LF2015 照明デザインセミナーから得たもの で、私たちが知っていたつもりの中国より、 はるかに大きい現実の中国の照明業界の姿が わかった。 世界の照明器具の総数の 2/3 はメイド・イ ン・チャイナで、世界 218 カ国に輸出してい ること。日本の 100 円ショップで、狭角、中角、 広角と配光を変えられる中国製 LED の懐中電 灯が手軽に手に入るのも道理である。 中国照明学会(CIES)以外に、アジア照明 協会 ALDA、アジア照明協会 AALD、華人照明 設計師協会 CLDA の3つの民間の照明協会が あり、企業内の照明デザイナーはおよそ 3,000 人であること。 独立した照明デザイナーは 50 人以下であ り、照明デザイナーはオーナーとだけ打合せ るが、施工業業者との打合せは出来ないこと。 仕事を得るにはまずオーナーと飲まなけれ ばならないこと、最初に提出したイメージ図 通りにやらなければならないこと、デザイン 変更はしょっちゅう、支払いの遅延は日常茶 飯事であること。 80 以上の言語、30 を超す文字を持つ中国 で、仕事する上で特に重んじられているのは、 relationship, language, face to face の三つであ る、との体験に基づいた話は、特におもしろ かった。 リー・ヨンソ氏は、韓国に 100 人以上いる 独立した照明デザイナーのひとりで、清渓川 (チョンゲチョン川)3地区景観照明マスター プラン、漢江の6ヵ所の橋、漢江ヨイド公園 の実施設計などで、ソウルの夜景を年々美し く変えている。 近年のソウルの夜間の都市照明は、都市デ ザインを含め、世界的に注目を集めているが、 中でも清渓川プロジェクトは、高速道路を取 り払って川を蘇らせて、市民の憩いの場を作っ ただけでなく、新しい都市観光の場を提供し た。 照明デザインについて言えば、社会主義国 である中国は、オーナーのやりたい放題、自 由主義国である韓国・ソウルは都市全体にコ ントロールのきいた照明デザインと、イメー ジとは真逆だったのも意外だった。 日本、中国、韓国、LED を手にしてからの 照明デザインの変化は考えていた以上に早い。 巻頭言 照明デザイナー 近田玲子 3月3日から6日まで、東京ビッグサイトで ライティング・フェア 2015 が開催された。筆 者は、二つのセミナーのモデレーターを務めた おかげで、二つの大きな収穫を得た。 一つ目の収穫は、「照明デザインの今」のプ レゼンテーター6人の話から、質の高い照明デ ザインには、発注者、オーナーの意識の高さが 欠かせない、と確信したことであった。 プレゼンテーターは、2014 年に海外の照明 デザイン賞を受賞した6名の日本の照明デザイ ナーで、学校、病院、歴史的建造物、住宅、ホ テル、駅ビルの外観と、カテゴリー別にそれぞ れの照明デザインを語っていただいた。 小児病棟の照明デザインを依頼してきたのは 病院の医師、歴史的建造物の照明を依頼してき たのは地域コミュニティの人々であったなど、 今や、普通の人々に照明の大切さが理解されて いる。 日 本 で は、2011 年 の 東 日 本 大 震 災 を 境 に LED の普及が進み、照明デザインの必要性が認 識され、一般の人々の意識を変えたと言っても 過言ではなかろう。 二つ目の収穫は、照明デザイン国際セミナー 「中国と韓国の照明デザインの今」の二人のプ レゼンテーターの話から、知っていたつもりで あった中国と韓国の照明業界についての認識が 大きく広がったことであった。 中国の照明デザインについて話したウノ・ラ イ氏は台湾生まれ。ニューヨークで建築照明を 学んだ後、上海と台北に照明デザイン会社を立 ち上げた。 まず、ウノ氏によって示された様々な数値 JLEDS NEWS / 第 26 号 1 企画運営委員会の主な活動 【企画運営委員会報告 ( 将来ビジョン分科会+新企 画検討分科会 )】 ○平成 26 年 12 月 18 日、平成 27 年 2 月 19 日 委員会実施報告 ■平成 26 年度収支見込報告と来年度への取り組み ( 収支黒字化への動き ) 前号で報告しました事業計画の収支健全化の経過 報告を実施しました。2/12 見込みにおきまして今 年度期初予算に対し約 300 万円の良化にて推移し ています。これは、各委員会が事業内容見直し・効 率化を図り運営頂いている結果であります。但し、 会員数が 94 社となりやはり課題は会員数を増やす 活動と会費以外の外部収入拡大が来期以降も課題で あります。来期 ( 平成 27 年度 ) への取り組みとし ましては、収支黒字化を具体的にするために、広報 委員会とも協力をし、シンポジウム開催のやり方を 新しく ( 具体的には、広報委員会報告にて ) 見直す こと、事務局経費も各委員協力の元、効率化を推進 し大幅な費用削減の見通しを立てています。