新医薬品の「使用上の注意」の解説 - 大日本住友製薬 医療情報サイト

市販直後調査
2015 年 5 月作成
平成27年5月∼平成27年11月
対象:慢性肝疾患患者におけるそう痒症
医薬品の適正使用に欠かせない情報です。使用前に必ずお読みください。
新医薬品の「使用上の注意」の解説
経口そう痒症改善剤
劇薬 処方箋医薬品注)
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
注)
注意 − 医師等の処方箋により使用すること
製 造 販 売 元
:東
販
元
:鳥 居 薬 品 株 式 会 社
携
:日 本 た ば こ 産 業 株 式 会 社
プロモーション提携
:大日本 住 友 製 薬 株 式 会 社
提
売
(慢性肝疾患患者におけるそう痒症)
レ
株
式
会
社
本新医薬品の「使用上の注意」の解説は 2015 年 5 月改訂の添付文書の記載に基づき改訂した
目
次
はじめに ···································································· 1
効能又は効果 ································································ 2
用法及び用量 ································································ 2
禁忌(次の患者には投与しないこと)··········································· 2
用法及び用量に関連する使用上の注意··········································· 3
使用上の注意 ································································ 4
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) ································ 4
2.重要な基本的注意·························································· 6
3.相互作用 ································································· 7
4.副作用 ·································································· 10
(1) 重大な副作用 ··························································· 11
(2) その他の副作用 ························································· 12
5.高齢者への投与 ·························································· 19
6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与············································· 20
7.小児等への投与 ·························································· 21
8.過量投与 ································································ 21
9.適用上の注意 ···························································· 22
10.その他の注意 ··························································· 23
はじめに
レミッチ®カプセル 2.5 μg(以下、本剤)は、ナルフラフィン塩酸塩を 2.5 μg 含有する血液
透析患者及び慢性肝疾患患者における経口そう痒症改善剤です。
ナルフラフィン塩酸塩は、1992 年に東レ株式会社基礎研究所(現:医薬研究所)で創製さ
れた選択的オピオイドκ受容体作動薬であり、非臨床試験の成績から、抗ヒスタミン薬等
の既存の薬とは異なる作用機序で止痒作用を発現する新規な止痒薬になると考え、止痒用
途での臨床開発を開始しました。
本剤について、血液透析患者を対象とした臨床薬理試験、抗ヒスタミン薬やアレルギー薬
などの既存治療抵抗性のそう痒症を有する血液透析患者を対象としたプラセボ対象二重盲
検比較試験及び長期投与試験を実施し、有効性及び安全性を確認しました。
ナルフラフィン塩酸塩の主代謝経路は肝臓であり、CYP3A4 によって代謝されます。主代謝
物は脱シクロプロピルメチル体であり、その他にグルクロン酸抱合体が認められました。
本剤を血液透析患者に経口単回投与した場合、3~4 時間で最高血漿中濃度(Cmax)に達し、
半減期(t1/2)は約 14 時間でした。
なお、非臨床試験におけるナルフラフィン塩酸塩の依存性の評価から、本薬の身体依存性
は弱く、精神依存性はないと考えられます。また、臨床試験では、精神依存及び身体依存
を示す症例は認められませんでした。
これらの臨床試験成績に基づき、2009 年 1 月に「血液透析患者におけるそう痒症の改善(既
存治療で効果不十分な場合に限る)
」の「効能・効果」の承認を取得しました。
この度、本剤について、既存治療抵抗性のそう痒症を有する慢性肝疾患患者を対象とした
臨床試験を実施し、有効性及び安全性を確認しました。
本剤を慢性肝疾患患者に経口単回投与した場合、軽度(Child-Pugh 分類グレード A)の肝障
害患者では 1.5~2.5 時間で Cmax に達し t1/2 は 5~7 時間、
中等度
(Child-Pugh 分類グレード B)
の肝障害患者では 1.5~2 時間で Cmax に達し t1/2 は 15~18 時間でした。
これらの臨床試験成績に基づき、2015 年 5 月に「慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善
(既存治療で効果不十分な場合に限る)
」の「効能・効果」の承認を取得しました。
本冊子では、本剤のご使用に際しての注意事項を、項目ごとに解説しました。
なお、添付文書の記載のご紹介にあたっては、
「慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善(既
存治療で効果不十分な場合に限る)
」の効能追加承認(2015 年 5 月)に伴って改訂された箇
所に下線を引きました。
本剤の適正使用の一助となれば幸甚に存じます。
1
効能又は効果
次の患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)
血液透析患者、慢性肝疾患患者
用法及び用量
通常、成人には、ナルフラフィン塩酸塩として 1 日 1 回 2.5μg を夕食後又は就寝前に経口
投与する。なお、症状に応じて増量することができるが、1 日 1 回 5μg を限度とする。
禁忌(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
<解説>
一般的留意事項として設定しました。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者ではアレルギー反応を惹起する可能性がある
ことから、本剤の投与を避けてください。
なお、モルモットを用いた抗原性試験では、ナルフラフィン塩酸塩の抗原性は認められて
いません。
<参考>
本剤は下記の添加物を含有しています。
内容物
:マクロゴール 400、チオ硫酸ナトリウム水和物
