平成 29 年第2回飯南町議会定例会 町長所信表明及び提案理由説明要旨 平成 29 年3月7日 飯 南 町 本日、平成 29 年第2回飯南町議会定例会を招集いたしまして、開会の運びと なりましたことをはじめにあたりまして厚くお礼申し上げます。 提案いたしました諸議案の説明に先立ちまして、町政運営に当たる基本的な 考え方と主な施策について、所信の一端を申し上げます。 【はじめに】 日本経済の動向は、緩やかな景気回復基調にあるといわれていますが、米国 のトランプ大統領の政策展開、また、中国をはじめとする新興国の景気の先行 き不透明感による世界経済の腰折れなど懸念されているところであります。 国が進めている「一億総活躍社会の実現」には、 「地方創生の実現」が欠かせ ないところであり、本町としましては引き続き国県との連携やあらゆる社会情 勢によく目を配りながら、本町ならではの地方創生が一層進むよう必要な対応 を行ってまいらねばなりません。 新年度は、飯南町総合振興計画の2年目、総合戦略は3年目となる年でござ います。 これまでも人口減少問題の解決のため、飯南町で「結婚し、子どもを産み、 育てる喜び」を体感できる環境づくりに取り組んでまいりました。その結果、 平成 28 年の出生者数は、平成 27 年を上回る結果(21→34 人)となり、取り組 んできた成果が徐々に表れていると考えております。 併せまして、子どもがいる世帯数も増加しており、 「小さな田舎(まち)から の生命地域宣言」にふさわしい「いのち」が継続的に誕生するまちを今後もめ ざし取り組んでまいらなければなりません。 こうした中で、私は引き続き町政を担当させていただくこととなりました。 世界の動きが本町のような山間地域にも大きな影響を与える時代にあって、 また、国内にあっては都市と地方の格差の解消が喫緊の課題となっている中、 かけがえのない私たちの故郷「飯南町」を将来に向けて持続的に発展させ、町 民みんなが、飯南町に暮らすことを幸せと実感できる町とするために、私は、 これまでの取り組みを踏まえ、 「3つの守りと3つの攻め」を公約として掲げま した。 3つの守り、 「医療、福祉を守る」 「町内企業、事業所を守る」 「集落、地域を 守る」、3つの攻め「産業振興、ものづくりの推進」 「教育、人材育成の推進」 「定 住、人材誘致の推進」、この守りと攻めは相互に密接な関係があり、総合的な取 り組みが必要です。 私は、これからの4年間、これら6項目の推進に全力を尽くす所存でござい ます。 議員各位並びに町民の皆様のご指導ご協力をお願いいたします。 1 はじめに副町長の選任について申しあげます。 現副町長である西村副町長は、今月31日をもって任期が満了し、島根県へ 復帰いただく予定となっております。 西村副町長には、本町において少子高齢化や過疎化の進行、加えて、志津見 ダムの建設に続き、尾道松江線の開通という大きな環境変化への対応といった 課題がある中、こうした飯南町の課題は取りもなおさず、島根県の課題でもあ る事から、これらの課題に、飯南町と島根県が連携して取り組み、飯南町の活 性化、振興を図るため平成 25 年4月1日に就任いただきました。 西村副町長には、就任以来、本町の課題解決、振興のため島根県に対して実 情をよく説明した上で必要な支援を取り付けていただき、また、特に「飯南町 観光協会」の設立については、精力的な取り組みをいただき、自ら専務として 運営に尽力をいただきました。内部においては、職員の信頼のもとに、的確な 指導と指示を行い、私を良く補佐いただきました。 お陰をもって、今日の飯南町の進展があるところであり、心より感謝申し上 げる次第で有ります。 後任の副町長については、内部より登用することとして「現地域振興課長 塚 原隆昭氏」を選任したいと思います。 塚原氏は、行政経験が豊富で、特にこれまで担当した、企画、自治振興分野 においては、安定した力をもって成果を上げていただいております。 また、町民のみなさん並びに職員の信頼も厚いものがあり、私としても大き な信用を置いております。 今定例会において、議会の皆様のご同意をいただきたく、提案いたしますの で、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、主な施策について、総合振興計画に沿って申し上げます。 先ず、「自治・協働」についてでございます。 【協働のまちづくりの推進】 はじめに、協働のまちづくりの推進についてでございます。 協働のまちづくりの推進にあたっては、公民館の単位を基本に行ってまいり ますが、自主防災組織の育成や災害に強い集落づくりに通ずる計画として、小 さな拠点を構成する自治振興組織単位での「地域づくり計画」を策定するよう 進めてまいります。 また、少子高齢化の進行によりコミュニティ活動が縮小する中にあって、10 年後の集落の姿を描きながら、持続可能な地域運営のあり方を考えていく必要 があると思っております。そのため、島根県、中山間地域研究センターとも連 2 携しながら集落実態調査を実施することとしております。 【地域おこし協力隊及び集落支援員】 次に地域おこし協力隊及び集落支援員についてでございます。 地域おこし協力隊は、町全体で9名を配置しておりますが、要望どおり配置 ができていないところもございます。