解析マニュアル

Manual of FTS TOOLS
とりあえず版
平成 19 年 6 月 26 日
まず、FTS のデータを生データから redution する手順としては、fts_part1 で時系列データか
らフーリエ変換してスペクトルにし、fts_part2 でピクセルごとの感度補正や ux 補正、波長較正
をするという大きく分けて二つの作業になります。IDL のコマンドラインでは 2 行のみではある
が、その途中で interative にいろいろやらなくてはいけない作業があるので、それをここで順を
追って解説したいと思います。
1
fts part1
1.1
基本的な使い方
現在のところ、fts_part1 は 1pointing 全体を切り出したデータセットには対応していないので、
最初に手元のデータを fts_part1 に通せるデータセットに作り直す必要があります。データの切り
出しには、fts_mk_obj_mal_aal というツール ( 後述 ) が用意されています。ここでは、このツー
ルで切りだした'****_obj.ts' データを使って話を進めます。解析ツールは IDL ベースで開発され
ていますので、ここでは IDL の基本的な使い方については記載しません。
fts_part1 を動かすには、IDL のコマンドラインにて、
>fts_part1,'****_obj.ts'
と入力し、エンターキーを押せば、とりあえずは動き始めます(fts_part1 がプログラム名、****_obj.ts
が読み込むファイル名です。念のため。)。ですが、一般に天体を解析するときには、最低限でも以
下のように指定する必要があります。
>fts_part1,'****_obj.ts' ,ramporr='****.f' [,ploth=*℄
ramporr='****.f' はランプカーブ補正をどのように行うかを決めるオプションで、ここでは共
通の ramp urve 補正テーブルを読み込むように指定しています(推奨。ただし、天体によっては
うまくいかない場合がある)。ploth は天体が入っているピクセルを指定するオプションです( と
もに詳細は x1.2 参照 )。以下に途中でやるべき操作について記載していきます。オプションによっ
て現れる画面と現れない画面がありますが、基本的に順番どおりに書いておきます。
1.1.1 hek ramp urve orr
プログラムが走り始め、その後一番最初に hek ramp urve orr という画面が表示されます
( 図 1)。この画面では ramp urve がきちんと補正されているかを確認します。( ですが、ramp
1
urve 補正を行うというオプション ( 後述 ) を指定していない場合にはあまり関係ありません。)
オプションを指定している場合は、ここで ramp urve 補正がうまくいっているか確認します。ま
ず、上の画面にデータの微分形、下の画面に積分系が表示されます。また、積分形の画面の隣には
選択されている h での補正テーブル作成に使ったデータ(白)と作成された補正テーブルのデー
タ(ピンク)が表示されます。微分形のデータが表示されている画面で、元のデータ(白)と補正
後のデータ(青)が表示されますので、それをみて補正がうまく行われているかチェックします。
うまく行われていれば、青いデータ点は水平になっているはずです ( センターバースト付近は除く
)。表示範囲の指定の問題でうまくデータが見られないときには、[range℄ ボタンを押して表示範囲
を変更しましょう。補正が問題ないと思えば、[ok℄ を押して先へ進めてください。[quit℄ を押すと
プログラムは終了します。補正がうまく行われず、やりなおしたいときにはこちらをつかいます。
2
3
図 1: hek ramp urve orr の (旧)画面。上段の白いプロットが補正前、青いプロットが補正後。
1.1.2 hek reset bad
その後、hek reset bad という画面が現れます( 図 2)。この時点でリセットの点はすべて値
に-999 が入っているはずですが、場合によっては reset の前後の点が飛び跳ねていたりするため、
それをここで bad にします。まず、h スライダーでチャンネルを変えて行き、reset 前後で常に 1
点 2 点グリッチのようになっていないかを確認していきます。もし、問題がなければ [OK℄ を押し
ます。表示範囲が大きすぎで見難い場合には [range℄ ボタンを押すとポップアップ画面で range を
調整できます。xrange はだいたい表示する幅を 300 500 くらいの幅にしてやると見やすくなるか
と思います。すべての h をチェックしていくつかの h でリセットの前後にグリッチのような飛び
があった場合には、[rstext[0℄℄、[rstext[1℄℄ を用いてその点を除去します(デフォルトでリセットの
bad ag としてそれぞれ [rstext[0℄℄=0、[rstext[1℄℄=1 が入っています。)。リセット前後以外にある
グリッチはこの後除去するので、ここでは無視してください。[rstext[0℄℄ をマイナス側に動かすこ
とで、リセットの手前の点を動かした数だけ bad に指定することができます。また、[rstext[1℄℄ を
プラスに動かすとリセット後の点を bad にします。たとえば、[rstext[0℄℄ を-1、[rstext[1℄℄ を 2 と