カプセル本体:コハク化ゼラチン、ゼラチン、濃グリセリン、酸化チタン
2
用法及び用量に関連する使用上の注意
〇血液透析患者におけるそう痒症の改善の場合
本剤の投与から血液透析開始までは十分な間隔をあけること。[本剤は血液透析により
除去されることから、本剤服用から血液透析までの時間が短い場合、本剤の血中濃度が
低下する可能性がある。
(
「薬物動態」の項参照)
]
<解説>
血液透析により本剤の血中からの消失が速まることから、服用から血液透析開始までの間
隔が短い場合、本剤の有効性が減弱する可能性があるため、
「用法及び用量に関連する使用
上の注意」として設定しました。
<参考>
添付文書の【薬物動態】の項に、以下のように記載しています。
【薬物動態】
(抜粋)
6.血液透析の影響
本剤投与時の血漿中濃度に対する透析回数(週 1,2,3 回)
、透析時間(2,4,6 時間)
、
透析の実施時期(午前、午後、夜間)、投与から透析までの間隔(4,8,12 時間)の影
響をシミュレーションにより検討した結果、投与から透析までの間隔が 4 時間以内の
血液透析では血漿中濃度が低下する可能性があるが、8 時間以上の血液透析では影響は
ないと考えられた。その他の項目については血漿中濃度に影響はないと考えられた 1)。
[参考文献]
1)夏目和人(東レ株式会社):血液透析の影響
〇慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善の場合
本剤の投与は 1 日 1 回 2.5μg から開始し、効果不十分な場合に 1 日 1 回 5μg への増量
を検討すること。
<解説>
慢性肝疾患患者における難治性のそう痒症に対する本剤の 1 日 1 回 2.5μg 及び 5 μg の有効
性が確認されています。また、安全性の成績について、いずれの用量も、臨床使用上、特
に問題となる副作用は認められなかったことから、臨床用量としては、2.5 μg を開始用量と
し、症状に応じて 5 μg まで増量するのが適切であると考え設定しました。
3
使用上の注意
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1) 高齢者(
「高齢者への投与」の項参照)
(2) 重度(Child-Pugh 分類グレード C)の肝障害のある患者[投与経験がない。また、肝
機能の低下に伴い血中濃度が上昇するおそれがある。
(
「薬物動態」の項参照)
]
<血液透析患者におけるそう痒症の改善の場合>
(1) 中等度(Child-Pugh 分類グレード B)の肝障害のある患者[血中濃度が上昇するおそ
れがある。
(
「薬物動態」の項参照)
]
<慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善の場合>
(1) 腎機能障害のある患者[血中濃度が上昇するおそれがある。
]
<解説>
(1)高齢者へ本剤を投与する際には、慎重に投与してください。
「高齢者への投与」の項(P19)参照
(2)重度(Child-Pugh 分類グレード C)の肝障害患者に対する投与経験がないこと、また、
中等度(Child-Pugh 分類グレード B)の肝硬変患者を対象とした臨床薬理試験の結果、
軽度(Child-Pugh 分類グレード A)の肝硬変患者と比較して Cmax 及び AUC が上昇する
傾向が認められたことから設定しました。重度(Child-Pugh 分類グレード C)の肝障害
のある患者に対して本剤を投与する際は、慎重に投与してください。
<血液透析患者におけるそう痒症の改善の場合>
(1)中等度(Child-Pugh 分類グレード B)の肝硬変患者を対象とした臨床薬理試験の結果、
軽度(Child-Pugh 分類グレード A)の肝硬変患者と比較して Cmax 及び AUC が上昇する
傾向が認められたことから設定しました。中等度(Child-Pugh 分類グレード B)の肝障
害のある患者に対して本剤を投与する際は、慎重に投与してください。
<慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善の場合>
(1)慢性肝疾患患者を対象とした臨床試験の結果、クレアチニンクリアランスが低下した患
者では Cmax 及び AUC は上昇する傾向が認められたことから設定しました。腎機能障害
のある慢性肝疾患患者に対して本剤を投与する際は、慎重に投与してください。
<参考>
添付文書の【薬物動態】の項に、軽度(Child-Pugh 分類グレード A)及び中等度(Child-Pugh
分類グレード B)の慢性肝疾患患者の血漿中濃度を記載しています。
(P5 参照)
4
【薬物動態】(抜粋)
1.血漿中濃度
(軽度(Child-Pugh 分類グレード A)の肝障害患者)
Child-Pugh 分類グレード A の代償性肝硬変患者(12 例)に本剤 2.5 又は 5μg を経口単回投与し
た時、未変化体の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下の通りであった。健康成人男子
と比較して Cmax や AUC が上昇する傾向は認められなかった 2)。
薬物動態パラメータ
投与群
Cmax
Tmax
AUC0-∞
t1/2
(μg)
(pg/mL)
(hr)
(pg・hr/mL)
(hr)
3.63
2.33
34.58
5.37
±1.26
±1.03
±13.55※
±2.11※
6.76
1.50
58.06
6.61
±2.03
±0.55
±26.28
±2.46
2.5
5
※n=4
(平均値±標準偏差)
(中等度(Child-Pugh 分類グレード B)の肝障害患者)
Child-Pugh 分類グレード B の慢性肝疾患患者(延べ 30 例)に本剤 2.5 又は 5μg を経口単回投与
した時、未変化体の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下の通りであった。軽度
(Child-Pugh 分類グレード A)の肝障害患者と比較して Cmax と AUC は上昇する傾向が認められ
た 3)。
薬物動態パラメータ
投与群
Cmax
Tmax
AUC0-∞
t1/2
(μg)
(pg/mL)
(hr)
(pg・hr/mL)
(hr)
6.36
1.81
117.4
17.52
±2.62
±1.52
±51.4
±10.69
11.71
1.50
197.7
14.59
±4.45
±1.02
±97.0
±5.27
2.5
5
(平均値±標準偏差)
(重度(Child-Pugh 分類グレード C)の肝障害患者)
Child-Pugh 分類グレード C の肝障害患者における薬物動態は検討されていない。
[参考文献]
2) 森竹貞宜 他(東レ株式会社)
:代償性肝硬変患者における薬物動態の検討
3) 松田直樹 他(東レ株式会社)
:Child-Pugh 分類グレード B の肝硬変患者における薬物
動態の検討
5
2.重要な基本的注意
(1) 重度(Child-Pugh 分類グレード C)の肝障害のある患者に対する本剤の投与にあたって
は、リスク・ベネフィットを勘案し、投与中は患者の状態を十分に観察すること。
(
「慎
重投与」の項参照)
(2) 眠気、めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等
危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。
(3) 本剤の使用により効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないよう
に注意すること。
(4) 本剤の投与により、プロラクチン値上昇等の内分泌機能異常があらわれることがある
ので、適宜検査を実施することが望ましい。
<解説>
(1)重度(Child-Pugh 分類グレード C)の肝障害患者に対する投与経験がないこと、また、