本町にとって外部人材による地域活動は、 地域の活性化につながるものであり、UIターン相談会など通じて募集活動を 強化し、新たに 4 名を採用する予定でございます。 集落支援員につきましては、地域の見守り役、集落内の点検実施、住民間の 話し合いの推進などを主な業務とし、それぞれの地域課題の解決に向けた取り 組みや、総合戦略で掲げる「小さな拠点」の形成に向けても精力的に取り組ん でいるところです。 本年度未配置地区であった頓原、赤名地区へも配置できるよう準備を進めて まいります。 【小さな拠点の形成】 次に小さな拠点の形成についてでございます。 公民館区のエリアを範囲とする小さな拠点の形成については、住民の生活を 支える新たな地域運営の仕組みを構築し、面的な拠点づくりを進めてまいりま す。 頓原地区においては、「頓原拠点複合施設」が 3 月末に完成する見込みです。 地域住民の拠りどころとなるような交流拠点として利用促進を図りつつ、町区 連担地の活性化、遊休地の活用についても検討を進めてまいります。 来島地区においては、現在拠点施設の検討を行っており、 「住みよい地域・来 島地域課題等検討会議」から提出された要望などとも調整の上、新年度は基本 設計を行ってまいります。 赤名、谷、志々地区においては、住みよい地域創造事業で検討された取り組 みを引き続き支援してまいります。県の現場支援地区の志々地区については、 県の制度を活用し、「要の人材」の配置を行うこととしております。 なお、それぞれの地区への支援事業として「住みよい地域実践事業」を新年 度も継続してまいります。 次に「教育・文化・子育て」についてでございます。 【子育てしやすい環境づくり】 はじめに、子育て支援対策についてでございます。 子育てに係る経済的負担を軽減していくため、保育料の減免・免除、3人目 3 以降の出産祝い金、子育て支援給付金や子育て協力企業への支援を行ってまい りました。子ども等医療費助成などとあわせて、引き続き継続してまいります。 また、桜ケ台保育所での産後保育の導入につきましては、施設の整備とあわ せて保育士確保に向け努力してまいります。 更に、病児保育、病後児保育につきましても検討を進めてまいります。 放課後児童クラブ・長期休業中の児童クラブについては、新年度から窓口を 一本化し、教育委員会において行っていくことといたしました。長期休業中の 児童クラブ運営については、保護者の方が利用しやすい時間と場所となるよう、 見直しを図ってまいります。 また、新入学に伴う学用品費の支給等の就学援助費の支給については、就学 援助費の国基準引き上げを見据え、先行して実施することといたしました。 今後も、子育てしやすい環境をつくるため、国や県と連携し、迅速に対応し てまいります。 【出会い創出事業】 次に、縁結びの支援についてでございます。 これまで、支援員を配置し、出会いの場を創出するための交流イベント開催 に加え、結婚祝い金の創設など取り組んできたところでございます。 国では、一定の所得要件のもと、結婚に向けた住宅取得費用や引越し費用を 助成する結婚新生活支援補助金を設けており、これらの活用等、結婚に向けた 支援を更に行ってまいります。 【保小中高が連携した学校教育の充実】 次に、学校教育の充実についてでございます。 少子化が一段と進む本町にとっては「保育所から高校までを地元で教育する」 ことが定住の推進や地域活性化、また地域経済においても非常に重要でありま す。 ふるさと教育を中心とした連続性・系統性のある指導の充実に努め、幼児・ 児童・生徒間の交流や教職員間の交流・連携を進めることにより、保小中高一 貫教育の一層の充実を図ってまいります。 また、学力向上対策においては、全国学力調査に併せて町独自の学力調査(小 学校2年生以上)を実施し、島根県学力調査と比較しながら現状把握と分析を 行うことにより課題を早期に発見し、適切な指導につなげてまいります。 現在、全ての小中学校においてタブレット端末と教育支援ソフトの導入(各 1学年分)が完了し、デジタル教科書と併せてICT教育の環境整備が整った ところでございます。児童生徒が主体的に学ぶ授業づくり(アクティブ・ラー ニング)に力を入れ、思考力・判断力・表現力の向上をめざしてまいります。 4 また、公営塾「学習支援館」では、中学生の家庭学習の習慣化と高校進学を 見据えた学力の向上、高校生は、学力向上に加えて大学等への進学支援に力を 入れ、生徒一人ひとりの能力・状況に応じた学習の指導と支援を実施してまい ります。 【飯南高校支援】 次に、飯南高校の支援についてでございます。 平成 23 年度にスタートしました島根県の魅力化・活性化事業による取り組み により、生徒数減少による統廃合の危機は回避され、現在は教育力向上など特 色ある教育活動が着実に進められており、飯南高校の存在は益々大きなものと なっております。 そのような中、来年度の入学志願者数は、昨年より減少し定員の 80 名を下回 る 63 名となっております。平成 30 年度以降は町内生徒が連続して減少してい くため、2学級維持のためには本町の出生数の増加はもとより、町外・県外に 対し小学校段階からの教育移住なども具体的に検討し、安定した生徒数を確保 していかなければならないと考えております。 