都市環境における緊急車両走行情報配信効果のシステム

マルチホップネットワーク
都市環境における緊急車両走行情報配信効果の
システムレベル性能評価
神戸大学 大学院システム情報学研究科 情報科学専攻
創発計算講座 (I-7)
研究背景
緊急車両の通行を妨げる要因
 周辺車両による避譲行動の遅れ
 赤信号の交差点進入時における減速
車車間通信を用いた緊急車両通行支援
緊急車両の走行時間短縮
課題:都市部における通行支援効果が未評価
 各通行支援による効果
評価
 通信パラメータによる影響
図1 位置情報配信による通行支援例
図2 経路情報配信による通行支援例
Scenargieによるシミュレーション実験
救急車の出動(交通事故時)における
消防署 ⇒ 事故現場 ⇒ 病院 の走行を想定
救急車
一般車両
受信情報に基づき
避譲行動を選択
以下の情報を
配信しながら走行
送信情報
(使用アプリケーション)
位置情報
(BSM)
経路情報
(フラッディング)
受信時の行動
車線変更,減速,
交差点での優先権譲渡(図1)
救急車の走行経路を
通らないよう経路変更(図2)
通行支援方法の評価
図3
シミュレーションフィールド
通信パラメータによる影響評価
評価対象は以下の4ケースとする
フラッディングの最大ホップ数を変えて実験
(≒経路情報の伝達範囲)
Case A : サイレン(通信による通行支援なし)
Case B : 位置 情報を配信
Case C : 経路 情報を配信
Case D : 位置 + 経路 情報を配信
表1
各通行支援における評価結果
<傾向> 最大ホップ数 ↗
Transport time ↘
位置情報配信
により改悪
最大ホップ数4以上で横ばい
10.3%
経路情報配信
により時間短縮
<評価指標>
Transport time
: 消防署から病院までの車両走行時間
Number of lane-changes : 追い越しのために行った車線変更回数
図4
各最大ホップ数における
Transport time の推移