発話動作のしくみ

発話動作のしくみ
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発話動作の特徴
運動にとどまらずに、声を出すための動作
多くの調音器官が協調した動作
熟練した連続動作(調音結合)
極めて速くて、精度の高い動作
発話動作の特徴
運動にとどまらずに、声を出すための動作
多くの調音器官が協調した動作
熟練した連続動作(調音結合)
極めて速くて、精度の高い動作
発声のプロセス
音素列
運動指令の生成
Vocal Tract Acoustics
Vocal
Tract Confuguration
Articulatory
Motion
筋活動
Speech Wave
Lips
Tongue
Motor Control
調音運動
Jaw
Velum
声道形成
Muscle Contraction
声道音響
声道共鳴
Glottal Wave
発声
発話動作の特徴
運動にとどまらずに、声を出すための動作
多くの調音器官が協調した動作
熟練した連続動作(調音結合)
極めて速くて、精度の高い動作
口と喉との協調動作
無声子音の生成では、声道部の運動に協
調して声門の開閉運動を制御することが
重要
計測方
法
観測結果
磁気センサ
システム
PGG
ファイバ
スコープ
観測結果
磁気センサ
システム
PGG
ファイバ
スコープ
舌先の下降時点
声帯の開きのピーク時点
/s/の方が/t/より早く声帯が
開く
顎と唇の協調動
作
「このあふぁふぁみたい」
両唇間の狭めが必要
顎、下唇、上唇の協調動作で実現
上唇が下降し、
「狭め」を達成する
運動の応答時間
< 筋活動の応答時間
筋のスティスフネス制御による
協調動作生成メカニズム
(従来仮説)
感覚フィードバック
k1
mu
k2
mj
音素の調音特徴
子音の調音には普遍的な特徴がある
例えば、/p/では両唇が必ず閉鎖する
/t/では舌先と口蓋で閉鎖を作る
局所的に普遍的な特徴があっても、
声道の他の場所が変動すれば音声の
スペクトルは変動する
(普遍的特長をスペクトルに見出すことが
難しい)
発話動作の特徴
運動にとどまらずに、声を出すための動作
多くの調音器官が協調した動作
熟練した連続動作(調音結合)
極めて速くて、精度の高い動作
調音結合による/g/の舌の違い
igi
ogo
調音結合による/b/の舌の違い
ibi
obo
調音結合
連続音声において、連続する音素の
調音特徴が時間的に重なり合う現象
調音効果
母音
調音効果
子音 母音
子音
調音結合
• 後進性調音結合(Left-to-right coarticulation, Carryover)
先行音素の調音効果が後続音素よりも強い場合、
調音器官の運動の遅れによって、後続音素が先行音素の
調音の影響を受ける現象
(例) /tatata/ で/a/の舌は単独発声の場合より前にある。
発声速度を早めるとさらにその傾向が強まる。(調音のなまけ現象)
• 先行性調音結合(Right-to-left cocarticulation, Anticipatory)
後続音素の調音効果が先行音素よりも強い場合、
後続音素の調音特徴の影響が時間的に先行して先行音素
の調音に現れる現象
(例) /Cu/で/u/の唇の突き出しが子音調音時で起こる
/bV/で/b/の舌の構えは後続母音の構えになっている
/gV/で/g/の舌と口蓋との接触位置は後続母音によって異なる
調音結合による母音の変化
+
中性母音のホルマントが各母音
のホルマント方向へシフトしている
各母音のホルマントが中性母音
のホルマント方向へシフトしている
調音器官による重要度の違い
全ての調音器官で同じ場合
調音器官毎に異なる場合
発話動作の特徴
運動にとどまらずに、声を出すための動作
多くの調音器官が協調した動作
熟練した連続動作(調音結合)
極めて速くて、精度の高い動作
飽和効果を利用した精度の高い動
作
運動指令が変化しても音声の音響的性質が変化しない飽和効
果が存在する
飽和効果は、運動指令と調音位置の関係、および調音位置と
音声の関係の両方に存在する .