県内の離島・中山間地域の高校で取り組まれてきた魅力化・活性化事業につ いては、これまでの成果を踏まえ、新年度以降も「教育魅力化推進事業」とし て継続されることになっております。本町の高校魅力化の取り組みは県下でも トップランナーとも評価されていますが、更に地域や小中学校と連携を強化し、 おごることなく町全体の教育の魅力化、発展に引き続き重点的に取り組んでま いります。 【地域で育む教育環境づくり】 次に、里山文化の継承についてでございます。 本年1月 31 日に、島根県・広島県の7つの自治体が連携して「石見銀山街道」 の日本遺産認定に向けた申請書を文化庁に提出いたしました。4月下旬に認定 が受けられれば、連携する団体による協議会(仮称:日本遺産石見銀山街道推 進協議会)を設立し、銀山街道を有効的に活用した事業を展開し、沿線地域の 活性化と観光振興につながるよう、取り組みを進めてまいります。 【生涯学習の充実】 次に、生涯学習の推進についてでございます。 地域の拠点である公民館での活動を支援し、住民の生涯学習を推進するとと もに、地域の教育力の向上に取り組み、地域を担う人材の育成を進めてまいり ます。 現在の町立図書館については 3 月末に完成する頓原拠点複合施設内に移転す 5 ることとしていますが、今後の整備に向けては先頃、図書館協議会委員を中心 とした「図書館のあり方を考える会」を開催し、 「住民の利便性と複合的機能を 考慮した施設として整備することが望ましい」との報告をいただいたところで ございます。 そうしたことから、来島地区が学習活動の支援や利便性においても望ましい と考え、来島拠点施設整備事業と併せて建設の検討を始めることといたしまし た。 親子のふれあいの場、児童生徒の学習の場、住民の読書活動の場として親し まれる施設となるよう進めてまいります。 次に「産業」についてでございます。 【農林業の振興】 はじめに、農林業の振興についてでございます。 米国のTPP離脱表明や、平成 30 年問題「米の生産調整の見直し」など、農 業を取り巻く環境が大きく変化しようとしています。 私としましても、これらの動向を注視しつつ、国や県に対して生産現場の声 を伝えるとともに、飯南町農業振興計画に掲げる「夢と希望の持てる農業」の 実現に向けて全力で取り組んでまいります。 (水田農業) 水田農業につきましては、引き続きJAしまねと連携し、市場で高い評価を 得ている「飯南米」の品質向上と有利販売に努めてまいります。 平成 30 年以降は、「需要に応じた米の生産」が求められることから、生産量 の目安となる指標は示される見通しであり、今後島根県、JAしまね、地域農 業再生協議会など関係機関と連携し、消費者の需要に応じた飯南米の生産を進 めてまいります。 また、 「飯南町1農場1担い手」の実現に向け、集落営農の広域連携や農業法 人の設立を強く推進するため、 「飯南町農業担い手支援センター」を新設し、関 係機関が連携したサポート体制を整備してまいります。 (農業委員会改革) 農業委員会につきましては、法律が改正されたことに伴い、農業委員は、こ れまでの公選制から町長の任命制に変更され、農地利用最適化推進委員は農業 委員会の委嘱により選出されることとなります。その定数は、それぞれ 14 名、 総勢 28 名とすることとし、この制度改革に伴う条例を今定例会に上程しており ます。 6 (園芸振興) 園芸の振興につきましては、園芸作物の生産拡大と新規就農者の支援を推進 し、園芸作物による所得向上を図ります。 新年度は、上赤名地区の新規就農者支援として「園芸リースハウス制度」を 導入し、パプリカを基軸とした園芸作物の生産拡大を支援してまいります。 また、若者から高齢者まで「生涯現役」で農業を営む環境を整えるため、 「園 芸用ハウス整備支援制度」を引き続き行い、園芸用ハウスの新設やリフォーム などを支援してまいります。 (畜産振興) 畜産の振興につきましては、第 11 回全国和牛能力共進会に向けて、関係機関 と連携し、雲南畜産総合センターでの集畜管理や指導会を徹底することにより、 本町の候補牛が6月の島根県最終選考会で選抜され、全国の舞台で活躍できる よう万全を期してまいります。 (鳥獣対策) 鳥獣被害の防止対策につきましては、島根県、飯南町鳥獣被害対策実施隊(飯 南町猟友会)など関係の皆様のご協力をいただき、引き続き、国の事業を活用 した防護柵の設置や捕獲器の導入などを進め、生産者が安心して農作物を生産 できる環境を整備いたします。 【観光の振興】 次に、観光の振興についてでございます。 この3月、中小企業地域資源活用促進法にもとづき「飯南町ふるさと名物応 援宣言」を行いました。これは「神・人・自然が育んだ飯南の日本一」をコン セプトとして「日本一の大しめ縄」「神々の森と森林セラピー」「飯南米と日本 酒」をはじめとする本町の地域資源をまとめて応援宣言するものであり、積極 的な情報発信を行うことで地域経済の好循環に繋げてまいります。 琴引フォレストパークスキー場につきましては、引き続き人工降雪機など第 2期工事に必要な経費を予算計上いたしております。 