AIESEC in Japan 2010 National Award Application –海外インターンシップ送り出し部門 海外インターンシップ送り出し部門 Be Brasil. Be Green. 1 General Information 基本情報 インターンシップ生情報 氏名 柴山健太郎 大学/学部 東京大学 法学部 学年 4 年(休学中) 専攻 政治学 語学スキル TOEIC 845 点、ポルトガル語は皆無 (インターンシップ開始時) インターンシップ受け入れ機関情報 インターンシップ受け入れ機関情報 国/地域 ブラジル/サンパウロ市 受け入れ機関名 Kawasaki Motores do Brasil Ltda. 業種/事業内容 二輪車の輸入・製造・販売 川崎重工全額出資で 2008 年に設立。 サンパウロ事務所:約 30 人 規模 マナウス工場:約 120 人 うち、日本人駐在員:約 5 人 アイセック情報 担当者名 小谷駿太朗 担当委員会 アイセック東京大学委員会 ID EP-In-JP-TO-2010-1460 2 Traineeship Outline インターンシップ概要 Traineeship Outline 受け入れ部署 マーケティング部、顧客関係管理(CRM)チーム 顧客情報管理。特に顧客プロファイル・サービス満足度・製品満足度 インターンシップ内容 を測る 3 調査の実施、報告書作成、質の向上への取り組み。その他、 市場調査の際の補助など。 契約日 2010 年 1 月 23 日 インターンシップ先 決定日 2010 年 3 月 17 日 1/14 AIESEC in Japan 2010 National Award Application –海外インターンシップ送り出し部門 海外インターンシップ送り出し部門 インターンシップ期間 2010 年 5 月 19 日~2011 年 1 月 14 日 使用言語 3 英語・ポルトガル インターンシップ中 語・日本語 の滞在先 学生用アパートの後、 ブラジル鹿児島県人 会館 Appealing Point インターンシップのアピールポイント 休学のすゝめ 1 年休学して地球の裏側で企業インターンシップに臨んできました。会社の中での仕事はもち ろんのこと、会社の外でもいろんなことをやらせてもらいました。これほど自分ひとりで足を動 かし、かつ一期一会に恵まれたと思える期間は今までの人生ではなかったでしょう。異国の地で 自分の興味に基づいて、自分の足で切り拓く、そんな経験をより多くの学生に経験してほしいと 思います。 4 Internship Time Line インターンシップ(前・中・後) インターンシップ(前・中・後)のタイムライン (前・中・後)のタイムライン Time Line 5 ヵ月半前 Description 水道橋にて Skype でインターン先の社長さんと面接。12 月 30 日。 その場でインターン先が事前内定。 インターン先の社長さんより事前課題の宿題を割り当てられる。ブ ラジル市場全体の実績データを生のまま手渡され、数日間でそれを 2 ヶ月前 どこまで情報処理できるかというもの。手配してくれたアイセック メンバーに感謝。 アイセック所有のデータベース上で正式に受け入れ契約成立。 アイセック OB の方からのバイト募集に応じる。アンケート調査の 結果をひたすらグラフに落としこんだ。グラフ 90 枚弱。 いまさらポルトガル語をやっても仕方ないと思い、英会話の勉強を 1 ヶ月前 した。 VISA 取得に必要な無犯罪証明書を申請しに警視庁へ。発行までに 10 日ほどかかると聞いて驚く。VISA 取得は罠だらけ。 70 年代初頭の合衆国でカワサキのバイクを最初に成功させた浜脇 洋二さん(合衆国川重元社長、日本 BMW 元会長)にお話を伺う。 2/14 AIESEC in Japan 2010 National Award Application –海外インターンシップ送り出し部門 海外インターンシップ送り出し部門 無事 VISA 取得や航空券取得を済ませるとともに、インターン先の 2 週間前 社長さんの日本出張に合わせ、カワサキモータースジャパンの直営 ディーラーと川崎重工業株式会社の明石工場へ見学に行く。 サンパウロ、グアルーリョス国際空港着。AIESEC メンバーとめぐ 2 日前 り合うまでの 30 分間、不安な時間を過ごした。