島根県薬剤師会 学生実習対策委員会 2000 1992 医療法の改正 1982 老人保健法の制定 介護保険制度の開始 介護保険:居宅療養管理指導 この指導を受けるためには、介護が必要であるかどう か、どの程度必要であるかを判定されます(要介護認定) 。 医療保険:在宅患者訪問薬剤管理指導(訪問薬剤管理指導とも言う) 居宅療養のような要介護認定は必要ありません。 名称は、異なるが指導内容は同一です。 どちらの指導を行う場合でも、患者や家族がサービス内 容に同意した重要事項説明書が必要です。 在宅患者の 居宅 ①医師の往診 ②処方箋交付 ③FAX送信 ⑥薬剤師の訪問 ⑦処方箋の確認 ⑧薬剤の交付 薬局 ④FAX受信 ⑤薬剤の準備 指導計画の策定(約5分)薬局内 移動(自動車・徒歩)薬局外 服薬管理指導(15~20分)薬局外 指導内容記録の作成(約10分)薬局内 主治医への指導報告書の作成(約5分)薬局内 薬学的管理指導計画書 薬学的管理指導計画書 指導計画の策定 (約5分)薬局内 (保管) ○○薬局 大東駅前薬局 平成 処方医氏名 作成薬剤師 患者氏名 住 (男・女) 作成日 生年月日 所 訪問予定 年 月 日 明治・大正・昭和・平成 年 月 日 電話 平成 年 月 日 担当者: 平成 年 月 日 担当者: 平成 年 月 日 担者当: 平成 年 月 日 担当者: (特記) 薬 の 管 理 者 1.本人 2.介護者 服薬情報 薬効理解(本 人) 1.良好 (介護者) 1.良好 2.ほぼ理解 3.困難 2.ほぼ理解 3.困難 服薬理解(本 人) 1.良好 (介護者) 1.良好 2.ほぼ理解 3.困難 2.ほぼ理解 3.困難 服 薬 の 状 況 2.ほぼ良好 3.不可 1.良好 他院投薬 1.なし 2.あり? 医療機関: (処方内容) O T C 1.なし 移動(自動車・徒歩)薬 局外 服薬管理指導(15~2 0分)薬局外 指導内容記録の作成 (約10分)薬局内 2.あり? 医薬品名: 実施すべき助言内容等 主治医への指導報告書 の作成(約5分)薬局内 指導内容報告書 先生 ○○薬局 雲南市大東町飯田 40-2 島根県○○市△△町1-1-1 大東駅前薬局 ℡(43-9067) 指導計画の策定 (約5分)薬局内 薬剤師 下記の患者様宅を訪問いたしましたので、状況を御報告致します。 ( 保管状況 1.良好 地区) (生年月日) M ・・・ T S H 年 月 日生 様 (訪問日) 平成 年 月 日 1.本 人 対応者 2.介護者 ) 2.その他( 服薬状況 1.良好 2.その他( ) 併用薬剤 1.無し 2.有り( ) 重複薬剤 1.無し 2.有り( ) 副作用等 1.認めず 2.有り( ) 他医受診 1.無し 2.有り( ) 相互作用 1.無し 飲食物 2.有り( ) 患者氏名 患者状況 薬学的 管理指導 の内容 患 介 か 相 者 護 ら 談 や 者 の 等 移動(自動車・徒歩) 薬局外 服薬管理指導(15 ~20分)薬局外 指導内容記録の作 成(約10分)薬局内 主治医への指導報告 書の作成(約5分)薬 局内 マグライト LR20×4 マグライト LR6×2 レッドレンサー 1W 車載時 搬送時 搬送時 患者による薬剤管理 薬剤師による指導後 訪問薬剤管理・居宅療養管理指導 介護保険のあらまし 介護保険制度は40歳以上の国民が納める保険料と税金で運営されており、その運営主体 (保険者)は、市町村・東京23区です。サービスが受けられるのは、65歳以上の寝たきりや 認知症などの方と40~64歳で特定の疾病により介護が必要と認められた方になります。 サービスが受けられる方 ■65歳以上の方(第1号被保険者) 寝たきりや認知症などで常に介護を必要とする状態(要介護状態)や、常時の介護までは 必要ないが身支度など日常生活に支援が必要な状態(要支援状態)になった場合にサー ビスが受けられます。 ■40歳から64歳までの方(第2号被保険者) 初老期の認知症、脳血管疾患など老化が原因とされる以下の病気(特定疾病)により要介 護状態や要支援状態になった場合にサービスが受けられます。 ■特定疾病とは ・筋萎縮性側索硬化症 ・後縦靱帯骨化症 ・骨折を伴う骨粗鬆症 ・多系統萎縮症 ・初老期 における認知症(アルツハイマー病、脳血管性認知症等) ・脊髄小脳変性症 ・脊柱管狭窄 症 ・早老症(ウエルナー症候群) ・糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜 症 ・脳血管疾患 ・パーキンソン病関連疾患 ・閉塞性動脈硬化症 ・関節リウマチ ・慢性閉 塞性肺疾患 ・両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 ・末期がん 在宅での療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、あらかじめ名称、所在地、 開設者の氏名及び在宅患者訪問薬剤管理指導 (以下「訪問薬剤管理指導」という。)を行う旨を地 方社会保険事務局長に届け出た保険薬局の薬剤師が、医師の指示に基づき、薬学的管理指導計 画を策定し、患家を訪問して、薬歴管理、服薬指導、服薬支援、薬剤服用状況及び薬剤保管状況 の確認等の薬学的管理指導を行い、当該指示を行った医師に対して訪問結果について必要な情 報提供を文書で行った場合に算定する。 「薬学的管理指導計画」は処方医から提供された診療状況を示す文書等に基づき、又は必要に 応じ、処方医と相談するとともに、他の医療関係職種(歯科訪問診療を実施している保険医療機関 の保険医である歯科医師等及び訪問看護ステーションの看護師等)との間で情報を共有しながら、 患者の心身の特性及び処方薬剤を踏まえ策定されるものであり、薬剤の管理方法、処方薬剤の副 作用、相互作用等を確認した上、実施すべき指導の内容、患家への訪問回数、訪問間隔等を記載 する。薬学的管理指導計画は、原則として、患家を訪問する前に策定する。訪問後、必要に応じ新 たに患者の情報を踏まえ計画の見直しを行うこと。薬学的管理指導計画は少なくとも1月に1回は 見直しを行うこと。 在宅患者訪問薬剤管理指導料は月2回以上算定する場合は、算定する日の間隔は6日以上と する。がん末期患者及び中心静脈栄養法の対象患者については週2回かつ月8回に限り算定でき る。麻薬管理指導加算は訪問薬剤管理指導が算定されていない場合は算定できない。 医師または歯科医師の指示に基づき、薬剤師が薬学的管理指導計画を策定 し、また、医療機関の薬剤師が行う場合にあっては、医師または歯科医師の指 示に基づき、利用者の居宅を訪問して、薬歴管理、服薬指導、薬剤服用状況及 び薬剤保管状況の確認等の薬学的管理指導を行い、提供した居宅療養管理指 導の内容について、利用者又はその家族などに対して積極的に文書等にて提供 するよう努め、速やかに記録(薬局薬剤師にあっては、薬剤服用歴の記録、医療 機関の薬剤師にあっては薬剤管理指導記録)を作成するとともに、医師又は歯 科医師に報告することとする。また、必要に応じて、指定居宅介護支援事業者等 に対して情報提供するよう努めることとする。薬局薬剤師にあっては当該居宅療 養管理指導の指示を行った医師又は歯科医師に対し訪問結果について必要な 情報提供を文書で行うこととする。 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料 この指導料は平成20年4月に新設された。訪問薬剤管理指導を実施 している患者に対し、状態の急変等に伴い、当該患者の在宅医療を担う 保険医の求めにより、計画的な訪問薬剤管理指導とは別に、緊急に患 家を訪問して必要な薬学的管理指導を行うとともに、当該保険医に対し て訪問結果について必要な情報提供を文書で行った場合に算定できる 在宅患者緊急等共同指導料 この指導料は平成20年に新設された。訪問薬剤管理指導を実施して いる患者の状態の急変や診療方針の変更等の際、当該患者の医療関 係職種等が一堂に会しカンファレンスを行うことにより、より適切な治療方針 を立てることやカンファレンス参加者間での情報共有が可能となること等によ り、患者がより安心した療養生活を送ることができることに資することか ら評価されたものである。 