飯南町総合交流ターミナルにつきましては、先の 12 月定例会において、現在 の指定管理者である一般社団法人飯南町観光協会が建物の運営管理を行いつつ、 飲食部門についてはテナント方式により募集する方針をお示しいたしました。 その後、飯南町観光協会によりテナントの公募を行い、1団体の申し出があ り4月中のオープンに向け協議中でございます。 酒づくり交流館につきましては、保健所並びに税務署から、交流エリアでの 7 酒類販売が好ましくないことや、消防法の指摘事項などがあり、必要な改造を 検討しておりましたが、このたびの国の補正予算の地方創生拠点整備交付金を 活用して整備する事にいたしました。施設内の交流エリアと酒造エリアの区分 を明確にし、より一層施設の有効活用につなげてまいります。 【商工業の振興】 次に、商工業の振興についてでございます。 地域に根ざした商工業を振興し、若者の起業、就業を推進するために「飯南 町創業支援事業」を展開してまいります。引き続き、ビジネスプランコンテス ト、若者雇用創出型創業応援事業、小規模新商品開発支援事業、新産業創出支 援事業など、創業前から創業後まで、産業支援センターなど関係機関による適 切な創業支援を行ってまいります。 加えて、飯南町農産物6次産業化支援事業を新設し、本年度ビジネスプラン コンテストで提案があった2団体について、本町の農産物を加工した試作品の 開発、市場調査、販路開拓、技術習得など、6次産業化による若者の起業を支 援してまいります。 また、町内の企業を守り支援するために「小規模企業振興条例」の制定を検 討してまいります。 【担い手支援事業】 次に、建設業界の担い手支援事業についてであります。 建設業界においては担い手不足が顕著になっており、私としても切実な問題 と認識しているところでございます。この業界へ関心を持ってもらうため、建 設業協会青年部と飯南高校のタイアップにより、ドローンを使った測量や、高 度な設計が可能なキャドなど、ハイテク技術を実体験する機会をつくることに より、地元就職への道を開き、地域産業の担い手を育成したいと考えていると ころでございます。 次に「保健・福祉」についてでございます。 【健康づくり】 はじめに、「健康づくりの推進」についてでございます。 「健康(まめ)ないいなん 21」計画に基づき、地域ぐるみで健康づくりに取り 組んでいただくことを重点に取り組んでまいります。 本年度は地区ごとの健診受診率を算出し、受診率の高い地区を表彰いたしま した。個人のこととはいえ地域のこととして健診を受けることへの関心を高め る結果になったと感じております。引き続き健診受診率の向上に向けて、新年 8 度新たに健診を受けられた方には、町内でご利用なっております「とんばらゆ めカード」や「にこにこカード」へのポイントの付加を計画しております。こ れらのことが住民の皆さんの体とお財布にやさしい取り組みになればと期待を よせるところです。 働き盛りの年代の健康づくりについては、事業所の実情に応じた支援を検討 するため、町内事業所へのアンケートを実施したところです。 企業としても従業員の健康を大切にすることは、事業所のイメージアップや 人材確保につながり、生産性の向上や企業を支えることにつながります。 また、従業員自身が健康で自分らしく生活することで、生活の質の向上に繋 がり、地域経済の活性化や地域の担い手として、コミュニティの維持にも繋が ってまいります。行政といたしましても、事業所をバックアップしながら、健 康経営事業所を増やしていきたいと考えております。 国民健康保険事業の都道府県化につきましては、平成 30 年 4 月スタートに向 け、島根県及び県内市町村との協議は大詰めにきております。 保険料の算定には、医療費が大きく関係しますが、昨年度と本年度の医療費 を比較しますと、県全体では約 4%、本町においても約 14%高い状況です。こ うした状況から、来年度の保険料は値上げせざるを得ないところでありますが、 大きなご負担にならないよう調整してまいります。また、国保加入後の人間ド ックの経費助成を検討し、医療費の高騰への対応を進めてまいります。 住民のみなさんが健やかで幸せに暮らせる地域を目指すために、健康づくり だけでなくコミュニティ活動やまちづくりなどを住民の皆さんの視点に立って 取り組んでいくことが必要と考えます。このことは、先に述べました、協働の まちづくりや小さな拠点づくりにも通じるものがあります。このような取り組 みは本町に限らず、全国にも同じ想いで取り組んでいる市町村も多く、本年2 月に「日本健幸都市連合」 (健幸のこうは幸福の幸であります)が発足しました。 本町としましても、この趣旨に賛同し、全国の先進地域や同じ想いのある市町 村と一緒に“健幸都市”の実現に向けて取り組んで参りたいと考えます。 【地域医療の充実】 次に「地域医療の充実」についてでございます。 はじめに、医師の退職についてでございます。長年にわたり飯南病院で勤務 いただきました萬代恵治先生におかれましては、3月末をもって定年退職とな ります。平成6年に旧頓原病院の院長として、勤務いただいて以来、飯南病院 院長、平成 23 年からは、飯南病院 病院施設長として、その他、学校医や介護 認定審査会委員など、地域の医療、保健、福祉の全般においてご尽力いただき ました。