その分、互いを認識 できたときの喜びは倍増というベタな展開。 初出社、すなわちインターンシップ開始。最初の 1 週間は CRM を 初日(5 月 19 日) 担当する直接の上司が休暇で不在だったが、彼女の復帰の後は、顧 客プロファイル調査の月次報告書作成に心血を注ぐ。 同チームで働いていた仲間が突然辞表を突きつけて退社し、ショッ 1 ヵ月目(6 月) クを受ける。 W 杯で街中が異様な雰囲気に。ブブゼラ、爆竹、何でもあり。 奇しくも我が誕生日にブラジル敗退。30 分後には日常に戻っていっ 2 ヶ月目(7 月) た、ブラジル人の立ち直りの早さに驚愕。 下旬になって、市場調査に同行。時を同じくしてサービス満足度調 査・製品満足度調査の実装準備の最終段階を迎える。 市場調査の続きのプロジェクトのため、日本へのメール代筆係とし 3 ヶ月目(8 月) て稼動継続。サービス満足度調査と製品満足度調査がほぼ同時に実 装完了。収集されたデータを基にそれぞれ月次報告書作成開始。 せっかくなのでポルトガル語を勉強しようと決意。幸運にもプロの 4 ヶ月目(9 月) 先生とボランティアで教えてくれる「先生」の 2 人と知り合う。 ブラジル三菱商事と南米公文で働いていた AIESEC の日本人イン ターン生の友人たちがインターンシップ終了のため、お別れ。 それまでのインターン生同士のルームシェアに終止符。ブラジル鹿 5 ヶ月目(10 月) 児島県人会館へ引越し。月額約 15,000 円安くなった。 社長に頼み込んで、中国人 AIESEC メンバー(留学生)をインタ ーン生として受け入れ開始。 販促キャンペーンに際する週次報告書作成に駆り出される。2 回目 の市場調査に同行する。 日本で AIESEC のインターンシップに参加してきた非日系ブラジ 6 ヶ月目(11 月) ル人 3 人にインタビュー。難しさを痛感。 小旅行に出始め、ブラジルは長距離バスが発達していて、意外と快 適だということを学ぶ。 次期インターン生の面接が終了と同時に次回受入れ決定。嬉しい。 7 ヶ月目(12 月) 中国人留学生のインターンシップ終了。そして自分自身の仕事の引 継ぎ開始。ようやく収集したデータを RDB として利用する機会がめ 3/14 AIESEC in Japan 2010 National Award Application –海外インターンシップ送り出し部門 海外インターンシップ送り出し部門 ぐってきた。 クリスマスはポルトガル語を教えてもらっている友人の家で過ご す。一族郎党が集まるクリスマスを初体験。しかも夏。 現地 AIESEC の代替わり完了の季節ということで、一抹の切なさ を感じる。 3 回目の市場調査に同行。7 月にやったものの続き。 インターン最終月(1 月) インターン終了直前になって、社長さんから仕事を怒涛のように振 られる。 最終日(1 月 14 日) 涙なみだのインターンシップ終了、とはならず、翌日の忘年会兼新 年会で本当のお別れ。 2 週間ほど南米最南端の町、ウシュアイア目指して旅へ出る。ブエ 終了直後 ノスアイレスに 3 日間滞在して、インターン中の AIESEC USP の友 人を尋ねる予定。 2 週間後 3 週間後以降(予定) 2 月上旬に日本へ帰国予定。 母校が 3 学期であるうちにブラジルでの経験を基にスピーカーとし て授業に参加する予定。 5 Career Vision キャリアビジョン 将来、どのような人材となり、どのようなことを成し遂げたいと考えていたのかを教えて 1 ください。 漠然とではありますが、日本を誇れる仕事をしたいと考えています。それ以上に具体的なこと ははっきり言って見えていません。そもそも日本を誇れるとはどういうことかという問いへの答 えを持つべきですが、個人的には今は亡き祖父との思い出を回想するときのような、せつないな がらも頑張ろうと奮い立たされるのに似た感覚だと、回答しておきます。そんな中、日本が得意 とする領域の製品を手に世界中で勝負するのか、はたまた公僕として「日本」全体を視野に入れ ながら仕事をするのか、ちょっと遅い気もしますが、これからの学生生活で選択したい、と考え ています。 ただ、いずれにせよ、その前提として日本を客観視できる視点を持ちながら国に関係なくやり あえることが重要だと考えているので、さまざまな角度・さまざまなレベルで日本の内外をよく 知る必要があると感じていました。 