マテリアライジング展Ⅲ - 情報と物質とそのあいだ

2015 年 5 月の展覧会ご案内
お問い合わせ:075-253-1509 [email protected]
http://gallery.kcua.ac.jp/
マテリアライジング展Ⅲ - 情報と物質とそのあいだ 展覧会名称:マテリアライジング展Ⅲ - 情報と物質とそのあいだ 会 期:平成 27 年 5 月 16 日 ~ 6 月 21 日 (37 日間)
会 場:京都市立芸術大学ギャラリー @KCUA(〒 604-0052 京都市中京区押油小路町 238-1)
休 館 日:月曜日
入 場 料:無料
主 催:マテリアライジング展企画室 , 公立大学法人京都市立芸術大学
企 画:砂山太一(マテリアライジング展企画室代表、 京都市立芸術大学美術学部特任講師)
森山貴之(横浜美術大学美術学部准教授)
助 成:芸術文化振興基金/公益財団法人朝日新聞文化財団
協 賛:i.materialise /株式会社アプリクラフト/トロテック・レーザー・ジャパン株式会社
協 力:横浜美術大学、東京藝術大学、millegraph、株式会社ゆう建築設計
出展者:hclab./ 木内俊克 + 砂山太一 + 永田康祐 / 重松あゆみ / 城一裕 / 鈴木雄貴 / 舘知宏 / 谷口暁彦 / 田部井勝 /dot architects × 水野大二郎 × Fablab 北加賀屋 / 中原浩大 / 久門剛史 /
加藤大直+佐々木崇人 / 松井茂+仲井朋子 / 渡邉朋也 / 山本悠 ポスター:Semitransparent Design
ワークショップ:5/16,17,31,6/7,14 大前道久 (OPH) + 木山潤平 (sacsac)
イ ベ ン ト:5/16,17
特設サイト:http://materializing.org/
お問い合わせ:ギャラリー @KCUA 075-253-1509
「マテリアライジングⅢ - 情報と物質とそのあいだ」は、近年高まりを見せているデジタルファブリケーションを
めぐる美術、デザインの可能性を探る展覧会の第3弾です。これまで国内外の工学、建築、数学、生命科学、美術、
プロダクトデザインの第一線の研究者が出品し、大きな反響を得てきました。今回は東京藝術大学大学美術館陳
列館から京都市立芸術大学ギャラリー @KCUA へと舞台を移して開催いたします。
近年、国内でもレーザーカッターや 3D プリンタなどのデジタルファブリケーション技術が注目され、デザイ
ンツールのオンライン化、機材の汎用化とともに、普及のためのインフラストラクチャー整備と啓発活動が盛ん
に行われています。また、デジタルファブリケーションが社会に開かれる一方で、その技術体系にある革新性、
すなわち数理情報から多産的・可変的に生成される「かたち」のありようや、その根源にある人間の創造的思考
と進展するテクノロジーとの協働をめぐる探求は、都度テクノロジーやメディアと接しながらその意味を問うて
きた芸術表現の世界でも、重要な関心を呼びつつあります。
本展は、このようなポストデジタルの時代と呼ばれる現在において、情報と物質の往還的思考がもたらす新た
な表現と、その創作プロセスにあるテクノロジーと人間の批評的関係に焦点を当てます。
@KCUA では 2011 年にこうした状況を紹介する「共創のかたち - デジタルファブリケーション時代の創造力」
展を開催しましたが、本展はその現在進行形として、ポストデジタル時代における人間の創造性のゆくえを領域
横断的な視座から多角的に考えます。
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【出品者情報】
hclab.
