序 論 第1章 総合計画のフレーム 第2章 市の概要 第1部 第1章 1 序 論 総合計画のフレーム 趣旨と目的 総合計画とは、都道府県や市町村などの地方自治体が定める最も上位に位置する計画であ り、と りわけ 、住民 に最 も身近 な自 治体 であ る市 町村が 定め る総 合計 画は 、暮ら しと生 活を 取 り巻く さま ざま な事 柄を 対象と する 総合 的な まち づくり の計 画で す。 本市に おい ても 、 2005(平成 17)年 度に 2014(平成 26) 年度 を 目標年 次と する 「第 1次宇 城市 総合 計画 」を 策定し 、これ に沿 ってま ちづく りの 諸施 策を 展開 してき まし た 。ま た、 第1 次総 合 計画 重 点プ ロ ジェ クト と して 、 2016(平 成 28) 年度 を 目標 年次 とし て 「可 能性 への追 求プ ロジ ェク ト」 を 2013(平成 25)年 度に掲 げま した が、 この 度、本 プロ ジェ クト が目標 年度 を迎 えま した 。 そこ で 、 2017( 平成 29)年 度 から のま ち づく りの ビジ ョ ンを 示 す指 針 が必 要と な るた め に策定 する もの で、熊 本 地震か らの 復旧・復興 を 最重要 課題 とし て位 置付 け、イ ンフラ の早 期 復旧と 地域 経済 の早 期復 興、そ して 市民 生活 の早 期再建 を最 優先 した 考え 方で計 画を 策定 しま す。 2 性格と役割 第2次 宇城 市総 合計 画は 、市 民と 行政が 協働 して 総括的 かつ 計画 的に 行財 政運営 を行 うた め の市政 の基 本方 針と して の性格 を持 つも ので 、本 市にお いて の最 上位 の計 画とし て位 置付 けま す。 また、この 計画 は長 期的 な展望 のも とに 本市 の目 指すべ き姿 を描 き、これ を実現 する ため の 基本的 な方 策を 明ら かに したも ので 、次 のよ うな 役割を 持っ てい ます 。 ● 本 市の 将来 像と それ を達成 する ため の市 政方 針を総 合的 かつ 体系 的に 示し、計画 的に 市政 を運営 して いく ため の指 針とな るも ので す。 ● 市 民を はじ め各 種団 体や企 業な どに 対し 市政 運営の 指針 を示 し、理解 と協力 を得 なが らま ちづく りへ の自 発的 な参 画を求 める もの です 。 ● 国 や県 に対 して は、本市の 主体 的な まち づく りの方 向性 を明 らか にし 、計画 の実 現に 向け て積極 的な 支援 と協 力を 要請す るも ので す。 3 構成と期間 第2次 宇城 市総 合計 画は 「基本 構想 」と 「基 本計 画」お よび 「実 施計 画」 で構成 しま す。 (1) 基本 構想 基本構 想は 、本 市が 目指 す総合 的か つ長 期的 展望 に立っ たま ちづ くり の方 向性を 示す もの で す。こ の方向 性は、基本 理念に 基づ いた 基本 目標 を達成 する ため、目指 す べき将 来都 市像 に向 かって 必要 な基 本施 策を 定めた もの です 。 計画期 間は 2017( 平 成 29)年 度を 初年度 と し、 2024(平 成 36) 年度を 目標 年度 とす る 8 年間と しま す。 - 8 - 第1部 序論 (2) 基本 計画 基本構 想で 示す まち づく りの方 向性 に基 づき 、将 来都市 像の 実現 に向 けて 目標を 達成 する た めの基 本施 策を 具体 化し て、そ の方 向性 を明 確に したも ので す。 計画期 間は 2017( 平 成 29)年 度を 初年度 と し、 2020(平 成 32) 年度を 目標 年度 とす る4年 間の 計画 を前 期基 本計画 、2021( 平成 33)年度 を初 年度 とし 、2024(平成 36)年 度を目 標年 度と する 4年 間の計 画を 後期 基本 計画 と位置 付け ます 。 なお 、後期 基本 計画 の策 定に当 たっ ては 、前 期基 本計画 が終 了す る前 年度 に当た る 2019(平 成 31)年 度に策 定す る ものと しま す。 (3) 実施 計画 本計画 を推 進す るた めの 具体的 な取 り組 みに つい て明記 した もの であ り、基本計 画に 基づ く 行財政 の執 行計 画に 沿っ て計画 しま す。なお、実 施計画 の計 画期 間は 3 年間と し、行財 政状況 の変化 に対 応す るた め毎 年度見 直し を図 りま す。 基本構想(8年間) 前期基本計画(4年間) 後期基本計画(4年間) 実施計画(3年間) (ローリング方式) 実施計画(3年間) 実施計画(3年間) 市 将 来 都 市 像 計画期間(8年間) 2017( 平 成 29) 年 度 第2章 1 2021( 平 成 33) 年 度 2024( 平 成 36) 年 度 市の概要 位置・地勢と面積 熊本県 のほ ぼ中 央に 位置 し、九 州の 経済 大動 脈で ある国 道 3 号と 西は 天 草、東 は宮 崎県 延岡 市への 結束 点と いう 地理 的条件 に恵 まれ 、有 明海 と不知 火海 に挟 まれ た宇 土半島 部と 九州 山地 へ連な る中 山間 部、さら にその 間に 熊本 都市 圏に 接する 平野 部を 有し 、変 化に富 んだ 自然 環境 と都市 機能 を併 せ持 った 地域で す。 