中等度(Child-Pugh 分類グレード B)の肝硬変患者を対象とした臨床薬理試験の結果、
軽度(Child-Pugh 分類グレード A)の肝硬変患者と比較して Cmax 及び AUC が上昇する
傾向が認められたため、重度(Child-Pugh 分類グレード C)の肝障害患者に本剤を投与
した場合、有害事象発現のリスクが高くなる可能性が考えられます。しかし、強烈なか
ゆみにより患者の QOL が著しく損なわれ、QOL の低下によって慢性肝疾患の病態をさ
らに悪化させる可能性がある場合など、難治性のそう痒症に対する治療の優先度が高い
場合に限り、医師の判断のもとで本剤を投与することは可能と考えられます。
以上のことから、重度(Child-Pugh 分類グレード C)の肝障害患者については、本剤投
与によるベネフィットがリスクを上回ると判断された場合にのみ投与し、投与後は十分
に患者の状態を観察する必要がある旨の注意を設定しました。
(2)本剤の副作用として、傾眠(眠気)、浮動性めまい(めまい)等が認められています。
このため、本剤投与中の患者では、自動車の運転等の機械操作に対する影響が懸念され
ることから、重要な基本的注意として「自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事
させない」旨の注意を設定しました。
(3)長期にわたり投与しても有効性が認められない患者が存在することから、本剤を長期投
与する際には、定期的に有効性及び安全性を観察し、漫然とした投与は避けるべきと考
え設定しました。
(4)本剤の投与により臨床検査値異常として血液透析患者ではプロラクチン値上昇(3.1%:
19 例/609 例)等、慢性肝疾患患者ではプロラクチン値上昇(8.5%:41 例/484 例)等の
内分泌機能異常が認められたことから、適宜検査の実施が望ましいと考え設定しました。
6
3.相互作用
本剤は、主として肝代謝酵素 CYP3A4 によって代謝される。
(
「薬物動態」の項参照)
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
本剤の血漿中濃度が上昇する
本剤は、主として CYP3A4 によ
アゾール系抗真菌剤(イトラ
可能性があるため、併用の開
り代謝されるため、CYP3A4 阻
コナゾール等)
、ミデカマイシ
始、用量の変更並びに中止時
害作用のある薬剤等との併用
ン、リトナビル、シクロスポ
には、患者の状態を十分に観
により本剤の代謝が阻害され、
リン、ニフェジピン、シメチ
察するなど注意すること。
血漿中濃度が上昇する可能性
CYP3A4 阻害作用のある薬剤等
ジン、グレープフルーツジュ
がある。
(
「薬物動態」の項参照)
ース等
<解説>
ナルフラフィン塩酸塩は主として CYP3A4 により代謝される 4)ため、CYP3A4 阻害作用のあ
る薬剤等との併用により本剤の代謝が阻害され、血漿中濃度が上昇することから、本剤に
よる副作用が発現又は増強する可能性がありますので、併用開始、用量変更及び中止時に
は十分に観察するなど注意する必要があると考え設定しました。
なお、アゾール系抗真菌剤について、本剤との薬物相互作用の検討に用いた薬剤は「ケト
コナゾール」のみですが、本剤との併用の観点で特に注意が必要なものは経口剤及び注射
剤と考えられることから、国内では外用剤しか発売されていない「ケトコナゾール」の代
わりに、国内で経口剤又は注射剤として販売されており、アゾール系抗真菌剤の中で「ケト
コナゾール」と同程度の CYP3A4 阻害作用を持つ「イトラコナゾール」に代表薬の例示を変
更しました。
<参考>
添付文書の【薬物動態】の項に、薬物相互作用について記載しています。(P8 参照)
7
【薬物動態】
(抜粋)
5.薬物相互作用
(外国人のデータ)
ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)との併用
健康成人男子(22 例)を対象に、本剤 10μg を単独で経口単回投与した時とケトコナ
ゾールを反復投与で併用した時、本剤の AUC0-∞はケトコナゾールを併用することによ
り 160.5%となり、ケトコナゾールは本剤の薬物動態に影響した 5)。
(注)通常、本剤の 1 回投与量は 2.5μg である。
(in vitro 試験、代謝)
本剤の AUC に及ぼす影響について in vitro 代謝評価系を用いて検討したところ、その
AUC はケトコナゾール併用時に最大 5.5 倍、ミデカマイシン併用時に最大 2.5 倍、シク
ロスポリン併用時に最大 2.3 倍となる可能性が示された 6)。
(in vitro 試験、P 糖タンパク)
ヒト P 糖タンパク(MDR1)発現 LLC-PK1 細胞を用いた in vitro 試験で、ナルフラフィ
ン塩酸塩は P 糖タンパクの基質であるが、P 糖タンパクを介したジゴキシンの輸送に影
響を及ぼさないことが示された 7)。一方、ナルフラフィン塩酸塩の P 糖タンパクを介し
た輸送はケトコナゾール、ベラパミル塩酸塩、シクロスポリン、タクロリムス、セチリ
ジン塩酸塩により阻害されることが示された。
(in vitro 試験、非吸収性薬剤)
非吸収性薬剤との in vitro 吸着試験の結果、本薬の高リン血症治療剤であるセベラマー
塩酸塩(陰イオン交換樹脂系薬剤)に対する吸着率は 11.9~14.7%、高カリウム血症治
療剤であるポリスチレンスルホン酸ナトリウム(陽イオン交換樹脂系薬剤)に対する
吸着率は 62.4~72.7%であった 8)。
[参考文献]
4) Ando,A.et al.:Biopharm.Drug Dispos.,33(5),257(2012)
5) 上野裕司 他(東レ株式会社):健康成人における薬物相互作用の検討
6) 安藤晃裕(東レ株式会社):薬物相互作用の検討
7) 中尾薫 他:日本薬理学雑誌,135(5),205(2010)
8) 安藤晃裕(東レ株式会社)
:非吸収性薬剤(吸着剤)との薬物相互作用の検討
8
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬、 本剤との併用により、不眠、幻覚、 本剤による中枢性の副作用が増
抗精神病薬、抗てんかん薬
眠気、浮動性めまい、振戦、せん
強される可能性がある。
妄等が認められる可能性があるの
で、併用の開始、用量の変更並び
に中止時には、副作用の発現に注
意すること。
<解説>
雄性マウスを用いたペントバルビタール誘発睡眠時間の実験において、ナルフラフィン塩
酸塩と睡眠導入剤ニトラゼパムとの相互作用を検討しました。その結果、ナルフラフィン
塩酸塩は、ニトラゼパム併用時に 10 μg/kg 以上の皮下投与で睡眠時間の延長を有意に増強
したことから、睡眠薬との併用時に中枢性の作用を増強する可能性があります。このこと
から、本剤との併用により不眠、幻覚、眠気、浮動性めまい等が認められる可能性が考え
られます。
また、抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬、抗てんかん薬についても、睡眠薬と同様に中枢
系に作用する薬剤であることから、これらの薬剤との併用時には注意する必要があると考
え設定しました。
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
オピオイド系薬剤
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
本剤の作用が増強あるいは減弱
両剤の薬理学的な相互作用(増強
されるおそれがある。
又は拮抗)が考えられる。
<解説>
本剤とオピオイド系薬剤との併用に関する使用経験はありませんが、本剤が選択的オピオ
イドκ受容体作動作用を有することから、オピオイド系薬剤との併用により本剤の作用が
増強あるいは減弱されるおそれがあるため、注意する必要があると考え設定しました。
9
4.副作用
<血液透析患者におけるそう痒症の改善の場合>