した場合、リセット点を中心に前 1 点、後 2 点を bad にすることになります。bad に指定するた
めには、[rstext℄ を動かした後、[do again℄ のボタンを押してください。そうすると一度画面が消
え、もう一度同じ画面が立ち上がるので、そこで確認をしてください。また、[drv-℄、[-drv℄ スライ
ダーでどの駆動を表示させるかを選ぶことができます。二つの [drv℄ スライダーで挟まれた範囲の
駆動が一度に表示されます。ひとつの駆動だけを表示させるときは両方の [drv℄ を同じ数字にそろ
えます。[drv-℄ を 3、[-drv℄ を 10 としたときには、4 駆動目から 11 駆動目まですべてが表示されま
す。[drv℄ の数字は IDL 数字であることを注意してください。また、[drv-℄ [-drv℄ でないと正し
く表示されません。表示は h ごと、駆動ごとですが、rstext の指定は全チャンネル全駆動に適用
されます。チェックが終わったら、[OK℄ を押してこの画面を閉じてください。
1.1.3 rm glith
hek reset bad が終わると、すぐに rm glith という hek reset bad に似た画面が現れます (
図 3)。ここで細かいグリッチを手で取り除きます。[range℄ ボタン、h スライダー、ふたつの drv
スライダーについては先の hek reset bad と同じです。まず、チャンネルと駆動を選んでデータ
を表示させ、グリッチをチェックします。グリッチがあれば、[dataNo℄ というスライダーでそのグ
リッチを選択してやり、[badpoint℄ ボタンを押します。グリッチの選択は左側の [dataNo℄ と右側の
[dataNo℄ スライダーでデータ点の範囲を指定することになります。1 点の場合は二つの [dataNo℄ ス
ライダーは同じ値を取ることになります。画面右側の [dataNo℄ が常に左側のスライダーよりも大
きい値を取るようにしてください。 [badif℄ ボタンは表示している駆動のデータをすべて bad にし
ます。これは、その駆動のデータがあまりよくない場合に使います。面倒ですが、ここで、各チャ
ンネル、各駆動のグリッチをすべて除いてやります。一度ではできない場合もありますが、その場
合には [save℄ ボタンを押すとセーブファイルが生成されますので、それを読み込ませることでそれ
x
までの結果を反映し、続きからやることも可能です ( 1.2 vifbadf 参照 )。グリッチを取り除き終
わったら、[save℄ ボタンを押し、[ok℄ ボタンを押して、この画面から抜けます。間違って [quit℄ ボ
タンを押してしまうと終了してしまいます。
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図 2: hek reset bad の(旧)画面。range で調整して 4000-4500 のところだけを表示させた。リセットはすべて bad になっていてきれいな例。
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図 3: rm glith の(旧)画面。range で調整して 4000-4500 のところだけを表示させた。4200 と 4300 の間にある glith を dataNO スライダーで選択
している。
1.1.4 hek drive b
rm glih を終えると、しばらくたってから hek drive b という画面が立ち上がります ( 図 4)。
x
ここでは指定したチャンネル ( 1.2 ploth 参照 ) の各駆動ごとのセンターバーストの位置を決め
てやります。まず、画面の左上の spetrum というところに表示範囲内のデータをフーリエ変換し
たスペクトルが表示されます。その隣は現在選択されている各駆動のセンターの位置を示してい
ます。Im2 はフーリエ変換した際の虚数部の2乗したものを表示していて、 IF と書かれていると
ころに、データのセンターバースト付近が表示されています。これをみて、正しい位置が選べて
いるかを確認します。Im2 のピンクの点と IF の白い線が現在選んでいる場所を示しています。基
本的には Im2 が最小値になるところが選ばれていますが、センターバーストの中心(谷、または
山)が間違って隣の山、または谷を選んでしまうときがあります(本当は中心は山の部分なのに、
隣の谷を選んでいたりします)。その場合は、画面下方にある andb のスライダーで range を狭
めてやります。andb は4つありますが、それぞれ、[0℄ が駆動の行きの最小、[1℄ が最大、[2℄ が
駆動帰りの最小、[3℄ が最大となります。駆動の行き、帰りごとの最小と最大に挟まれた範囲から
Im2 が最小になる位置を選ぶよう指示してやる形になります。たとえば、センターバーストの中
心は-0.01 にある山の部分であるのに、その隣の-0.02 にある谷を選んでいた場合は、andb[0℄ の
スライダーを-0.02 から-0.015 に変えてやります。 andb のスライダーを変更したら、 [do again℄
ボタンを押します。一旦、画面が消え、もう一度立ち上がるので、それでちゃんとセンターをえら
