スライド 1

高齢者虐待防止SOS
ネットワークシステム
大和保健福祉事務所
大和保健福祉事務所所管市町村
面積:49.3km2
人口:30.5万人
綾瀬市
大和市
面積:22.3km2
人口:8.3万人
面積:27.1km2
人口:22.2万人
老年人口:13.3%
老年人口:13.6%
経緯
平成9年
「はいかい高齢者等SOS
ネットワークシステム」
身体虐待事例
の発見
平成12年
介護保険制度開始
隠れていた
介護問題の表出
平成12年7月から平成13年3月
①相談窓口の設置
②措置制度と一時保護のための施設の必要性
③市民への啓発・普及
④介護者へのサポート
⑤対応フロー図の作成
設立準備
⑥電話相談
⑦警察、法律家との話し会い
⑧学習会の継続
事例把握調査
参加37機関に過去2年間の事例16例把握
8割が女性。虐待される高齢者の9割に痴呆、精神疾患がある。
介護者の9割が息子・娘。身体的暴力が最も多い。
介護者とは、介護疲れと複雑な家族関係も関係する。
平成13年3月
「高齢者虐待防止SOSネッ
トワークシステム」設立
構成団体
•大和警察署
市社会福祉協議会
在宅介護支援
センター
•大和市・綾瀬市
介護保険事業者
SOS
ネット
ワーク
医師会
民生委員など
医療機関
大和保健福祉事
務所
高齢者虐待防止SOSネット
ワークシステムの特徴
• 虐待、虐待疑いのケースの受け
皿。
• 関係機関の職員が、高齢者虐待
についての問題意識を絶えず持
つことになり、結果的に、ケース
を早期発見しやすくなる。
• 対応方針に関係機関の共通認
識が形成される。
• 関係機関の役割分担を確認でき
る。
対応フローチャート
介護困難
介護ストレス
介護の放
棄・
放置
身体的な暴
力・
拘束
金銭・
物の
搾取
精神的苦痛
事
相談
件
性的暴力
警
在宅介護支援センター
症状あり
緊急性あり
基幹型在宅介護支援センター
察
調査・
保護
発見・
連絡
病院・
診療所
治
大和市高齢者福祉課
綾瀬市いきがい介護課
分離必要
大和市高齢者福祉課
綾瀬市いきがい介護課
(
高齢者サービス調整部会)
連携
チーム検討会
療
大和保健福祉事務所
綾瀬市保健センター
緊急一時保護
やむを得ない措置入所
緊急性なし
介護保険
介護者支援
金銭管理
大和あんしんセンター
給付中
申請拒否
申請する
綾瀬あんしんセンター
(
社会福祉協議会)
財産保全サービス
認定調査
対象
介入拒否
対象外
介護支援専門員
ケアプラン作成・
修正
介護で疲れきってしまわないための地域のサービス
介護保険サービス提供
地域で利用できるサービス
地域で見守る人たち
・
訪問介護
・
介護者の集い
・
民生委員
・
訪問看護
・
介護者交流会
・
在宅介護支援センター職員
・
訪問入浴
・
介護者の会
・
市保健師
・
訪問リハ
・
介護者のための精神保健相談
・
保健福祉事務所保健師
・
通所介護
・
痴呆相談
・
保健福祉事務所ケースワーカー
・
通所リハ
・
家庭訪問、相談 など
家庭訪問、相談 など
・
短期入所 など
年齢別対象数
平成14年 1 2
4
人
平成13年 1 2
数
2
3
2
平成12年
6
2
8
0
5
1
3
10
年度
50歳代
80歳代
3
15
60歳代
90歳以上
20
70歳代
不明
性別対象数
平成14年
5
人
平成13年
数
平成12年
9
2
8
3
0
13
5
10
年度
男
15
女
20
連絡者別通報件数
18
16
16
14
12
10
件数
8
7
6
5
4
4
4
2
2
1
1
明
不
の
そ
機
療
連絡者
他
関
族
医
委
生
民
家
員
者
業
介
護
保
険
在
サ
宅
支
ー
ビ
援
ス
事
セ
ン
タ
市
ー
0
虐待の分類別件数
0
性的 0
0
不適切な対応
分
類
0
0
2
介護放棄
6
5
7
4
4
4
経済的
6
6
精神的
身体的
10
9
5
0
2
4
12
6
8
10
12
人数
平成12年
平成13年
平成14年
14
被虐待者別件数
1
1
その他
孫
1
2
娘
7
被
虐
息子の妻
待
者
息子
2
2
2
8
3
10
10
10
11
2
妻
1
夫
1
2
2
0
5
10
件数
身体的
精神的
経済的
介護放棄
15
事例1
65歳男性。
要介護5、加害者妻
<概要>
• 近隣に長女、長男が住んでいる。