血液透析患者を対象とした国内臨床試験における安全性解析対象 609 例中 242 例
(39.7%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。その主なものは、不眠 96
例(15.8%)
、便秘 29 例(4.8%)
、眠気 19 例(3.1%)
、プロラクチン上昇 19 例(3.1%)
等であった。
(承認時)
<慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善の場合>
慢性肝疾患患者を対象とした国内臨床試験における安全性解析対象 484 例中 297 例
(61.4%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。その主なものは、頻尿・
夜間頻尿 46 例(9.5%)
、便秘 42 例(8.7%)
、プロラクチン上昇 41 例(8.5%)
、不眠 34
例(7.0%)
、眠気 26 例(5.4%)
、抗利尿ホルモン上昇 24 例(5.0%)等であった。
(承認
時)
<解説>
承認時までに実施した血液透析患者及び慢性肝疾患患者を対象とした国内臨床試験の成績
に基づき、本剤の効能・効果毎に副作用の発現状況(臨床検査値の異常変動を含む)の概
要を記載しました。
10
(1) 重大な副作用
肝機能障害(頻度不明注 1))
、黄疸(頻度不明注 1))
AST(GOT)
、ALT(GPT)
、Al-P、γ-GTP の著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわ
れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適
切な処置を行うこと。
注1) 自発報告によるものについては頻度不明。
<解説>
承認時までに実施した血液透析患者及び慢性肝疾患患者を対象とした国内臨床試験におい
て、重大な副作用に記載すべき副作用は認められませんでした。しかし、市販後の血液透
析患者への投与において、本剤投与との関連が疑われる重篤な「肝機能障害」、「黄疸」の
症例が報告されたため設定しました。
11
(2) その他の副作用
下記の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には
適切な処置を行うこと。特に、血液透析患者への投与時、不眠、便秘、眠気が投与開始後 2
週間以内に、慢性肝疾患患者への投与時、不眠、眠気、便秘、頻尿・夜間頻尿が投与開始後
4 週間以内にあらわれることが多いので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減
量するなど適切な処置を行うこと。
頻度不明注 1)
不穏、せん妄
5%以上
不眠
1~5%未満
眠気、浮動性めま
い、頭痛
1%未満
いらいら感、幻覚、構語障
害、
レストレスレッグス症
候群、振戦、しびれ
便秘
口渇、悪心、下痢
嘔吐、食欲不振、腹部不快
感、胃炎、口内炎
皮膚
そう痒の悪化、湿
疹、発疹
蕁麻疹、紅斑、丘疹
色素沈着
肝臓
総胆汁酸上昇
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)
上昇、Al-P 上昇、γ-GTP
上昇、ビリルビン上昇
LDH 上昇
精神・神
経系
消化器系
腎臓
頻尿・夜間頻
尿注 2)
多尿注 2)
循環器系
内分泌系
動悸、ほてり、血圧上昇
プロラクチン
上昇
テストステロン
低下、甲状腺刺激
ホルモン低下、甲
状腺刺激ホルモ
ン上昇、抗利尿ホ
ルモン上昇
血液
女性化乳房
好酸球増多、貧血
注 2)
尿
尿中血陽性
、
尿中蛋白陽性注 2)
その他
倦怠感
胸部不快感、脱力感、回転
性めまい、異常感、浮腫、
血中リン低下
注 1)自発報告によるものについては頻度不明。
注 2)慢性肝疾患患者を対象とした国内臨床試験での発現頻度。
<解説>
承認時までに実施した血液透析患者及び慢性肝疾患患者を対象とした国内臨床試験、市販
後の血液透析患者への投与において認められた本剤投与によると疑われる副作用をその
他の副作用に記載しました。
次頁以降に承認時までに実施した血液透析患者及び慢性肝疾患患者を対象とした国内臨
床試験で認められた副作用の詳細を記載しました。
12
副作用発現状況
血液透析患者
慢性肝疾患患者
合計
安全性解析対象例数
609 例
484 例
1093 例
副作用発現例数(%)
242 例(39.7)
297 例(61.4)
539 例(49.3)
副作用名
発現症例数(%)
感染症および寄生虫症
帯状疱疹
0
2 (0.4)
2 (0.2)
膀胱炎
0
1 (0.2)
1 (0.1)
毛包炎
0
1 (0.2)
1 (0.1)
胃腸炎
0
1 (0.2)
1 (0.1)
中耳炎
0
1 (0.2)
1 (0.1)
咽頭炎
0
1 (0.2)
1 (0.1)
足部白癬
0
1 (0.2)
1 (0.1)
良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞およびポリープを含む)
アクロコルドン
0
1 (0.2)
1 (0.1)
膵癌
0
1 (0.2)
1 (0.1)
肝細胞癌
0
1 (0.2)
1 (0.1)
貧血
3 (0.5)
3 (0.6)
6 (0.5)
鉄欠乏性貧血
0
2 (0.4)
2 (0.2)
1 (0.2)
0
1 (0.1)
食欲減退
3 (0.5)
3 (0.6)
6 (0.5)
脱水
0
2 (0.4)
2 (0.2)
血液およびリンパ系障害
内分泌障害
続発性副甲状腺機能亢進症
代謝および栄養障害
精神障害
93 (15.3)
26 (5.4)
119 (10.9)
中期不眠症*
1 (0.2)
3 (0.6)
4 (0.4)
初期不眠症*
2 (0.3)
1 (0.2)
3 (0.3)
幻覚
2 (0.3)
0
2 (0.2)
睡眠障害*
1 (0.2)
1 (0.2)
2 (0.2)
早朝覚醒型不眠症*
1 (0.2)
1 (0.2)
2 (0.2)
高揚状態
1 (0.2)
0
1 (0.1)
抑うつ気分
1 (0.2)
0
1 (0.1)
うつ病
0
1 (0.2)
1 (0.1)
失見当識
1 (0.2)
0
1 (0.1)
入眠時幻覚
1 (0.2)
0
1 (0.1)
軽躁
0
1 (0.2)
1 (0.1)
悪夢
1 (0.2)
0
1 (0.1)
不眠症*
13
血液透析患者
副作用名
慢性肝疾患患者
合計
発現症例数(%)
神経系障害
19 (3.1)
26 (5.4)
45 (4.1)
浮動性めまい
9 (1.5)
22 (4.5)
31 (2.8)
頭痛
6 (1.0)
14 (2.9)
20 (1.8)
構語障害
2 (0.3)
3 (0.6)
5 (0.5)
感覚鈍麻
2 (0.3)
3 (0.6)
5 (0.5)
振戦
1 (0.2)
3 (0.6)
4 (0.4)
下肢静止不能症候群
2 (0.3)
2 (0.4)
4 (0.4)
片頭痛
0
3 (0.6)
3 (0.3)
錯感覚
0
3 (0.6)
3 (0.3)
睡眠の質低下*
0
2 (0.4)
2 (0.2)
肝性脳症
0
1 (0.2)
1 (0.1)
健忘
1 (0.2)
0
1 (0.1)
痙攣
1 (0.2)
0
1 (0.1)
意識レベルの低下
1 (0.2)
0
1 (0.1)
味覚異常
1 (0.2)
0
1 (0.1)
知覚過敏
1 (0.2)
0
1 (0.1)
ヘルペス後神経痛
0
1 (0.2)
1 (0.1)
感覚障害
0
1 (0.2)
1 (0.1)
失神
0
1 (0.2)
1 (0.1)
肋間神経痛
0
1 (0.2)
1 (0.1)
視力障害
0
2 (0.4)
2 (0.2)
眼瞼炎
0
1 (0.2)
1 (0.1)
霰粒腫
0
1 (0.2)
1 (0.1)
結膜出血
1 (0.2)
0
1 (0.1)
複視
0
1 (0.2)
1 (0.1)
眼乾燥
0
1 (0.2)
1 (0.1)
