平成27年7月3日 <目次> 「橋梁等の点検に関する説明会」 1.改定概要 2.横断歩道橋の追加について 3.横断歩道橋の構造 4.点検時の着目点 5.記録 6.健全性の診断 橋梁点検・維持管理要領の 見直しについて <橋梁の点検について> 北海道建設部 一般財団法人北海道建設技術センター 1 1.改定概要 1.改定概要 技術的助言と橋梁の評価単位 注)橋梁点検要領で横断歩道橋の部位、部材も対応可能。 【今回の改定概要】 横断歩道橋(技術的助言) 評価単位の区分(部位・部材区分) ・橋梁点検・維持管理要領は、昨年9月に改定されている。 上部構造 ・前回改定は、点検方法が近接点検に移行したことが主体。 下部構造 ・今回の改定は、横断歩道橋の点検に関しての追加を行った。 ・「横断歩道橋定期点検要領(H26.06)--技術的助言」が公表 階段部 橋梁への読み替え部材 主桁 主桁、添接板、垂直補剛材、等 上部工 主桁 横桁 横桁、横構等 上部工 副部材 床版 床版、デッキプレート 上部工 床版 その他 地覆 その他 地覆 橋脚 下部工 躯体 支承 支承 その他 等 落橋防止構造 落橋防止装置 根巻きコンクリート 躯体 上部工 主桁 主桁 上部工 主桁 その他 ・部材名称が若干相違するため、点検時は橋梁と同じ部材名で点 検を行い、健全性の診断時に必要な部材名に読み替える。 主桁、添接板、垂直補剛材、 水平補剛材等 副部材 縦桁、対傾構、横桁、横構等 床版 RC床版、鋼床版等 躯体 基礎 本体 アンカー 伸縮装置 落橋防止装置 下部工 橋面工 舗装 高欄 排水受け その他 排水装置 地覆 排水管 その他 排水装置 縁石 排水樋 その他 排水装置 落下防止柵 その他 遮音施設 高欄 2 下部工 投物防止柵、落下防止柵等 防護柵 防護柵 その他 高欄等 護岸 排水装置 照明施設 その他 照明施設 点検施設 道路標識 その他 添架物 遮音施設 舗装(通路部) 橋面工 舗装 照明施設 手すり、目隠し板、裾隠し板 等 その他 防護柵 添架物 その他 備考 主桁 その他 その他 等 上部工 モルタル 下部工 踏み板、蹴上げ、地覆 橋梁点検評価単位 支承 上部工との接合部 橋台 ・横断歩道橋定期点検要領は、橋梁とほぼ同じ状況である。 橋梁 DB入力への読み替え 備考 投物防止柵、落下防止柵等 3 1.改定概要 2.横断歩道橋の追加について 点検要領P7・8 (2)横断歩道橋の主な対象部位(部材・部材区分)を表-2に示す。 表―2 横断歩道橋の主な対象部位(部材・部材区分) 橋梁点検要領で横断歩道橋の点検が可能と判断した理由。 1.構造の基本は鋼橋と同じ状況であること。 その他 道路標識 照明施設 高欄 落下防止柵 その他 階段部 その他:踏み板、蹴上げ、地覆等 その他 高欄 :投物防止柵等 その他:舗装(通路部)、手すり、目隠し板 裾隠し版等 5 ※各項目の対象とする損傷の種類はP15・16・17に記載 3.横断歩道橋の構造 排水樋 排水管 排水受け その他 以上のことより横断歩道橋は橋梁定期点検を準用することが可能と判断した。 また、横断歩道橋点検要領(技術的助言)で不明な点は橋梁定期点検要領を参 考としていることなどからである。 4 「解説」 上部構造 主桁 :主桁、添接板、垂直補剛材等 横桁 :横桁、横構等 床版 :床版、デッキプレート その他:地覆等 下部構造 その他:落橋防止構造、根巻きコンクリート 橋台 7.変状の区分は橋梁点検の変状区分と同様であり特別追記しなくとも対応可能。 階段部 主桁 6.点検部材種類は容易に歩道橋の診断部材へ読み替え可能である。 上部工との接合部 5.橋台は階段下側にしかないため、分割番号の設定により対応可能。 