分析 変数の選択[減少]結果 • t値が最も小さく、有意でなかった本塁打数(X3) を削除して、回帰分析を行い、次式を得た。 Y = -1.287 + 6.244X1 + 0.621X2 • 勝率vs打率の勾配:6.244 • 勝率vs防御率の勾配:0.621 • 重相関係数:0.996 • 寄与率:0.992 (コメント) t 値の評価がない。係数の有意性検定 が要る。 t 1=20.8, t 2=8.2 に言及せよ。 2002/12/10 シミュレーション論 16 考察 分析結果の考察(1) • 変数減少前の t 値を見ると、本塁打数の値 が最も小さい。[回帰係数の値も小さくなって いる。よって]チームの勝率には本塁打数は あまり寄与しないものと思われる。 [このこと は、変数減少前後の寄与率を見比べてみて も分かる。 ] (コメント)有意でない変数の係数値は信用で きない。変数を減らせば寄与率は下がる。 2002/12/10 シミュレーション論 17 考察 分析結果の考察(2) • 散布図上に直感で引いた直線と、計算で 求めた直線の勾配との間にかなりのズレ が生じていた。この原因として、データ数が 少ないことが挙げられる。データが6つしか ないので、直感で引いたものは一見良さそ うだが実際はかなりアバウトになってしまっ たと判断できる。 (コメント)t 検定がなかったので,独立変数の独 立性は大丈夫かと最初は心配した。 2002/12/10 シミュレーション論 18 結論 野球の勝率は、 打率と防御率によって ほぼ決まる。 2002/12/10 シミュレーション論 19 今後の課題 今後の課題(1) • 仮説の見直し:「勝率は、打率が高く、防御 率が低く、本塁打数が多いほど高い。」と 仮説を立てた。しかし分析を行ってみると 本塁打数はあまり寄与していないことが窺 えた。したがって、仮説の中には本塁打数 は考慮する必要はあまりないと思われる。 2002/12/10 シミュレーション論 20 今後の課題 今後の課題(2) • データの見直し:今回はデータとしてセリー グ6球団のデータを扱ったが、これでは データの数が少なすぎたと思う。 • 変数の見直し:打率と本塁打数にはあまり 相関は無いと思っていたが、実際はかなり の相関があり、本塁打数は独立変数として は不適当であったと思われる。 2002/12/10 シミュレーション論 21 付録1:計算結果 チーム名 巨 人 ヤクルト 中 日 阪 神 広 島 横 浜 計 Ave. チーム 打率 (X1) 0.272 0.263 0.257 0.253 0.259 0.240 1.544 0.257 チーム 防御率(X2) 0.329 0.324 0.313 0.293 0.229 0.244 1.733 0.289 チーム 本塁打数 (X3) 186.000 142.000 125.000 122.000 154.000 97.000 826.000 137.667 6.000 1.544 1.733 826.000 2.997 1.544 0.398 0.447 214.095 0.776 0.257 0.001 0.001 1.538 0.004 0 1 2 3 4 0.623 0.544 0.511 0.485 0.471 0.363 2.997 0.500 X1*X1 0.074 0.069 0.066 0.064 0.067 0.058 0.398 0.066 1.733 0.447 0.510 241.138 0.880 826.000 214.095 241.138 118394.000 423.916 2.997 0.776 0.880 423.916 1.534 0.289 0.001 0.009 2.540 0.014 137.667 1.538 2.540 4681.333 11.329 0.500 0.004 0.014 11.329 0.037 0.167 -0.257 -0.289 -137.667 -0.500 -0.356 2.507 0.005 -1.316 0.003 -557.344 2700.820 -1.316 528.373 -0.665 -1.508 7.800 0.003 -0.665 0.002 116.479 -451.991 0.356 557.344 1.508 -451.991 1756.440 -2.507 -2700.820 -7.800 -644.638 3315.033 -244.976 206.072 0.151 -1.287 6.244 0.621 0.151 0.000 140.122 -618.347 66.351 644.638 1.287 -618.347 2926.954 -466.854 -3315.033 -6.244 66.351 -466.854 186.203 244.976 -0.621 -0.813 3.809 0.801 0.001 0.00020 2156.690 -10988.494 832.690 3.128 0.813 -10988.494 56255.162 -4407.734 -16.087 -3.809 832.690 -4407.734 477.428 1.189 -0.801 3.128 -16.087 1.189 0.005 -0.001 5502.707 -26663.411 -2461.758 0.106 4114.710 -26663.411 129686.659 11025.599 -1.931 -19275.974 -2461.758 11025.599 3721.101 4.164 -4051.293 0.106 -1.931 4.164 0.008 -3.716 4114.710 -19275.974 -4051.293 -3.716 5059.997 -0.502 -1 -0.784 0.934 0.062 -0.784 -1 0.600 0.752 0.934 0.600 -1 0 1 2 3 4 1 0 0 0 0 0 1 2 3 4 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 2 3 4 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 2 3 4 