眼瞼下垂
0
1 (0.2)
1 (0.1)
網膜出血
1 (0.2)
0
1 (0.1)
2 (0.3)
7 (1.4)
9 (0.8)
耳鳴
1 (0.2)
3 (0.6)
4 (0.4)
難聴
0
1 (0.2)
1 (0.1)
耳痛
0
1 (0.2)
1 (0.1)
頭位性回転性めまい
0
1 (0.2)
1 (0.1)
耳そう痒症
0
1 (0.2)
1 (0.1)
突発難聴
1 (0.2)
0
1 (0.1)
動悸
1 (0.2)
2 (0.4)
3 (0.3)
心房細動
1 (0.2)
0
1 (0.1)
上室性期外収縮
0
1 (0.2)
1 (0.1)
狭心症
0
1 (0.2)
1 (0.1)
第一度房室ブロック
1 (0.2)
0
1 (0.1)
右脚ブロック
1 (0.2)
0
1 (0.1)
期外収縮
0
1 (0.2)
1 (0.1)
洞性不整脈
0
1 (0.2)
1 (0.1)
頻脈
1 (0.2)
0
1 (0.1)
傾眠
眼障害
耳および迷路障害
回転性めまい
心臓障害
14
血液透析患者
副作用名
慢性肝疾患患者
合計
発現症例数(%)
血管障害
4 (0.7)
2 (0.4)
6 (0.5)
高血圧
3 (0.5)
1 (0.2)
4 (0.4)
潮紅
0
1 (0.2)
1 (0.1)
レイノー現象
0
1 (0.2)
1 (0.1)
ほてり
呼吸器、胸郭および縦隔障害
鼻出血
1 (0.2)
3 (0.6)
4 (0.4)
咳嗽
2 (0.3)
0
2 (0.2)
喘息
0
1 (0.2)
1 (0.1)
発声障害
0
1 (0.2)
1 (0.1)
胃腸障害
便秘
29 (4.8)
42 (8.7)
71 (6.5)
悪心
5 (0.8)
8 (1.7)
13 (1.2)
下痢
5 (0.8)
8 (1.7)
13 (1.2)
嘔吐
8 (1.3)
0
8 (0.7)
腹部不快感
4 (0.7)
3 (0.6)
7 (0.6)
胃炎
0
6 (1.2)
6 (0.5)
消化不良
3 (0.5)
3 (0.6)
6 (0.5)
口内炎
0
5 (1.0)
5 (0.5)
胃食道逆流性疾患
1 (0.2)
3 (0.6)
4 (0.4)
口の感覚鈍麻
上腹部痛
腹水
2 (0.3)
0
0
2 (0.4)
3 (0.6)
3 (0.6)
4 (0.4)
3 (0.3)
3 (0.3)
腹部膨満
0
2 (0.4)
2 (0.2)
硬便
2 (0.3)
0
2 (0.2)
腹痛
0
1 (0.2)
1 (0.1)
便意切迫
0
1 (0.2)
1 (0.1)
口内乾燥
0
1 (0.2)
1 (0.1)
出血性十二指腸潰瘍
0
1 (0.2)
1 (0.1)
胃ポリープ
0
1 (0.2)
1 (0.1)
舌痛
0
1 (0.2)
1 (0.1)
急性膵炎
1 (0.2)
0
1 (0.1)
耳下腺腫大
0
1 (0.2)
1 (0.1)
流涎過多
0
1 (0.2)
1 (0.1)
歯痛
0
1 (0.2)
1 (0.1)
心窩部不快感
1 (0.2)
0
1 (0.1)
便通不規則
0
1 (0.2)
1 (0.1)
原発性胆汁性肝硬変
0
1 (0.2)
1 (0.1)
肝硬変
0
1 (0.2)
1 (0.1)
肝機能異常
0
1 (0.2)
1 (0.1)
肝胆道系障害
15
血液透析患者
副作用名
慢性肝疾患患者
合計
発現症例数(%)
皮膚および皮下組織障害
そう痒症
8 (1.3)
10 (2.1)
18 (1.6)
湿疹
3 (0.5)
7 (1.4)
10 (0.9)
発疹
1 (0.2)
8 (1.7)
9 (0.8)
接触性皮膚炎
0
4 (0.8)
4 (0.4)
紅斑
0
3 (0.6)
3 (0.3)
脂漏性皮膚炎
0
3 (0.6)
3 (0.3)
皮脂欠乏性湿疹
0
2 (0.4)
2 (0.2)
皮膚剥脱
0
2 (0.4)
2 (0.2)
蕁麻疹
0
2 (0.4)
2 (0.2)
皮膚乾燥
1 (0.2)
0
1 (0.1)
丘疹
0
1 (0.2)
1 (0.1)
脱毛症
0
1 (0.2)
1 (0.1)
皮膚嚢腫
0
1 (0.2)
1 (0.1)
皮膚炎
0
1 (0.2)
1 (0.1)
薬疹
0
1 (0.2)
1 (0.1)
貨幣状湿疹
0
1 (0.2)
1 (0.1)
皮下出血
0
1 (0.2)
1 (0.1)
全身性そう痒症
1 (0.2)
0
1 (0.1)
中毒性皮疹
1 (0.2)
0
1 (0.1)
関節痛
2 (0.3)
4 (0.8)
6 (0.5)
四肢痛
2 (0.3)
3 (0.6)
5 (0.5)
背部痛
1 (0.2)
2 (0.4)
3 (0.3)
筋痙縮
1 (0.2)
2 (0.4)
3 (0.3)
筋肉痛
1 (0.2)
1 (0.2)
2 (0.2)
頚部痛
2 (0.3)
0
2 (0.2)
筋骨格痛
1 (0.2)
0
1 (0.1)
顎痛
0
1 (0.2)
1 (0.1)
腱鞘炎
1 (0.2)
0
1 (0.1)
弾発指
0
1 (0.2)
1 (0.1)
椎間板突出
0
1 (0.2)
1 (0.1)
軟部組織腫瘤
0
1 (0.2)
1 (0.1)
夜間頻尿**
0
28 (5.8)
28 (5.8)
頻尿**
0
19 (3.9)
19 (3.9)
多尿**
0
3 (0.6)
3 (0.6)
排尿困難**
0
1 (0.2)
1 (0.2)
緊張性膀胱**
0
1 (0.2)
1 (0.2)
尿閉**
0
1 (0.2)
1 (0.2)
女性化乳房
2 (0.3)
0
2 (0.2)
陰部そう痒症
0
1 (0.2)
1 (0.1)
陰嚢角化血管腫
0
1 (0.2)
1 (0.1)
陰嚢嚢胞
0
1 (0.2)
1 (0.1)
0
1 (0.2)
1 (0.1)
筋骨格系および結合組織障害
腎および尿路障害
生殖系および乳房障害
先天性、家族性および遺伝性障害
陰嚢水瘤
16
血液透析患者
副作用名
慢性肝疾患患者
合計
発現症例数(%)
一般・全身障害および投与部位の状態
口渇
3 (0.5)
10 (2.1)
13 (1.2)
倦怠感
7 (1.1)
5 (1.0)
12 (1.1)
胸部不快感
6 (1.0)
4 (0.8)
10 (0.9)
異常感
2 (0.3)
7 (1.4)
9 (0.8)
末梢性浮腫
1 (0.2)
6 (1.2)
7 (0.6)
易刺激性
6 (1.0)
0
6 (0.5)
無力症
3 (0.5)
2 (0.4)
5 (0.5)
発熱
0
3 (0.6)
3 (0.3)
胸痛
2 (0.3)
1 (0.2)
3 (0.3)
熱感
2 (0.3)
1 (0.2)
3 (0.3)
悪寒
1 (0.2)
1 (0.2)
2 (0.2)
疼痛
0
2 (0.4)
2 (0.2)
顔面浮腫
0
1 (0.2)
1 (0.1)
冷感
0
1 (0.2)
1 (0.1)
歩行障害
0
1 (0.2)
1 (0.1)
19 (3.1)
41 (8.5)
60 (5.5)
血中甲状腺刺激ホルモン増加
9 (1.5)
17 (3.5)
26 (2.4)
血中抗利尿ホルモン増加
0
24 (5.0)
24 (2.2)
0
臨床検査
血中プロラクチン増加
23 (4.8)
23 (2.1)
血中甲状腺刺激ホルモン減少
12 (2.0)
7 (1.4)
19 (1.7)
血中遊離テストステロン減少
7 (1.1)
10 (2.1)
17 (1.6)
血中テストステロン減少
8 (1.3)
1 (0.2)
9 (0.8)
アラニンアミノトランスフェラーゼ増加
2 (0.3)
6 (1.2)
8 (0.7)
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加
3 (0.5)
6 (1.2)
9 (0.8)
尿中血陽性**
0
9 (1.9)
9 (1.9)
尿中蛋白陽性**
0
7 (1.4)
7 (1.4)
好酸球数増加
4 (0.7)
3 (0.6)
7 (0.6)
血中アルカリホスファターゼ増加
3 (0.5)