2 AIESEC のインターンシッププログラムに参加した動機を教えてください。 のインターンシッププログラムに参加した動機を教えてください。 上記目標を達成するために、そもそも日本とは何か、自分は何者かという問いに一定の答えを 出す必要があると考え、学生のうちに一度それまで生まれ育った環境とは全く別の場所へ身をお 4/14 AIESEC in Japan 2010 National Award Application –海外インターンシップ送り出し部門 海外インターンシップ送り出し部門 いて生活してみようと考えました。またそうした環境でどこまでやれるのか試してみようと考え ていました。 翻って何故 AIESEC かという問いの捉え方をすれば、AIESEC の強みとして国外でも学生とつ ながれるからという理由があげられます。国や地域によって社会情勢が異なるとはいえ、半分子 供・半分大人のような立場なのはどこの学生も大差ないといえるでしょう。何よりも学生と社会 人の差は、しがらみがないことだと思います。自分がそれまで知っていた世界と全く異なる世界 がどのように回っているのか知るためには、その「学生身分」の人たちと如何に知り合い、交流 を深めていくかが大切だと考えました。 6 Before The Internship インターンシップ前 1 インターンシップ先の企業/機関を選択した基準や理由を教えてください。 アイセックのインターンシップに応募した段階で、下記の 2 つの基準でインターン先を選ぼう と考えていました。実際には、一つ目で大雑把に絞った後、2 つ目の基準を当てはめて判断しま した。 ・アジアの外の国/地域であること ・会社の最終意思決定者になるべく近いところで働けること 一つ目に関しては、せっかく休学して数ヶ月の生活を送るのであれば、なるべく自分のバック グラウンドからは遠く離れた文化の中に身をおいてみたいと考えました。 二つ目に関しては、インターンから得られるものを最大化したいと考えたことが理由です。学 部も出ておらず、特に専門といえるものも無かったので、インターン先ではゼロから学習・実践 していくつもりでした。その際にどうしたらインターンシップを充実したものに出来るかという 問いに対して辿り着いた答えが、この基準でした。 幸いにして Kawasaki Motores do Brasil Ltda.という設立して間もない会社のことが耳に入っ てきたので飛びつかせてもらいました。当時聞いていた情報の最たるものとして「アイセック東 京大学委員会メンバーの現地での営業活動を聞きつけて、社長さん自ら受入れに関して連絡をい ただいた」ということがあり、そこまで言ってくださるインターン先なら安心できるだろうと判 断しました。 一方、インターン先が日系企業であることに関しては、特に気にしていませんでした。という のも、面接申し込みの段階で会社の中では英語が出来ればいいということを聞いていたため、き っと日本人ばかりではないのだろうと判断していたのと、そもそも働くだけが AIESEC のイン 5/14 AIESEC in Japan 2010 National Award Application –海外インターンシップ送り出し部門 海外インターンシップ送り出し部門 ターンシップではないと考えていたからです。 インターンシップ先の決定後に設定した、インターンシップにおける目標や目的を教えて 2 ください。 1.現地化とはどういうことかを知る 自分の生まれ育った環境を離れて、異国の地で生きるとはどういうことなのか。この問いに答 える上で、故郷を離れてブラジルに来た人たちと知り合い、いろいろ話を聞いてみようと思いま した。結果的に行き先がブラジルだったため、日本とつながりを踏まえて何か出来るのではない か考えたことも目標設定の理由です。 2.自分の進路について一定の答えを出す せっかく腰を据えて働く機会をつかみ、しかも幸か不幸か日系企業だったので、会社で働くと はどういうことか目に焼き付けてこようと考えていました。当然そのためには自分に求められる ことをしっかり履行していかなければならないとも考えていました。 インターンシップに参加するにあたり、準備として インターンシップに参加するにあたり、準備として行った り、準備として行ったこと 行ったことについ ことについて について理由と共に教えて 理由と共に教えて 3 ください。