べているかどうかを確認してください。うまく選べていれば、[ok℄ を押して画面を抜けます。セン
ターバーストの中心が山なのか谷なのかは入力データによって変わり、天体の場合は SW では谷、
LW では山になります。内部光源の場合はその逆になります。目安として、右上の駆動ごとのセン
ターの位置を示す画面で、それぞれの駆動でのセンターの位置が近ければ正しそうと判断すること
ができます。逆に、その画面で一つ、二つだけ位置が飛んでいるようなものがある場合は、うまく
選ばれていない場合が多いので気をつける必要があります。ただし、一駆動目についてはややずれ
る傾向にあります。
1.1.5 hek all b
hek drive b が終わると、今度はチャンネルごとにセンターがちゃんと選ばれているか確認す
る hek all b という画面が立ち上がります。画面構成は先ほどの hek drive b とほぼ同じで
す。右上の whereCB に表示される選ばれているセンターの位置が駆動ごとのものではなく、チャ
ンネルごとに変わっています。また、andb のスライダーも二つ減りました。やることは先ほど
の hek drive b と変わりません。今度は駆動ではなくチャンネルを変えてチェックします。やり
かたもほぼ hek drive b と変わりませんが、andb のスライダーは二つのため、駆動の行き帰
り別の指定は行いません。上側の andb で最小値を下側の andb で最大値を指定してやります。
1.1.6 hek raw spe
センターが正しく選ばれたら、それを使ってフーリエ変換します。ここではデータをフーリエ変
換しただけの生のスペクトルが見られます。この画面が表示されると fts_part1 は終了です。この
ツールは見るだけ、ですので、特に何かをする必要はありません。h スライダーでチャンネルを、
drv スライダーで駆動を選ぶと、左上に駆動で平均されたスペクトルが示され、右上に駆動ごとの
スペクトルが示されます ( 図 5)。表示されるスペクトルは、drv スライダーの下にあるボタンで切
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り替えられます。oplot と plot はプロットの仕方を変更します。通常は plot で問題ないと思いま
す。次の both,even,odd はデータをフーリエ変換した際に出てくるスペクトルの実数部と虚数部を
切り替えます。デフォルトは both で両方示されてます。フルレゾモードでは虚数部はあまり意味
はないので、even を選択しておくほうが見やすいかもしれません。その隣の both,go,bak は駆動
の行き帰りを切り替えます。デフォルトは go で行きのものが示されています。[range℄ ボタンで表
示させる範囲を調整することもできます。終了するときは [quit℄ ボタンを押してください。
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図 4: hek drive b の(旧)画面。Im2 が最小値を選び(ピンクの点)、IF も山をきちんと選んでいる(白い線)。また、右上の画面(whereCB) を
見ると駆動ごとにセンターの位置がだいたい同じような位置にあることがわかる(一駆動目を除く)。
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図 5: hek raw spe の(旧)画面。左上が駆動で平均されたスペクトル(ピンクが実数部、水色が虚数部)。右上には駆動ごとのスペクトルが表示さ
れる。これはフルレゾのデータのため、虚数部のスペクトルはあまり意味はない。
1.2
オプションコマンド
ここで、プログラムをスタートするときにつけることができるオプションについて説明します。
1.2.1 tiskip
駆動スタートを指定するオプションです。通常の配布データを使う場合は無指定でよいはずで
す。sequene がとまった時間を blank で埋めずに縮めてしまったデータを使う場合はこのオプショ
ンを指定する必要があります。
無指定の場合:読み込んだデータに blank=1 の点があればその次に blank=0 となる点を、
なければ読み込みデータ 1 点目を駆動スタートと見なす
tiskip=1 の場合:stati に一定値以上の跳びを探してそこを駆動スタートと認識する
tiskip=2 の場合:PS データの折れ曲がりで駆動スタートを決める「2006/07 以降の、LDS
から取った、切り出しツールで切り取った obj データ」にのみ有効
1.2.2 ploth
駆動ごとのセンターバーストの位置関係を決める、素性の良い hannel、または点源の入った
hannel を指定するオプション。指定しない場合は SW は 23、LW は 31 が自動的に選ばれます。
(hek drive b で表示されるチャンネルはここで指定したチャンネルになります。)
指定の仕方:ploth=ploth(指定したいチャンネルの番号をそのまま入れればいい)
1.2.3 ramporr
ランプカーブ補正をどうするかをここで指定します。
無指定の場合:補正しない
ramporr=1:読み込みデータ自身で補正
ramporr=2:サーベイと同じテーブルで補正
また、すでに同じデータで ramp urve orretion table が作られている場合(自動生成されるファ