5 (1.0)
8 (0.7)
血中リン減少
0
5 (1.0)
5 (0.5)
遊離サイロキシン減少
2 (0.3)
3 (0.6)
5 (0.5)
γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加
2 (0.3)
3 (0.6)
5 (0.5)
リンパ球数減少
3 (0.5)
1 (0.2)
4 (0.4)
血中抗利尿ホルモン減少
0
3 (0.6)
3 (0.3)
収縮期血圧上昇
0
3 (0.6)
3 (0.3)
血中テストステロン増加
0
3 (0.6)
3 (0.3)
血圧上昇
0
3 (0.6)
3 (0.3)
尿中ケトン体陽性**
0
3 (0.6)
3 (0.6)
尿中ブドウ糖陽性**
0
2 (0.4)
2 (0.4)
アンモニア増加
0
2 (0.4)
2 (0.2)
血中ブドウ糖増加
0
1 (0.2)
1 (0.1)
血中尿素増加
0
2 (0.4)
2 (0.2)
好中球数増加
1 (0.2)
1 (0.2)
2 (0.2)
白血球数減少
0
2 (0.4)
2 (0.2)
白血球数増加
0
1 (0.2)
1 (0.1)
総胆汁酸増加
17
血液透析患者
副作用名
慢性肝疾患患者
合計
発現症例数(%)
臨床検査(続き)
血中遊離テストステロン増加
1 (0.2)
1 (0.2)
2 (0.2)
尿量増加**
0
2 (0.4)
2 (0.4)
血中カリウム減少
0
1 (0.2)
1 (0.1)
単球数減少
1 (0.2)
0
1 (0.1)
血中ビリルビン増加
0
1 (0.2)
1 (0.1)
血中コレステロール減少
0
1 (0.2)
1 (0.1)
血中クレアチニン増加
0
1 (0.2)
1 (0.1)
血中ブドウ糖減少
0
1 (0.2)
1 (0.1)
血中鉄減少
0
1 (0.2)
1 (0.1)
血中カリウム増加
0
1 (0.2)
1 (0.1)
体温低下
0
1 (0.2)
1 (0.1)
C-反応性蛋白増加
0
1 (0.2)
1 (0.1)
好酸球数減少
1 (0.2)
0
1 (0.1)
血小板数減少
0
1 (0.2)
1 (0.1)
血中リン増加
1 (0.2)
0
1 (0.1)
遊離トリヨードチロニン減少
0
1 (0.2)
1 (0.1)
尿中ウロビリノーゲン増加**
0
1 (0.2)
1 (0.2)
0
2 (0.4)
2 (0.2)
処置による低血圧
2 (0.3)
0
2 (0.2)
関節損傷
0
1 (0.2)
1 (0.1)
傷害、中毒および処置合併症
挫傷
副作用名:「ICH 国際医薬用語集日本語版(MedDRA/J Ver.16.0)」に基づき、器官別大分類(SOC)に分類
し、さらに、基本語(PT)を記載した。
※以下の副作用は、注記の通り集計を行い、
「その他の副作用」として記載した。
注 1)*の付いた副作用は「不眠」に読みかえて集計した。なお、例数は重複症例を含む。
注 2)「傾眠」は「眠気」に読みかえた。
注 3)「血中プロラクチン増加」は「プロラクチン上昇」に読みかえた。
注 4)「頻尿」
、
「夜間頻尿」は「頻尿・夜間頻尿」に読みかえて集計した。なお、例数は重複症例を含む。
注 5)「血中抗利尿ホルモン増加」は「抗利尿ホルモン上昇」に読みかえた。
注 6)「皮脂欠乏性湿疹」、
「貨幣状湿疹」は「湿疹」に読みかえて集計した。
注 7)「薬疹」、
「中毒性皮疹」は「発疹」に読みかえて集計した。
注 8)「尿量増加」は「多尿」に読みかえて集計した。
注 9)**の付いた副作用は、慢性肝疾患患者のみで発現頻度を計算した。
18
5.高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与す
ること。
<解説>
一般に、高齢者では生理機能が低下していることが多く副作用も発現しやすいため、一般
的な注意を記載しました。
なお、血液透析患者を対象としたプラセボ対照試験(併合解析)及び長期投与試験におい
ては、対象症例の約 50%が 60 歳以上、慢性肝疾患患者を対象としたプラセボ対照試験(併
合解析)及び長期投与試験においては、対象症例の約 55%が 65 歳以上であり、各年齢層別
に有害事象及び副作用の発現率について検討しましたが、年齢による違いは認められませ
んでした。
19
6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1) 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。
[動物実験
(ラット)において、胎盤通過、生存胎児数の減少、出産率の低下及び出生児体重
の減少が報告されている。
]
<解説>
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に対する本剤の投与の経験はありませんが、動物
実験において胎盤通過性、生存胎児数の減少、出産率の低下及び出生児体重の減少が報告
されており、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人では注意が必要であることから設定
しました。
<参考>
1) 胎盤通過性に関して
妊娠 13 日目(妊娠中期、器官形成期)及び 19 日目(妊娠後期、周産期)のラット
に[3H]ナルフラフィン塩酸塩を 0.1 mg/kg の用量で経口単回投与したところ、胎
児への移行性が認められ、特に脳への移行性は母体に比べて高値でした。
2) 出産率の低下と出生児体重の減少に関して
出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験において、妊娠ラットにナ
ルフラフィン塩酸塩を妊娠 7 日目から授乳 21 日目まで経口投与したところ、
1mg/kg/day の用量で異常分娩、流産あるいは全胚吸収に起因する出産率の低下と出
生児体重の減少が認められました。
3) 生存胎児数の減少に関して
受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験において、雌雄ラットにナルフラフ
ィン塩酸塩を雄は交配前 9 週間から剖検前日まで、雌は交配前 2 週間から妊娠 7 日
目まで反復筋肉内投与したところ、0.04 mg/kg/day 以上の投与群において生存胎児数
の減少が認められました。
(2) 授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。
[動物実験(ラット)にお
いて、乳汁中へ移行することが報告されている。
]
<解説>
授乳婦に対する本剤の投与の経験はなく、ナルフラフィン塩酸塩がヒトの乳汁中に分泌さ
れるか否かは確認されていませんが、ラットにおいて乳汁中への移行が報告されており、
ヒトにおいても乳汁中へ移行する可能性があることから設定しました。
分娩後 12 日目の授乳期ラットに[3H]ナルフラフィン塩酸塩を 0.1mg/kg の用量で経口単回
投与したところ、約 90 分後に乳汁中の放射能濃度は最高濃度(Cmax=4.62 ng eq./mL)に達し
ました。10 時間後では Cmax の 4 分の 1 まで減少しましたが、48 時間までほぼ一定の濃度で
推移しました。
20
7.小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児への投与に関する安全性は確立されていな
い。
(使用経験がない)
<解説>
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児を対象とした臨床試験を行っておらず安全性
が確立していないことから設定しました。
8.過量投与
徴候、症状:過量投与により、幻覚、不安、重度の眠気、不眠等があらわれるおそれが
ある。
処置:投与を中止し、必要に応じ適切な対症療法を行うこと。なお、本剤は透析により
除去されることが示されている。
(「薬物動態」の項参照)
<解説>