現在は、居宅療養管理指導では設定されていません。 複数科受診によ る多剤併用 • 重複投与 • 薬物間相互作 用 服薬管理の低下 加齢による体内 の変動 • 視覚機能、聴 覚機能の低下 • 肝機能の低下 • 認知領域、運 動領域の低下 • 体成分組成の 変動 • 嚥下障害 • 腎機能の低下 ①残薬や併用薬が多くなりすぎ整 •残薬を重複や相互作用、併用禁忌などに留意しながら 理がつかなくなった為、飲めない。 整理する。 ②何の薬か理解していない為、飲 •薬効を理解できるまで説明。またその理解を助けるため の服薬支援する。 まない。 ③薬の副作用が怖い為、飲まな い •副作用について、恐怖心をとりつつ対応策を話し合い、 納得して服薬できるようにする。 ④特に体調が悪くない為、飲まな •基本的な病識や薬識を再度説明し、服用意義を理解し ていただく。 い。(自己調整) ⑤錠剤、カプセル、又は粉薬が飲め •患者ごとの適切な服用形態の選択と医師への提案。嚥 下ゼリー、オブラート、簡易懸濁法などの導入提案。 ない。 暮らし 食事 排泄 睡眠 運動 食欲、味覚、 嚥下困難、口 腔内清掃、口 渇、吐き気、 胃痛など 尿の回数、尿 の出具合、便 の回数、便の 出具合、汗の 状態など 睡眠の質、睡 眠時間、日中 の傾眠、不眠 の種類など ふらつき、転 倒、歩行状態、 めまい、ふる え、すくみ足、 手指の状態、 麻痺など 認知領域 記憶力低下、 見当識障害、 譫妄、幻覚、 徘徊、意欲低 下、抑鬱など おいしくない、味がおかしい 口が渇く、のどが渇く、入れ歯が入れにくい 歯茎が腫れる、入れ歯が合わない 食欲が出すぎる、薬を飲み出してから太った 飲み込めない、むせこむ ⇒味覚障害・異常・減退・脱失 ⇒口渇、口内乾燥 ⇒歯肉肥厚 ⇒過食 ⇒嚥下障害 胃 障 害 胃が痛くて食べられない、酸っぱいものがこみ 上げてくる、口が苦くなる 吐き気がする、ムカムカする ⇒胃炎、胃潰瘍 う つ 気持ちがのらない、外へ出たくない、食欲が わかない、楽しみがない、人と関わりたくない 味 の覚 状・ 口 況周 囲 ⇒嘔吐 ⇒うつ、抑うつ、うつ状態 便 おむつの交換回数が多い、下痢をする、 便が柔らかい 便が硬くて出ない、3日以上排便がない 尿 漏れる、居室に尿臭がある、尿取りパットの交 換が多い、残尿管がある、夜中に何回もトイレ に起きる 尿が出づらい、体がむくむ、トイレの回数が極 端に少ない 汗 適温なのに大量の汗をかく、または暑いのに 汗が出ない 口が渇く、めまいがする、体がだるい、意識が 朦朧としている ⇒下痢、軟便 ⇒便秘 ⇒尿失禁、頻尿 ⇒排尿困難・異常・障害 ⇒発汗異常 ⇒脱水 睡 眠 障 害 寝つけない、途中で目が覚める、熟睡できない ⇒不眠 悪い夢を見て、目が覚めてしまう ⇒悪夢 怒りやすい、興奮する(その結果眠ることができ ない) ⇒興奮、易怒 昼眠ってしまうので夜眠れない、うとうとする ⇒傾眠 運目 動の 能機 力能 低低 下下 で 能平 障衡 害機 筋 障 害 パ ー震 キえ ン、 ソ薬 ニ剤 ズ性 ム 歩行中ぶつかることがある、遠くがぼやける、 霧がかかったように見える、車の運転がしに くい ⇒視覚障害、視力低下、視力 障害、視力消失、緑内障、眼 圧亢進、眼底出血、白内障、 水晶体混濁、網膜障害 まっすぐ歩けない、乗り物酔いしやすくなった ⇒めまい、ふらつき、知覚 障害 体が痛い、食事中に箸を落とすことがある、 長距離を歩くと足が痛くなる、体に力が入らない ⇒ミオパシー、筋肉痛、四肢疼 痛、多発性筋炎、脱力感、 低K血症、血清CPK値上昇、 横紋筋融解症、けいれん、手 足のこわばり、筋萎縮、筋硬直、 重錐体外路障害 手足が震える、すくみ足になる、歩き出しの一 歩が踏み出せない ⇒錐体外路障害、手指振 戦、歩行障害、運動失調、 低血糖 高齢化を背景に、要医療者が大幅に 増加するとともに、病床の不足等も懸 念されている。