とりわけ、平成 12 年の新病院開院にあたっては、色々なご苦労もあっ 9 たのではないかと思いますが、先生のお力により、今日の本町医療体制の基盤 が築かれたところでございます。この功績に、敬意を表しますとともに感謝申 し上げるところでございます。 なお、新たな常勤医師の体制につきましては、島根県及び島根大学等のご理 解、ご協力により、現在の体制を維持できる見込みとなっております。このう ち、新規採用として1名の医師をお迎えすることになっておりますが、勤務の 期間は平成 30 年3月末までの1年間の予定となっております。安定した医療提 供体制の構築のため、引き続き医師の確保について取り組んでまいります。 本年度の経営状況につきましては、直近の状況で、外来部門は昨年度同期と 比較し同程度の患者数、入院部門については若干の患者数の減となっています。 病床利用率については、経営の目標とする 70%以上で推移しており、本年度全 体でみても、それを達成できる見込みでございます。 昨年度来、角田院長を中心とした新たな体制と継続してきた経営改善への取 り組みなどにより、大幅に経営が改善するとともに、住民の皆様からも病院事 業に対して評価をいただいているところでございます。今後の病院経営につき ましても、先般策定した新たな飯南病院改革プランに基づき、本町の医療ニー ズに合わせた体制整備と経営の効率化を図る取り組みを推し進めてまいりま す。 本町の医療政策、地域包括ケアシステム構築にとって、病院事業はその柱で あり、地域住民の安心、生活の向上を目指し、私といたしましても全力で支え る所存でございます。 (地域包括ケア推進局) 次に、地域包括ケアの推進についてでございます。 今年度組織しました地域包括ケア推進局では、住民の皆様とともに、官民一 体となって取り組んでいるところでございます。介護福祉部会による介護福祉 の人材教育や施設の枠を超えた交流などの取り組みは、医療福祉の魅力アップ につながり、今後の人材の確保に結びつくよう推進してまいります。さらに5 年後、10 年後を見据えた医療福祉のあり方を、組織の垣根を越えて、一緒に検 討していくことで、住み慣れた飯南町で、最期までその人らしく生活すること が支えられるよう検討してまいります。 【地域福祉の充実】 次に地域福祉の充実についてでございます。 介護予防、健康づくりに関しましては、飯南町 長生き体操の普及に取り組 んでおり、約1年間で 25 地区約 290 人の方(高齢者人口の約 15%)にご参加い ただいております。自主的に集まり、体操するだけでなく、歌うこと 10 人と話 すことは心身ともに元気になると、住民の皆さんから好評価をいただいており ます。多くの方に体験していただき、健康の維持・増進に役立てていただきた いと思います。 また、介護保険法の改正に伴い、新年度4月から、地域包括ケアシステムの 構築を目的に、地域支援事業の充実に向けて取り組んでまいります。 一つ目は、新しい介護予防、 「日常生活支援総合事業」でございます。全国一 律で提供されていた予防給付(訪問介護と通所介護)が、多様化され実施でき るようになり、事業所の基準を緩和した団体がサービス提供できる仕組みも加 わりました。もちろん、これまでご利用いただいているサービスは続けてご利 用になれます。 二つ目は、包括的支援事業として、在宅医療、介護連携の推進、認知症施策 の推進や生活支援サービスの体制整備などが充実されます。 これを受け本町におきましても、地域包括ケア推進局を中心として在宅医療、 介護の連携のさらなる推進を図ってまいります。また、認知症施策の推進にお きましても、認知症重度化実践塾の取り組みにより、認知症予防やケアの取り 組みが徐々に浸透してきており、今後は認知症地域支援推進員や認知症初期集 中支援チームの活動を推進してまいります。 新たな事業の生活支援サービスの体制整備につきましては、生活支援コーデ ィネーターを配置し、地域の課題を洗い出し、解決のために地域の皆様と話し 合い、支援していく体制を整備します。これは、平成 25 年度から取り組んでき ました「飯南町住みよい地域創造事業」 (小さな拠点づくり)に通じるものがあ り、本町としましては、持続可能な地域として安心して住み続けるために、小 さな町だからこそ可能な、地域で支え合うまちづくりを一体的に進めてまいり たいと考えております。 【高齢者などにやさしい環境づくり】 次に、高齢者にやさしい環境づくりについてでございます。 高齢者の方が、安全で安心した生活を続けていただけるよう、緊急通報シス テムの充実、冬季宿泊センターの開設、大雪対策の除雪費等の補助などを継続 して実施してまいります。 障がいのある方に対しては、社会参加を促すほか、地域で自立した日常生活 や社会生活を送れるよう引き続き支援してまいります。 本町では、障がい者施策を総合的に推進するため、平成 24 年度に策定した「障 がい者福祉計画」 (平成 24 年度から平成 29 年度まで)を基に、主体的な地域活 動への参加、安心して暮らせる社会を目指した障がい者施策への取り組みを進 めております。 