様式 1 アジア研究教育拠点事業 平成23年度 実施 - 日本学術振興会

様式 1
アジア研究教育拠点事業
平成23年度 実施計画書
1.拠点機関
日 本 側 拠 点 機 関:
鹿児島大学水産学部
( フ ィ リ ヒ ゚ ン ) 拠 点 機 関:
フィリピン大学ヴィサヤス
2.研究交流課題名
(和文):
東南アジア沿岸域の水産資源に対するネガティブインパクト対策に関する研
究拠点形成
(交流分野:
水産学
)
(英文)
: Formulation of research centre on control against negative impacts to coastal
fisheries resources in Southeast Asia
(交流分野: Fisheries
)
研究交流課題に係るホームページ:
http:// www.fish.kagoshima-u.ac.jp/fish/jsps/asia/asia.htm
3.採用年度
平成
20 年度(
4 年度目)
4.実施体制
日本側実施組織
拠点機関:鹿児島大学水産学部
実施組織代表者(所属部局・職・氏名):水産学部・学部長・野呂
忠秀
コーディネーター(所属部局・職・氏名):水産学部・教授・小山
次朗
協力機関:三重大学大学院生物資源学研究科、福山大学生命工学部、北海道大学大学院
水産学研究科、東京海洋大学海洋科学部、長崎大学水産学部、日本大学生物
資源科学部、近畿大学農学部、広島大学生物生産学部、明海大学経済学部、
水産大学校、東京経済大学経済学部
事務組織:鹿児島大学事務局(研究国際部長 国際事業課長 国際事業係
財務部財務課長 財務課長代理 予算係 )
鹿児島大学水産学部 ( 事務長 経理係長 総務係 )
相手国側実施組織(拠点機関名・協力機関名は、和英併記願います。)
(1)国(地域)名:フィリピン共和国
拠点機関:(英文)University of the Philippines Visayas (UPV)
(和文)フィリピン大学ヴィサヤス
コーディネーター(所属部局・職・氏名)
:
(英文)College of Arts and Science, University
of the Philippines in the Visayas ・
Professor・Resurreccion B Sadaba
協力機関:
(英文)University of the Philippines Diliman、The Southeast Asian Fisheries
Development Center、University of San Carlos、
Cebu Technological
University
(和文)フィリピン大学ディリマン、東南アジア漁業開発センター、サン・
カルロス大学、セブ工科大学
経費負担区分:パターン1
5.全期間を通じた研究交流目標
水産資源に対するネガティブインパクト(負の影響)とは、魚病を含む疫病、有害生物
の異常発生、産業廃水、都市廃水、農業廃水などが水産資源の保全と管理に対して悪影響
を与えることであり、人間の活動による負荷の大きな沿岸域では、環境、食の安全、住民
の健康にまでおよぶ広範で深刻な影響を与えるものと考えられているが、科学的なアプロ
ーチは始まったばかりである。本事業は、ネガティブインパクトの中でも特に石油流出に
よる影響に焦点をあて、その影響の程度の総合的評価と回復技術の開発を図ると同時に、
ネガティブインパクト問題への取り組み手法のモデルを構築することを目標とする。
鹿児島大学水産学部は、過去 10 年間、フィリピン大学ヴィサヤス(以下 UPV)との間
での(独)日本学術振興会の拠点大学交流事業として、「沿岸海域における水圏環境・資源
の利用」に関する共同研究を実施した。本事業では、その結果を継承・発展させ、水圏環
境に排出される有害化学物質の水産資源や漁場保全に対する影響と対策に関する研究に取
り組む。特に、2006 年 8 月、フィリピンギマラス海域で起きたフィリピン史上最大の石油
流出事故により、石油汚染の漁場環境や水産資源に対する影響評価とその対策に関する研
