「ボランティア休学」のための 環境整備のお願い 東北地方太平洋沖地震震災復興を促進する 仕組み作りの一環として 東北地方太平洋沖地震の概略 東北地方太平洋沖地震 兵庫県南部地震(阪神淡路大震災) 地震概要 2011年3月11日14:46頃発生 M9.0 プレート型 震度7:宮城県栗原市 震度6強:宮城県、 福島県、茨城県、栃木 1995年1月17日5時46分頃発生 M7.3 内陸型 震度7:神戸市、芦屋市、西宮市、宝塚市、 北淡町、一宮町、津名町の一部 震度6:神 戸市、洲本市 震度5:豊岡市 震度4:姫路 市 被害の特 徴 津波被害 推定最大波高15m以上、被害面積400km 2以上 大都市直下型 交通、電気、ガス等のライフラインが壊滅 大規模火災 焼損床面積:835,858m2 住宅被害:639,686棟 多数の避難住民 人的被害 死者・行方不明者 27,600人 負傷者 2600人 避難者 170,000人 死者・行方不明者 6,437人 負傷者 43,792人 避難者 316,678人 その他の 被害 津波被害面積400km2以上 原発被害 道路10,069箇所 橋梁320箇所 河川430箇所 崖崩れ378箇所 被害総額 10〜20兆円 約9兆円 復興への道のり 復興の枠組み 被災者の生活再建 都市計画 住宅再建 産業復興 ハードウェアの復旧 生活支援 きめ細やかな人的支 援が不可欠 ソフトウェアの復旧 インフラの復旧 今後の課題 震災後3ヶ月は最低限の生活水準に復旧させるために多く の人的支援が必要 生活支援の分野において,長期的にきめ細やかな人的支 援が必要 特に、多様な配慮を必要とする人 (妊産婦、軽度の要介護 者、精神的要支援者、外国人、障がい者、 アレルギーや難 病の患者支援等)のニーズ把握、個別課題へのケアは、専 門家とその下で動く組織的なボランティアの存在が不可欠 【参考事例】阪神大震災時のボランティア 数 時期 1日平均 ボランティア数 〜震災後1ヶ月 20,000人 震災後1ヶ月〜3ヶ月 9,200人 震災後3ヶ月〜6ヶ月 900人 震災後6ヶ月〜1年 815人 学生ボランティアの必要性と役割 学生ボランティアの必要性 被災地では多くのボランティアが必要になる 被災地の範囲、高齢者率、各種インフラの復旧見込み等を鑑みて、阪神大震災の場 合の10倍程度の数のボランティアが必要 →震災後1ヶ月は1日平均10万人〜20万人 半年から1年後でも1日平均5000人〜1万人 必要数のボランティアを社会人でまかなうことは現実的に不可能 最終的には被災地内でボランティアを確保する方向に進むと思われるが、現状では 量的にも、置かれた状況としても困難 従って、被災地外からの学生ボランティアの参加が強く望まれる 学生ボランティアの役割 1. 統率された労働力 >> “広く大きく“支援する要員 救援物資の仕分け・運搬や食事の炊き出し、高齢者や一人親世帯のような自ら広 範囲を出活動するのが困難な人たちへのサポート等を行う 2. ソフト的支援 >> ピンポイント支援の要員 種々の生活支援ニーズに対応する専門家のサポーターとして、多様な配慮を必要 とする人 (妊産婦、軽度の要介護者、精神的要支援者、外国人、障がい者、 アレル ギーや難病の患者支援等)のニーズ把握、個別課題へのケアに参画する 学生ボランティアの要件 学生ボランティアが現地の復興支援に役立つための条件 数の確保 学生が短期、長期のボランティアに参加しやすい環境整備(欠席の取り扱い、休学 時の授業料の減免、ボランティアの単位化等) 質の確保 被災地のニーズに合った活動をするために地元コーディネータと連携した研修、組 織化、マネジメント 活動に必要な食料、日用品、装備の確保 安全の確保 学生ボランティアは災害救援の専門家ではない 危険地域への立ち入りや危険を伴う作業は不可 これらの点に留意し、各種NPO等の専門家と連携した学生ボランティアを多数確保すること が、被災地復興支援には不可欠 「ボランティア休学」導入のために(1) 「ボランティア休学」とは 大学を休学して、被災地で6ヶ月程度の長期ボランティアに参加する学生に対し、そ の休学を認め、授業料等を実質的に減免する仕組み ボランティア休学のためのハードル 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 震災復興支援ボランティアが休学事由として認められるか 現状では各大学の学則、学籍規定による 多くの場合、教授会や学部長等の承認があれば認められるが そのための基準は明記されていない 休学願いの提出期間 4月1日以降に休学願いを提出した場合半期分の授業料が 発生する場合がある ボランティア休学をした場合の学費負担 多くの私立大学では休学時に授業料の一部を納入が求められる 定員の問題 休学者が多数になった場合定員充足率に影響し、補助金交付に問題が生じる また、偽装休学等の可能性も生じる ボランティア休学の証明 休学した学生が確実にボランティアに参加していることの確認が必要 学生ボランティアの実効性 適切な研修とマネジメントによって実効性のあるボランティア活動にする必要がある 学生ボランティアのリスク管理 危険を伴わない活動地域や活動内容、事故や病気に備えた保険の加入等 「ボランティア休学」導入のために(2) 制度的支援(文部科学省、日本私立学校振興・共済事業団) 1. 補助金減額基準の弾力的運用 特定大学・学部で、ボランティア休学者が多数生じ、その大学・学部の在学者 数が収容定員の1.50倍以上になった場合の補助金不交付措置の停止 ただし、ボランティア参加について第三者による証明、教授会の議事録等の 証憑書類は別途必要 在籍学生数の収容定員に対する割合が50%前後の大学については減額基 準をむしろ厳密に運用する必要あり 2. 休学願いの取り扱いに対する指導 震災復興ボランティアへの参加を正当な休学事由として承認する (ただし、長期ボランティア参加の証明を条件する) 3. 休学中の授業料の徴収に対する指導 休学中に徴収する費用を、学籍管理等の事務費用相当分のみとする 「ボランティア休学」導入のために(3) 大学内の運用面の支援 1. 学則、学籍規定を弾力的に運用し、震災復興支援ボランティアを休学事 由として認める 2. 学期開始後の休学願の提出を認める 3. 震災復興支援ボランティアに参加する学生の休学費用の実質免除 【学友会等の奨学金を活用した免除スキームの例】 ボランティアに伴 う休学時の学費 負担相当分の奨 学金制度の創設 または予算措置 ①休学願 ②休学承認 (休学期間終了後) ⑤ボランティア 奨学金申請 ③授業料等延納願 大学 ④延納願い承認 学生 ⑦授業料等納付 ⑥奨学金給付 教育後援会 学友会 保護者会 同窓会 等 「ボランティア休学」導入のために(4) 受入地域や支援団体側での支援 1. ボランティアの研修 学生がボランティアに参加する場合、現地に赴く前に東京や大阪などで 専門性をもつNPO等が、必要な知識や技術を習得するための系統だっ た研修を行う 2. ボランティアのマネジメント 現地での学生ボランティアの活動が効率的・効果的に行うために、現地 のNPO中間支援組織等と、地域外の専門性を持つNPO等が連携して、 マネジメントを行う また、ボランティアの活動地域や内容等において安全に対して十分に配 慮する 3. ボランティアの参加証明 ボランティア休学を承認された学生が、実際にボランティア活動に参加し たことを、現地NPOや支援NPO等が証明する
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