LPC810 開発ボードの製作

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ボクの LPC810 工作ノート PREVIEW版
LPC810 開発ボードの製作
プログラムを書き込んですぐ実行できる Arduino のような使い勝手 !
⊕ LPC810 を始めよう
LPC810 は NXP の ARM 系 32 ビ ッ ト マ イ コ
ン(Cortex-M0+)で す。価 格 が 税 込 み 75 円、
パッケージが平凡すぎる DIP8 ピンなので、つ
GND
いオペアンプか何かと間違えてしまいそうで
自由に使えるピン
すが中身は最新のテクノロジーで満ちていま
す。面白くて安くてブレッドボードで動かせ
る、もう電子工作に打って付けなわけです。
自由に使えるピン
新しいマイコンを手に入れたら書き込み装
3.3V/50mA 出力
置を何とかしなければなりません。LPC810 は
リセットが解除された時点で 5 番ピンが 0 だ
と ISP モードに切り替わり、非同期シリアル
を使って自ら書き込みの動作をします。書き
込み装置にさほどの働きが要求されないた
め、少数の単純な部品で作ることができます。
UART の TXD ─
リセットスイッチ
パソコンと接続
LPC810 開発装置の各部の機能
LPC810 の両側にはピンソケットを取り付
り、その点だけ配慮すれば自由に使えます。
け、ささやかながら Arduino のような格好に
それが自由か ? という議論はあるでしょうが
─ GND
しました。8 ピンですから、まともなシール
Arduino も多くのピンがそうなっています。
─電源
ドを作るのは無理でしょう。ジャンパーワイ
スイッチは 2 個あります。ひとつはプログ
ヤでブレッドボードへつなぎ、簡単なテスト
ラム次第の汎用スイッチです。もうひとつは
や電気的特性の実測などに使う想定です。
リセットスイッチですがプログラムでリセッ
LPC810 が ISP モードで使うピン
リセット─
汎用スイッチ
─ UART の RXD
─ ISP モード切替
使いかたが完全に自由なピンは 2 本です。
トを無効にすれば汎用スイッチになります。
電子工作が好きな人はとかく部品を買って
この 2 本は LPC810 の内部にハイカレントド
プログラムの書き込みにあたってこれらのス
から何を作ろうかと考えるものです。書き込
ライバがあって LED を直接点灯する能力を
イッチを操作する必要はありません。書き換
み装置は LPC810 を買った人の最初の電子工
もちます。ほかのピン(電源を除く)は 1k Ω
えでは、もしかしたら操作するかもしれませ
作としてお勧めです。その書き込み装置は小
の抵抗を介して非同期シリアルと接続してお
ん。その点についてはのちほど言及します。
さな配慮で Arduino のような開発ボードにな
ります。せっかくですからもうひと頑張りし
て、開発ボードを作る例をご紹介します。
⊕ 開発ボードの概要
LPC810 にプログラムを書き込むときよく
使われる書き込みソフトは FlashMagic です。
FlashMagic には LPC810 の標準モードと ISP
モードを自動で切り替える機能があります。
また LPC810 と非同期シリアルで通信できる
端末機能を備えます。開発ボードはこれらの
機能に対応しており、プログラムの書き込み
や書き換えが簡単にできますし、書き込んだ
あとすぐ実行して端末から操作できます。
FlashMagic の端末機能で LPC810 と通信した例
開発ボードの回路
⊕ 設計と製作
FlashMagic は 非 同 期 シ リ ア ル の DTR と
RST で標準モードと ISP モードを切り替えま
す。この機能に対応する具体例としてマニュ
アルにスリーステートバッファを使ったやや
複雑な回路が掲載されています。なぜ複雑に
なるかというと、ひとつは本物のシリアルの
なまった信号でも確実に動作させるためで、
これはシリアル -USB 変換モジュールを使う
ことにすれば考慮する必要がありません。
もうひとつは書き込んだプログラムをすぐ
実行して、もし書き込み装置の中で傍若無人
な振る舞いに及んだらちょっとした騒動にな
るからです。確かにそれは由々しき問題です
が、問題がそれだけなら危ないピンに抵抗を
す。通信には仮想ポートを使います。仮想ポ
[新刊のご案内]高度な製作例を満載して間もなく出来 !!