究が緊急課題となったことから、鹿児島大学水産学部と UPV は、石油汚染や有害化学物質
汚染を焦点に、「フィリピン沿岸海域をモデルとした、東南アジア沿岸域における水産資源
および漁場環境の管理・保全に及ぼすネガティブインパクトの影響と対策に関する研究協
力」に取り組むこととした。本事業では、上記課題について東南アジア諸国の研究者を含
めた持続的な共同研究、研究交流等を展開し、若手研究者を養成しつつ、標記課題に関す
る域内全体の世界的水準の研究教育拠点を形成することを目指す。
2
6.前年度までの研究交流活動による目標達成状況
鹿児島大学水産学部は、過去 10 年間、UPV との拠点大学交流事業で実施した「沿岸海
域における水圏環境・資源の利用」に関する共同研究成果を継承・発展させ、本アジア研
究教育拠点事業により、石油流出による環境汚染、それ以外の化学物質による環境汚染、
魚病を含む疫病、有害生物の異常発生、産業廃水、都市廃水、農業廃水などのネガティブ
インパクトも水産資源や漁場保全に対する影響と対策に関する研究に取り組むこととした。
特に、2006 年 8 月、フィリピンギマラス海域で起きたフィリピン史上最大の石油流出事故
による石油汚染の漁場環境や水産資源に対する影響評価とその対策に関する研究が緊急課
題となったことから、両校は石油汚染や有害化学物質汚染を焦点に、
「フィリピン沿岸海域
をモデルとした、東南アジア沿岸域における水産資源および漁場環境の管理・保全に及ぼ
すネガティブインパクトの影響と対策に関する研究協力」に取り組むこととした。
本事業では、2分野、4チームによる共同研究が行われた。石油汚染モニタリングを中
心とするチームでは流出事故直後から、生物を含む沿岸環境中の石油成分分析を行ってい
る。石油成分の底質および生物中濃度は昨年度と同様に低下傾向を示すものの、生物中か
らはいまだに高い濃度にあることを明らかにしており、モニタリング継続の必要性が提案
されている。さらに平成 22 年度、ギマラスと中西部のタンド近くで流出油の多量に残存し
ている海岸が見つかったため、そこに生息する二枚貝などの生物中石油成分分析を開始し
た。
病原性細菌による魚貝類汚染に関する研究では、フィリピンのバコルド市内の河川水の
細菌調査を行ったところ、調査期間を通じて河川水1ml あたり 10 万細胞もの大腸菌群が
検出されたことから、汚染された河川水や河川に隣接した井戸水を飲料水に用いることや、
汚染された河川で漁獲された水産物の摂取による下痢の発生の恐れがあると考えられた。
さらに、腸炎ビブリオ菌も1ml あたり数十細胞分離され、これらの数株を用いて耐熱性溶
血毒の遺伝子の有無を調査したがいずれも陰性であった。
海岸に漂着した流出油の、微生物による分解(バイオリメディエーション)を中心とす
るチームでは、平成 20 年度に設置したフィリピンギマラス島南部沿岸域のバイオリメディ
エーション実験区より石油存在下で増殖可能な真菌類を分離した。18S リボゾーム RNA 遺
伝子に基づく分子系統解析の結果、主に Aspergillus 属、Penicillium 属、Fusarium 属、
Trichoderma 属、Fomitopsis 属に属することが示された。また、平成 18 年にフィリピン
ギマラス島南部沿岸域で分離した石油分解細菌 a1 株(Alcanivorax dieselolei 近縁株)、b3
株(Marinobacter hydrocarbonoclasticus 近縁株)、c17 株(Alcanivorax sp. P663 近縁株)
が C 重油存在下、30℃という比較的高温条件下で増殖し、それに伴って n-アルカン、多環
芳香族(PAH)の分解が認められた。このことから、これらの石油分解細菌が熱帯・亜熱
帯沿岸域での石油汚染に対するバイオリメディエーションに応用可能であることが示唆さ
れた。また、同様に、アルキル化 PAH の分解も示唆されたが、今後、より詳細な検討が必
3
要である。
流出油が漂着したギマラス島を中心に、地元州政府による生計復興プログラムの一貫で
ある養殖事業および観光事業についての調査を中心とするチームでは、ギマラス島周辺に