新年度においては、現計画の推進を継続しつつ、国や県の関連計画、本町の 11 総合振興計画などを基に、これまでの実績を踏まえ、今後6年間(平成 30 年度 から平成 35 年度まで)に取り組むべき施策の方向性や重点的に推進する事業な どを掲げた基本計画である第3期目の「障がい者福祉計画」並びに実施計画で ある第5期目の「障がい福祉計画」を策定してまいります。 次に「生活環境」についてでございます。 【定住の促進】 はじめに、定住の促進についてでございます。 本年度、定住支援センターを通じたUIターン者数は、3月末までで 50 名を 超える見込みとなっており、昨年度、一昨年度の 40 名を上回る状況であります。 相談件数は昨年度の 240 件を超え 400 件となり、相談件数の増加に比例して、 UIターン者も増える状況となっております。 新年度も、相談体制の強化に努め、本年度作成しました「飯南町定住・子育 て支援パンフレット」も活用しながら総合的なPRにより本町への確実な移住 につなげて行きたいと思っております。 次に、「飯南町人材確保支援センター」の設置についてであります。 本町の有効求人倍率は、昨年 12 月時点で 1.95 倍となっております。多くの 求人数がある一方で求職者数が非常に少ない状況にあるため、人材確保支援を 行う「飯南町人材確保支援センター」を設置することといたしました。 飯南町定住支援センターで行っている無料職業紹介などと連携させるため、 地域振興課内に設置し、町内出身の進学者、出身者、中国地方の大学や短大、 専門学校などとの関係を築き、必要な人材の確保に努めていきたいと考えてお ります。 【公営住宅の整備】 次に、公営住宅の整備についてであります。 老朽化の激しい衣掛団地の建て替えを計画し、これまで用地取得、造成工事、 詳細設計を行ってまいりました。新年度は、住宅建設事業に着手し、マスター プランとも併せ、住宅の集積を図り、若者、UIターン者向けの居住者ニーズ に合った間取り(1DK)や、高齢者に優しい居室を整備してまいります。 【地域公共交通対策】 次に地域公共交通対策についてでございます。 昨年 10 月より頓原地区と来島地区においてデマンド型乗合タクシーの実証運 行を開始したところでございます。 この実証運行をとおして利用実態や課題を整理し、地域住民の皆様や各関係 12 者との調整を進めながら、新年度から本格運行となるよう取り組んでまいりま す。 また、志々地区、赤名地区におきましては、デマンド型乗合タクシーや自治 会輸送の導入の検討を行い、更に便利でより良い運行を目指してまいります。 【国道 54 号活性化対策】 次に、国道 54 号活性化対策についてでございます。 国道 54 号活性化アクションプランの推進として、実行組織である推進協議会 から、山を活用した「地域資源活用プロジェクト」の提案がございました。ま た、本町の歴史を再認識する「飯南町マニアックおもしろ歴史ばなし」が取り まとめられ、町広報でシリーズ掲載されることになっております。 こうした新たな取り組みもはじめられるところであり、国道 54 号の持続的活 用、継続的な地域づくりを進めてまいります。 【簡易水道・下水道の整備】 次に、簡易水道・下水道の整備についてであります。 簡易水道整備事業は、新規事業として佐見地区整備事業、老朽化対策として 杉戸浄水場整備を主な事業とし、佐見地区につきましては、中山地域総合整備 事業により、国の二次補正予算と合わせて事業推進を図ってまいります。 併せて、中央監視装置を新庁舎へ設置し、不測の事態に迅速な対応ができる よう整備したいと考えております。 下水道事業といたしましては、雲南広域連合において、雲南市、奥出雲町と 共同で、平成 25 年度から汚泥共同処理施設整備事業に着手してきたところであ ります。この度、処理施設が完成し、 「雲南クリーンセンター」として新年度よ り供用開始となります。 これにより、下水汚泥のほか、し尿、浄化槽、農業集落排水の全ての汚泥を 集約、一括処理することが可能となり、生活排水処理の効率化が図られるよう になります。 この整備事業は、国土交通省の整備計画においても重点事業と位置付けられ ており、市町村の枠を超えた、全国に先駆けた取組みとして、高く評価されて いるところであります。 なお、旧施設の解体工事等は事業費の関係において工事が繰り延べとなり、 事業全体の完成は新年度となる予定でございます。 【道路網の整備】 次に、道路網の整備についてであります。 現在施工中であります、松本頓原線、頓原長谷線、連担地通学路など改良路 線の進捗を図ると共に、新たな事業として、駐車場川原線、頓原寺沢花栗線、 13 八神千原線について用地測量及び物件補償を行い、頓原拠点複合施設へのアク セスと、周辺利便性の向上、飯南病院へのスムーズな動線づくりと、通学時間 帯の混雑の解消や安全性の向上、そして、バス路線など生活基盤道の利便性を 高めるため、それぞれ一体的に整備する予定でございます。 また、改良系のみならず、長寿命化、法面対策、維持系への対応を進め、生 活道の整備と安全確保に努めてまいります。 なお、平成 26 年度以降社会資本整備交付金の配分率が低下の傾向にあり、事 業、工種を慎重に選びつつ、有効に活用することとし、引き続き要望活動も含 め財源確保に努力する考えでございます。 【中山間地域整備事業】 次に、中山間整備事業についてでございます。 