入れておくことで解決します。結局、シリア
ートのデバイス名はデバイスマネージャーの
ボクの LPC810工作ノート
ル -USB 変換モジュールの周囲に少数の受動
⊕
「ポート(COM と LPT)」欄に表示されます。
部品(半導体を使わない部品)を取り付ける
LPC810 はプログラムでリセットを無効に
開発ボードの次に何を作るかという話にな
くらいの感じでまとめることができました。
することができます。そういうプログラムが
ったときとても参考になる『ボクの LPC810
書き込まれた LPC810 でプログラムの書き換
工作ノート』
(鈴木哲哉・著、ラトルズ・刊)が
えをしようとすると ISP モードに切り替わら
間もなく出来上がります。実はいったん出来
なくて失敗します。その場合、応急措置とし
上がったのですが、NXP のライブラリが互換
⊕ 使いかたの注意点
て汎用スイッチを押した状態でパソコンと接
性のないバージョンアップをしたせいでプロ
本物の非同期シリアルのかわりに USB- 非
続し、書き込みが終わるまで押し続けます。
ジェクトが全滅してしまいました。現在、著
同期シリアル変換モジュールを使ったのでパ
FlashMagic は HEX ファイルのプログラム
者が泣きながら(ウソ。何だか嬉しそう)プロ
ソコンにドライバが必要です。Windows8.1
しか書き込むことができません。開発環境は
ジェクトの修正と新機能による最適化に励ん
だとドライバは自動でインストールされま
HEX ファイルを直接生成できる LPCXpresso
でいます。ですから内容は最新の情報に基づ
IDE がいいかと思います。聞く
きます。ご期待の上、今少しお待ちください。
と こ ろ に よ る と ARM mbed の
開発ボードの配線図と部品表
オンラインコンパイラ(ブラウ
ARM 系で最弱の 32 ビットマイコンをとことん使い倒す !
ザでネットへ接続して開発しま
す)で LPC812 を装ってプログ
ラムを書く方法があるそうで
す。この開発環境はどこでも使
えてたいへん便利ですが、バイ
鈴木哲哉
表 示 装 置 の 試 作⊕AQM0802A の 内 部 構 造⊕
[第 1 章]Fundamental Theory
基礎構築編
AQM0802A の制御⊕LCD 表示装置のテスト◉LCD
表示装置─フラッシュメモリを使い切る⊕気象観
◉開発環境─プログラム書き込み装置の製作⊕電
測装置の概要⊕気象観測装置の設計と製作⊕気象
子工作の基本方針⊕開発環境の整備⊕プロジェ
観測装置のテスト
クトの取り扱い⊕書き込み装置の製作⊕プロ
グラムの書き込み◉開発装置─非同期シリ
[第 4 章]Mission Impossible
アルハンドラの制作⊕スイッチマトリク
スの操作⊕非同期シリアルの制御⊕文字
無理難題編
列の書式制御⊕非同期シリアルと書
◉周波数カウンタ─I2C スレーブハンドラの制作
式 制 御 の テ ス ト◉LED の 点 滅─
⊕周 波 数 カ ウ ンタの概要⊕周波数カウンタの設
計と製作⊕I2C スレーブの制
MRT ハンドラの制作⊕LED を
点 滅 さ せ る 回 路⊕
御⊕周波数カウンタのプ
SysTick タ イ マ と ス
ログラム◉方形波発振器
リ ー プ⊕MRT の 構 造
─汎用ポートの高度な制
御⊕方 形 波 発 振 器 の 概
⊕MRT の 制 御⊕
要⊕方形波発振器の設
MRT を 使 っ た LED
計⊕方 形 波 発 振 器 の 製
の点滅⊕パワーダウン
作⊕方形波発振器のプロ
とWKT⊕パワーダウンを使っ
グラム⊕方形波発振器の
た LED の 点 滅⊕電 力 制 御 の 効
ナリのプログラムが生成されま
すから、別途、バイナリ -HEX フ
ァイル変換ソフトが必要です。
果◉大気圧計─I2C マスタハンド
ラの制作⊕大気圧計の試作⊕I2C マス
1
備考
マイコン
機の設計と製作⊕LPC810 親機の
くれたスレーブの取り扱い⊕温湿度計の試作⊕
プログラム⊕LPC810 親機のテスト◉
AM2321 の内部構造⊕AM2321 の制御⊕温湿度計
精密温度計─抵抗値計の製作⊕抵抗値計
のテスト◉LCD 表示装置─AQM0802A ハンドラの
の製作⊕精密温度計の製作⊕温度 - 周波数対照
制作⊕LCD 表示装置の試作⊕AQM0802A の内部構
表の作成⊕精密温度計のプログラム⊕精密温度計
造⊕AQM0802A の制御⊕LCD 表示装置のテスト◉
分散処理⊕超音波距離計の概要⊕超音波距離計の
