数理模型の有効性 - 横浜国立大学 益永・中井

環境省植物Redlist 1998
博覧会協会作成のCD-ROM
日本植物分類学会専門委員会による
アンケート調査
• 25000分の1地図=1 区域
• 2000種以上の植物を約400人の
調査員にアンケート調査(植物
物知り博士がたくさんいた=絶
滅寸前)
• 10年前との比較も尋ねる
種の平均余命
= f (現存個体数、減少
率)
3
分布・減少率動向
松田裕之『環境生態学序説』共立出版
サクラソウの場合
>1000
>1000
>100
>10
>1
?
total
<0.01 <0.1
2
2
2
5
16
1
3
<0.5
<1
1
3
6
2
>1
1
2
2
1
?
4
1
5
19
12
3
2
1
22
8
23
24
12
6
45
extinction
Np=f1N1+ f2N2+ f3N3+ f4N5=31977
total
8
15
60
12
23
118
13
4
キキョウはVUである
•
•
•
•
•
全国的に広域分布
約2万株
約350区域
減少率70%/10年
現状維持は6区域
博覧会協会作成のCD-ROM
未実証の保守的な前提
• 過去の減少傾向が今後も続く
– 密度効果を無視
– 地域較差を無視
– 減少率にも時代の波(バブル経
済)
– 将来は管理され、調査精度向上
• 一部を除き生情報公開
モンテカルロ実験による
絶滅リスク
• 区域内個体数: ni → (1-li) ni
• %decrease li: size-invariant, positionindependent
• If ni <1, we regard patch i as local
extinction (ni=0).
• If N=Σni<1, we regard this taxon as
extinction.
8
絶滅までの計算機実験
絶滅リスク評価
松田裕之『環境生態学序説』共立出版
IUCN基準と環境省植物RDB
IUCN判定基準と環境省判定
• フジバカマ (EN,VU)
– Np=6000, L=50, R=63%/10yrs
• キキョウ (EN, VU)
– Np=17000, L=258, R=69%/10yrs
• ミナミマグロ (CR, VU?)
– Np=423000, R=53%/ 10yrs
Population Ecology 97 12
無情報先験分布(ベイズ統計
学)
Prior Distribution
• 全種の減少率分布を先験分布とする
>1000 <0.01 <0.1 <0.5 <1
total
.06 .10 .18 .36
>1
.36
Ex. total
.16
1
• 減少率情報のない種は、この減少率にした
がって減少すると仮定する。(Bayes法)
13
SLOSS問題
Single large or several small
• 現状維持50%、地域絶滅50%
• L=1, Np=31の種は平均余命17年
• L=10, Np =31の種は平均余命44
年
• 分布面積の差が絶滅リスクに反
映
14
植物RDBホットスポット
保全の
県名
価値
北海道 0.592
沖縄
0.261
沖縄
0.218
鹿児島 0.19
沖縄
0.19
佐賀
0.189
香川
0.189
沖縄
0.188
熊本
0.184
宮崎
0.152
静岡
0.127
全滅の
損失
13.9
4.088
1.727
1.743
3.776
1.761
1.723
0.782
0.75
0.855
0.822
その
順位
1
4
12
11
6
10
13
78
79
71
72
各ランクの生息種数 区域固
CR
EN
VU
有種数
16 (0) 13 (1) 12 (0) 15 (0)
13 (7) 17 (2) 18 (6)
6 (1)
5 (4)
6 (2)
9 (14)
0 (0)
3 (1)
2 (3)
1 (0)
0 (0)
6 (6)
10 (5) 10 (4)
1 (3)
3 (3)
1 (6)
4 (6)
2 (0)
1 (1)
6 (2)
12 (3)
2 (0)
4 (4)
10 (2) 14 (10) 1 (1)
1 (1)
2 (3)
4 (1)
0 (0)
2 (2)
5 (0)
11 (1)
0 (0)
2 (0)
2 (1)
7 (0)
1 (0)
その
順位
1
4
--21
12
12
23
--25
中西準子ら編『環境リスクハンドブック』朝倉書店
環境省植物RDBの今後
• 植物分類学会専門委員会
–重点種の再調査(10年後)
–絶滅リスク評価手法の改善
–一部を除く分布情報公開
–環境影響評価への活用