おいて観光開発が先行するボラカイ島(Boracay Island)を事例に、観光開発が地域社会へ
与えた社会・経済学的影響について、概況調査を実施した。
ボラカイ島では 1980 年代より、フィリピン政府の策定した「観光マスタープラン」に沿
って観光開発が行われるようになり、観光施設が相次いで建設される一方で、観光産業の
経営資源である自然環境等を保全することを目的に、海岸線の使い方や建造物に関する規
制が条例化されるとともに、下水処理施設の整備や海砂流出の管理が行われるようになっ
た。さらに、平成 21 年よりボラカイ島周回道路の建設が開始されるとともに、近接するカ
テクラン空港の拡張工事が実施されるなど、観光インフラの整備が進められている。その
結果、生活スタイルの変化(半農半漁からサービス業への従事)、魚介類供給の構造変化(自
給自足から一大消費地への変貌)、生活水準の向上(グレード 4 からグレード 1 への成長)、
サンゴ礁の保全(自給自足を目的としたダイナマイト漁の消滅)、海岸線の利用形態の変化
(所有権の認められない海岸線の観光施設による囲い込み)、環境劣化(海浜への硫化物の
堆積)、富の偏在の可能性などの影響が見られることが明らかになった。
なお、研究成果については、平成 22 年 10 月 16 日、鹿児島大学水産学部において開催さ
れた Seminar for the Social and Economic Effects of Negative Impact on Regional Community にお
いて報告した。表記のテーマについて経済的な側面より討論を交わすとともに、これらの
研究成果をもとにした新たな研究計画(アポ島)について議論を加えた。
漁業に関する調査を中心とするチームでは、当初予定していたノコギリガザミをザリガ
ニに変更し、農薬の甲殻類に対する影響評価を行った。その結果、農薬暴露によって策餌
に要する時間の増大、策餌成功回数減少などが観察され、実際の環境での生き残りに影響
を及ぼす可能性が示された。さらに、浮魚礁(パヤオ)流失防止を目指した設置及び管理
に関する調査を行い、パヤオの構造、設置状況およびその管理手法に関する基礎資料を集
めた。
これらの成果の一部は、国際誌などで公表されると共に、昨年度実施したシンポジウム
の講演の一部を、鹿児島大学水産学部紀要特別号(論文 10 編)として刊行し、国内外の大
学および研究機関に配布した。また、平成 22 年 10 月 16 日には、生計復興プログラムなど
に関するセミナーを鹿児島大学水産学部で開催し、国内外の研究者および院生が研究成果
を発表した。
若手研究者養成では院生を含む若手研究者を現地に派遣し、現場調査を含む海外での研
究活動に参加させた。また、本拠点事業の上記セミナー(鹿児島大学水産学部)では、日
本側参加の大学院生 2 名が口頭発表し、8 名がポスター発表を行い、UPV、インドネシア
を含む東南アジアからの参加研究者との意見交換などの交流を行った。なお、鹿児島大学
では、平成 21 年度まで実施した文科省特別教育研究経費「水圏環境・食資源・島嶼医療分
4
野で国際的に活躍できる高度専門能力及び技術経営能力を備えた人材の養成」による大学
院生の海外の大学での正規授業受講を、大学独自の予算で継続することとなり、平成 22 年
度は修士課程 8 名の院生が UPV での現地授業を受講した。さらに、一部の研究者が UPV
を訪問した際、UPV の要請に応じて院生等を対象としたセミナー形式の講演を行った。ま
た、平成 20 年度に UPV 側からの依頼により、鹿児島大学水産学部教員が UPV 修士課程
院生の外部評価委員となり、平成 22 年度には、
修士課程修了のための最終評価を行なった。
7.平成23年度研究交流目標
鹿児島大学側の研究体制である 2 分野 4 チームに対応した UPV 側研究体制が確立されて
いる。鹿児島大学側では若手を中心とするサブコーディネーターが、UVP 側コーディネー
ターと協力して共同研究を進めており、この枠組みは初年度から変わらず機能している.