國廣純子、新井崇俊、市川創太を中心とする都市研究室。
タウンマネージメント、都市解析、都市・建築設計などに携わりながら、
デザインの下敷きに なりえる都市・建築の構造や潜在価値を探るために、
評価・設計支援ソフトウェアを独自開発している。都市工学を現実のデ
ザインにアプライすべく、ユーティライズを行い、形の特性、空間情報
と統計情報などとのブリッジを得意とする。
ICC 都市ソラリス展、杉浦康平・時間地図デジタイズ プロジェクトなど。
http://hclab.jp/
左:[Street View]
インタラクティヴに操作しながら都市の街路網を評価することのできる
ソフトウェア。
交差点媒介度、街路勾配負荷などを考慮した時間距離、距離の公平度、
圏域などを計測することができる。各指標を瞬時にビジュアライズし、
施設配置計画、街路の新規計画、災害時の街路封鎖の影響、など都市計
画やマネージメントに使用が可能である。
木内俊克
1978 年東京都生。木内俊克建築計画事務所主宰。東京大学大学院学術支
援専門職員。東京大学大学院修了後、Diller Scofidio + Renfro、R&Sie(n)
Architects 勤務を経て現職。
http://www.toshikatsukiuchi.com/
砂山太一
1980 年京都府生。京都市立芸術大学特任講師。東京芸術大学大学院博
士後期課程在籍。ESA( パリ ) 修了後、JAKOB + MACFARLANE 勤務を経
て現職。
http://tsnym.nu/
http://ghe.jp/
永田康祐
1990 年愛知県生。東京芸術大学非常勤講師。東京大学大学院学術支援
専門職員。東京芸術大学大学院修了後、現職。
http://knagata.org/
http://ghe.jp/
左:[double bed]
無意味な事態の連鎖が、知覚可能な形式を出現させる瞬間を捉えること。
データ相互の形式的な可換性のみにより、複数のシステムを一つの構造
体の中で並置すること。
――空気膜マットレスのフレームへの縛り付け、
「しわ」
形状のシミュレー
ション、分析、幾何学情報の置換、フェルト塊ボリューム、FRP ワッフル、
マットレスへの差し戻し、縛り付け、マットレス内圧の導入、並置され
た事物、動的均衡
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城一裕
1977 年福島生まれ。専門は音響学、インタラクションデザイン。情報
科学芸術大学院大学 [IAMAS] 講師。博士(芸術工学)
。九州芸術工科大
学大学院修了。日本アイ・ビー・エム(株)ソフトウェア開発研究所、
東京大学先端科学技術研究センター、ニューカッスル大学 Culture Lab、
東京藝術大学芸術情報センターを経て現職。IAMAS での「車輪の再発明
プロジェクト」では、実践を通じて歴史を読み替え、ありえたかもしれ
ない「今」をつくりだすことを試みている。その他のプロジェクトとして、
古舘健、石田大祐、野口瑞希と参加型の音楽の実践である「The SINE
WAVE ORCHESTRA」
、金子智太郎と生成音楽の古典的な名作を再演する
「生成音楽ワークショップ」を共同主宰。 主な著書に『FAB に何が可能
か「つくりながら生きる」21 世紀の野生思考』
(共著、
フィルムアート社、
2013)
。
http://jo.swo.jp/
左:[ 断片化された音楽 / Fragmented Music,2014]
本作品は,レーザー光を用いてアクリル板に直接刻まれた溝を円弧状に
切り出す,という手法を用い,各々の聴取者・演奏者がループするシー
ケンスに沿って物理的に音を組み替えることで,様々なリズムを生み出
す。この作品は,チェコの作家ミラン・ニザックによる,破壊したレコー
ドを再構成した作品「Broken Music」に影響を受けつつも(両者の繋ぎ
目からは驚くほど似通った音響が生み出される)
,楽器としてのターン
テーブルの別種の可能性を示唆する。
鈴木雄貴
京都精華大学プロダクトデザイン学科卒業後、IAMAS に入学、製品を取
り巻く関係性について学び作品を制作、展示発表をおこなう。現在は京
都のユーザーインタフェースデザインファームである softdevice に勤務
しつつ、個人ではアーティスト・イン・レジデンスのサポーターとして
メディア・オーサリングなどで制作に関わっている。現在、デザインに
関わるその大半は金銭と関係を持つマスプロダクトだが、一方でそれを
排したプロダクトをデザインしたいと考えている。
左:[AP-LENS]
デジタル工作機械とオープンコミュニティの接触は新しいものづくりの
「生態系」を生み出す可能性がある。1例としてカメラレンズをモチーフ
に市場には存在しない涙滴型を制作した。それは被写体の視線をカメラ
へと引きつけ、周辺を滲ませたポートレートをつくりだす。
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舘知宏
科学者/折紙作家。2005 年東京大学建築学科卒業,2010 年同大学院工
学系研究科博士課程修了。博士 ( 工学 )。現在,東京大学大学院総合文化
研究科助教。JST さきがけ研究員。RGSS 共同主催。
折紙の数理研究・計算に基づく設計手法の研究・システム開発を行う。
2002 年より三次元折紙を創作。2007 年に未踏ソフトウェア創造事業 ( 未
踏ユース ) で任意の多面体形状を一枚の折紙から折る Origamizer を開発
