「繋がりが生み出す新しい子育てのカタチ」(PDF形式:513KB)

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H.28.2.7
繋がりが生み出す新しい子育て
のカタチ
松田恵示
東京学芸大学
※資料の著作権は各発表者に帰属します。無断複製・転載・配布行為はお控えください。
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子育てと「つながり」
n 子育て
→ 「育つ」と「育てる」
「家庭」「学校」「社会(地域・職域)」
n 子育ての「孤立化」
→「家庭」の輪郭、「家の庭」(福沢諭
吉)
Homeの訳語、「つながり」が前提
+ 子どもを取り巻く環境の変化
n
社会構造の変化(情報化・グローバル化・少子高齢化・テクノロジー)
n
遊び時間が減って,忙しくなった
n
IT環境が充実
n
バーチャルな知識が増え,実体験不足
n
親の職業と違う職業に就く
n
豊かさの享受。豊かさを作る過程を知らない
n
人間関係の希薄化
n
経済が右肩下がりの時期に生まれている
n
不確実な時代に安定を求めてしまう
+
「中間領域=
学びの世界」
「育ち」は「出会い」
子どもが経験を通して築く
「自の世界」
子どもの成長
案内人=ガイド
無限に広がる「他の世界」
-学び・遊び・交流・伝統・
地域等-
+
「ガイド」としての大人の役割
n 「自の世界」の付添人
→「世話する」人としての大人
n 「中間領域」のガイド
←家庭
←地域・学校
→「育成する」人としての大人
←地域
n 「他の世界」の代理人
→「見守る」人としての大人
分担と連携 … 子どもは「みんな=地域総がかり(家庭+学校
+地域)」で育てる必要あり
孤立する子育て/育て合う社会へ
+大人との関わりが将来の人間関係モデルに
—
社会関係の3種類
「知らない」「関わらない」
「他」者
…
「知らない」「関わる」
「他」己
…
「知っている」「関わる」
規範性
…
共同性
「他」人
「知らない」→「ルール」…「規範性」
「関わる」
→「親密さ」 …「共同性」
社会性
●メディアの技術革新によるコミュニケーション構造変
容など社会環境の変化大きい →他者を排除する環境へ
他者との出会いの貧困と「育ち」の衰退
+ こどもと大人はものの見方が違う!
も
の
の
見
方
を
柔
軟
に
!
人
に
よ
っ
て
見
え
方
が
違
う
同じ絵
一人一人の「頭の中」
見えない変換装
置=「ものの見
方」
男女
イルカ
+ 「共視」=他者の立場を理解すること
(cf.共視論、北山修)
n「こども」を大切にすること
→自分から見た「こども」理解
n「子ども」の立場を大切にすること
→主体性に共感した「子ども」理解=子育て
+
子育てと「つながり」
大人
(3)
大人
(2)
こども
こども
(1)
+
「つながり」と「生き甲斐」
自
遊び
発(楽しい)
気晴らし
孤立(つま
らない)
つながり
(面白い)
仕事
疎外された労働
強
制(苦しい)
+
「つながり」とは「見方の違う人たち」が
いっしょにやっていくこと
n 子育てにおける「見方の違う立場」
「こどもたち」「夫婦・家族」「学校の先生」「役所の人」
「保護者」「NPO」「企業」「組織・団体」
n 「わかり合えない人」同士が、いっしょにやっていくこと
=「社会」
n 目標を共通に持つところからしか、コミュニケーションはと
れない
n 「目標」でつながる「他者関係」=「知らない人と近さと遠さ
の両面を持って、いっしょにやっていく関係」であることを
自覚する
=チームワーク・ネットワークへ
子育て活動の性質
職域
企業活動としての
「子育て」
収益性
CSRとしての
「子育て」
福利・厚生とし
ての「子育て」
非収益性
NPO活動としての
「子育て」
地域・家庭
ボランティアとしての
「子育て」
家庭での「子育て」
+
支援の輪を広げていくために
n
定期的で効率的な会議(打ち合わせの場)の設定
n
「手間をかけない」コミュニケーション
n
やりとりは、書類に残して
n
共通目標の設定
n
協力内容の線引きと役割確認
n
PDCAサイクルの確立
n
共同作業の実施
n
メンバー内の広報作業の充実、公開性の確保
n
リーダーの存在
+
「大人」にとっての子育ての意味
l 「子育て」を通じて、大人も様々な「つながり」を持つこ
とができる。このことが自分自身の「生きがい」につなが
る
l 大人にとっても子どもは自分を「成長」させてくれる「他
者」
l 子育ての時間、の持つ豊かさ
l このような「子育て」を通じて、地域のコミュニティや社
会が活性化し、住みやすい環境を自分たちで整備すること
に繋がる