また、昨年度および今年度、鹿児島大学大学院連合農学研究科博士課程で博士号を取得し
た UPV 出身の院生が帰国し、UPV 側の新たなメンバーとして参加することとなり、研究
協力体制はさらに強化される。
本研究課題は、石油流出による環境汚染、それ以外の化学物質による環境汚染、魚病を
含む疫病、有害生物の異常発生、産業廃水、都市廃水、農業廃水などのネガティブインパ
クトが水産資源あるいは沿岸環境に及ぼす影響を明らかにするとともに、その影響を低減
することを目的とし、2 分野 4 チームで UPV を拠点校として研究交流を進めている。
石油汚染モニタリングを中心とするチームでは、UPV 側メンバーと共同で、ギマラス島
での試料採取および分析を引き続き行い、沿岸環境およびそこに生息する生物の汚染状況
を明らかにすることを目指す。また新たな取り組みとして、セブ島での現地調査を予定し
ている。
海岸に漂着した流出油の、微生物による分解(バイオリメディエーション)を中心とす
るチームでは、フィリピンギマラス島南部沿岸域のバイオリメディエーション実験区で採
取した海水について、分析し、当実験区及びギマラス島タンドにおける石油分解活性を明
らかにすると共に、石油分解微生物群種の検出並びに動態解析を継続する。また、フィリ
ピンにおけるジャトロファや緑藻類からのバイオディーゼル燃料生産の可能性について、
フィリピン側参加者と共に調査を行う。
流出油が漂着したギマラス島を中心に、地元州政府による生計復興プログラムの一環で
ある養殖事業および観光事業についての調査を中心とするチームでは、アポ島(Apo Island)
における経済開発が漁村経済・漁家経営へ与えた影響について明らかにする。平成 23 年度
の調査では、アポ島における経済開発が漁村経済・漁家経営へ与えた正と負の影響を明ら
かにすることを目的とする。
漁業に関する調査を中心とするチームでは、浮漁礁などの漁業に対する影響を引き続き
明らかにするとともに、バイオロギングなどの手法を用いて、漁具周辺での魚類の行動を
観察する。また、本チームを中心として、UPV においてセミナーを開催する。
5
若手研究者養成では、若手サブコーディネーターを中心として共同研究を進めると共に、
院生を中心とした若手研究者を現地に派遣し、国際共同研究の経験を積ませる。今年度は、
漁業に関する調査を中心とするチームが UPV でセミナーを開催する予定となっており、多
くの若手研究者(院生を含む。)をこれに参加させる。昨年度から始まった大学独自の予算
による大学院生の海外の大学での正規授業受講を継続するため、UPV に水産学研究科院生
を派遣し、現地での経験を積ませる。さらに UPV 側若手研究者(院生を含む)を対象とし
て、技術ワークショップ、あるいは鹿児島大学教員によるセミナー形式の講演を実施する。
以上により、当学部の若手研究者と UPV および東南アジア諸国研究者との国際研究交流
促進を目指す。
8.平成23年度研究交流計画概要
8-1
共同研究
2 分野 4 チームで共同研究を実施する。
①沿岸資源・生態系分野:
石油汚染モニタリングを中心とするチームでは、UPV 側メンバーと共同で試料採取およ
び分析を引き続き行い、さらに平成 22 年度に、残存する流出油による汚染が見つかったギ
マラス島タンド地区において生物試料などを採取し、沿岸環境およびそこに生息する生物
の汚染状況を明らかにすることを目指す。また、新たな取り組みとして、フィリピン国内
で流出油以外による海洋環境へのネガティブインパクトが多いと考えられるセブ島での現
地調査を予定している。
バイオリメディエーションを中心とするチームでは、平成 20 年度に設置したフィリピン
ギマラス島南部沿岸域のバイオリメディエーション実験区で採取した海水について、その
石油主要成分を分析し、当実験区における石油分解活性を明らかにすると共に、石油分解
微生物群種の検出並びに動態解析を継続する。また、平成 22 年度に、残存する流出油によ
る汚染が見つかったギマラス島タンドにおいて試料を採取して石油分解細菌の分離を試み、
その石油分解活性を試みる。分離された石油分解細菌を効率よく石油汚染沿岸域に適用す
る手法として、石油分解細菌のヤシ殻粉末、籾殻粉末への固定化技術を確立すると共に、
