駐在員便り - 日本産業機械工業会

駐在員便り
シカゴ
12 月に入り、シカゴは完全なクリスマスシーズンに入りました。街中はいたるところが
クリスマスのイルミネーションに彩られ、きらびやかな電飾や豪華なオーナメントで装飾
されたクリスマスツリーがクリスマスの雰囲気を盛り上げます。ダウンタウンを周回する
高架鉄道には電飾で装飾されたクリスマス専用車両が走り、高層ビルのライトアップも緑
や赤などのクリスマスカラーとなります。ダウンタウンの真ん中にあるシカゴ市庁舎の前
広場では、毎年恒例の期間限定のクリスマス市が開かれ、連日の寒さにも変わらず、多く
の買い物客で賑わっています。主に、ドイツ系の屋台が軒を連ね、オーナメントなどのク
リスマスツリーの飾りや置物や食器などが販売されています。また、ドイツのソーセージ
やホットワインなどの屋台も出ており、寒さの中で温かい食べ物・飲み物に舌鼓を打つの
もこのクリスマス市の醍醐味になっています。
12 月になるとシカゴの寒さは厳しくなります。今年のシカゴの冬は、暖冬だった昨年か
ら変わり、厳寒の見込みと言われています。とは言え、今年の 11 月の天候を見ると暖冬と
言われた昨年よりむしろ暖かい日が多かったため、今年の冬はそれほど寒くはないのでは
と油断していましたが、最近は最高気温が氷点下となる日々が続き、気象予報の正しさを
裏付けています。早速、12 月半ばには当地の気温で華氏 0 度(摂氏でマイナス 18 度)の
予報が出ており、とうとうシカゴの本格的な冬シーズンが来たかと思っています。
さて、11 月末は米国ではサンクスギビング(感謝祭)のシーズンです。サンクスギビン
グは土日と合わせて 4 連休となるため、多くの米国人が他の休暇を合わせて長めの休みを
取り、実家で家族と過ごすべく帰省します。日本の年末年始の帰省をイメージしていただ
ければ分かりやすいかと思います。この時期がアメリカ人の国内移動のピークであり、今
年は、移動距離が 50 マイル超(約 80 キロメートル超)の旅行者は約 4,870 万人と予想さ
れています。もちろん、空港は旅行者で非常に混雑しますしフライトの搭乗率は 95%を超
えてきます。また、高速道路は普段の車に加え、他州からの車が入るため非常に渋滞しま
す。移動者のうちの約 9 割が車で移動するとのことなので、高速道路の渋滞ぶりも理解で
きると言うものです。
日本では、正月明けが初売りのタイミングですが、米国でもサンクスギビング明けの金
曜日がブラックフライデーと呼ばれる伝統的な年末セールの開始日となっています。また、
オンライン販売が当たり前となった近年では、サンクスギビング明けの月曜日もサイバー
マンデーと呼ばれ、サンクスギビングの帰省から戻ってきた人達がオンライン上でのショ
ッピングを始める日として、もうひとつのセール開始のタイミングとされています。とこ
ろが、ここ数年その状況に少し変化が起きています。
今年の年末セールは、ウォルマートやターゲットなどの大手小売店を中心とした多くの
小売店がブラックフライデーを待たずにオンライン上で販売セールを開始しました。オン
ラインストアによっては 1 週間前から開始したところもあります。また、店頭でのセール
開始も、年々早まっています。従来はサンクスギビングの木曜日は店舗はお休みとなり、
― 103 ―
翌日のブラックフライデーの早朝から販売を開始するのが多かったのですが、近年は、多
くの店舗がサンクスギビングの夕方からブラックフライデーセールを開始するなど、セー
ルの前倒し化が進んでいます。
ここ数年のブラックフライデーセールでの販売の傾向を見ると、店舗での販売が落ち、
オンラインでの販売額が上昇しています。全米小売業協会の発表によると、サンクスギビ
ングの週末 4 日間の消費者の平均支出額は、昨年を 3.5%下回ったとされていますが、一方
で、オンラインでの販売額は前年比から 21.6%増となり、そのうち、三分の一がモバイル
端末からの注文となったそうです。若い世代を中心にスマートフォンやタブレット端末で
の買い物が進んでいます。セール開始の前倒しによる販売の分散化やオンライン購入の増
加など、今後もこの傾向は続きそうです。年末セールの売上げの数値もブラックフライデ
ーの売り上げではなく、もう少し広く前後の期間を含めた数値で捉える必要がありそうで
す。ちなみに、米アマゾンによると、今年の年末セールでの人気販売製品は、タブレット
型端末(iPad など)、高性能ゲーム機(プレイステーション 4、XBOX)、高画質テレビ(4K テ
レビ)だそうです。
クリスマスがシーズンが過ぎると 2016 年も残りわずかとなります。学生時代を含めると、
アメリカでの年越しは今回で 4 回目となりますが、その時々で違う感じを体験しています。
初めて米国を訪れた 2001 年の年越しは、ニューヨークで 9.11 のテロで壊されたワールド
トレードセンタービルの残骸や周辺の半壊したビルを見て戦慄を覚えました。2008 年の年
越しはリーマンショックで米国経済が傾く中、大統領選で初の黒人の大統領であるオバマ
氏が選出され、アメリカ中が大きな変革を起こそうというエネルギーに包まれる雰囲気を
感じました。今回の 2016 年の年越しは、8 年前と同様の大統領が変わるタイミングとなり
ましたが、前回と違い変革の雰囲気をあまり肌で感じられていません。むしろ、何か起こ
るか分からないという非常にもやもやした感があります。いずれにせよ、年が明ければ、
米国は新たな大統領を得て新たな一歩を進むこととなります。2017 年は、新たな米国の一
面を皆様に送り届けられればと思っています。2016 年は大変お世話になりました。皆様が
良い新年を迎えられますことをお祈りします。
ジェトロ・シカゴ事務所
産業機械部
― 104 ―
高橋
貴洋
写真1:シカゴ市庁舎前のクリスマス市「Christkindlmarket」
(11 月中旬からクリスマスイブまで開催しているマーケットです。)
写真2:2016 年のシカゴ公式クリスマスツリー
(11 月半ばの点灯式には寒さにも関わらず毎年多くのシカゴ市民が集まります。)
― 105 ―