AIESEC との活動と、自身の取り組みのどちらでも構いません。 ください。 大きく分けて、Excel いじりの練習/バイクについての知識獲得/コネの開拓、の 3 つのテー マがありました。 まずインターンシップ開始の 2 ヵ月半ほど前に、社長さんから情報加工のトレーニング機会を 与えてもらいました。業界団体発行の市場販売実績データを如何に分析するかという課題でし た。これはアイセック東京大学委員会のメンバーが現地での営業の際に提案してくれていたもの で、アウトプット自体はどうしようもないものでしたが、非常にためになりました。 また 1 ヶ月前には AIESEC の OB の方のバイト募集に応えて、マーケティング資料作成のバイ トをしました。こちらは単に Excel に慣れるという以上に、市場調査アンケートがビジネスの局 面でどのように扱われているかを知ることが出来そうだというのが理由でした。 続いて、インターン開始の 10 日ほど前に、インターン先企業の在日関連企業に見学に伺いまし た。具体的にはカワサキモーターズジャパンの直営販売店と川崎重工業の明石工場を訪問し、自 動二輪車についての無知を少しは是正しようというのが狙いでした。効果はさておき、明石では 社長さんの日本出張のタイミングだったので、日常生活に関して、より具体的なガイダンスをい ただくことが出来ました。 最後に、これは出国数ヶ月前からやっていたことですが、ブラジルやカワサキをよく知る人の つてを開拓しました。自分で突撃メルアポをとったり、知人の方や肉親を頼ったり、割となりふ り構わずやった方だと思います。狙いは、そうした方々にお話を伺う中で、上述の目標達成の上 で必要な視座や見識を養うことにありました。 6/14 AIESEC in Japan 2010 National Award Application –海外インターンシップ送り出し部門 海外インターンシップ送り出し部門 7 During The Internship インターンシップ中 インターンシップ先の企業/機関はどのようなことを求めていましたか?また、そのニー 1 ズを満たすことが出来たと考えていますか? マーケティングの要たる顧客情報管理の分野において、これからの時代、顧客に関する膨大な 情報を収集獲得し、その中から新たな因果関係を見出すデータマイニング、並びにその新情報を 戦略策定につなげることが不可欠です。 そうした状況をインターン先企業に照らし合わせると、そもそも何も無い、或いは情報はある が戦略策定に役立てられる水準になかったところに、まず最初の礎を築くことが求められていま した。すなわち、顧客プロファイル・サービス満足度・製品満足度の 3 つの顧客調査の実装・維 持、そしてそれら調査を通じて得られる情報の整理・改善です。 続いてインターン生としての視点で、インターン先企業が何故 AIESEC のインターン生を求め ていたのかということについて説明します。 誤解を承知で表現すれば、出来立ての会社の中でより容易にマネジメントできて、期待通りの 仕事ができる人材を欲していたからだと考えています。在サンパウロの他の日系企業を訪問した 経験を踏まえると、インターン先企業は出来たばかりで採用市場でのブランドがない、それが原 因でマネジメントに支障をきたしているようでした。そんなときに AIESEC の日本人学生受入 れのオファーがあったために社長さん自ら積極的に受け入れてくださったのだと思います。海外 のさまざまな生産/販売拠点で仕事をされてきた社長さんがてこずるのだから、ブラジルという 国でビジネスを成功させるのは相当大変なことなのだと思います。したがって、インターン生に 求められていたのは、社長さんの思い描く戦略(上記、データマイニングの件)を少しでも形に して会社を前進させることだったと言えるでしょう。 以上を踏まえて、個人的にはインターン先の企業のニーズに対して十分応えることが出来たと 考えています。 例えば、時々社長さんから直接仕事を割り振られる機会がありました。具体例の一つとして、 ブラジル市場販売実績の週次報告書の改善が挙げられます。それまでの実績に季節指標を組み合 わせて月次・年次の販売予想値を出す仕組みで、根本的な問題のレベルとしては、センター試験 の数学の問題にも及ばないほどのものだったのですが、ブラジル人はどうやらロジックを積み重 ねることが苦手のようで、処理が煩雑になっていました。