県営事業の中山間地域総合整備事業は、昨年度より事業着手となっており、 真向寺線をはじめ、本年度は向谷線の詳細設計に着手し、社会資本整備交付金 と同様に、東部農林振興センター、雲南県土整備事務所との連携を強め、予算 の確保と整備の促進に努めてまいります。 【情報通信施設の高速化】 次に情報通信施設の高速化についてでございます。 現在運用いたしております情報通信設備の老朽化に対応するため、同軸ケー ブルの光回線化を検討しておりますが、新年度は実施設計を策定することとし ております。 また、雲南市・飯南町事務組合によって上位回線のパイプが太くされること となっており、より利便性が図られると考えております。 【携帯電話不感地域解消】 次に携帯電話不感地域の解消についてでございます。 町内の携帯電話不感地域は、5地区 19 世帯となっていますが、新年度は、長 谷地区7世帯を新たに整備する計画としております。 【防災行政無線施設】 次に防災行政無線施設の整備についてでございます。 防災行政無線施設につきましては、2月下旬から試験放送を行い、概ね3月 末に完成する予定でございます。今回、旧施設からの移行の工事が必要である ことから繰越事業とし、仮変更契約を締結いたしておりますので、議会の議決 をいただきたく、本議会に上程いたしております。 【小型消防ポンプ付普通積載車の整備】 14 次に小型動力ポンプ付積載車の整備についてでございます。 小型動力ポンプ付積載車につきましては、平成元年、2年に整備された車両 2台を、相当年数が経過したことから、更新することといたしました。 【防災体制の整備について】 次に防災体制の整備についてでございます。各地で自然災害が頻発しており、 災害への備えが一層大切となっております。そのため新年度、防災士を養成す ることとしております。防災士とは、社会の様々な場で減災と社会の防災力向 上のために活動するための十分な意識・知識・技能を有する人材として、NPO 法人日本防災士機構が認定することとなっております。今夏、本県においてそ の養成講座が開催されることから、住民の皆様、役場職員の参加を考えており ます。 新年度は、2年に一度の「防災訓練」の年でもありますが、こうした人材の 養成を進め、自主防災組織を育成し「地域防災力の向上」を図ってまいります。 次に「自然環境」についてでございます。 【赤名小水力発電】 はじめに、赤名小水力発電所の再開発についてでございます。 赤名小水力発電所については、地元自治会から水路改修の要望があり、また、 現在の事業主体であるJAしまねより当発電所運営からの撤退方針を受けてお ります。 本年度は、経済産業省の助成事業を活用し今後のあり方について検討し、地 域住民の方へは、現状や発電所に対する基礎的知識なども説明しながら理解を 深めていただき、地元を中心とした検討組織を立ち上げることまでが決まって おります。 今後は、実際の運営主体や改修経費など明らかにする必要があり、調査費を 予算計上しております。 【地球温暖化防止対策の推進】 次に、地球温暖化防止対策の推進についてでございます。 一昨年度フランス・パリで開催されたCOP21(国連気候変動会議)で採択 された「パリ協定」において温室効果ガスの削減目標が定められ、政府により 温室効果ガスを削減する国民運動「COOL CHOICE(クールチョイス)」が推進 されております。 本町といたしましては、新年度「賢い選択 COOL CHOICE」の自治体宣言 を行い、環境省の補助事業も活用しながら、啓発活動、クールビズ・ウォーム 15 ビズの推進、住宅のエコ診断、診断に基づく住宅改修助成、CATVでの番組 放送など行ない、CO2 削減への意識改革、自発的な取り組みを拡大・定着して いきたいと考えております。 【平成 28 年度補正予算の概要】 次に、平成 28 年度補正予算についてでございます。 一般会計補正予算は、総額では、1億7千7百万円余の減額となっておりま す。まず、追加分の主な内訳につきましては、総合戦略推進のための若者女性 応援基金の造成に3千8百万円余。また、国の交付金を申請し内示のあった施 設内の交流スペースと販売スペースを明確に分けるよう整備する酒づくり交流 館整備事業に4千4百万円、年末年始の雪不足による入込客数の減に伴う琴引 スキー場への指定管理料に1千万円余を追加するものでございます。 減額分につきましては、ふるさと納税の減による促進事業2千5百万円余と 合わせ基金積立金5千9百万円余の減が主なものでありその他は、実績見込み に伴う減額補正が殆どであり、観光協会運営事業1千万円、町道松本頓原線整 備事業2千1百万円余の減額のほか、事業の確定及び精算により減額補正を行 うものでございます。 特別会計につきましては、事業費、財源の確定に伴う補正でございますが、 国保会計については、実績による1千8百万円余の増、簡易水道会計について は赤来水道施設更新事業の事業費確定による減額として8千4百万円余を計上 しております。 【平成 29 年度予算の概要】 次に、平成 29 年度当初予算の概要について申し上げます。 国の平成 29 年度地方財政計画におきましては、地方が、地方創生に取り組み つつ安定的に財政運営を行うことができるよう、地方税等の一般財源総額につ いて、本年度並みの水準が確保されたところでございます。 