し公開している
http://www.tsg.ne.jp/TT/
左:[ フリーフォーム・オリガミ ]
折りで表面を覆い尽くすことにより、正・負のガウス曲率を持つ自由曲
面形状を零ガウス曲率曲面=折紙で実現した。本手法は一般の曲面に拡
張され得る。あらゆる曲面が板の折りと曲げのみで形作ることが可能で
ある。
本作品は作者が開発する Freeform Origami システムの試験モデルとして
製作された。Freeform Origami システムは、折紙の数理に基づき、製作
可能な折紙形状の解空間をインタラクティブに探索可能とする。
谷口暁彦
メディア・アート、ネット・アート、映像、彫刻など、さまざまな形態
で作品を発表している他、渡邉朋也とともに、新宿・思い出横丁で発見
されたメディアアートにまつわるエフェメラルでアンフォルメルなコ
ミュニティ、思い出横丁情報科学芸術アカデミーの一員としても活動。
主な展覧会に「[ インターネット アート これから ]」
(NTT ICC、2012)
「思
い過ごすものたち」( 飯田橋文明、
2013)「オープン・スペース 2014」
(NTT
ICC、2014)など。
http://okikata.org/
左:[ 物的証拠 / Physical Evidence]
– 出来事は、ある特定の時間の範囲であり、それはすぐに過ぎ去っていっ
てしまう。固定化も物質化もされないし、反復しない。けれど、その出
来事の外側の、雌型のような部分で、物質に出来事の痕跡/証拠が残る
事がある。そうしたもののうち、人以外の有体物による痕跡/証拠を物
的証拠と呼ぶ。
– 物的証拠は、それが何であるかという事よりも、出来事の痕跡として、
それがどのように落ちていたか、傷ついていたかというような事が重要
な意味を持つ。そこに残された物自体は物語の主題にならず、そこから
既に過ぎ去ってしまった、不在の出来事が物語の主題になる。
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田部井勝
成安造形大学卒業後、プラスチック部品製造会社の金型設計に従事した
後、2007 年 IAMAS(情報科学芸術大学院大学)修了。
今日的なデジタル情報技術とその環境が人々に与える習慣や常識、世界
の捉え方の変化を主題に、デジタルデバイス、アクチュエータなどを用
いた作品の制作や、web サービスを用いたアートプジェクトの実施をし
ている。
http://tabeimasaru.com/
左:[Scalable -zoom-]
河原の石の形状をデジタル化し、等倍に拡大したオブジェにプロジェク
ションをした映像インスタレーション。
映像は石を道ばたに放置し、通行人に気づかれないよう密かに撮影した。
遠方から石を捉えるカメラが最大ズームになった時、映像内の石の大き
さとオブジェのそれとが一致する。撮影で使用した本物(本当のサイズ)
の石は会場になく、実際の大きさは想像するしかない。
dot architects
家成俊勝、赤代武志、土井亘の 3 人からなる建築ユニット。大阪・北加
賀屋にて分野にとらわれない人々や組織が集まる「もうひとつの社会を
実践するための協働スタジオ」コーポ北加賀屋を拠点に活動。設計、施
工のプロセスにおいて専門家・非専門家に関わらず様々な人との恊働を
実践している。リサーチプロジェクト、アートプロジェクトなどにも関
わる。http://dotarchitects.jp/
水野大二郎
慶応義塾大学環境情報学部准教授。2008 年英国王立ロイヤルカレッジ
オブアートファッションデザイン博士課程後期修了、芸術博士(ファッ
ションデザイン)
。インクルーシブデザインやファッションデザインなど、
広くデザインの研究に携わる。http://www.daijirom.com/
ファブラボ北加賀屋(Fab Lab Kitakagaya)
2013 年 4 月、大阪市住之江区にある恊働スタジオ・コーポ北加賀屋内
に開設された市民工房。週末を中心に参加者による主体的な運営が行わ
れている。国内外の関連施設やファブラボ間のネットワークを活かし、
領域横断的な活動を展開している。今回は共同設立者である白石晃一(美
術家)
、津田和俊(研究者)が参加。http://fablabkitakagaya.org/
左:[Inclusive Architecture]
障害者福祉施設の財団法人たんぽぽの家、デザイン研究者の水野大二郎、
建築ユニットの dot architects の 3 者が共同で行ったプロジェクト。イ
ンクルーシブデザインの手法を用い、デザインの初期段階から障がいの
ある人とプロセスを共有しながらデザインした小さな建築。段ボールで
できた小さなユニットの組み方によって様々な形をつくり出すことがで
きる。公園などになどに、自分たちの手で素早くつくることのできる小
さな建築を挿入し、誰もが公共空間を取り戻すことが可能になることを
目的としている。
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久門剛史
1981 年京都生まれ 京都在住 . 平成 27 年度京都市芸術文化特別奨励者
2007 京都市立芸術大学大学院 美術研究科 彫刻専攻 修了
主な展覧会歴
2015 stillmoving / 元・崇仁小学校、京都市立芸術大学ギャラリー
@KCUA 京都
2014 セイアンアーツアテンション 現代における信仰とは?