イル名は***ramptbl.f)は ramporr='***ramptbl.f' と指定することで指定した f le で補正
することができます。現在は非常に明るい天体以外は配布されている ramp urve 補正テーブルの
f ファイルを使うことが推奨されています。非常に明るい天体など、現在配布の ramp urve テー
ブルではうまく補正できない場合には、自身で補正することを推奨します。その場合には、GUI に
よる以下のような作業が必要になります。
ramporr=1 を指定した場合、プログラムを開始して一番最初に現れるのが hek ramp という
画面( 図 6)です。画面左上に補正テーブルを作るために使う ramp urve が全部重ねて表示されま
す。この画面で、各チャンネルの ramp urve をチェックします。ramp の点が外れていたり、ramp
urve の明らかにおかしいものはここで取り除きます。まず、プロット画面下にある h スライダー
で表示したい h を選びます。plot 画面横軸の一点目のかたまり、二点目のかたまりなどをまとめ
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て取り除くための point スライダーと一本の ramp urve を取り除くための ramp スライダーと二
種類があります。一点目のかたまり、二点目のかたまりだけを除く場合は画面中央よりやや下側
に位置する二つの point スライダーを使って取り除く点を選択します。point スライダーは二つの
point スライダーのうち上段の [point-℄ と表示されているスライダーと下段の [-point℄ と表示され
ているスライダーとで除く点をはさむ必要があります。たとえば、1 点目から 3 点目を除く際には、
上段のスライダーは 0 のまま、下段のスライダーを 2 まで動かしてやります ( 図 6)。plot 画面横
軸の数字=スライダーの数字となっていることに注意してください。また、[point-℄ [-point℄ で
ないとうまく動作しません。この状態で、[=bad point℄ を押し、画面最上部にある [plot℄ のボタン
を押すと、ramp の一点目から 3 点目までが取り除かれます。例として、3 点と書きましたが、普
通は point=0 の 1 点以外は除く必要はありません。LW のデータについては、ramp の最初の一点
が ramp urve の一番下に来ないため、これはここで取り除いておく必要があります。次に、画面
中央よりやや上部にある ramp スライダーを使って、明らかにおかしな ramp urve を選択し取り
除きます。これは先ほどの point スライダーとやりかたは同じで、二つの ramp スライダーで取り
除きたい ramp urve を挟む形で選択して、その後 [=bad ramp℄ ボタンを押してやります( 図 7)。
こちらも [ramp-℄ [-ramp℄ でないとうまく動きません。行った作業を保存するには [save ag℄、
[reset℄ を押すと、最後に save したところまで戻ります。また、h スライダーの下にある all_h ボ
タンと one_h を切り替えることで、全チャンネルのデータに対して bad をを立てるか、表示 h
のデータだけに bad を立てるかを選ぶことができます。実際にはこの後の ramp urve 補正テーブ
ル作成ツールでおかしな ramp urve は取り除かれてしまうため、ここで細かく取り除く必要はな
かったりします。明らかに飛んでいる点や ramp urve を除き終わったと満足したら [save ag℄ ボ
タンを押したあと、[ok℄ のボタンを押すことでプログラムが先に進み、選んだ ramp urve を使っ
て、ramp urve 補正 table 作成に入ります。[save ag℄ ボタンを押すことで、どのデータを削除し
たか保存されるので、同じデータファイルで二度目以降ツールにかける場合は保存ファイルを呼び
x
出すオプションを指定すればこの画面は現れなくなります( 1.2 ramp ag 参照 )。
1.2.4 rampg
ramporr=1 を選び、かつ以前に同じデータから ramporr=1 でランプカーブ用フラグの入った
save le ができている場合そのファイル名を指定します。これを指定した場合、hek ramp をパ
スできます。
指定の仕方:rampbg='*****.tsramp.sav'
1.2.5 addname
ここで指定した文字列をセーブファイルの名前につけ加えることができます。デフォルトで出来
るセーブファイルの名前は lename+_part1.sav という名前になるが、lename と_part1.sav の間
にここで指定した文字列が入ります。
指定の仕方:addname='****'
1.2.6 vifbadf
rm glih で save したデータを読み込ませるオプションです。
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図 6: hek ramp の画面。point スライダーで、1 点目を選択している(point スライダーは 0-0)。
図 7: 図 1 から最初の 1 点を除いた後、506-512 の ramp urve を選択している。
