道路交通法の一部を改正する法律案の概要 背 景 高齢運転者による交通死亡事故の増加 ○交通死亡事故件数は、全体では減少傾向にあるが、75歳 以上の高齢運転者による交通死亡事故件数及び全体に占め るその割合は増加傾向 ○75歳以上の年齢別運転免許保有者10万人当たり交通死亡 貨物自動車に係る事故防止対策の必要性 ○貨物自動車による交通死亡事故(1,110件)は全体の33%(平成 25年中) ○貨物自動車が中心となる車両総重量3.5~5トンの自動車に よる交通死亡事故の減少率は特に低い 事故件数は、75歳未満の約2.5倍 車両総重量3.5トン以上の自動車の運転に関し、貨物自動 高齢の運転免許保有者が今後更に増加することも踏ま え、高齢運転者対策が喫緊の課題 車での試験・教習を必要とするなど運転免許制度の見直し が必要(あわせて、高校を卒業して間もない若年者の就職 における運転免許の必要性という社会的要請にも配意) 概 要 高齢運転者対策の推進~リスクの高い運転者への対策~ ○認知機能が低下した場合に行われやすい一定の違反行為を した高齢運転者に対する臨時認知機能検査制度の導入 貨物自動車に係る事故防止対策の推進 ○自動車の種類として準中型自動車(※1)、免許の種類として 準中型自動車免許(※2)の新設 ※1 車両総重量3.5~7.5トン等と定める予定(道路交通法施行規則関係) ○臨時認知機能検査の結果、認知機能が低下しているおそれ ※2 受験資格は18歳以上 があると認められる者等に対する臨時高齢者講習制度の導入 ○準中型自動車免許を受けようとする者に対する講習、同免許を ○認知機能検査において認知症のおそれがあると認められた 受けた者に係る再試験等に関する規定の整備 者(※)に対し、その者の違反状況にかかわらず、臨時に適 性検査等を実施 ※平成25年中では受検者全体の2.4% その他 ○免許の仮停止の対象範囲の拡大 ≪ 改 正 案 ≫ 認知機能検査・臨時適性検査 現行制度 認知機能 検査結果が 第3分類 (約71.4%) 改正案 【臨時認知機能検査・臨時高齢者講習制度の導入】 認知機能の現状を タイムリーに把握する制度 歳以上の者 75 認知機能 検査結果が 第2分類 (約26.2%) は存在せず (3年ごとに更新時の認知 機能検査を受けるのみ) 警察が一定の違反行為 を把握した場合に限り、 医師の診断を受けても らうこととなっている(※) 認知機能 検査結果 が第1分類 (約2.4%) (%は平成25年中の値) 認知機能が低下した場合に行われやすい一定の違反行為を行 い、リスクが発現した人に臨時に認知機能検査を受けてもらうこ ととし、その結果、認知機能の低下のおそれが認められた人等 には臨時の講習(個別指導を含む。)を受けてもらうこととする 【臨時適性検査等に係る制度の見直し】 一定の違反行為を行うことを待たずに、医師の診断を受けるこ とを要することとする ※ 平成25年中に第1分類になった者の数に対し、同年中に医師の診断を受けた者は2%に満たない。 高齢者講習(更新時) 【道路交通法施行規則関係】 現行制度 75歳未満の者 歳以上の者 75 改正案 更新時に 3時間の講習 認知機能検査 結果が第3分類 認知機能検査 結果が第2分類 認知機能検査 結果が第1分類 更新時に 2時間30分の講習 【高齢者講習の合理化】 高齢者講習を合理化し、2時間とする 【高齢者講習の高度化】 高齢者講習に、個別指導や双方向型講義を加え、3時間とする ≪改正案≫ ○ 免許の区分、受験資格等の改正概要については次のとおり。 普通自動車 中型自動車 大型自動車 普通免許 中型免許 大型免許 18歳以上 20歳以上 普通免許等保有2年 21歳以上 普通免許等保有3年 車両総重量 5トン 11トン 普通自動車 普通免許 準中型自動車 準中型免許 中型自動車 中型免許 大型自動車 大型免許 18歳以上 18歳以上 20歳以上 普通免許等保有2年 21歳以上 普通免許等保有3年 車両総重量 3.5トン 7.5トン 11トン ※ 現行免許保有者の既得権は保護 ○ 準中型免許の取得に当たって、準中型自動車の運転に係る取得時講習等を義務付け ○ 準中型自動車免許を受けた者で、当該準中型自動車免許を受けていた期間が通算して1年に達しないものに ついては、初心者マークの表示義務の対象 ○ 準中型自動車免許を受けた日から1年間(初心運転者期間)に違反行為をし、一定の基準に該当することと なった場合には再試験の対象 ≪期待される効果≫ 車両総重量3.5~7.5㌧の自動車の免許取得の際、貨物 自動車による試験・教習制度が導入されるなど、運転免 許制度上の安全対策が講じられる。 ※ このほか、新制度の導入に際して、国土交通省及び全日 本トラック協会が連携し、トラック運転者への指導・監督 の強化及び教育の充実、車両安全対策等を実施する予定。 中小型の貨物自動車を中心とする車両総重量3.5~7.5㌧ の自動車の免許の取得の年齢がEU並みの18歳に引き下 げられる。 高卒直後の若年ドライバーが、域内輸送を担う集配車 を運転することが可能。 (新制度導入の効果について、国土 交通省は、「若年ドライバーの採用の促進に資する」との認識 (H26.10.16 参・国土交通委員会)。)
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