石油分解活性への固定化の効果について実験室レベルで検証する。地球温暖化に伴う水産
業への影響の軽減を目的として、フィリピンにおけるジャトロファや緑藻類からのバイオ
ディーゼル燃料生産の可能性について、フィリピン側参加者と共に調査を行う。
②社会・漁業分野:
復興支援プログラムなどを中心とする社会・経済分野に関するチームでは、アポ島(Apo
Island)における経済開発が漁村経済・漁家経営へ与えた影響について明らかにする。アポ
島では経済発展を目的にした観光開発が行われており、地域社会に対して一定の経済的効
果を生んでいることが報告されている。その一方で、沿岸域における観光開発は、沿岸域
の利用形態と地域の産業構造を大きく変化させる可能性が高い(平成 22 年度のボラカイ
6
島・調査結果より)。そこで平成 23 年度の調査では、アポ島における経済開発が漁村経済・
漁家経営へ与えた正と負の影響を明らかにすることを目的とする。具体的には、①観光開
発による経済的効果の把握、②産業構造の変化、とくに漁村・漁家経営の変質の把握、③
沿岸域利用と漁家経営の変化とその要因を分析、④観光開発がもたらした負のインパクト
について検証する。
漁業に関する調査を中心とするチームでは、浮漁礁などの漁業に対する影響を引き続き
明らかにするとともに、バイオロギングなどの手法を用いて、漁具周辺での魚群行動を観
察する。また、本チームを中心として、UPV においてセミナーを開催する。
8-2
セミナー
漁業に関する調査を中心とするチームが、UPV でセミナーを開催する予定であり、日本
からは院生を含む若手研究者 5 名程度を参加させ、座長、研究の口頭およびポスター発表
を分担させて国際会議での経験を積ませる。また、UPV の若手研究者(人数は未確定)に
ついても同様である。
8-3
研究者交流(共同研究、セミナー以外の交流)
平成 20、21、22 年度に続き、UPV の大学院生を対象に、鹿児島大学水産学部研究者が
水産学に関して講義(講義名:special topic、単位認定あり。)する。また、日本の研究者
が UPV に出張した際は、可能な限り UPV の大学院生あるいは若手研究者に対する講演あ
るいはワークショップ形式の技術指導を行い、若手研究者の育成に努める。
7
9.平成23年度研究交流計画総人数・人日数
9-1
相手国との交流計画
派遣先
派遣元
タイ
日本
フィリピン
<人/人日>
<人/人日>
合計
(日本側参加者)
<人/人日>
<人/人日>
<人/人日>
日本
21/210
1/10
22/220
<人/人日>
タイ
(日本側参加者)
1/10
1/10
<人/人日>
<人/人日>
<人/人日>
合計
<人/人日>
1/10
21/210
1/10
23/230
※各国別に、研究者交流・共同研究・セミナーにて交流する人数・人日数を記載してくだ
さい。(なお、記入の仕方の詳細については「記入上の注意」を参考にしてください。)
※日本側予算によらない交流についても、カッコ書きで記入してください。
(合計欄は(
)
をのぞいた人・日数としてください。)
9-2
国内での交流計画
6/24
<人/人日>
8
10.平成23年度研究交流計画状況
10-1
整理番号
共同研究
R-1
研究課題名
研究開始年度
平成 20 年度
研究終了年度
平成 24 年度
(和文)東南アジア沿岸域の水産資源に対するネガティプインパクト
対策に関する研究
(英文)Research on control against negative impacts to coastal
fisheries resources in Southeast Asia
日本側代表者
(和文)小山次朗・鹿児島大学水産学部・教授
氏名・所属・職
(英文)Jiro Koyama, Professor, Faculty of Fisheries, Kagoshima
University
相手国側代表者
Resurreccion B Sadaba, Professor, College of Arts and Science,
氏名・所属・職
University of the Philippines Visayas
交流予定人数
① 相手国との交流
派遣先
(※日本側予算に