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指定の仕方:vifbadf='*****vifbad.sav'
1.2.7 smop
IF をなますオプションです。(smop*2+1) 点で平均されます。つまり smop=1 で 3 点平均、smop=2
で 5 点平均。今のところ正しい評価は誰もしていませんので、注意して使用してください。とりあ
えず、IF 上での見栄えはぐっとよくなります。
1.2.8 mal
mal データをツールにかけるときは、問答無用でこのオプションをつけてください。温度計に
値が入ったところで切り出したデータにあわせて、前 3 駆動、後 1 駆動のデータを捨てます。
指定の仕方:/mal
1.2.9 oneside
SED モードだけれども、センターバーストから片側だけを変換したいときに指定します。
指定の仕方:/oneside
通常は使う必要ありません。
1.2.10 pixg
元々bad pix として指定してある LW[2,3,18,33,42℄,SW[1,11℄ 以外で、予め特定のピクセルに bad
ag を立てておきたい場合に指定する。
指定の仕方:pixg = [6,7,31℄
1.2.11 sigmalip
グリッチチェック GUI の前に、sigmalip で大きなとびに badag を立てる。
指定の仕方:/sigmalip
1.2.12 setbp
暗い天体は自分でセンターバーストの中心を決められないので、このオプションを指定すると、
駆動パターンからセンターバーストの中心を自動的に決めてくれる。このオプションを指定すると
自動的に tiskip=2 が指定される。
指定の仕方:/setbp
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セーブファイル
1.3
fts_part1 を通すと生成されるセーブファイルがいくつかありますので、まとめておきます。オ
プションによっては出来ないファイルもあります。
****_obj._part1.sav:fts_part1 をかけた結果を保存してあるデータ
****_obj.vifbad.sav:rm glith で生成されたグリッチの bad ag が入っているデータ
****_objramp.sav:ramporr=1 のオプションをつけると、hek ramp で生成される ramp
の bad ag が入っているデータ
****_obj.ramptbl.f:ramporr=1 のオプションをつけたときに出来るランプカーブテーブ
ルのデータ
****.ps:ramporr=1 のオプションをつけた場合、ランプカーブ補正テーブル作成時にいく
つかの ps ファイルが生成されます
結果を示すセーブファイル(****_obj._part1.sav)の中身は以下のとおり。
VER (STRING):fts_part1 の version
FILENAME0 (STRING):読み込んだ tsd ファイルの名前
DATATYPE (STRING):'FIS_SW'/'FIS_LW'
PKTID_F (BYTE) :124(=SED)/14(=Fullreso)/何か昔のモード
RSTEXT (INT= Array[2℄): 最終的なリセット [前,後℄ 抜き点 PCH (INT): =ploth-1 ph=30 なら h31 でセンターを決めている
SMOP (INT): 最初に指定した smop
VIFBAD (INT = Array[ndata,ndrv,ndet℄)
RANGE[2℄:DFT に使ったデータ範囲(->分解能)[m℄
(※ ndet=Wide Band ピクセル数、ndrv=駆動数、ndata=データ数/1駆動 (往復))
CBPCH (DOUBLE = Array[ndrv, 2(go/bak)℄) :初期値からの ph のセンター位置のずれ [m℄
CBALLCH (DOUBLE = Array[ndet, 2(go/bak)℄) :ph を 0 としたセンター位置のずれ [m℄
DC (DOUBLE = Array[ndrv,ndet℄) :各駆動、ピクセルの 1 駆動平均 [V/se℄
VIF (DOUBLE = Array[ndata,ndrv,ndet℄) :各駆動、ピクセルでの往復 IF[V/se℄
VIFPOS (DOUBLE = Array[ndata,ndrv℄) :各駆動、ph の position 情報 [m℄
(※ nwn=スペクトルのデータ数)
WN (FLOAT = Array[nwn℄) :スペクトルの横軸波数 [m-1℄
SPEC (DOUBLE = Array[nwn,2(ave/stdv),3(real/im/phase),2(go/bk),ndet℄) :平均スペクトル
SPECBARA (DOUBLE = Array[ndrv,nwn,3(real/im/phase),2(go/bk),ndet℄) :駆動ごとのスペ
クトル
LONGIFSPEC (DOUBLE = Array[nwn,2(re/im),2(go/bk),ndet℄) :IF で平均してからスペクト
ルを計算したもの
2
fts part2
チャンネル間の感度の補正や、フリンジの補正、スペクトル較正を行うツールです。fts_part1