そこで、そもそも正しいロジックは何 か Web 上の知識を引っ張り出し、職場が直面している現実に当てはめ、その方法論を浸透させ ました。このアクションの後、販売予想値が予測値としてより精確になったと、お褒めのお言葉 をいただいています。 7/14 AIESEC in Japan 2010 National Award Application –海外インターンシップ送り出し部門 海外インターンシップ送り出し部門 2 今回のインターンシップにおいて、あなたがもたらした最大の成果を教えてください。 インターン先企業が保有する顧客データベースの RDB 化を試みたこと。つまり将来的に顧客 情報管理の領域で飛躍するための実験を行ったことが挙げられます。 「業界の中でここまで詳細に顧客情報を調査している会社はほとんどない」とはインターン先 の社長さんのお言葉ですが、そうしてコストを払って収集した情報を如何に役立てるか、実験を 通じてその可能性を描き出したという点で会社への貢献は大きかったはずです。実際、その情報 を最終的に如何に用いるかという局面で最終的な意思決定を社長さんに仰ぎましたが、長年マー ケティングに関わってきた方であるにもかかわらず、意思決定のタイプとしては初めてのケース だったとのことです。 正直、インターンシップ全体における仕事量としてはオペレーションの方が多く、自分がやる 必要は必ずしも無いと考えることも多くありました。しかし顧客調査が始まったばかりのこのタ イミングで、ここまでのことが出来たのは、僕がこのタイミングでこのサンパウロにやってきた からだと言いたいです。 インターンシップの仕事のなかで遭遇した最も困難な出来事について、それをどのように 3 乗り越えたかを含めて教えてください。また、その困難を乗り越えたことで、その後のイ 乗り越えたかを含めて教えてください。また、その困難を乗り越えたことで、その後のイ ンターンシップに与えた影響があれば合わせて記入をしてください。 いちばんの困難は、直接の上司である CRM チームのリーダーとのコミュニケーションでした。 日系とイタリア系移民のハーフである彼女は、顔だけを見ると完全に日本人なのですが、合衆国 の高校に留学していた経験があり、文化は完全に日本以外のものでした。 実は重要な仕事は彼女からではなく社長さんから直接もらうことのほうが多かったのですが、 それでも具体的な落とし込みにおいて彼女に頼らなければならないことに変わりはありません。 互いに英語でコミュニケーションがとれるので言葉上の問題はなかったのですが、自分の中で 「何故こちらの言いたいことをわかってくれないのか」と悶々としてしまう機会が多くありまし た。 白黒はっきりと乗り越えられたと言えるかどうかはわからないのですが、その都度、自分なり にアプローチを変えるなどして意思疎通するようにしました。当然時間はかかりましたが、それ は今の自分の力量を考えると致し方ないと考えるほかありませんでした。 インターンシップ期間中の経験を最大化させるために、休日などに仕事以外に行った活動 4 があれば教えてください。また、そのなかでご自身に影響を与えた経験や学びがあれば教 えてください。 1.在ブラジルの日本人訪問 日本出国前後を通じて、知り合った/紹介してもらった方々にお会いしました。共にブラジル という現実に臨みながら話をするという意味で、より自分の興味にあったやりとりをさせていた だいたように思います。 8/14 AIESEC in Japan 2010 National Award Application –海外インターンシップ送り出し部門 海外インターンシップ送り出し部門 2.ポルトガル語の勉強 インターン期間も半ばを過ぎた頃にようやく重い腰を上げて、個人レッスンの先生を見つけ、 ポルトガル語の勉強を始めました。英語を話せる人が大卒者の中のごく一部に限られるブラジル では、ポルトガル語を話せた方がいいです。こうして文字に書くと当たり前のことなのですが、 現地での仕事と生活への慣れに時間がかかり、気がつくまでだいぶ時間が経過していました。 3.小旅行 長距離バスが重要な移動手段の一つであるブラジルにおいて、インターン期間の最後の 3 分の 1 ほどを迎えた辺りでようやくサンパウロ市の外(とはいえ、サンパウロ州内)へ友人を訪ねて 自力で出かけるようになりました。