また、 外部収入事業へのトライも計画しながら収入拡大を 図り、会員企業への海外事業展開支援、JLEDS の露 出度アップのためにも情勢調査費を拡大します。 承認を経て正式に案内を致しますが、まず6月の 広州国際照明展のジャパンパビリオンへオーガナイ ザー出展を JLEDS として行い、会員企業、製品カ タログ等の紹介、JLEDS の活動 PR を予定していま す。 ■平成 27 年度事業計画案報告 3/19 の理事会へ来年度の企画運営委員会事業計 画を以下のように提案しました。 【主な分科会活動案】 ① 将来 LED 照明ビジョン分科会 JLEDS の将来像や活動の方向性など今後のビジョ ン構築を主体的に推進する。LED の照明分野だけに 留まらない用途拡大、付加価値創造を探り、LED 先 進国として世界に発信するための活動を行う。 ⇒ JLEDS による LED 照明の普及促進の使命は終 わったとの共通認識の中、中期の新しい JLEDS の ミッションを定め、具体的な活動ビジョンを構築す る。H27 年度は、その具体的施策のための対策を 策定する。 ② アジア情勢等調査分科会 海外 (Asia 中心 ) との交流・同行調査を継続的に 実施し、国内企業が海外進出、拡販するための支援 を行う。 ⇒国際照明展示会の調査派遣 ( 台湾、中国広州 ):2 名×2ヶ所。技術委員会とも協力し、調査報告内容 のより充実を進める。H27 年度は、特に外部団体 とも協力し、会員企業 ( 希望 ) の海外展開支援、及 び日経との協賛事業である、LNS2016 への出展企 業募集、JEDS の海外での認知度 UP を進める。 ③ 新企画検討分科会 会員サービスとしての新規事業を企画・検討する。 ⇒①の将来ビジョンに親和性のある新企画である 必要があるため、平成27年度は広報、技術委員会 とも連携し、新しいミッションのための会員サービ ス、活動の方向性として何が必要か具体的に検討 する。(ex: 収益事業検討分科会、LNS 連動企画分科 会・・・etc) H28 年度より新分科会をスタートさ せるためのテーマ決定の活動を推進する。 (委員長 久米 任弘 / パナソニック(株)) 広報委員会の主な活動 【「ライティングフェア2015」出展報告】 1.「ライティングフェア2015」にJLEDSブー ス出展 主催:照明工業会、日本経済新聞社 2015.3.3 ~ 6 会場:東京ビッグサイト 総来場者数: 4日間合計 75,356名 主催者である日本照明工業会、日本経済新聞社に2小 間のブースを提供いただき出展した。 期間中は、展示パネル、展示BOXの他に、LEDロー ドマップ2015改訂発表パネル、2/ 25に刊行した LED照明信頼性ハンドブック改訂版PRパネル、LN S2016プレシンポジウム開催案内パネルを展示、信 頼性ハンドブックの販売も行った。 JLEDS NEWS / 第 26 号 3月6日にはライティングステージで、加藤技術委員 会副委員長による「LED照明信頼性ハンドブック改 訂! 故 障 要 因 ま るわかり」の講 演を実施した。 (展示会分科会 リーダー 梶谷 美穂子 / パナソニック ㈱) <ライティングフェア 2015 開会式> 2 波長領域の半導体発光素子の開発状況、深紫外 LED、 LD の応用分野の拡がりとして、高演色・長寿命蛍光 灯の可能性、殺菌・医療応用事例、公害物質の高速分 解応用等を講演いただいた。 【「平成 26 年度第 3 回会員研修会」報告】 2015.2.20 昭 和 電 工 株 式 会 社 ( 東 京 )13:30 ~ 17:00( 情報交換会 :17:15 ~ 18:30) 参加人数 68 名 【使い手側テーマ】「横浜の夜を明るく~防犯灯LED 化の取組~」 横浜市市民局市民協働推進部地域防犯支援課 折笠 政幸氏により、 ESCO事業に よって可能と なった11.7万 灯の防犯灯を1 年間でLED防 犯灯に置き換え る桁違いのES CO事業への取 <横浜市 折笠氏講演> 組について講演 いただいた。 【トピックステーマ】「スマートハウスの現状と LED 照明への期待」 神奈川工科大学創造工学部教授・スマートハウス研 究センター所長 一色 正男氏により、HEMS におけ る公知な標準インターフェースである「ECHONE T Lite」に対応したスマートハウス製品・サー ビスの市場 導入状況や 各種政策を 紹介いただ いた。 今回の会員 研修会は初 めて非会員 の方々から の募集も実 <スマートハウス研究センター 一色氏講演> 施し3名が 参加した。限られた時間内において、各々の講演内容 について活発な質疑・応答がなされ有意義な研修会で あった。講演終了後は、総勢25名での情報交換会を 開催、講師の方々との交流、会員企業同士の情報交換 などが図られ無事に閉幕した。 (会員研修会分科会リーダー 穴田 孝二 / 豊田合成 ㈱) 【技術テーマ】「高効率深紫外 LED 開発の現状と今後 の展望」 (独)理化学研究 所 平山量子光素 子研究室 平山 秀樹氏により半導 体光デバイス未開 拓波長の開発と応 用分野の現状、理 研が取組んでいる 最 短 波 長、 最 長 <理化学研究所 平山氏講演> 技術委員会の主な活動 で、ぜひご利用ください。 【ライティング・フェア 2015 でのセミナー開催】 JLEDS は LED 照明の品質向上、安全性意識のレベ ルアップのための啓蒙活動の一環として、2015 年 3 月 6 日、 東 京 ビックサイトで 開催されたライ ティング・フェ ア 2015 の ラ イ ティングステー ジ に て、 上 記、 「LED 照 明 信 頼 性ハンドブック 【 第 2 版 】」 の <加藤技術副委員長> 内容に基づいた 【LED 照明信頼性ハンドブック第2版の出版】 JLEDS は、10 周年記念行事の一環として、既に販 売されている「LED 照明信頼性ハンドブック」の追補 改 定 を 行 い、「LED 照 明 信頼性ハンドブック【第 2 版 】」 と し て、 日 刊 工 業新聞社から発刊いたし ました。 古くなった情報の改定 と、理解が深まった分野 の情報を追記し、約 40 ページの増補となってお ります。 書店、ならびにネット 上にて購入可能ですの 3 JLEDS NEWS / 26 号 「LED 照明信頼性 ハンドブック改 訂! 故 障 要 因 ま るわかり」と題し た講演を行いま した。 約 200 人 の 席 が満席の状態で、 終了間際は立見 も出るほど好評 でした。 【白色 LED 技術ロードマップの改訂】 JLEDS は、10 周 年 記 念 行 事 の 一 環 と し て、 既 に 2008 年 4 月に公開しております「白色 LED 技術ロー ドマップ」の改訂を行いました。会員企業からの予測 値、要望値をアンケート形式で集約し、とりまとめ、 2025 年までの発光効率向上の見通しを示したものと なっております。 「ライティングフェア 2015」にて発表させていただ きましたが、近日 JLEDS ホームページに掲載の予定 です。(委員長 安田剛規 / 昭和電工㈱) 事務局からの報告 【事業活動報告】 1.理事会関係 2015/3/19 第 5 回理事会 2.JLEDS 委員会関係 2015/1/16 第 5 回広報委員会 2015/1/23 第 4 回技術委員会リーダー会 2015/2/19 第 6 回企画運営委員会 2015/3/13 第 6 回広報委員会 2015/3/20 第 5 回技術委員会リーダー会 2015/3/20 第 2 回技術委員会全体会議 3.顧問団体連携会議 2015/1/15 第 5 回 LED 照明連絡会 2015/3/12 第 6 回 LED 照明連絡会 4.イベント関係 2015/2/20(セミナー)JLEDS 第 3 回会員研修 会(東京・昭和電工様) 2015/3/3 ~ 6(展示会)ライテングフェア 2015 ブース出展(東京ビックサイト) 大学校友会館) 2015/1/27 照明学会 100 年史企画・編集委員会 2015/1/30 赤崎勇博士・天野浩博士ノーベル賞授 賞記念式典 ( 名古屋観光ホテル ) 2015/2/10 照明学会 100 年史企画・編集委員会 2015/2/17 照明学会東京支部 照明普及賞審査委 員会 2015/2/23 日本照明工業会 照明用 LED 標準化 小委員会 2015/3/3 ライテングフェア 2015 開会式 2015/3/4 日本照明工業会 照明用 LED 技術小委 員会 2015/3/5 GLA レセプションパーティー 2015/3/10 照明学会 LED 照明の JIS 用語制定委 員会 2015/3/10 照明学会学会技術及び照明関連 JIS 企 画委員会 2015/3/25~28 2015 台湾国際ライティング見 本市調査出張 【その他の活動報告】 1.対外活動関係 2015/1/8 日本照明工業会 賀詞交歓会(東海 なお、2015 年 4 月 1 日より、事務局は野田事務 局長、安藤事務局次長の2名体制となります。 発 行 2015 年 4 月 1 日 発行人 小紫正樹 発行所 特定非営利活動法人LED照明推進協議会 〒 105-0003 東京都港区西新橋一丁目 5 番 11 号 第 11 東洋海事ビル 6 階 TEL (03)3592-1382(代)/ FAX (03)3592-1285 URL http://www.led.or.jp/ E-mail [email protected] Japan LED Association JLEDS NEWS /第 26 号 内容に関するご意見、ご質問は JLEDS 事務局までお寄せくださ い。 本書の内容を無断で複写・複製・転載することを禁じます。 4
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