2.2 形式言語と自然言語 (1)自然言語と形式言語の区別 ■自然言語 我々が日常使っている言葉 (日本語、英語など) ■人工言語、形式言語 何らかの目的で特別に設計された言語 (プログラミング言語、データベース問合せ言語など) (2)英語の数学的なモデル化 1956年チョムスキー(N.Chomsky) 英語のモデル⇒文脈自由言語 Algolのメタ言語(後述)に等価 チョムスキーの結論 バッカス記法(後述)で記述できる言語は、 すべて文脈自由言語と等価である (3)自然言語のあいまいさ(その1) ①修飾のあいまいさ 美しい女の子の母親 ②外配置(extra-position)による主体・客体の逆転 太郎は花子が嫌い(太郎は花子を嫌っている) 太郎は花子が嫌う(花子が太郎を嫌っている) 太郎は淳子が好き(太郎が淳子を好いている) 太郎は淳子が好きな人(淳子が太郎を好いている) 太郎は淳子が愛す(淳子が太郎を愛している) 自然言語のあいまいさ(その2) ③擬似推論による表現 暑かったら冷蔵庫にビールが入っているよ。 (暑ければ何か飲みたいでしょう。飲み物だったらビールが 冷蔵庫の中に入っている。それを出して飲んだら?) ④比喩からの派生 Don’t make me a monkey (私をサルにしないで → 茶化さないでよ) He is a square apple. (彼は四角いリンゴだ → 彼は規則を守る人だ) 彼はウドの大木だ → 彼は大きいだけで役に立たな い) (4)我々の3つの課題 ①急速な発展を遂げた言語理論の成果に似 たモデルをどこまで利用できるか? ②自然言語に近いコンピュータ言語化 ③適用分野別の汎用言語のあり方
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