「私の神さま|あなたの神さま」/ 成安造形大学・三井寺・ホテル
アンテルーム 京都
2014 個展 Quantize / オオタファインアーツ 東京
2014 PARC 3 : small world / 札幌駅前通地下歩行空間
2013 Exchange - 種を植える - / 国際芸術センター青森 青森
2013 個展 SHISEIDO artegg 久門剛史展 / 資生堂ギャラリー 東京
2013 what(n)ever / コーポ北加賀屋、adanda 大阪
2012 雨とクオンタイズ / アンテナメディア 京都
2002- SHINCHIKA(シンチカ)のメンバーとして、サウンドを専門に参加
http://tsuyoshihisakado.com/
左:[Qauntize #1]
本作の題名である Quantize とは、電子音楽の制作における補正機能の名
称です。一見して物体が無造作に配置されている空間ですが、実際はコ
ンピュータ・プログラムによって綿密に補正を施されています。雨が降
る音とともに、蛍光灯が明滅する。または、電車が突然通り過ぎる。受
話器からは時報が微かに鳴り続けている。音と光、
風による25の現象が、
コンピューターの乱数によりランダムに現れ、ある瞬間に要素が満たさ
れ、共鳴し合う。本作で私がチャレンジしているのは、よりポリフォニッ
クな現象としての彫刻術です。
加藤大直
Genkei 共同代表 兼 RepRap Community Japan 代表、New York Parsons
美術大学 BFA 卒。大学卒業後現地にてプロダクト / インテリアデザイナー
として従事。帰国後 RepRap Community Japan 共同創設。その後 Genkei
を共同創業、国内初の組立てられる 3D プリンター atom 発表や、組立て
ワークショップを全国開催し日本における 個人用 3D プリンター導入の
先駆となる。現在は、コンセプトを主としたプロダクトデザイン活動か
ら人間の六感とデジタルを融合させる 研究、製作活動を行っている。
佐々木崇人
1989 年生まれ。2014 年東京藝術大学美術学部デザイン科卒、同大学大
学院美術研究科デザイン専攻入学。同大学藤崎圭一郎による企画理論研
究室に在籍しながら、デジタル領域の拡大によるデザインの変化やその
影響の研究、近年登場したメディアの研究と新たに登場しうる次代のメ
ディアの模索、多種多様なデジタル機器と既存のアナログデバイスや表
現を複合的に活用した創作の実践などの活動をしている。
左:
[BigData Materialization]
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松井茂 +仲井朋子
詩人・松井茂と、音楽家・仲井朋子による作品は、これまでに「青森
EARTH2014」
(青森県立美術館、
2014 年 12 月 2 日〜 2015 年 3 月 22 日)
での展示がある。
http://www008.upp.so-net.ne.jp/methodpoem/
左:[ 時の声(ライブ・エレクトロニクス版)]
音声詩「時の声」を基にしたライブ・エレクトロニクスによるサウンド・
インスタレーション。
渡邉朋也
1984 年生まれ。
コンピューターやテレビジョン、インターネットといったメディア技術
をベースに、自作のソフトウェアを用いながら、パフォーマンス、イン
スタレーション、映像作品、ダジャレなどを制作する。
watanabetomoya.com
左:なべたんの極力直そう[初夏の特別編]
すでに失われて久しい完全な宇宙を取り戻すべく、身の回りの欠損を可
能な範囲で補填するプロジェクト。
「初夏の特別編」として本展のために
欠損を新たに補填する。
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山本悠
2013 年、主演作品「悠になりたかった犬」でドラマデビュー。
http://yuuyamamoto.jp/
左:
「情報くんと物質ちゃん」
(イ)アニメーション「情報くんと物質ちゃん」を展示します。
ラブストーリーです。
(ロ)iPhone を展示します。メッセージフロム物質ちゃんのプッシュ
通知で震えます。
(ハ)
「情報くんと物質ちゃん」のキャラクターグッズを展示します。
今日納品されました。
(ニ)設定資料を展示します。
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中原浩大 / 重松あゆみ
「デジタルファブリケーションによる 3D アーカイブの基礎的研究」