• 58歳 脳動脈瘤手術。その後、左半身不随。障害1級から、
介護保険へ。
• 車椅子で移動。妻のみが介護に従事。現在に至る。
• この間、医療機関に入院するも、暴言、点滴を抜くなどの行
動より、退院を迫られる。
• 退院してからも、暴言、暴行がひどく、妻の顔を殴ったり、
食事を投げたりする。
<虐待の状況>(身体的、精神的、介護放棄)
• 保健師訪問時、暴言のため、口の中にガーゼを入られて、
ガムテープを何重にもはられている。
• 手は、紐で拘束されているので、拘縮している。また、本人
が妻を殴った場合、妻から殴り返すので歯が折れたときが
ある。
• 妻は、介護サービスも拒否し、1日2食の食事のみ。
• 「今まで騙されて真剣に介護してきたが、もう止めた。」
<対応>
• 病院へ入院した。
事例2
75歳男性。要介護2
痴呆あり
加害者:妻 68歳
<概要>
• 長女43歳と同居。本人:元公務員
• 65歳 パーキンソン病発病
• 74歳 駅で転倒し、股関節置換術を受ける。退院後
痴呆症状が始まる。
<虐待の状況>(身体的、精神的)
• 妻より、「本人の首をしめてしまった。」と大和保健福
祉事務所に電話があった。
(妻の発言)
• 「首をしめてしまった。」
• 「時々刃物を持ち出してしまう事がある。」
• 「本人の言う事を無視する事がある。」
• 「トイレの失敗を執拗に責め、尻をたたいたり、蹴飛
ばす事がある。」
<対応>
• 家庭訪問の結果、「夫と妻と分離した方がいい」旨妻
に伝え、同意してもらう。
• ショートステイを利用する。
事例3
77歳女性。要介護2 痴呆あり
加害者:息子の妻
<概要>
• 実息子は、妻と別居。
• 本人は1戸立てに息子の妻、孫と同居しているが交
流なし。
<虐待の状況>(身体的、経済的、介護放棄)
• 顔面などに内出血、打撲傷あり、嫁に怯える。
• 嫁の介護は全くなく、別居の息子は、月1-2回程度
面倒をみるだけ。
• 息子の収入が不定期。お金がないため、食べる物が
ないため、生活消耗品が買えない。冷暖房器具が使
えない。
<対応>
• 緊急性はないが、第3者を交えて、息子夫婦の関係
修復を兼ねて話し合いをもつ。
事例4
76歳男性。要介護1 痴呆あり
加害者:息子(42歳)
<概要>
• 妻に対しても息子が介護をしていた。本人が痴呆症
状がでて、2人介護することになった。
<虐待の状況>(身体的)
• デイサービス利用時からの相談。
• たばこの火、殴るなどで顔に傷や内出血の後が見ら
れた。妻は、四六時中夫を見張っていて、夜、息子に
相談している。
(息子の話)
• 介護サービスについては、介護保険外になり、自己
負担を増やしたくない。
<対応>
• 援助:家族へのカウンセリング。一時保護を検討する
高齢者虐待防止SOS
ネットワークシステムの
運営上の課題
対応フローチャート
介護困難
介護ストレス
介護の放
棄・
放置
身体的な暴
力・
拘束
金銭・
物の
搾取
精神的苦痛
事
相談
件
性的暴力
警
在宅介護支援センター
症状あり
緊急性あり
基幹型在宅介護支援センター
察
調査・
保護
発見・
連絡
病院・
診療所
治
大和市高齢者福祉課
綾瀬市いきがい介護課
分離必要
大和市高齢者福祉課
綾瀬市いきがい介護課
(
高齢者サービス調整部会)
連携
チーム検討会
療
大和保健福祉事務所
綾瀬市保健センター
緊急一時保護
やむを得ない措置入所
・市民向けの広報
・関係機関(行政、在宅
介護支援センター、老
介護者支援
金銭管理
人福祉施設、医療機
関)職員向けの研修、マ
大和あんしんセンター
申請拒否
綾瀬あんしんセンター
ニュアル策定
(
社会福祉協議会)
相談窓口
の開設
緊急性なし
介護保険
給付中
申請する
財産保全サービス
認定調査
対象
介入拒否
対象外
介護支援専門員
ケアプラン作成・
修正
介護で疲れきってしまわないための地域のサービス
介護保険サービス提供
地域で利用できるサービス
地域で見守る人たち
・
訪問介護
・
介護者の集い
・
民生委員
・
訪問看護
・
介護者交流会
・
在宅介護支援センター職員
・
訪問入浴
・
介護者の会
・
市保健師
・
訪問リハ
・
介護者のための精神保健相談
・
保健福祉事務所保健師
・
通所介護
・
痴呆相談
・
保健福祉事務所ケースワーカー
・
通所リハ
・
家庭訪問、相談 など
