東京スクエアガーデン

東京スクエアガーデン
TOKYO SQUARE GARDEN
発注者
設計・監理
施工
第一生命保険㈱、片倉工業㈱、清水地所㈱
ジェイアンドエス保険サービス㈱
日建設計・日本設計委託業務共同企業体
清水・大成設計監理共同企業体
清水・大成新築工事共同企業体
No.10-041-2016作成
環境モデルビルとしての取組み
環境指標
新築
事務所/飲食/物販/その他
省 CO2 モデルビルとしての整備
CASBEE
カテゴリー
本建物のテーマは地域全体を含めた CO2 削減推進
であり、次世代を見据えた都市における多面的な
A. 環境配慮デザイン
B. 省エネ・省CO2技術
C. 各種制度活用
D. 評価技術/FB
E. リニューアル
F. 長寿命化
G. 建物基本性能確保
H. 生産・施工との連携
I. 周辺・地域への配慮
J. 生物多様性
K. その他
環 境 対 策 を 整 備 し、都 市 再 生 へ の 貢 献 に 取 り
太陽光システムの採用
Sランク(2008年版)
東京都建築物
段階3相当
環境計画書制度
CO2削減予測量 約45%(事務所)
(補助金申請時) 約42%(建物全体)
組んだ。
PAL:169MJ/㎡・年
更に総合的な環境負荷低減施策として
①建設段階で採用した省 CO2 技術
次世代の都市型環境モデルビル
②ビル管理者へのBEMS拡充機能
③テナントへの省 CO2 に貢献可能なインター
建物の配置において都市の一般建物のように敷地一杯に
フェース構築により事業主・ビル管理者・テナン
建てるのではなく、中央通り及び北西側の柳通りに対しても
トが三位一体となったエネルギー削減を目指した。
大幅にセットバックさせ、そこに緑豊かなゆとりのある共用
また国土交通省「平成 22 年第 1 回住宅・建築物
空間を設けた。これにより、都市空間を安らぎある空間に
LED照明の採用
断熱・遮熱性の高い外装
Low-e
ガラス
大庇1.8m
太陽光追尾電動
ブラインド
設備システムにおける省CO2技術
・ファン・ポンプのインバータ制御
・高効率、IPMモーターの採用
・事務所のCO2濃度による外気
導入量制御
・VVVF制御、往返温度の大温度差
・駐車場のインバータ制御
自然通風・外気冷房システム
地中熱(自然エネルギー)
利用システムの採用
BEMS(ビル管理システム)の導入
高効率熱源の採用
・テナントサービス機能の採用
による意識付け、啓蒙活動
貫通通路
Corridor
(インバータターボ冷凍機)
事務所の空調課金システム
省 CO2 先導事業」としても採択を受けた。
高効率設備機器
High-efficient
equipment
変える事に大きく貢献し足元の緑化空間が丘のように低層部
(熱計量による課金)
蓄熱槽
Heat storage tank
温度成層型蓄熱システム
を覆いつくして、内部空間を更に豊かにさせた。外装デザイン
入居者が取組む低炭素化サービス(TSS)
としては高層階において、正方形の巨大な板を整然と積層
の開発・導入
させた。
従来の事業者・建物管理者・建設者(設計・施工者)
外観の特徴であるこの大庇が持つ外装システムは、CO2 削減
に加えて入居者(テナント)にも低炭素化に参画
モデルビルとして大きな役割を担っている。ワイド 7.2m、
していただき、これら四者が四位一体(図-3)と
奥行き 1.8mという大型 PC 版による庇の日射遮蔽効果、太陽
なって、次世代の都市型環境モデルビルの実現を
光追尾ブラインド、ペリメータ部の簡易エアフロー、Low-e
目指し、これを促進する取組みを行った。この為
ガラスにより外部負荷の低減を図ると共に、外気導入により
事業者
入居者が、自ら低炭素に取組み、環境要素を操作
空調エネルギーを削減し、日常の通風や発災時の室内環境
し更なる低炭素化の促進を図るサービスの提供
確保に備えた自然換気開口を設けた。また、外気の温湿度
街区
建築・e設備
入居者
管理者
建設者
(京橋 TSS)と建物管理者が取組む次世代の低炭素
状態等が自然換気に有効であることをオフィスワーカーに
化エネルギーサービスシステム(京橋 ACS)を開発・