この対策として、家庭 等の医療機関以外の場所で医療処 置を行う在宅医療の推進に向けた様 々な取組が講じられている。 厚生労働省の社会医療診療行為別 調査によれば、在宅医療のうち最も 多く実施されている療法は在宅自己 注射である(約66%)。 次いで在宅酸素療法、在宅持続陽圧 呼吸法、在宅自己導尿、在宅寝たき り患者処置、在宅自己腹膜灌流の順 である。 また、在宅療法の総件数については 、平成3 年が約21 万件であったの に対して、平成18 年は約81 万5 千 件と、約3.8 倍にまで増加している。 廃棄物 法で定める、ごみ、粗大ゴミ、 燃えがら、汚泥、ふん尿、 廃油、廃酸、廃アルカリ、動 物の死体その他の汚物又 は不要物であって、固形又 は液状のもの(放射性物質 およびこれによって汚染さ れた物を除く。)をいう。 産業廃棄物 事業活動に伴って生ずる廃棄物 のうち、燃えがら、汚泥、廃油、廃 酸、廃プラスチック類その他令で定め る廃棄物をいう 一般廃棄物 産業廃棄物以外の廃棄物をい う 特別管理産業廃棄物 (注射針、血液、輸液、 バッグ、手袋など) 特別管理一般廃棄物 (紙おむつ、包帯、ガー ゼ、アルコール綿など) 医療機関は、患者の在宅医療診療行為が 適切に実施されるよう管理、指導を行う責 務があるとともに、専門家として、患者が 安全かつ適正な廃棄物の排出を行えるよ う必要な情報提供、指導を行うことが必要 である。 在宅医療廃棄物のうち、特に感染性が高 い廃棄物については、患者の病状や生活 環境等に応じて、在宅療養で患者が使用 したものも含めて、医療機関等で回収する ことが望ましい。 在宅医療廃棄物の処理に当たる市町村 等からの求めに応じて、適切な処理を確 保するために必要な情報提供を行うこと が求められる。 医療機関の役割 薬局は、院外処方の普及に伴い 、在宅医療における医薬品、医療 材料等の供給者として重要な役 割を担っている。 在宅医療廃棄物の適正処理にお いても、在宅医療廃棄物の種類、 患者の状況、医療機関との連携 等の状況に応じて、より重要な役 割を担うことが期待される。 薬局の役割 在宅療養の種類 廃棄物の内容 在宅療養の種類 廃棄物の内容 在宅自己腹膜灌流 (CAPD) CAPDバッグ、附属 チューブ 在宅自己導尿(脊髄 損傷など) 導尿バッグ、導尿用 チューブ、脱脂綿類など 在宅自己注射療法 (糖尿病、血友病、小 人症など) ディズポーザブル注射 器、ペン型注入器、自 動注入シリンジポンプ、 脱脂綿、試験紙、採 血用穿刺針など 在宅人工呼吸(呼吸 不全など) 気管カニューレ、チューブ 類、脱脂綿類など 在宅悪性腫瘍患者 (悪性腫瘍) ディスポーザブル注射器、 中心静脈用カテーテル、 脱脂綿類など 在宅酸素療法(高度 慢性呼吸不全など) チューブ類、脱脂綿類 など 在宅寝たきり患者(寝 膀胱留置用カテーテル、 たきり老人、特定疾 導尿用カテーテル、鼻腔 患) 栄養用チューブ、脱脂 綿類など 在宅成分栄養経管栄 経管セット、脱脂綿類 養法(経口摂取困難 など など) 在宅中心静脈栄養法 経管セット(輸液バッグ、 (腸管大量切除など) チューブ類、ディスポーザ ブル、脱脂綿類など) 在宅自己疼痛(難治 性慢性疼痛など) インフューザー、脱脂綿 類など 注射器 この問題の危険性から、 逆に医療廃棄物の問題に 薬局が関わることの重要性を 再認識しよう。 注射器 (針付) 薬瓶 松江市 (12海岸) 11 9 28 出雲市 (3海岸) 15 8 90 大田市 (4海岸) 2 江津市 (5海岸) 7 18 5 25 4 浜田市 (1海岸) 益田市 (10海岸) 29 14 55 合計 64 36 220 <協力・資料提供> 大東駅前薬局 <参考・引用文献> 厚生労働省HP 独立行政法人福祉医療機構HP 保険薬局業務指針2008年版 介護報酬早見表 日薬HP 環境省HP ご協力ありがとうございました
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