を通して出てきたセーブファイルを読みこませると自動で計算して ts ファイルにしてくれます。
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2.1
基本的な使い方とオプション
IDL のコマンドラインで以下のように指定。
>fts_part2,'*****_part1.sav'[,/psle,/txtle,/barale,xmin(max),wnmin(max),addname℄
プログラム名のあとに、読み込ませるセーブファイル名(*****_part1.sav)を指定すればあとは自
動で計算して、結果を ts ファイルにしてくれます。オプションは以下のとおりです。
/psle:このオプションをつけると psle が作成されます。
xmin,xmax:xmin(max)=xmin(max) で指定。psle を指定したときに、y 軸の min と
max を指定させることができます。全チャンネルで固定なので、チャンネルごとのスペクト
ル強度を比較するのに便利です。
wnmin,wnmax:wnmin(max)=wnmin(max) のように指定。psle を指定したときに、x 軸
の min と max を指定できます。line のある付近だけを拡大してみたいときなどに便利です。
/txtle:このオプションでデータをテキストファイルに書き出してくれます。中身は 1 列目
が波数、2 列目が h1 の go、3 列目が h1 の bak・
・
・以下順番に続きます。
txth:txth=txth で数字または数字の配列で指定。txtle を指定したときに特定のチャン
ネルのデータだけをテキストファイルに書き出してくれます。
addname:addname='****' で指定。生成されるファイルすべてに addname で指定した文字
列が付け加わります。
2.2
セーブファイル
fts_part2 を通すと生成されるセーブファイルがいくつかありますので、まとめておきます。
****.ts:fts_part2 をかけた結果を保存してある ts データ
****.sav:fts_part2 をかけた結果を保存してある sav データ。中身は平均スペクトルと駆動ご
とのスペクトルに part2 をかけた結果が保存されている。
****.ps:psle のオプションをつけると生成される全チャンネルのスペクトルをプロットし
た ps ファイル
****.txt:txtle のオプションをつけると生成されるテキスト形式で保存されたデータ
3
fts tools
3.1
fts hekrawspe
fts_part1 のセーブファイルを読み込んで、hek raw spe 画面 ( 図 8) を呼び出すツール。
>fts_hekrawspe,lename='******_part1.sav'[,ploth=*℄
ploth のオプションをつけることで、一番最初に表示させたいチャンネルを選ぶことができます。
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3.2
fts plotspe
fts_part2 のスペクトル較正まで終え、生成された ts ファイルを読み込んでスペクトルを確認
できるツール ( 図 8)。
>fts_plotspe,'******.ts'
多少のバグがあります。最初に both のボタンを押して一度スペクトルを表示させてからでないと、
駆動の行きだけ帰りだけのスペクトル表示はできません。下部のボタンでチャンネルを選んでスペ
クトルを表示させることができます。また、右上の go,bak,both のボタンで駆動の行き帰りを選
ぶことができます。表示範囲を変更したいときは [range℄ ボタンを使います。[replot℄ ボタンを使う
と初期 renge でプロットしなおしてくれます。
図 8: fts-plotspe の画面。
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3.3
fts-mk-obj-mal-aal
1pointing 全体のデータから A キャル部分、松尾光源キャルの部分と観測部分とのデータに分割
してくれます。入力したファイルの名前の後に、_aal_b(A キャル前)、_aal_a(A キャル後ろ)、
_mal(松尾光源)、もしくは_obj(観測)とついたデータセットが出来上がります。
>fts_mk_obj_mal_aal,'*****.ts',[,/nomal,/noobj,/noaal,/nodark℄
オプションで必要のないデータセットを作らないという指定もできます。
nomal:mal のデータセットは作らない
noobj:obj のデータセットは作らない
noaal:aal のデータセットは作らない
nodark:dark のデータセットは作らない
切り出した_obj ファイルを fts_part1 にかけるときの tiskip の指定は元のデータによって変更す
る必要があります。シャッターオープンのあと一度駆動が停止するところを blank で埋める場合
(LDS のデフォルト)は、tiskip 指定なしで、blank で埋めずに縮めてしまった場合は tiskip=1 で
fts_part1 にかけます (x1.2 tiskip 参照 )。
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