■ 不良ゼロを目指す「外観検査システム」 テクノス ニューロ視覚センサ 「ブレイン・ニューロ」誕生 株式会社テクノス/代表取締役社長・技術士 山田吉郎 テクノスのテクノロジーは創業時に2人の工業高校1年生が前年IBMの汎用コンピュータ360の 発表に刺激されてコンピュータを自らの手で開発しようとしたところから始まっている。3年後に は磁気記録を行うメカニズムの特許を出願し、その技術はコンピュータのデータ記録のメカニズ ムとしてごく最近まで使われてきた。 テクノスの外観検査システムは、 後年国家プロジェクトのウラ ン濃縮技術の開発時に自動実験ロボットを開発し、その技術に関連してリアルタイム分光分析 システムを開発した。その技術を基礎として対象物の外観検査を自動的に行うシステムを開発し たところから始まった。 テクノスの外観検査システムは人間の目の機能を電子回路化する独自のコンセプトにより世界一 精度をこの20年間続けており、その技術をさらに発展させた脳をコンセプトにしたブレイン・ ニューロを市場投入する。このシステムは高速処理の目の機能 (アイ・ニューロ)と脳の機能 (ブレ イン・ニューロ)のピラミッド統合により画像の高速処理性と判定機能の高度化の両方を同時に 満たす次世代自動外観検査システムの目標となるシステムである。写真1が「ブレイン・ニューロ」 の外観である。 1 開発の経緯 前述したように、国家プロジェクトのウラン濃 縮の最適条件をいかに早く知ることができるかが 問われていたため、テクノスは当時の先端技術を 使って毎秒 1,120 回の分光分析画像を得られるシ ステムを開発した。この速度でウランの濃縮度を 自動計測し、その精度が濃縮速度にも大きく関係 していたからである。 この技術を発展させたニューロ視覚センサはこ の 20 年間世界一の精度を独占し続けてきた。それ 写真 1 「ブレイン・ニューロ」 (ニューロ視覚センサ スーパー5000K に搭載) には理由がある。画素中をさらに分解して精度を 上げる独自の方式を原理にしているからである。 は 5 億 4 千 3 百万年前(カンブリア紀)であるとい 実は画素概念が生まれた 160 年以上前には画素を う。人間が出現したのは 700 万年前なので如何に ON/OFF する方法しかなかったのである。 大昔から目が現れていたのかがわかる。目を持っ 歴史を紐解くと、この地球上に目が出現したの た生き物は遠方から相手を見つけられるので自分 76 ︱April 2015 eizojoho industrial
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