計量行政の最近の動き、今後の課題 全国計量士大会 於:マツヤサロン 平成15年2月20日 経済産業省 計量行政室 課長補佐 徳増伸二 1 トピックス Ⅰ.計量行政の最近の動き (過去5年程度) 1. 計量行政の執行体制等の変革 2. 新たな計量ニーズへの対応 3. 国際化への対応 Ⅱ.今後の計量行政の課題 2 Ⅰ.計量行政の最近の動き (過去5年程度) 3 1.計量行政の執行体制等の変革 ・地方分権 (平成12年4月~) 機関委任事務から自治事務へ ・中央省庁等改革 (平成13年1月~) 法定計量と計量標準担当課室が合体 独立行政法人(産総研、NITE)の設立 ・基準認証制度の見直し (平成13年4月~) 指定機関への民間能力の活用 ・電子申請の導入 (現在準備中) 4 経済産業省における計量関係組織の再編 (再編前) (再編後) 機械産業情報局 産業技術環境局 総務課 (法定計量を所掌) 計量行政室 工業技術院 産業技術ユニット 基準認証ユニット 知的基盤課 総務部 標準部 計量行政室 (計量標準の設定を所掌) 知的基盤課 環境ユニット 5 産業技術総合研究所 計量標準総合センターの新設 再編前 計 量 研 究 所 物理・力学標準 電子技術総合研究所 電気標準 物質工学工業技術研究所 標準物質 計量標準総合センター 製品評価技術基盤機構(NITE)の新設 バイオテクノロジー分野 化学物質管理分野 経済社会の発展及び国民生活の安定を支 える技術的な基盤の整備を目的とする機関 適合性評価分野 計量法 ・JCSS ・MLAP 人間生活福祉分野 2.新たな計量ニーズへの対応 ・JCSSの階層性の導入 校正証明書が出せる計量器の範囲の拡大 国家計量標準とトレサがとれていればOK ・MLAP制度の創設 極微量物質の正確計量の確保 8 トレーサビリティ制度(JCSS)の導入 1993年 計量法改正(トレーサビリティ制度(JCSS)の導入) 2001年 計量法改正(JCSS階層性の概念の導入) 国家計量標準 (一次標準) 二次標準 実用標準 各ユーザ(産業界、研究機関、大学、消費者など) 極微量物質の正確計量の確保 • 極微量物質への正確計量ニーズの増大 – 環境問題の関心の高まり、特にダイオキシン問題の 顕在化 • 計量法の改正(平成13年6月改正、14年4月施行) – ppt、ppq等の計量単位の追加 – 特定計量証明事業者認定制度(MLAP) • ダイオキシン類の計量証明の実施には認定取得が必須 – 計量証明書の記載事項の明確化 等 10 MLAP 特定計量証明事業者認定制度( MLAP:Specified Measurement Laboratory Accreditation Program) は、ダイオキシン類などの極微量 物質の計量証明の信頼性の向上 を図るため、2001年6月の計量 法の改正により導入された認定 制度 など 3.国際化への対応 ・計量規制の国際整合化 ・OIML(国際法定計量機関) ・APLMF(アジア太平洋法定計量フォーラム) ・MID(欧州における計量器の理事会指令) 12 計量規制の国際整合化 ・OIML Recommendation, OIML Document - 個別計量器規制 - モデル計量法 - 計量取締りの原則 - 型式承認試験結果の相互受入れ(MAA) 等 従う義務はないが、加盟国として尊重する必要あり ・検定検査規則のJIS化の検討 迅速に国際整合性を図ることが可能に 13 OIML(国際法定計量機関) International Organization of Legal Metrology ・法定計量に関する国際機関 ・日本は1961年加盟 ・加盟国:58、準加盟国:49 (2002年10月現在) ・勧告書(R):114、国際文書(D):27 (2001年末現在) ・2003年11月、年次会合を初めて日本(京都)で開催 14 (アジア太平洋法定計量フォーラム) ・アジア太平洋地域における法定計量の地域機関 ・1994年に設立 ・加盟国:20 準加盟国:6 (2002年末) ・2002年1月より、日本は議長国及び事務局国 ・2003年11月、年次総会を日本(京都)にて開催 15 MID(計量器に関する欧州理事会指令) Measuring Instruments Directive (Directive of The European Parliament and of The Council on Measurement Instruments) ・欧州の統一計量法としての位置付け ・2004年頃成立、2006年頃施行の見込み ・目的 - EU市場統合に向けたワン・ストップ・テスティング化 - 技術革新に対応すべく性能規定化による柔軟な適合性認証スキーム ・特徴 - 域内であれば、どのNotified Body(認証機関)から検定を受けてもOK N.Bには公的機関、民間機関でもなれる。N.B.間の競争激化が見込まれる。 - 性能規定化により技術革新を促進 - 柔軟な適合認証スキーム ・我が国への影響 - 直接的: 欧州でビジネスをする計量器メーカー 16 - 間接的: 欧州勢はOIMLで大きな影響力を保持 → OIML文書等に影響? Ⅱ.今後の計量行政の課題 17 OIMLセミナー2020 ◇2020年の法定計量について議論(2002年9月、於:フラン ス) ・規制の重点の変化、組織の役割の変化 - 計量器そのものの責任は、より民間(製造事業者)に - 政府はシステムとしての計量制度の効率的、効果的運用を担保 - 規制の重点 事前 → 事後へ ・技術革新への対応 - イノベーションを阻害しない仕組みの構築 → 性能規定化の推進 ・グローバル化への対応 - 各国計量制度の整合化、合理化 - ワン・ストップ・テスティング ・その他 - 量的・質的ニーズの拡大、ソフトウェアへの対応 18 今後の計量行政の課題 – 経済、社会活動が益々複雑化、高度化 • 計量が必要な範囲の拡大 • 求める正確性のレベルの上昇 [計量行政のミッション] – 経済社会活動の基盤たる適正計量の確保 – 効率的な計量行政の実施 – 国際整合化 国、独法、地方、指定機関、計量士、さらには産業界が、的確 に役割分担を果たし、連携して取り組んでいくことが重要!19 ご静聴ありがとうございました。 Thank you for your attention !! 20
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