知らせ省 CO2 を励行するテナントサービスをシステム化して
導入した。
(図-4、5)従来のエネルギーの見え
いる。外観を特徴づけるデザインが環境に配慮した高度な
図ー4 総合的低炭素化へのプロセス
図ー3 四位一体の取組
る化に留まらず、自らが環境要素の設定を変更・
機能を持ち合わせ、深い軒による高層階の穏やかな内部空間
管理することで低炭素化と快適性を両立させ、
と融合して次世代の新しいオフィス環境を実現している。
外観
両者の徹底的な融合が可能となるよう開発に取り
従来 BEMS の造りこみ
組んだ。
「京橋の丘」
ACS(オートコミッショニングシステム)
ビルにおける省 CO2 技術の導入と共に重層的緑化空間「京橋
の 丘」等、緑 豊 か な オ ー プ ン ス ペ ー ス を 低 層 部 に 創 出 し、
TSS 及び ACS 提供によるエネルギー削減効果
ビル利用者だけでなく来街者にも憩いの場を提供し、ヒート
の検証
アイランド対策に寄与する都心のクールスポットを形成して
本建物の 1 次エネルギー消費量のベンチマーク
いる。
は、2009 年東京都業務施設の CO2 排出量平均値
京橋の丘
外装システム
BEMS
の構築
オフィス(7 ~ 24 階)には、重層に連なる大庇を形成した。
→
大型 PC 版が製作可能な 1.8 mx7.2m の庇の日射遮蔽効果と
Low-E ガラスにより外周負荷の徹底的低減を図った(図-1)。
PAL 値としては 169 MJ/m2・年と国内トップクラスの性能を
←
→
年間外皮負荷[GJ/年]
Low-E ガラス
ACS を含めた性能検証による効果は 2.7% であっ
▲1694
たと考えられる。テナントが能動的に設定し、快
462
345
適性向上とのバランスを取りつつ全体としてエネ
293
図ー2 外皮負荷の軽減
建設者
(設計・
施工)
機能)
建物管理者
入居者経営層
に対する
エネルギー支援
機器更新計画
運用改善立案
都市計画・基本設計・監修 日建設計:杉山俊一、都丸聡志、高野明/日本設計:大串辰雄、大庭正俊
撮影:株式会社エスエス
省エネルギー性能
東京都中央区
2013 年
8,131㎡
117,460㎡
S造、SRC造
地下4階、地上24階
コミッショニング
実施設計・監理 清水建設:藤本裕之、嶋田将吾、小坂千里、山田充孝/大成建設:井深誠、渡辺岳彦
すると年間 37% 程度の削減となる。(図-2)
建物データ
(⾃動演算・
エネルギー消費
報告
運用改善実行
図ー5 ACS(オートコミッショニングシステム)の概念
設計担当者 図ー1 オフィス階大庇
ACS
ルギー低減を達成する事ができた。
大庇 1.8m
有し、大庇採用による外皮負荷の削減量は、無しの場合と比較
建設者
(設計・
施工)
官庁届出
・
報告機能
事業者
コミッショニング
報告
た数値で、これに対し TSS 導入により 3.9% の削減、
37%の削減
大庇採用による外皮負荷の徹底的な軽減
所在地
竣工年
敷地面積
延床面積
構造
階数
107 kg-CO2/ ㎡から 1 次エネルギー量を試算し
事業者
PAL削減
43.4 %
53 %
ERR(CASBEE準拠)
CASBEE評価
Sランク
BEE=3.7
2010年度版
自己評価
3.0
100
S
1.5
A
3.7
77
+
BEE=1.0
B
-
B
Q 50
0.5
C
0
0
21
50
L
主要な採用技術(CASBEE準拠)
Q2. 2.
LR1.1.
LR1.2.
LR1.3.
LR1.4.
耐用性・信頼性(集中制震システムの採用)
建物外皮の熱負荷抑制(PAL性能、Low-eペアガラス、庇の深い外装)
自然エネルギー利用(太陽光発電、太陽光追尾ブラインド、自然換気、地中熱利用)
設備システムの高効率化(高効率熱源の採用、温度成層型蓄熱システム、LED照明)
効率的運用(BEMS、テナントサービス機能の採用)
100
サステナブル建築事例集/一般社団法人日本建設業連合会
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