のテスト◉Linux で分散処理─理想的な精密温度
LCD 表示装置─フラッシュメモリを使い切る⊕気
動作原理⊕超音波距離計の設計と製作⊕超音波距
計の製作⊕BeagleBone Black の接続⊕精密温度計
象観測装置の概要⊕気象観測装置の設計と製作⊕
離 計 の プ ロ グ ラ ム⊕超 音 波 距 離 計 の テ ス ト◉
の Linux 版プログラム⊕精密温度計のテスト◉超
気象観測装置のテスト
◉周波数カウンタ─I2C スレーブハンドラの制作
数量
LPC810 親機の概要⊕LPC810 親
の制御⊕大気圧計のテスト◉温湿度計─ひね
分散処理編
仕様
波 数 カ ウ ン タ の テ ス ト⊕
タの制御⊕LPS25H の内部構造⊕LPS25H
[第 2 章]Distributed Computing
部品番号
テ ス ト◉LPC810 親 機─周
Arduino で分散処理─理想的な超音波距離計の製
音波距離計─LPC810 親機で分散処理⊕超音波距
作⊕Arduino Uno の接続⊕超音波距離計のスケッ
離計の概要⊕超音波距離計の動作原理⊕超音波距
チ⊕閾値の自動調整のテスト
離計の設計と製作⊕超音波距離計のプログラム⊕
超音波距離計のテスト◉Arduino で分散処理─理
[第 3 章]
Practical Application
⊕周波数カウンタの概要⊕周波数カウンタの設計
実践応用編
と製作⊕I2C スレーブの制御⊕周波数カウンタの
◉開発装置─非同期シリアルハンドラの制作⊕ス
プログラム◉方形波発振器─汎用ポートの高度な
イッチマトリクスの操作⊕非同期シリアルの制御
制御⊕方形波発振器の概要⊕方形波発振器の設計
⊕文字列の書式制御⊕非同期シリアルと書式制御
⊕方形波発振器の製作⊕方形波発振器のプログラ
の テ ス ト◉LED の 点 滅─MRT ハ ン ド ラ の 制 作⊕
ム⊕方形波発振器のテスト◉LPC810 親機─周波
LED を点滅させる回路⊕SysTick タイマとスリープ
数 カ ウ ン タ の テ ス ト⊕LPC810 親 機 の 概 要⊕
⊕MRT の 構 造⊕MRT の 制 御⊕MRT を 使 っ た LED
LPC810 親機の設計と製作⊕LPC810 親機のプログ
の点滅⊕パワーダウンと WKT⊕パワーダウンを
ラム⊕LPC810 親機のテスト◉精密温度計─抵抗
使った LED の点滅⊕電力制御の効果◉大気圧計─
値計の製作⊕抵抗値計の製作⊕精密温度計の製作
I2C マスタハンドラの制作⊕大気圧計の試作⊕I2C
⊕温度 - 周波数対照表の作成⊕精密温度計のプロ
マスタの制御⊕LPS25H の内部構造⊕LPS25H の制
グラム⊕精密温度計のテスト◉Linux で分散処理
御⊕大気圧計のテスト◉温湿度計─ひねくれたス
─理想的な精密温度計の製作⊕BeagleBone Black
レーブの取り扱い⊕温湿度計の試作⊕AM2321 の
の接続⊕精密温度計の Linux 版プログラム⊕精密
内部構造⊕AM2321 の制御⊕温湿度計のテスト◉
温度計のテスト◉超音波距離計─LPC810 親機で
LCD 表示装置─AQM0802A ハンドラの制作⊕LCD
想的な超音波距離計の製作⊕Arduino Uno の接続
⊕超音波距離計のスケッチ
IC1
LPC810M021FN8
IC2
AE-FT231X(秋月電子通商) 1
USB- 非同期シリアル変換モジュール
R1 ~ R6
1k Ω
6
1/4W カーボン抵抗
『ボクの LPC810 工作ノート』は高度な製作
C1
0.1 μ F
1
積層セラミックコンデンサ
例を満載。特設のスタジオで撮影した美麗な
S1、S2
タクトスイッチ
2
製作例は DTS-6(Cosland)の黒と橙
写真、豊富な図版、丁寧に観測した実測値で
─
DIP8 ピン IC ソケット
1
製作例は 2227-8-3(Neltron)
臨場感も抜群。意識の高い入門者、年季の入
─
4 ピン 1 列ピンソケット
2
42 ピン 1 列ピンソケットをカットして使用
ったマニア、そしてエア電子工作を趣味とす
─
ユニバーサル基板
1
製作例は C タイプ(秋月電子通商)
る人にもきっとご満足いただけます。
◉このチラシは『ボクの LPC810 工作ノート』の編集前の原稿をもとに制作スタッフが構成したものです。告知した内容は予告なく変更することがあります。
◉書店、部品店、出版社はこのチラシの内容を検証しておりませんので、結果に責任を持ちませんし、お問い合わせにも応じかねます。