第Ⅰ相の経口単回投与試験において、40 μg の用量で不安、重度の眠気、不眠が、又、既存治
療抵抗性のそう痒症を伴う血液透析患者を対象とした前期第Ⅱ相試験等において、5 μg の用
量で幻覚が認められていることから、高用量において発現する可能性がある副作用について
注意喚起を行うため設定しました。
なお、過量投与により副作用があらわれた場合は、投与を中止し、必要に応じ適切な対症療
法を行ってください。
「
【薬物動態】
(抜粋)6.血液透析の影響」
(P3 参照)
21
9.適用上の注意
(1) 薬剤交付時:PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導するこ
と。
[PTP シートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、さらには穿孔をお
こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。
]
<解説>
一般的留意事項として記載しています。
本剤は PTP(Press Through Package)包装の仕様になっていますので、日薬連第 240 号(平
成 8 年 3 月 27 日付)及び第 304 号(平成 8 年 4 月 18 日付)「PTP 誤飲対策について」に従
い設定しました。
近年 PTP シートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦
隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されていますので、薬剤交付時には、PTP
シートから取り出して服用するよう指導をお願いします。
(2) 保存時:未使用の場合はアルミピロー包装のまま保存し、開封後は遮光保存するこ
と。また、服用時に PTP シートから取り出すこと。
<解説>
一般的留意事項として記載しています。
本剤は光や湿度の影響を受けやすいことから、未使用の場合はアルミピロー包装のまま保
存し、開封後は遮光保存してください。また、服用時に PTP シートから取り出すよう注意
してください。
なお、一包化は防湿、遮光が担保されないため、行わないよう注意してください。
22
10.その他の注意
(1) 動物実験(イヌ静脈内投与、0.1μg/kg以上)において全身麻酔下での血圧低下が報
告されている。
<解説>
麻酔イヌを用いた安全性薬理試験において、ナルフラフィン塩酸塩の静脈内投与により、
平均血圧は 0.1 μg/kg 投与で投与前の 77%、10 μg/kg 投与で 53%まで低下し、心拍数の減少
傾向を示したことから記載しました。なお、この試験において心電図の顕著な変化は最高
用量の 10 μg/kg(Cmax=6010 pg/mL)まで認められておらず、臨床において止痒作用を発現
する血漿中濃度(Cmax=10.3 pg/mL*)と乖離しています。
*血液透析患者における 5 μg/body の 12 日間反復経口投与時の最高血漿中濃度
(2) 動物実験(ラット筋肉内投与、40μg/kg/day以上)において受胎率の低下が報告さ
れている。
<解説>
雌雄ラットにナルフラフィン塩酸塩を 0、4、40 及び 400 μg/kg/day の用量で、雄は交配前 9
週間から剖検前日まで、
雌は交配前 2 週間から妊娠 7 日目まで反復筋肉内投与したところ、
40 μg/kg/day 以上の投与群において受胎率の低下が認められました。
23
日本標準商品分類番号
87119
禁忌を含む使用上の注意の改訂には十分ご留意ください。
経口そう痒症改善剤
注)注意−医師等の処方箋により使用すること
劇薬
処方箋医薬品注)
REMITCH
ナルフラフィン塩酸塩(Nalfurafine Hydrochloride)製剤
禁 忌 (次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
組成・性状
** 有効成分・含量 ナルフラフィン塩酸塩2.5μg
(1カプセル中) (ナルフラフィンとして2.32μg)
添
加
物
性 状・剤 形
**
外
内 容 物:マクロゴール400、
チオ硫酸ナトリウム水和物
カプセル本体:コハク化ゼラチン、
ゼラチン、
濃グリセリン、
酸化チタン
ごくうすい黄色∼うすい黄色のだ円球形の軟カプセル剤
形
サ
イ
ズ
識 別 コ ード
効能又は
効 果
次の患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)
血液透析患者、
慢性肝疾患患者
用法及び
用 量
通常、
成人には、
ナルフラフィン塩酸
塩として1日1回25
. μgを夕食後又は
就寝前に経口投与する。
なお、
症状
に応じて増量することができるが、
1日1回5μgを限度とする。
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
** CYP3A4阻害作用のある
薬剤等
アゾール系抗真菌剤
(イト
ラコナゾール等)
、
ミデカ
マイシン、
リトナビル、
シク
ロスポリン、
ニフェジピン、
シメチジン、グレープフ
ルーツジュース等
* 睡眠薬、
抗不安薬、
抗うつ薬、
抗精神病薬、
抗てんかん薬
オピオイド系薬剤
臨床症状・措置方法
本剤の血漿中濃度が上昇す
る可能性があるため、併用の
開始、用量の変更並びに中止
時には、患者の状態を十分に
観察するなど注意すること。
機序・危険因子
本剤は、主としてCYP3A4に
より代謝されるため、CYP3A
4阻害作用のある薬剤等との
併用により本剤の代謝が阻害
され、血漿中濃度が上昇する
可能性がある。
( 添付文書の
「薬物動態」の項参照)
本剤との併用により、不眠、幻 本剤による中枢性の副作用
覚 、眠 気 、浮 動 性めまい、振 が増強される可能性がある。
戦、せん妄等が認められる可
能性があるので、
併用の開始、
用量の変更並びに中止時には、
副作用の発現に注意すること。
本剤の作用が増強あるいは減 両剤の薬理学的な相互作用
弱されるおそれがある。
(増強又は拮抗)
が考えられる。
4. 副作用
〈血液透析患者におけるそう痒症の改善の場合〉
血液透析患者を対象とした国内臨床試験における安全性解析対象609例中242例
(39.7%)
に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。
その主なものは、不眠
96例(15.8%)、便秘29例(4.8%)、眠気19例(3.1%)、
プロラクチン上昇19例
(3.1%)等であった。
(承認時)
**
〈慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善の場合〉
慢性肝疾患患者を対象とした国内臨床試験における安全性解析対象484例中
297例(61.4%)
に副作用
(臨床検査値異常を含む)
が認められた。
その主なものは、
頻尿・夜間頻尿46例(9.5%)、便秘42例(8.7%)、
プロラクチン上昇41例(8.5%)、
不眠34例(7.0%)、眠気26例(5.4%)、抗利尿ホルモン上昇24例(5.0%)等であっ
た。
(承認時)
(1)重大な副作用
肝機能障害(頻度不明注1))
、
黄疸(頻度不明注1))
AST(GOT)
、
ALT(GPT)
、
Al-P、
γ-GTPの著しい上昇等を伴う肝機能障害、
黄
疸があらわれることがあるので、
観察を十分に行い、異常が認められた場合には
取扱い上
の 注 意
関連情報
貯 法:気密容器、
遮光、
室温保存
使用期限:外箱に表示
注 意:「適用上の注意」
(2)
の項参照
承 認 番 号
** 承 認 条 件
TR11(PTPシートに表示)
〇血液透析患者におけるそう痒症の改善の場合 用 法 及 び
本剤の投与から血液透析開始までは十分な間隔をあけること。
[本剤は血液透析により除去されることから、本剤服用から
用量に関連
血液透析までの時間が短い場合、