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 1 2 3 4 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 1 2 3 4 単相関行列 1 0.632 0.942 0.967 0 0 0 0 1 X2*X2 0.108 0.105 0.098 0.086 0.053 0.060 0.510 0.085 X3*X3 34596.000 20164.000 15625.000 14884.000 23716.000 9409.000 118394.000 19732.333 1 0 0 0 0 Y*Y 0.388 0.296 0.261 0.235 0.222 0.132 1.534 0.256 X1*X2 0.089 0.085 0.081 0.074 0.059 0.059 0.447 0.075 X1*X3 50.592 37.346 32.125 30.866 39.886 23.280 214.095 35.683 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 X1*Y 0.169 0.143 0.131 0.123 0.122 0.087 0.776 0.129 0 0 0 0 1 偏相関行列 0.632 1 0.392 0.795 0.942 0.392 1 0.861 SR Sr VR Vr 回帰不偏平方和 残差平方和 回帰不偏分散 残差不偏分散 0.03682 0.00020 0.01841 0.00007 R R^2 重相関 寄与率 0.99733 0.99466 t1 t2 t3 F1 F2 F3 2002/12/10 勝率 (Y) 0.967 0.795 0.861 1 -1 -0.502 0.062 0.752 1.979 4.515 1.299 3.916 20.382 1.687 シミュレーション論 22 付録2:変数減少後の計算結果 チーム名 巨 人 ヤクルト 中 日 阪 神 広 島 横 浜 計 Ave. チーム 打率 (X1) 0.272 0.263 0.257 0.253 0.259 0.240 1.544 0.257 勝率 (Y) 0.623 0.544 0.511 0.485 0.471 0.363 2.997 0.500 X1*X1 0.074 0.069 0.066 0.064 0.067 0.058 0.398 0.066 1.544 0.398 0.447 0.776 1.733 0.447 0.510 0.880 2.997 0.776 0.880 1.534 0 1 2 3 6 1.544 1.733 2.997 0 1 2 3 1 0 0 0 0 1 2 3 1 0 0 0 0 1 0 0 0 1 2 3 1 0 0 0 0 1 0 0 0 1 2 3 1 0 0 0 0 1 0 0 0 1 2 3 0.257333 0.288860549 0.000569 0.001427453 0.001427 0.008949447 0.004441 0.01446833 -0.35633477 2.507235688 0.005370487 0.003333697 単相関行列 1 0.632 0.967 SR Sr VR Vr 回帰不偏平方和 残差平方和 回帰不偏分散 残差不偏分散 R R^2 重相関 寄与率 t1 t2 F1 F2 2002/12/10 チーム 防御率 (X2) 0.329 0.324 0.313 0.293 0.229 0.244 1.733 0.289 X2*X2 0.108 0.105 0.098 0.086 0.053 0.060 0.510 0.085 Y*Y 0.388 0.296 0.261 0.235 0.222 0.132 1.534 0.256 X1*X2 0.089 0.085 0.081 0.074 0.059 0.059 0.447 0.075 X1*Y 0.169 0.143 0.131 0.123 0.122 0.087 0.776 0.129 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0.4995 0.166666667 0.004441 -0.25733333 0.014468 -0.28886055 0.03702 -0.4995 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 -1.50779 7.800351 0.003334 0.002378 116.4789227 -451.990632 0.356334768 1.507790398 -451.991 1756.44 -2.50724 -7.80035 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 1 0 -1.287 6.244 0.621 0.000309 140.122 -618.347 66.351 1.286597772 -618.347 2926.954 -466.854 -6.244 66.351 -466.854 186.203 -0.62074 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 0 1 5501.212491 -26636.3075 -2520.21085 4166.873807 -26636.3 129195 12086.01 -20222.3 -2520.21 12086.01 1434.139 -2010.39 4166.874 -20222.3 -2010.39 3238.676 -0.888 -1 0.933 0.989 0.933 -1 0.632 1 0.795 0.967 0.795 1 偏相関行列 -1 -0.888 0.989 X2*Y 0.205 0.176 0.160 0.142 0.108 0.089 0.880 0.147 0.037 0.00031 0.018 0.00003 0.996 0.992 20.770 8.187 431.3973 67.02026 シミュレーション論 23
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