その他 4.下部構造における橋脚部は根巻きコンクリートを有した鋼管構造が主体。 支承 3.構造は径間毎の構成であり、橋梁と同じ状況で分割可能。 下部構造 橋脚 替え可能)。 その他 床版 上部構造 横桁 主桁 2.診断は橋梁と同様に点検帳票から手作業で入力が必要(ルールがあれば読み 3.横断歩道橋の構造 ① 上部構造 評価部材(部位)の読み替え 横断歩道橋 主桁 6 橋 梁 主桁(添接板) 垂直補剛材 主桁 横桁 副部材(横桁) デッキプレート 鋼床版 鋼床版 鋼床版 地覆 鋼製地覆 7 3.横断歩道橋の構造 ② 3.横断歩道橋の構造 下部構造 ③ その他 評価部材(部位)の読み替え例 横断歩道橋 評価部材(部位)の読み替え 横断歩道橋 橋 梁 梁 排水装置 高欄 支承 支承 高欄 橋脚(鋼管等) 鋼製橋脚 落下防止柵 高欄 根巻きコンクリート コンクリート橋脚 照明施設 照明施設 落橋防止構造 落橋防止 道路標識 添架物 8 2.横断歩道橋の追加について 9 2.横断歩道橋の追加について ・横断歩道橋の構造 ④ 橋 排水受け・排水桶・排水管 ・横断歩道橋の構造 階段部 ⑤ その他 評価部材(部位)の読み替え 横断歩道橋 評価部材(部位)の読み替え 横断歩道橋 橋 梁 上部工との接合部 主桁 階段主桁 主桁(添接板) 蹴上げ 鋼床版 地覆 鋼製地覆 踏み板 鋼床版 橋台 橋台 10 橋 梁 舗装 舗装 手すり 高欄 裾隠し版 高欄 目隠し板 高欄 11 4.点検時の着目点 ① 4.点検時の着目点 ② 上部構造 主な着目個所 着目のポイント ①主桁 ・塗膜の付着性が悪い下フランジのエッジ、紫外線が直接当るウェブ は経年劣化や雨水の滞水による防食機能の劣化及び腐食が発生しや すい。 ・車両の衝突により部材が変形している場合、衝突個所以外でもき裂 やボルトの破断などが生じている場合があり、注意が必要である。 ②横桁 ・主桁内側に取付られる部材のため、雨水の滞水や結露による防食機 能の劣化及び腐食が発生しやすい。 ③床版(鋼床 版) ・橋面舗装の経年劣化や雨水の浸透により生じたひびわれ、剥離部か らさらに雨水が浸透することで腐食が発生しやすい。 ・鋼床版下面では結露による防食機能の劣化及び腐食が発生しやすい。 ④床版(デッ キプレー ト) ・橋面舗装の経年劣化や雨水の浸透により生じたひびわれ、剥離部か らコンクリートのひびわれを通して床版内に雨水が浸透することで 腐食が発生しやすい。 ・デッキプレート下面では、結露による防食機能の劣化及び腐食が発 生しやすい。 ⑤地覆 ・縦横断勾配の低い箇所に雨水が滞留することにより、地覆立ち上り 部に腐食が発生しやすい。 ⑥添接板 ・塗膜の付着性が悪いボルトのエッジには防食機能の劣化及び腐食が 発生しやすい。 ⑦垂直補剛材 ・主桁内側に取付られる部材のため、雨水の滞水や結露による防食機 能の劣化及び腐食が発生しやすい。 下部構造 主な着目個所 塗装劣化 き裂 腐食 変形 破断 漏水・滞水 ゆるみ 脱落 など ・鋼製柱基部(根巻きコンクリート又は舗装接触面)は雨水の滞 水により腐食が発生しやすい。 ・車両の衝突により部材が変形している場合、衝突箇所以外で もき裂やボルトの破断などが生じている場合があるので,注 意が必要である。 ②支承 ・連結部、排水装置の不備による漏水、狭隘部に取り付けられ ていることによる通気性の悪さならびに結露から腐食が発生 しやすい。 ③落橋防止構造 ・連結部、排水装置の不備による漏水、狭隘部に取り付けられ ていることによる通気性の悪さならびに結露から腐食が発生 しやすい。 ④根巻きコンク リート ・上部工の温度変化など繰返し荷重及び根巻きコンクリート本 体の乾燥収縮により、ひび割れが発生しやすい。 12 4.点検時の着目点 ④ 階段部 その他 主な着目個所 主な着目個所 着目のポイント ①上部工との 接合部 ・桁の伸縮量を吸収する事を目的として設けた遊間より雨水が浸 透し、接合部(主桁端部及び桁受け)に腐食が発生しやすい。 ・フックの変形や腐食、ボルトの変形や脱落等が生じている事例 もある。 ②主桁 ・塗膜の付着性が悪い下フランジのエッジ、紫外線が直接当たる ウェブに経年劣化や雨水の滞水による防食機能の劣化及び腐食 が発生しやすい。 ③踏み板 ・橋面舗装の経年劣化や雨水の浸透により生じたひび割れ、剥離 部からさらに雨水が浸透することで腐食が発生しやすい。 ④蹴上げ ・舗装からの雨水の浸透により、腐食が発生しやすい。 ・蹴上げ裏面は、結露による防食機能の劣化及び腐食が発生しや すい。 ⑤地覆 ・縦横断勾配の低い箇所に雨水が滞留することにより、地覆立ち 上り部に腐食が発生しやすい。 ⑥橋台 ・不等沈下及びコンクリート本体の乾燥収縮によりひび割れが発 生しやすい。 塗装劣化 亀裂 腐食 変形 破断 ひび割れ 漏水・滞水 ゆるみ 脱落 など 13 4.点検時の着目点 ③ 着目のポイント ①橋脚 塗装劣化 き裂 腐食 変形 破断 漏水・滞水 ゆるみ 脱落 など 14 着目のポイント ①排水受け ・塵芥や落葉などが堆積することにより、土砂詰りが発生しやすい。 ②排水管 ・排水管は、紫外線による防食機能の劣化が生じやすく、さらに腐食に進展す る場合がある。 ・塩化ビニール管は、経年劣化より破断が生じやすい。 ③排水樋 ・鋼製排水樋は土砂詰り及び結露により、腐食が発生しやすい。 ④落下物防止柵 ・風などの振動により、取付ボルトにゆるみが生じやすい。 ⑤高欄 ・塗膜の付着性が悪い小型部材が多いため、防食機能の劣化及び腐食が発生し やすい。 ⑥証明施設 (照明) ・風などにより振動が生じ、照明柱と受け台の取付けボルトにゆるみが生じや すい。 ・照明柱基部は、雨水の滞水による腐食が発生しやすい。 ⑦道路標識 ・風などにより振動が生じ、照明柱と受け台の取付けボルトにゆるみが生じや すい。 ⑧手すり ・ステンレスなどの異種金属を使用する場合が多く、適切な処理を施さずに高 欄に直接溶接した場合には、異種金属の接触による腐食が発生し、破断する 場合がある。 ⑨目隠し板 ・風などの振動により、取付ボルトにゆるみが生じやすい。 ・経年劣化より目隠し板に破断が生じる場合がある。 ⑩裾隠し板 ・風などの振動により、取付ボルトにゆるみが生じやすい。 ・経年劣化より裾隠し板に破断が生じる場合がある。 ⑪舗装 ・利用者の通行による、舗装のすりへり、経年劣化によりひび割れが発生しや すい。 塗装劣化 き裂 腐食 変形 破断 漏水・滞水 ゆるみ 脱落 など 15 5.記録 6.健全性の診断 記録 点検結果の記録は橋梁と同様に北海道橋梁データベースで行う。 ◆横断歩道橋における径間、躯体番号の考え方 16 6.健全性の診断 17 終わりに 橋梁点検・維持管理要領は数度の改定を経て現在の形となってお り、改定毎に修正が行われているため、旧来の要領ではなく最新の 要領を使用した点検を行うことが基本となります。 横断歩道橋の径間番号、躯体番号等は可能な限り現状に合わせて 設定しています。 未登録や不整合などがあった場合の確認方法。 1.点検者(受託者) 発注者(管理者) 2.発注者(管理者) 道路課 整備G 点検者(受託者) 点検は現場作業が主体です、安全な作業を! 18 19
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