それまではインターン開始後 2 ヶ月目で工場見学のためにマ ナウスに連れて行ってもらった以外はサンパウロ市を出たことがありませんでした。しかし、ブ ラジルの風土を知るという意味で非常にもったいないことをしたと感じています。少なくとも独 立前後以降のブラジルの歴史に思いをはせながら、バスの外や町の景色を見るのは非常に興味深 かったです。 8 After The Internship インターンシップ後 1 6-2 で設定した目的に対する達成度を、理由と共に教えてください。 1.現地化とはどういうことかを知る 70%:インターン先企業の駐在員の方々や訪問した企業の方から興味深いお話を伺うことが出 来ました。しかし一方でその数が限られていた上、日系企業しか訪ねられませんでした。サンパ ウロだけでもブラジル外来企業は、合衆国・ドイツ・韓国・中国など様々な国から来ています。 ちなみに日系人という意味では、当然日常的な付き合いはありましたが、意識してやったことと いえば本を手にとったくらいのことでした。 一方で自分自身が言葉(英語)の通じないところに身をおき、どのように生き延びるかという ことについては、滞在期間の長さが幸いして試行錯誤することが出来ました。実は休学期間を途 中で半年延長したのですが、その甲斐がありました。こちらが上記評価の大半を占めます。 2.自分の進路について一定の答えを出す 30%:進路という意味では、メーカーで働くことは、どうやら面白そうだと感じた以外は何も 進捗が見られませんでした。ただ、数字に加味していない部分で、企業という組織の中で働くと はどういうことか、考える機会を多く持つことが出来ました。 2 インターンシップの前後でご自身が変化した点を教えてください。 「地球上であれば、だいたいどこでも生きていけるだろう」という勝手な自信がつきました。 9/14 AIESEC in Japan 2010 National Award Application –海外インターンシップ送り出し部門 海外インターンシップ送り出し部門 インターンシップ後(帰国後)に、その効果をより深めるために インターンシップ後(帰国後)に、その効果をより深めるために行った その効果をより深めるために行ったこと 行ったことについて ことについて、 について、理 3 由と共に教えてください。 との活動と、自身の取り組みのどちらでも構いません。 由と共に教えてください。AIESEC 教えてください。 との活動と、自身の取り組みのどちらでも構いません。 本書類の執筆段階では帰国していないので、帰国後に何をやったかという実績は記入できませ ん。したがって、ここでは帰国の後に何をやりたいと考えているか記したいと思います。(順不 同) 1.大型自動二輪車免許を取得したい そういう会社で働いていたので、好奇心がかきたてられました。免許取得後すぐにバイクを購 入するつもりはありませんが、市場調査の際に川崎重工の人たちが話していた内容がどういうこ とだったのか、今一度確認してみたいと思います。 2.ポルトガル語の勉強を細々と継続したい ポルトガル語は英語と同じヨーロッパの言語ですが、それでも最初は戸惑うことばかりでした。 それでも 8 ヶ月もブラジルにいて少しは慣れたと思えるので、スペイン語やフランス語への乗り 換えも視野に入れながら、ポルトガル語に付き合っていきたいと思います。まずは、東京にある ブラジル料理屋を渉猟することから始めたいと考えています。 3.日本の人たちに自分の経験を共有したい Internship Time Line の最後に既に書きましたが、帰国後の 2 月中に我が母校のとある授業で ブラジルでの経験について話をする予定です。こうした機会を通じて人生の歩み方として一つの 提案をするとともに、自分の経験を整理していきたいと考えています。もちろんアイセックを通 じて話す機会を持ちたいと考えています。半年以上のインターンシップに臨んで、まだしばらく 大学にいるつもりの人間はそんなにいないと思うので、どんどん声をかけてもらいたいと思いま す。 4.学生のうちは、このインターンで得た見識を活かせるバイトをしたい 少しでも自分のバックグラウンドを認めてくれるところで、自活できる程度のお金を稼ぎたい です。ブラジル関係、マーケティング、顧客情報管理、エクセルでの情報処理、何でもやります。 