よらない交流につ
いても、カッコ書
きで記入のこと。)
派遣元
タイ
日本
フィリピン
<人/人日>
<人/人日>
<人/人日>
<人/人日>
9/90
1/10
10/100
(日本側参加者)
計
日本
<人/人日>
タイ
(日本側参加者)
1/10
1/10
<人/人日>
<人/人日>
合計
1/10
9/90
1/10
11/110
<人/人日>
② 国内での交流
23年度の研
究交流活動計画
6 人/24 人日
平成 18 年から実施している化学分析による流出油汚染のモニタリング
を継続し、重油流出事故 5 年後の流出油汚染状況を明らかにして今後の
調査の必要性を検討する。また、昨年度新たに発見された流出油残全地
点の調査を開始する。流出油除去対策であるバイオリメディエーション
では、現地および実験室での調査を継続し、熱帯域でのバイオリメディ
9
エーションの有効性を検証する。さらに今年度から、他のネガティブイ
ンパクトを調査するため、セブ島の沿岸域調査を開始する。また、地球
温暖化に伴う水産業への影響の軽減を目的として、フィリピン原産の材
料を用いたバイオディーゼル燃料生産についての共同研究に着手する。
ギマラスで用いた調査手法を用い、アポ島の経済開発が漁村経済・漁家
経営へ与えた影響を明らかにするため、①観光開発による経済的効果の
把握、②産業構造の変化、特に、漁村・漁家経営の変質の把握、③沿岸
域利用と漁家経営の変化とその要因を分析、④観光開発がもたらした負
のインパクトについて検証する。また、聞き取り調査を含む現地調査に
より、浮漁礁などの漁業に対する影響、漁具周辺での魚群行動を調査す
る。
期待される研究
交流活動成果
平成 20 年度以降、実施してきた調査結果から、石油成分によって汚染
された魚介類の現時点での回復状況が明らかとなり、食品としての安全
性を明らかにすることができる。油流出海域およびバイオリメディエー
ション現場実験で採取した石油分解細菌の石油分解特性などが明らかと
なったことから、さらにその分解特性の効率的利用法に関する検討が行
われ、熱帯域におけるバイオリメディエーションの有効性の検証を行う
ことができる。
また、流出油以外のネガティブインパクトとして、都市域(セブ島)
由来の汚染物質が沿岸環境に与える影響について検討が加えられ、熱帯
域の漁村の経済開発が社会・経済状況にどのような効果をもたらすか調
査し、今後のフィリピンの漁村における復興プログラム、あるいは経済
開発に有益な情報提供を行うことができる。
さらに、上記と同様に調査例の少ない、熱帯域の漁業活動(浮漁礁な
ど)の、水産資源あるいは海洋環境などに対する影響を明らかにするこ
とができる。
日本側参加者数
66
名
(13-1
日本側参加者リストを参照)
(フィリピン)国(地域)側参加者数
40
名
(13-2
(フィリピン)国(地域)側参加者リスト
を参照)
10
10-2
セミナー
整理番号
S-1
セミナー名
(和文)JSPS アジア研究教育拠点事業:ネガティブインパクトの
沿岸漁業に対する影響評価に関するセミナー(仮題)
(英文)JSPS Asian Core program: Seminar for the negative
impact effects on coastal fisheries
平成 23 年 11 月 10 日
開催時期
~平成 23 年 11 月 11 日(2 日間)
開催地(国名、都市名、 (和文)イロイロ市(フィリピン)UPV キャンパス
会場名)
(英文)Iloilo City (Philippines) UPV Iloilo campus
日本側開催責任者
(和文)小山次朗・鹿児島大学水産学部・教授
氏名・所属・職
(英文)Jiro Koyama, Professor, Faculty of Fisheries, Kagoshima
University
相手国側開催責任者
Resurreccion B Sadaba, Professor, University of the Philippines
氏名・所属・職
Visayas
(※日本以外での開催の場合)
参加者数
派遣先
セミナー開催国
派遣元
日本
<人/人日>
フィリピン
<人/人日>
合計
<人/人日>
(
フィリピン
A.
