国際金融市場 • • • • • 国際金融市場 伝統的金融市場 オフショア市場 ユーロ市場 デリバティブ市場 1 国際金融市場の意義 • 資金過剰部門から資金不足部門への,国 際的な資金の調達や運用が行われる場 • 個別経済次元 ①再生産に関わる資本の 節約や有給貨幣資本の動員 ②ヘッジ, 投機,裁定のための取引 ③手数料稼ぎ • 国民経済次元 国際収支のファイナンス 2 国際金融市場の構成 • 市場機能から見た分類 ①伝統的市場:ロンドン,NY,東京など ②ユーロ市場:本国以外で当該国通貨取 引 • 取引対象から見た分類 ①現物市場ないし原資産市場 ②デリバティブ(金融派生商品)市場 3 伝統的市場の体系 • 短期金融市場 ①コール市場 ②手形市場 ③公共債市場 • 長期金融市場(証券市場) ①株式市場 ②債券市場 ①発行市場 ②流通市場 4 伝統的市場の展開過程 • ロンドン市場 ・・英の経常黒字・資本輸出国化を背景 ・・短期:ロンドン宛為替手形,BA手形 ・・ロンドン・バランス ・・ユーロ市場 ・・ウィンブルドン現象 5 ユーロ市場 • 発生:ドル建て預金のロンドンへの預換え • 定期預金であって,ユーロ取引の決済は アメリカで行われる • 金利規制と準備率規制がなかった • 「最後の貸手」Lender of Last Resort 不在 • ユーロ市場の拡大 6 ニューヨーク,東京市場 • ニューヨーク市場 ・・第2次大戦後,ドルの国際化 ・・ドル・バランス ・・アメリカ国債市場 ・・広告塔 ADR(アメリカ預託証券) • 東京市場 ・・最大の資本供給国から空洞化へ 7 オフショア市場 • 内外分離型:国外から資金を調達しても, 国内に流入させず,国外で運用 NY,東京 • 内外一体型:国内ーオフショア市場の資金 交流が自由 ロンドン,香港,バンコク • タックスヘイブン(租税逃避地)型 90年代国際資本取引の回転台 バハマ,ケイマンなど,カリブ海 8 金融グローバリゼーション • 1972年5月,シカゴ 通貨先物開始 債券,金利,株価指数などに先物拡大 • デリバティブ市場 オプション,スワップ • アメリカ 情報通信革命⇒比較優位産業 • IMF,世界銀行,国際決済銀行(BIS: Bank for International Settlements)による 地球規模での金融自由化・国際化 • IMF8条国移行による経常取引自由化 9 1990年代国際資本移動 • 先進国内ではアメリカ1極集中 ・・日欧による対米証券投資・直接投資 ・・アメリカの資本流入>経常収支赤字 ・・株高・社債ブーム⇒「ニューエコノミー」 • エマージング(Emerging)市場向け還流の 復活 • 新興市場流入資金>経常赤字⇒外貨準 備増大&資本逃避⇒アメリカへ還流 10 1990年代国際金融危機 • 1992年英ポンドのEMSからの離脱 ドイツ統一⇒巨額財政支出⇒金利引上 • 1994-95年メキシコ危機 対銀行債務のブレイディ債への置換 「21世紀型金融危機」 • 1997-98年アジア危機 • 1998年ロシア危機 11 アメリカ基準の国際標準化 • 金融業におけるアメリカ基準 ①公的規制ではなく市場原理主義 ②銀行中心ではなく証券市場の優位 ③リスクを「商品」にする投資銀行業 • アメリカ基準の持つ問題点 ①リスクと収益の確率による利益至上主義 ②格付け会社の役割増大 ③「ワシントン・コンセンサス」とウォール街の結合 12
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