(平成 25 年度 京都市立芸術大学 特別研究助成プロジェクト)
本プロジェクトでは、建築やプロダクトデザインで開発されたデジタル
ファブリケーション技術を造形・工芸分野に応用し、いままで試みられ
なかった立体造形物の 3D アーカイブのための基礎的研究を行っている。
デジタルファブリケーションは美術や工芸の分野にも新しい可能性を広
げることができると思われる。従来、立体造形や工芸などの作品は、画
像や図面等によってしかアーカイブ化できなかった。しかしデジタルファ
ブリケーションの技術を応用すれば、立体造形や工芸などの作品のフォ
ルム・表面を正確にデータ化し、さらに 3D プリントや光造形、3D 研削
によってコピーを作成しデータとして保存できると同時に、3D モデルに
よって現実的・身体的に検証するための研究材料となりうる。
上:研究事例(重松あゆみ)
本研究では、実際に造形作品の 3D スキャニンングや 3D 成型によるモデ
ル制作を行いながらその方法を模索する。芸術的および工学的な視点か
らその過程を検証し、実践的な研究成果としてスキーム化し教員や学生
に公開する事によって本学の研究教育水準の向上に資する。
超アナログの粘土という可塑的自然素材からできる陶の形態を、デジ
砥綿は文化庁在外芸術家派遣制度の研修生として、ヨーロッパの先駆的
タルデータ化し、3Dプリントによって大きさや素材を置き換える。
なコンピューティングの研究を行なった。また石原、
中原は 3D コンピュー
これは、形のない情報や「何か」をマテリアライズする本展の意図と
ティングによる造形実験として、独自のプログラムを開発し、2010 年
は逆のベクトルである。
に京都国立近代美術館で開催された「生存のエシックス」において「盲
目のクライマー/ライナスの散歩」として実現している。また重松は自
陶芸という分野において、私は手によって直接粘土で形態を発想して
身の作品を 3D 映像にする実験を試みている。砂山はパリにおいて 3D に
いるが、陶のうつわ状の形体は断面を積み上げて作られ、表裏を持つ
よる建築設計や作品を発表している。辰巳はルーブル美術館との共同研
中空の構造物であり、トポロジカルな構造も手によって紡ぎ出せる。
究によるアーカイブ研究を行なった。
この原始的な粘土の紐造りは、積層による3Dプリント出力と同じプ
ロセスをたどっている。デジタルファブリケーションの技術を工芸の
本展では、そのプロジェクト研究から、中原浩大と重松あゆみの作品を
手の思考からアプローチすることで、情報優位の現代における自然素
発表する。
材の意義や手で作ることの意味を問い直したい。(重松)
メンバー:砥綿正之(研究代表者), 石原友明 , 中原浩大 /
砂山太一(共同研究者), 重松あゆみ / 辰巳明久(研究協力者)
左:中原浩大
お問い合わせ:075-253-1509 [email protected]
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【ワークショップ】 OPH(大前道久)
ジュエリーデザイナー つくるビルを拠点に、Rhinoceros + Grasshopper をデザインの手段としたコンピューテーションによるジュエ
リーデザインの可能性の拡張に取り組む。 OPH 代表、DigitalTooling(※ 1) 運営、DT 電子工作部 ( 仮 / ※ 2) 管理運営
※ 1 Digital Tooling:コンピューテーショナルデザイン、フィジカルコンピューティングなどのデジタルを介した表現ともの作りの将来を模索する勉強会。
※ 2 DT 電子工作部 ( 仮 ):ARDUINO をベースとしたビギナー向けのフィジカルコンピューティング勉強会。
sacsac(木山潤平)*協力:トロテック・レーザージャパン株式会社
3D プリンタやレーザーカッターなどの機材を使ってクッキー型やアクセサリーなどを作るお店。店内の機材や工具を使用して自分
で作ることもできる。京都五条新町、つくるビルにある fab スペース。
開催日時:
5 月 16 日(土)11 時~ 14 時
5 月 17 日(日)11 時~ 14 時
5 月 31 日(日)11 時~ 14 時
6 月 7 日(日)11 時~ 14 時
6 月 14 日(日)11 時~ 14 時
【トークイベント】*詳細は WEb にて随時告知します。
5/16 15:00-17:00 オープニング ギャラリートーク
出展者による作品解説
17:00- レセプション
5/17 14:00-15:30 ゲストトーク
ゲスト:秋葉史典(名古屋大学)
、出展者