)
11/110
B.
C.
A.
B.
C.
39/44
A.
11/110
B.
C.
39/44
A.セミナー経費から負担
B.共同研究・研究者交流から負担
C.本事業経費から負担しない(参加研究者リストに記載されていない研究者は集計しない
でください。
)
11
セミナー開催の目的
漁業に対する影響に関する研究成果を中心として、現地調査によ
って明らかになりつつある、石油流出あるいはその他ネガティブ
インパクトの沿岸水産資源に対する影響評価とその対策につい
て、研究成果を報告する。
期待される成果
ネガティブインパクト、特に流出油の漁業に対する影響解析の情
報を参加者間で共有し、今後の共同研究の進展を図る。また、今
年度から新たに始まった共同研究についても、その成果の情報を
共有し、今後の共同研究の方向性について検証することができる。
また、院生を含む若手研究者を積極的に参加させ、国際会議の
経験を体験させることにより、後進の育成が期待される。
セミナーの運営組織
日本側責任者
小山次朗
フィリピン側責任者
Resurreccion B Sadaba
日本側およびフィリピン側サブコーディネーターによる実施委員会が
組織される。
開催経費
日本側
内容
参加旅費
3,000,000 円
(1 週間程度の現地調査を含む)
分担内容
と概算額
(フィリピン)国(地
内容
セミナー経費
100,000 円
域)側
(
)国(地域)側
内容
金額
12
10-3
研究者交流(共同研究、セミナー以外の交流)
① 相手国との交流
派遣先
派遣元
日本
フィリピン
<人/人日>
<人/人日>
日本
<人/人日>
計
<人/人日>
<人/人日>
1/10
1/10
1/10
1/10
<人/人日>
<人/人日>
合計
<人/人日>
②
国内での交流
0 人/0 人日
所属・職名
派遣・受入先
派遣者名
(国・都市・機関)
鹿児島大学水
フィリピン・
産学部・教授
イロイロ・UPV
松岡達郎
派遣時期
未定
用務・目的等
UPV からの要請による、UPV 院生に対
する水産学に関する授業(授業名:
special topic、単位認定あり)
13
11.平成23年度経費使用見込み額
(単位
経費内訳
研究交流経費
金額
国内旅費
円)
備考
600,000 国内旅費、外国旅費の合計は、
研究交流経費の50%以上で
6,587,428 あること。
外国旅費
謝金
0
備品・消耗品購
入費
1,500,000
その他経費
400,000
外国旅費・謝金
等に係る消費
税
454,372
計
9,541,800
研究交流経費配分額以内であ
ること
研究交流経費の10%を上限
954,180 とし、必要な額であること。
また、消費税額は内額とする。
委託手数料
合
計
10,495,980
12.四半期毎の経費使用見込み額及び交流計画
経費使用見込み額(円)
交流計画人数<人/人日>
第1四半期
630,000 1/10
第2四半期
1, 785,,000 8/62
第3四半期
5,245,980 15/132
第4四半期
2,835,000 5/50
合計
10,495,980 29/254
14