一連の経験を経た上で、残りの学生生活を含めた 一連の経験を経た上で、残りの学生生活を含めた自身の今後のキャリアプランについて教 残りの学生生活を含めた自身の今後のキャリアプランについて教 4 えてください。 将来へのビジョンの部分で書いたとおり、もともと漠然としたものしか持ち合わせておらず、 このインターンシップを通じても残念ながらあまり変化はありませんでした。ただ、このインタ ーンシップを通じてより明確になった部分があるとすれば、「だいたいどこでも生きていけるだ ろう」という勝手な自信の下、選択肢の幅が多少なりとも広がったことだと思います。国内で生 活しようが国外で生活しようが、自分のやりたいことを追求してきたいです。 10/14 AIESEC in Japan 2010 National Award Application –海外インターンシップ送り出し部門 海外インターンシップ送り出し部門 9 The Voice of TN 受け入れ企業の声 1 インターンシップ生がどのように成長したかお聞かせください。 インターン生ではなく、当社の新入社員として受け入れさせていただきましたが、ご本人の資質 ならびにモチベーションの高さもあり、期待以上の成長が出来たと思います。 2 インターンシップ生が職場に与えた影響や貢献について教えてください。 インターンシップ生が職場に与えた影響や貢献について教えてください。 ご本人のコメント通り、当社業務に対する貢献は大きく、また、当社の従業員に良い刺激となっ たと思います。 3 インターンシップ全体に対する評価/満足度をお聞かせください。 インターンシップ全体に対する評価/満足度をお聞かせください。 非常に満足しています。 閉塞状況にある日本を建て直すために少しでも貢献していただくことを期待します。 私自身の反省を踏まえれば、自分の能力を信じることです。短い間ですがありがとうございまし た。 10 The Voice of Member アイセック担当者の声 アイセック担当者の声 インターンシップ生の目的に沿うインターンシップ先を見つけるために、工夫した点があ 1 ったら記述してください。 インターンシップ生の要望を伺う以前に本インターンシップ先を提示しておりましたので、特に 困った点や工夫を施した点はございません。 インターンシップ生に対して行ったサポートとして、特筆すべき点があったら記述してく 2 ださい。 日本からのネットを介したコミュニケーションと、現地に直接赴いての大きく分けて二種類のサ ポートを行いました。 前者は、固定テンプレートによるメールの「週報」とインターン生さんのブログ上でコミュニケ ーションを取り、モチベーションの維持・管理をお手伝いさせて頂きました。 昨年夏にはアイセックメンバーが直接サンパウロへ赴き、インターン生さんに注文の品(主に書 籍)を届けるなどのサポートを行いました。現地では、受け入れ先企業の方にお会いして聞き取 11/14 AIESEC in Japan 2010 National Award Application –海外インターンシップ送り出し部門 海外インターンシップ送り出し部門 り調査なども行いました。 インターンシップ前後、インターンシップ中に、インターンシップの効果を最大化するた 3 めに行ったものがあれば説明してください。特に外部の巻き込みや価値発信等があれば言 及してください。 「インターンシップの効果の最大化」とは、柴山さんの学び、受け入れ先企業の利益、アイセッ クの外部発信とアイセックメンバーの学びの四点がともに達成されるようなものと考えます。 インターンの準備では、受け入れ先企業と直接コンタクトが取れることを活かし、受け入れ先企 業から顧客データなどの内部データを頂いてそれを定量的に分析するマーケティングの実習を 行いました。具体的な業務を日本で疑似体験することにより、これ以外の自発的なインターンの 準備も刺激する効果があり、後の調査ではインターンの準備に関して柴山さんから高い評価を得 られました。また、分析結果は受け入れ先企業にお送りしてコメントを頂き、こちらでもよい評 価を得ることができました。 インターン中に直接サンパウロを訪問した際には、柴山さんと協働して現地アイセックのリクル ートを手伝いました。アイセックの国際性や組織的な堅実さをアピールするにあたり、実際に日 本から来ているインターン生とメンバーがリクルートを行ったことは、大きな外部発信となりま した。 インターンシップ終了後にはインターンシップ報告会を予定しています。