マテリアライジング展出品作品をめぐる、デジタルファブリケーションの表現、批評のあり方を考察する。
お問い合わせ:075-253-1509 [email protected]
http://gallery.kcua.ac.jp/
【協賛企業出展】
i Materialise
大量生産が普通になった現代だからこそ、ものづくりを通して自分を表
現し続ける人を応援したい。それが i.materialise の想いです。自分なり
のテイストを加えたグッズ、大切な人への世界に一つだけの贈り物、自
慢したくなるようなデザイン。3D プリントを通してこれらを現実化する
ことで、クリエイティブな人たちがより楽しく生きるためのお手伝いを
しています。
i.materialise はベルギーに本社を置くマテリアライズ社傘下のオンライ
ン 3D プリントサービスとして、約 5 年前に誕生しました。マテリアラ
イズは 1990 年の創業時から今日までの 25 年間、3D プリント産業界を
リードしてきたパイオニア。そのベルギー本社は現在約 120 台の 3D プ
リンタが設置された、単一施設としては欧州最大の 3D プリント施設を
備えています。
こだわりを持ったデザイナーや発明家の要望に応えるのが私たちの仕事。
高品質で幅広い選択肢を彼らに提供できるよう、日々努力を重ねていま
す。私たちは 3D プリントサービスを提供すると同時に、どうしたらもっ
と 3D プリントを身近な存在にできるか、考え続けていきます。誰でも
デザイナーや発明家になれる未来を目指して。
http://i.materialise.co.jp/
株式会社アプリクラフト
コンピューターグラフィックソフトウエアの進歩は私たちに多くの可能
性を与えてくれました。特に 3 次元のデジタルデザインは、スケッチや
図面、あるいは頭の中にあるイメージを単に 3 次元モデルとして再構築
するだけでなく、モデリングを通じて形式的な問題点を明確にし、把握
することを可能とします。またモデル化されたデータを視覚的に確認す
ることによって、さらに新たなアイディアを喚起することが可能な、い
わば人間の知的作業を高度に支援するシステムです。
一方、私たちは加速度的にデジタルデータを生み出し続け、その洪水の
中で、翻弄されはじめているのも事実です。私たちは、データの洪水の
中から価値あるものを見出し、効率的にデジタルデータを利用し、より
付加価値のある図面、グラフィックスデザイン、プロダクトデザイン、キャ
ラクターデザイン、製造モデル等を速やかに作り出し、またそれらを再
利用する術を確立する必要があります。
株式会社アプリクラフトは、デジタルデザインを必要とされるお客様に、
最適のツールを提供すると同時に、ツールを使いこなすノウハウをお客
様と共有し、広くデジタルデザインを普及することを会社目的といたし
ます。
http://www.applicraft.com/
お問い合わせ:075-253-1509 [email protected]
http://gallery.kcua.ac.jp/
トロテックレーザージャパン株式会社
トロテックはヨーロッパ(本社:オーストリア)屈指のレーザー加工機メー
カーとして、世界市場でレーザー彫刻・レーザーカット・レーザーマー
クができるレーザー加工機の製造・販売・メンテナンスを行っています。
現在、世界 14 ヵ国に及ぶ現地法人を設立し、世界 90 ヵ国で販売・サー
ビス業務を展開しています。
スタイリッシュでユーザーフレンドリーなコンパクトモデル「rayjet」か
ら高精度、高信頼性を特長としたハイクオリティモデルである「Speedy」
シリーズまで各種ニーズに応える幅広いラインナップを取り揃え、お客
様に最適で最良のレーザーシステムを提供します。トロテックのレーザー
システムは、世界中の生産現場から絶大なる信頼を得ており、柔軟性の
高いソフトウェアも大きな評価を受けています。業界を牽引するトロテッ
クは「CO2 レーザー」と「ファイバーレーザー」という性質の異なるレー
ザー発信機を一台のマシンに搭載することで 「省スペースでより多くの
種類の材料を加工できる」 flexx シリーズという世界初の画期的で革新的
なレーザーシステムの製品化にも成功しました。
最先端技術を駆使し、ヨーロッパならではの優れたデザインに基づいた
レーザー加工機を開発・製造・販売・サポートするメーカーとして「趣
味として楽しむ個人利用」から「産業用製品づくり」に活用できる製品
ラインナップを提供し、デジタルものづくりの楽しさをより一層広めて
いきます。
http://www.troteclaser.com/ja-JP/Pages/Laser_systems.aspx