こうしたことから、地方交付税についても、本年度並みの額が確保されるも のとは思われますが、国勢調査の数値が算定に反映されること(影響額5千3 百万円)や、合併算定替えにより割増しとなっていた部分が本年度よりもさら に縮減されること(影響額7千3百万円)、また、大幅な税収増が期待できない ことなどから一般財源の確保が厳しい状況となっております。 一般会計の予算規模は、本年比 2.7%減の 75 億2千1百万円余で、特別会計 を合わせると、本年比 0.4%減の 107 億7千3百万円余を計上したところでござ います。 一般会計の歳入では、町税のうち、町民税は、高齢化の進行、景気の好循環 が地域経済に十分及んでいないことなどを見込んで 0.9%の減、固定資産税は、 16 償却資産増の要素を見込み 2.3%の増、全体では、たばこ税の減額見込みと合わ せてほぼ本年度と同額を見込んだところでございます。 地方交付税については、普通交付税は、当初予算額としては本年度と比較し 1.3%減となる 32 億5千9百万円(4千3百万円減)を計上し、特別交付税の 4億円と併せて 36 億5千9百万円を計上したところでございます。また、交付 税の代替財源である臨時財政対策債は 20.0%減の1億3千4百万円余を計上し ております。 また、特定財源としては道路整備費などのハード整備に充てる7億8千6百 万円余の町債発行を含む 27 億7千万円余を計上しております。 歳出につきましては、第2次総合振興計画を踏まえ、また「3つの守りと3 つの攻め」を具現化する事業として地方創生総合戦略で定めた重点分野に積極 的に予算配分したところでございます。 若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえるための事業としては、結婚・ 出産への祝い金の支給や、夏休み・放課後の児童の子育てをサポートする児童 クラブ運営事業、不妊治療への支援や子ども医療費無料化事業など。 新しい人の流れをつくるための事業としては、定住条件の整備である住宅建 設や地域おこし協力隊の受入れ、定住支援センターの運営に加え、新たに必要 な人材の確保を目的とした人材確保支援センターの設置など。 いきいき暮らせるしごとをつくる事業としては、若者の起業や就業支援を行 うためのビジネスコンテストや6次産業化支援事業等の創業支援事業、観光協 会を中心とした広域観光、誘客事業など。 安心安全に暮らせるまちをつくる事業としては、将来の医療人材を確保する ための助成金や地域包括ケア推進局の体制強化、ICT 教育の推進、学習支援館 の充実や飯南高校支援をはじめとする教育環境づくりへの支援や、生活基盤で ある情報通信施設の高速化や携帯電話の不感地域解消事業、道路網整備事業な ど。 こうした4つの分野 72 事業に9億8千万円余を計上したところでございます。 これらの事業のソフト事業の財源の一部として、昨年度創設した若者女性基金 からの繰入金3千5百万円余、ふるさと応援寄付金からの繰入金4千5百万円 を充当する予定としております。 また、新規事業並びに拡充していく事業と致しましては、地域の拠点として 支所、公民館や図書館の機能を合わせた複合施設として整備する来島拠点施設 整備事業、 「賢い選択 COOL CHOICE」の自治体宣言を行う地球温暖化対策推 進事業、拡大する鳥獣による農作物被害に対し、捕獲奨励金の助成を行う農作 物鳥獣被害対策事業、実施中の松本頓原線、頓原長谷線などに加え新たに寺沢 花栗線等に着手する町道改良事業、本年度本体工事に着手する衣掛団地建設事 業、老朽化した球場の整備を行ない安全に活動が行われるよう実施する社会体 17 育施設修繕工事などが主な事業でございます。 また、公債費の繰り上げ償還を行うために、減債基金の取り崩しを行うこと としたところでございます。 特別会計では、簡易水道会計において、佐見地区整備事業、赤来谷地区統合 簡水事業を引き続き実施し、浄水の安定供給と適切な維持管理を実施してまい ります。また、浄水の安定供給に資するため中央監視装置整備事業を計上し、 前年比 12.8%増の5億5千4百万円余としております。 下水道会計においては、雲南広域連合が実施する汚泥の集約化を目的とした MICS事業が完了いたします。施設の管理費や、個別排水処理施設の整備を 行うこととし、前年比 14.1%減の4億6百万円余としております。 病院事業会計においては、収益的収支予算(第3条予算)、資本的収支予算(第 4条予算)を合わせて前年比 12.1%増の 13 億2千7百万万円余を計上しており ます。これは、電子カルテシステムの更新を行うことなどによるものでござい ます。 以上、町政を運営するにあたっての基本的な考え方と主要施策の概要につい て申し上げましたが、私を先頭に職員一丸となって第2次総合振興計画に掲げ る将来像「笑顔あふれるまち飯南町」の実現を目指してまいります。 議員各位をはじめ、町民の皆様の格別のご理解とご協力を賜り、ご支援をい ただきますよう重ねてお願い申し上げます。 18
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