これは柴山さんにご自 身のインターンでの学びを振り返って頂くとともに、他に同時期にサンパウロでインターンシッ プを行っていた三人のインターン生さんとも合わせて素晴らしい外部発信の機会になるのでは ないかと期待しております。 今回のインターンシップ事例における反省や、ここでの成果や経験の今後への活かし方に 4 ついて教えてください。 今回のインターンシップ運営において、成果でありかつ最も大きな反省として、「現地アイセッ クとの継続的な協働関係」が挙げられると思います。 今回のインターンシップ運営の特徴である「現地での直接営業活動」「日系企業での長期インタ ーンシップ」に関しまして、それぞれ簡単な考察を述べたいと思います。 「現地での直接営業活動」 日本の運営メンバーがブラジルに二度赴いて現地アイセックメンバーと共に営業活動を行いま した。現地メンバーと直接顔を合わせ一緒に活動を行えたことで、互いの主張や問題意識を理解 することが出来たため、帰国後もより深い関係を築けたと感じております。 「日系企業での長期インターンシップ」 12/14 AIESEC in Japan 2010 National Award Application –海外インターンシップ送り出し部門 海外インターンシップ送り出し部門 一方で、そこで得られた関係をインターンシップに十分に活用しきれなかったことが反省点だと 感じております。他の海外経験と比べた際のアイセックのインターンシップの特徴として、より 多様な価値観により深く触れられることが挙げられると思います。そうした観点から、日系企業 で行われた本インターンシップにおいて、如何に多くの現地の方や海外インターン生と関われる か、また仕事や生活を通じて彼らとどれ程深い付き合いができるかに関しては、現地アイセック メンバーとの連携を強めてよりサポートできたと感じております。例えば、サンパウロの海外イ ンターン生や現地大学生を集めて、柴山さんが責任者となって彼らと共に企画を運営する、とい ったプログラムを現地メンバーと協働して実施できれば、柴山さんに対してより深い学びをご提 供できたのではないかと考えております。 以上稚拙な考察から見えてきたこととして、今回のインターンシップにおける最大の課題点は、 インターン生の興味関心や目的意識とアイセックのリソースを十分に結びつけられなかったこ と、特にインターン生と現地アイセックメンバーとの意見交換の場を事前に積極的に設けられな かったことだと認識しております。 日本人学生における長期インターンシップの需要増加を踏まえて、本件の様な事例が今後も益々 増加してくることかと思います。現地アイセックメンバーをどれだけ自らの主張に巻き込み彼ら から協力を引き出すか、と共に単年度で担当が変わってもそれを如何に継続的に繋ぎとめ発展さ せていくかに関しては、早急に取り組むべき大きな課題であると感じております。 13/14 AIESEC in Japan 2010 National Award Application –海外インターンシップ送り出し部門 海外インターンシップ送り出し部門 11 The Scene of Traineeship インターンシップの様子・風景 インターンシップの様子・風景 インターン先企業サンパウロ事務所概観。 8 ヶ月間お世話になりました。 写真手前がマーケティング部の机です。 (2011/Jan:Al. Santos にある事務所にて) 工場視察にも連れて行ってもらいました。 (2010/Jun:マナウス工場部品倉庫にて) 市場調査の様子。当日は下働き要員です。 (2010/Jul:サンパウロ市内のディーラーにて) Special thanks (the people I met in Brazil): 伊藤浩さん、藤井立さん、筒井隆司さん、齋 藤正巳さん、下村政裕さん、喜多川直哉さん、佐々文子さん、福山スタンレーさん、武田 省吾さん、Weliton Dos Reis、Thaís Magalhães、Bruna Oewel、Mário Camillo、Mateus Cruz、Thaís Marques、五十嵐豪、土屋和子、酒井邦明、高野雄大、折田直哉、and all AIESECers in Brazil 14/14
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