本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
(添付文書の「薬物動態」の項参照)]
する使用上
**〇慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善の場合 の 注 意
本剤の投与は1日1回2.5μgから開始し、効果不十分な場合に1日1回5μgへの増量を検討すること。
1. 慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
(1)高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
(2)重度(Child-Pugh分類グレードC)
の肝障害のある患者[投与経験がない。
また、
肝
**
機能の低下に伴い血中濃度が上昇するおそれがある。
(添付文書の
「薬物動態」
の
項参照)]
〈血液透析患者におけるそう痒症の改善の場合〉
(1)
中等度(Child-Pugh分類グレードB)
の肝障害のある患者[血中濃度が上昇する
**
おそれがある。
(添付文書の「薬物動態」の項参照)
]
**
〈慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善の場合〉
(1)腎機能障害のある患者[血中濃度が上昇するおそれがある。
]
2. 重要な基本的注意
**
(1)重度(Child-Pugh分類グレードC)
の肝障害のある患者に対する本剤の投与にあ
たっては、
リスク・ベネフィットを勘案し、
投与中は患者の状態を十分に観察すること。
(「慎重投与」の項参照)
(2)眠気、
めまい等があらわれることがあるので、
本剤投与中の患者には自動車の運転
等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。
(3)本剤の使用により効果が認められない場合には、
漫然と長期にわたり投与しないよ
うに注意すること。
(4)
本剤の投与により、
プロラクチン値上昇等の内分泌機能異常があらわれることがあ
るので、
適宜検査を実施することが望ましい。
3. 相互作用
本剤は、
主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝される。
(添付文書の
「薬物動態」
の
項参照)
使用上の
注 意
長径 約9.7mm、短径 約6.6mm、重量 約277mg
包 装
投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(2)
その他の副作用
観察を十分に行い、
異常が認められ
*
*下記の副作用があらわれることがあるので、
た場合には適切な処置を行うこと。
特に、
血液透析患者への投与時、
不眠、
便秘、
眠気が投与開始後2週間以内に、
慢性肝疾患患者への投与時、
不眠、
眠気、
便
秘、
頻尿・夜間頻尿が投与開始後4週間以内にあらわれることが多いので、
観察
を十分に行い、
異常が認められた場合には減量するなど適切な処置を行うこと。
5%以上
1∼5%未満
1%未満
頻度不明注1)
** 精神・神経系 不眠
幻覚、
構語障 不穏、
眠気、
浮動性めまい、
頭痛 いらいら感、
せん妄
*
害、
レストレスレッグス症候
群、
振戦、
しびれ
** 消化器系
便秘
口渇、
悪心、
下痢
嘔吐、食欲不振、腹部不
快感、
胃炎、
口内炎
** 皮膚
そう痒の悪化、
湿疹、
発疹 蕁麻疹、
紅斑、
丘疹
色素沈着
** 肝臓
** 腎臓
** 循環器系
** 内分泌系
*
総胆汁酸上昇
頻 尿・夜 多尿注2)
間頻尿注2)
AST
(GOT)
上昇、
ALT LDH上昇
(GPT)
上昇、
A l - P上昇、
γ-GTP上昇、
ビリルビン上昇
動悸、
ほてり、
血圧上昇
プロラクチ テストステロン低下、甲状 女性化乳房
ン上昇
腺刺激ホルモン低下、
甲状
腺刺激ホルモン上昇、
抗利
尿ホルモン上昇
** 血液
好酸球増多、
貧血
*
** 尿
尿中血陽性 注2)、尿中蛋白
注2)
陽性
**その他
倦怠感
胸部不快感、脱力感、
回
*
転性めまい、
異常感、
浮腫、
血中リン低下
注1)
自発報告によるものについては頻度不明。
**注2)
慢性肝疾患患者を対象とした国内臨床試験での発現頻度。
5. 高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に
投与すること。
6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。
[ 動物
実験(ラット)
において、胎盤通過、生存胎児数の減少、出産率の低下及び出生
児体重の減少が報告されている。]
(2)授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。
[ 動物実験(ラット)
に
おいて、乳汁中へ移行することが報告されている。]
7. 小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児への投与に関する安全性は確立され
ていない。
(使用経験がない)
8. 過量投与
徴候、症状:過量投与により、
幻覚、
不安、
重度の眠気、
不眠等があらわれるおそれがある。
処置:投与を中止し、必要に応じ適切な対症療法を行うこと。
なお、本剤は透析により
除去されることが示されている。
(添付文書の「薬物動態」の項参照)
9. 適用上の注意
(1)薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導するこ
と。
[PTPシートの誤飲により、
硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、
さらには穿孔をおこし
て縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。
]
(2)保存時:未使用の場合はアルミピロー包装のまま保存し、
開封後は遮光保存するこ
と。
また、
服用時にPTPシートから取り出すこと。
10. その他の注意
(1)動物実験(イヌ静脈内投与、
0.1μg/kg以上)
において全身麻酔下での血圧低下
が報告されている。
(2)動物実験(ラット筋肉内投与、
40μg/kg/day以上)
において受胎率の低下が報
告されている。
レミッチカプセル2.5μg:PTP 14カプセル
(14カプセル×1)、PTP 140カプセル
(14カプセル×10)
22100AMX00392000 承 認 年 月 2009年1月 薬 価 収 載
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
2009年3月
販 売 開 始
2009年3月
** 効 能 追 加
2015年5月
**2015年5月改訂(第8版) *2013年6月改訂
詳細につきましては、添付文書をご参照ください。
製造販売元
販売元
(資料請求先)
東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号
東京都中央区日本橋本町3ー4ー1
お客様相談室 TEL0120-316-834
提携
プロモーション提携(資料請求先)
(慢性肝疾患患者におけるそう痒症)
くすり情報センター TEL0120-034-389
プロモーション提携
(慢性肝疾患患者におけるそう痒症)
大 阪 市 中 央 区 道 修 町 2- 6- 8
文献請求先、製品に関するお問い合わせ先
鳥居薬品株式会社 お客様相談室
〒103-8439 東京都中央区日本橋本町 3-4-1
TEL:0120-316-834 FAX:03-3231-6890
慢性肝疾患患者におけるそう痒症に関する文献請求、お問い合わせ先
大日本住友製薬株式会社 くすり情報センター
〒541-0045 大阪市中央区道修町 2-6-8
TEL:0120-034-389
MZH30-1505M
RMT TL001B