第3章 機械加工と設計 機械加工 ★機械加工の知識がなければ,部品の形状や寸法 を決められない。 寸法精度 ★製作の手間を減らすためには,必要以上に高い 精度を指定してはいけない。 3.1 機械加工の種類と特徴 (1) (2) (3) (4) (5) 機械加工法 旋盤加工と設計 フライス加工と設計 ドリル加工と設計 溶接加工と設計 (1) 機械加工法 切削加工 溶接加工 機械はどのような加工法で 作られるのか? 塑性加工(プレス加工) ★大量生産と単品生産 単品製作 旋盤とフライス盤があれば, 様々な形状の部品を製作 できる。 切削加工 大量生産 製作コストや加工時間を考 えると,切りくずが出さない 加工が適している。 塑性加工(プレス加工) (2) 旋盤加工と設計 旋 盤 ★バイトの形状と旋盤加工 旋盤加工に用いる代表的なバイト ★右片刃バイトを使った旋盤加工 旋盤加工の基本 作りやすい形状 ★加工しやすい形状 ★加工しにくい形状 ★加工できない形状 ★特殊な形状の加工 ジグを使うと便利な部品 【例】薄板の加工 ジグを使った旋盤加工 【例】板材の中ぐり加工 ジグを使った旋盤加工 (3) フライス加工と設計 フライス盤 ★エンドミル エンドミル ★設計上の注意点 フライス加工は旋盤加 工と比べて加工速度が 遅い。 どちらでも使うことがで きるのであれば,旋盤 を使う方が望ましい。 ★設計上の注意点 バイスに固定しやすい形状は○ ★フライス加工の実際 フライス盤で作る部品は,原則として「四角」 (4) ドリル加工と設計 ドリルの刃先 ★ドリル加工における機械設計の注意点 ★ドリル加工と機械製図 ドリル加工=「キリ」 製図の「深サ」に,ドリル先端部分は含まれない (5) 溶接加工と設計 アーク溶接 熱を与えることで材料が変形する。 切削加工と比べて正確な寸法に仕上 げることが難しい。 【余談】少量製作のための塑性加工 実験用車いす(2004) 車輪部分の円板をどのように作るか? 【余談】へら絞り 実際のへら絞り 1つの型を使って,部品を作ることができる。 【余談】へら絞り へら絞りに使う工具 ローラがついた工具を材料に押し当てる。 【余談】へら絞り 実際のへら絞り 工具を押し当て,任意の形状を作り出す。 【余談】へら絞り へら絞りで製作した部品 技術があれば,ステンレスの深絞りも可能。 課題① 「自動車の生産」と本講義で紹介した旋盤加 工やフライス加工を中心とした単品製作の相違 を考え,それらの機械設計の要点をまとめなさ い。 自動車の生産 自動車の生産 自動車の生産 課題① 「自動車の生産」と本講義で紹介した旋盤加 工やフライス加工を中心とした単品製作の相違 を考え,それらの機械設計の要点をまとめなさ い。 3.2 加工精度と設計 (1) (2) (3) (4) 基準寸法と寸法公差 はめあい 表面粗さ 機械加工と基準面 (1) 基準寸法と寸法公差 ★普通許容差 ①部品が普通許容差でよいのかを判断すること! ★寸法公差と機械加工 ②大きくするべきか,小さくするべきかを判断するこ と! (2) はめあい 軸と穴のはめあい ★はめあいの一例 ●穴と軸の大小関係が明確。 ●普通許容差よりも一桁高い精度。 ★はめあいや寸法公差が必要な例 魚ロボットの関節部 ★はめあいや寸法公差が必要な例 ●普通許容差では組み立てられない。 ★はめあいや寸法公差が必要な例 ●軸受を入れる穴はプラスの公差。 ●軸受に入れる軸はマイナスの公差。 (3) 表面粗さ 滑らかな表面仕上げが必要な例 ●シール面や摺動面には滑らかな表面仕上げが必要。 (4) 機械加工と基準面 部品のどの面を基準にして長さや位置を決めるか? 基準面:長さや位置を決める基準の面 ★機械加工を考えた設計 ★機械加工を考えた設計 (1) 切削加工で部品を製作する場合,できる限り削る量が 少なくなる形状とする。 (2) 旋盤加工やフライス加工で機械を製作する場合,丸棒 (円)と板材(長方形)を基本とする。3次元的な曲面形状は 適切でない。 (3) 寸法公差やはめあいの指定を必要最小限にする。 (4) 大量生産品を作る場合,それぞれの機械加工法や規 模に適した設計を行う。 (5) 機械製品を製作する場合,加工時間の短縮や使用す る材料の節約について考える。 課題② 機械を作り上げる際には,(i) 設計,(ii) 製図, (iii) 製作などの手順で行われることになる。ま た,最近の機械メーカでは,製品の生産性向上 のために,それらの分業化が行われている。 (a) 分業化の問題点について説明しなさい。 (b) 上記の流れにおいて,設計者が注意するべ き点を説明しなさい。 (c) 将来の理想的な「もの作り環境」を考えなさ い。(もの作りの流れ,効果など。)
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