家庭訪問、相談 など
・
短期入所 など
対応フローチャート
介護の放
身体的な暴
・チーム検討会
棄・
放置
力・
拘束
の開催、
相談
・ケースの分析
発見・
連絡
介護困難
介護ストレス
在宅介護支援センター
緊急性あり
基幹型在宅介護支援センター
金銭・
物の
搾取
精神的苦痛
事
件
性的暴力
警
察
調査・
保護
症状あり
病院・
診療所
治
大和市高齢者福祉課
綾瀬市いきがい介護課
分離必要
大和市高齢者福祉課
綾瀬市いきがい介護課
(
高齢者サービス調整部会)
連携
チーム検討会
療
大和保健福祉事務所
綾瀬市保健センター
緊急一時保護
やむを得ない措置入所
緊急性なし
介護保険
給付中
申請する
認定調査
対象
・ショートステイなど一時保
護施設の確保 介護者支援
金銭管理
・入院が直ちにできるよう
大和あんしんセンター
病床の確保
申請拒否
綾瀬あんしんセンター
・家族の了解なしに一時保 (社会福祉協議会)
財産保全サービス
護できる制度
・成年後見制度の利用
介入拒否
対象外
介護支援専門員
ケアプラン作成・
修正
介護で疲れきってしまわないための地域のサービス
介護保険サービス提供
地域で利用できるサービス
地域で見守る人たち
・
訪問介護
・
介護者の集い
・
民生委員
・
訪問看護
・
介護者交流会
・
在宅介護支援センター職員
・
訪問入浴
・
介護者の会
・
市保健師
・
訪問リハ
・
介護者のための精神保健相談
・
保健福祉事務所保健師
・
通所介護
・
痴呆相談
・
保健福祉事務所ケースワーカー
・
通所リハ
・
家庭訪問、相談 など
家庭訪問、相談 など
・
短期入所 など
対応フローチャート
介護困難
介護ストレス
介護の放
棄・
放置
身体的な暴
力・
拘束
金銭・
物の
搾取
精神的苦痛
事
相談
件
緊急性あり
基幹型在宅介護支援センター
介護保険
チーム検討会
サービス
の最大活
用
緊急性なし
大和市高齢者福祉課
綾瀬市いきがい介護課
警
察
調査・
保護
発見・
連絡
在宅介護支援センター
性的暴力
症状あり
分離必要
地域福祉権
病院・
診療所
利擁護事業
治 療
へつなげる
大和市高齢者福祉課
綾瀬市いきがい介護課
(
高齢者サービス調整部会)
連携
大和保健福祉事務所
綾瀬市保健センター
緊急一時保護
やむを得ない措置入所
介護保険
介護者支援
給付中
金銭管理
大和あんしんセンター
介護者への
申請拒否
支援
申請する
綾瀬あんしんセンター
(
社会福祉協議会)
財産保全サービス
認定調査
対象
介入拒否
対象外
介護支援専門員
ケアプラン作成・
修正
介護で疲れきってしまわないための地域のサービス
介護保険サービス提供
地域で利用できるサービス
地域で見守る人たち
・
訪問介護
・
介護者の集い
・
民生委員
・
訪問看護
・
介護者交流会
・
在宅介護支援センター職員
・
訪問入浴
・
介護者の会
・
市保健師
・
訪問リハ
・
介護者のための精神保健相談
・
保健福祉事務所保健師
・
通所介護
・
痴呆相談
・
保健福祉事務所ケースワーカー
・
通所リハ
・
家庭訪問、相談 など
家庭訪問、相談 など
・
短期入所 など
運営上の課題
○初期対応、早期発見
• 相談窓口の開設
• 市民向けの広報
• 関係機関(行政、在宅介護支援センター、老
人福祉施設、医療機関)職員向けの研修、
マニュアル策定
○適切な対応の推進
• チーム検討会の開催(ケースの分析)
○緊急時の対応
• ショートステイなど一時保護施設の確保
• 入院が直ちにできるよう病床の確保
• 家族の了解なしに一時保護できる制度
• 成年後見制度の利用
○非緊急時の対応
• 介護保険サービスの最大活用
• 介護者への支援
• 地域福祉権利擁護事業へつなげる
高齢者虐待防止SOSネット
ワークシステムの法的課題
• 責任体制
– 通報は誰がどこまで責任をもって行うの
か?
– 緊急対応の一時入所等は、どの組織が、
どこまで責任を負うのか?
– 家族以外の者が、被虐待者への保護を
どこまでするのか、どこまで許されるの
か?
• 予算的、法律的裏づけがない中で、
システムを安定的に動かしていくか?
– 熱意と問題意識の高い職員、関係機関
が日ごろから信頼関係があったためにS
OSネットワークシステムがスタートするこ
とができたが、その後も発展させるため
には、どうするか?