東西 約 31.2km、南北 約 13.7km で 188.61 平方キ ロメ ート ルの 面積 を有し てい ます 。地 目別に 見る と、民有 地の 約 30%が 山林原 野、約 34%が農 地、約 7%が 宅地 、その 他道 路・湖 沼・河 川な どが約 29% となっ てい ます 。 - 9 - 第1部 2 序論 交通アクセス 鉄道は 、JR 鹿 児島 本線 と JR 三角 線が 走っ てお り、熊 本駅 から 松橋駅 ま で 17 分、三 角駅 ま で 52 分、松 橋駅 から 八 代駅ま では 19 分 で結 ば れてい ます 。 道路については、国道3号が南北に走り、市の中心部から東は宮崎県延岡市へと続く国道 218 号、西 は三 角を 経 て天草 へ続 く国道 266 号が走 って いま す 。また 、九 州自 動車 道が 南北 に走り 、国 道 218 号と 交差す る地 点に は松 橋イ ンター チェ ンジ ( IC) が 立地し 、益 城熊 本空 港 IC まで 約 15 分、 太 宰府 IC ま で約 80 分 で 結ばれ てい ます 。 2015(平成 27)年 3 月 に は宇城 市で 2 カ 所目 と なるイ ンタ ーチ ェン ジ「 宇城氷 川 ス マート IC(※)」が完 成し まし た。 3 沿革・歴史 豊かな 自然 と温 暖な 気候 風土に よっ て、縄 文、弥 生時代 から 生産 活動、文 化活動 が営 まれて きま した 。 1954(昭 和 29) 年、 町村 合 併に よっ て、 旧 松橋 町 、豊 川 村、 豊福 村 、当 尾 村が 松橋町 に、1955(昭和 30)年に旧 三角 町、戸 馳村、郡 浦村、大岳 村が 三角町 に、1956(昭 和 31)年 に不 知火 村と 松合町 が不 知火 町に 、1958(昭和 33)年 に旧 小川町 、益南村 、海東 村が小 川町 とな りま した 。豊野 町は 1889( 明 治 22)年 の町村 制施 行 により 豊野 村と なっ て 以来そ の区 域は 変わ らず 、 2000(平成 12)年 に町制 を施 行し まし た。 そして 2005( 平成 17)年 1 月 15 日、5 町 の 合併に より「宇城 市」が 誕生し 現在 に至っ ていま す。 - 10 - 第1部 人口 平成 2 年 5年間の人口増減 総数 男性 女性 増減数 増減率 (人) (人) (人) (人 ) (%) 63,401 29,765 33,636 ▲ 261 ▲ 0.41 世帯数 (世帯) 17,916 平成 7 年 64,008 30,102 33,906 607 0.96 18,912 平 成 12 年 63,968 30,036 33,932 ▲ 40 ▲ 0.06 平 成 17 年 63,089 29,693 33,396 ▲ 879 平 成 22 年 61,878 29,031 32,847 平 成 27 年 59,756 28,121 31,635 1世帯 1 ㎢あたり 平均人 人口密度 数 (人) 3.54 (人) 336.3 序論 面積 (㎢) 188.50 3.38 339.6 188.50 19,951 3.21 339.3 188.51 ▲ 1.37 20,643 3.06 334.6 188.55 ▲ 1,211 ▲ 1.92 21,077 2.94 328.2 188.56 ▲ 2,122 ▲ 3.43 21,432 2.79 316.8 188.61 資料:総務省「国勢調査」 - 11 - 第1部 5 序論 財政の状況 本市で はこ れま で、政策 課題事 業の 優先 順位 のし ゅん別 や財 源の 重点 化な どによ り、自主 的な 財政健 全化 に向 けて 取り 組んで きま した 。し かし 、人口 減少・少 子高 齢化 などの 構造 的課 題や 戸 馳大橋 架替 事業 など の大 型建設 事業 によ る財 政需 要の増 加、 公共 施設 の老 朽化に 伴う 維持 管理 ・ 建替費 用の 増大 など 新た な課題 への 対応 が必 要で す。ま た、財政 状況 につ いては 市税 収入 など の 自主財 源が 約 3 割に と どまり、国県 への 依存 度 が大き く厳 しい 状態 にあ ります。特に 平成 27 年 度から の合 併特 例期 間終 了以降 は地 方交 付税 が減 少し財 政状 況が さら に厳 しくな って いま す。 加 えて、熊 本地 震と 豪雨 被 害から の復 旧・復 興に 多 くの財 源が 必要 とな り、今後は、この 限ら れた 財源の 中で いか に効 率的 で効果 的な 行政 運営 を行 ってい くか が喫 緊の 課題 となっ てい ます 。 (1)歳 入 (単位:千円、%) 1 市税 2 地方譲与税 3 2015( 平 成 27) 年 度 2005( 平 成 17) 年 度 決 算 額 ( A) 決 算 額 ( B) 構成比 比較 構成比 ( A)-( B) 5,798,416 19.2 5,139,414 20.9 659,002 304,069 1.0 623,978 2.5 ▲ 319,909 利子割交付金 7,475 0.0 25,551 0.1 ▲ 18,076 4 配当割交付金 27,064 0.1 7,559 0.0 19,505 5 株式等譲渡所得割交付金 23,061 0.1 10,348 0.0 12,713 6 地方消費税交付金 1,167,782 3.9 577,964 2.4 589,818 7 ゴルフ場利用税交付金 39,747 0.1 51,256 0.2 ▲ 11,509 8 自動車取得税交付金 40,951 0.1 131,779 0.5 ▲ 90,828 9 地方特例交付金 20,693 0.1 149,747 0.6 ▲ 129,054 11,211,298 37.2 9,789,219 39.9 1,422,079 18,640,556 61.8 16,506,815 67.1 2,133,741 8,732 0.0 11,630 0.0 ▲ 2,898 10 地方交付税 ( 一般財源計 ) 11 交通安全対策特別交付金 12 分担金および負担金 264,859 0.9 467,998 1.9 ▲ 203,139 13 使用料および手数料 370,742 1.2 405,834 1.7 ▲ 35,092 14 国庫支出金 4,331,070 14.4 2,118,491 8.6 2,212,579 15 県支出金 2,139,909 7.1 1,465,000 6.0 674,909 16 財産収入 116,088 0.4 24,327 0.1 91,761 17 寄附金 18,684 0.1 1,010 0.0 17,674 18 繰入金 321,323 1.1 919,443 3.7 ▲ 598,120 19 繰越金 1,015,611 3.4 234,587 1.0 781,024 20 諸収入 497,219 1.6 381,811 1.6 115,408 21 市債 2,446,100 8.1 2,005,800 8.2 440,300 30,170,893 100.0 24,542,746 100.0 5,628,147 歳入合計 - 12 - 第1部 序論 (2) 歳出 (単位:千円、%) 目的別 2015( 平 成 27) 年 度 決 算 額 ( A) 構成比 2005( 平 成 17) 年 度 決 算 額 ( B) 構成比 比較 ( A)-( B) 1 議会費 231,682 0.8 418,709 1.8 ▲ 187,027 2 総務費 3,629,862 12.7 3,086,387 13.1 543,475 3 民生費 9,679,164 33.9 6,924,505 29.4 2,754,659 4 衛生費 2,097,286 7.3 2,353,080 10.0 ▲ 255,794 5 労働費 0 0.0 0 0.0 0 6 農林水産費 1,260,808 4.4 2,010,376 8.5 ▲ 749,568 7 商工費 659,045 2.3 369,071 1.6 289,974 8 土木費 3,127,758 11.0 1,901,573 8.1 1,226,185 9 消防費 953,566 3.3 964,627 4.1 ▲ 11,061 10 教育費 2,188,412 7.7 2,058,975 8.7 129,437 11 災害復旧費 355,361 1.2 144,505 0.6 210,856 12 公債費 4,406,777 15.4 3,338,912 14.2 1,067,865 28,589,721 100.0 23,570,720 100.0 5,019,001 歳出合計 (単位:千円、%) 2015( 平 成 27) 年 度 2005( 平 成 17) 年 度 決算額(A) 決算額(B) 比較 性質別 1 義務的経費 構成比 構成比 ( A )-( B ) 15,009,128 52.5 12,087,968 51.2 2,921,160 ( 1) 人 件 費 4,754,061 16.6 5,527,263 23.4 ▲ 773,202 ( 2) 扶 助 費 5,848,290 20.5 3,368,814 14.3 2,479,476 ( 3) 公 債 費 4,406,777 15.4 3,191,891 13.5 1,214,886 2 3,356,111 11.7 2,578,908 48.7 777,203 ( 1) 普 通 建 設 事 業 費 3,000,750 10.5 2,434,403 10.3 566,347 ( 2) 災 害 復 旧 事 業 費 355,361 1.2 144,505 0.6 210,856 2,624,725 9.2 2,254,392 9.6 370,333 503,730 1.8 129,463 0.5 374,267 3,475,984 12.2 3,174,145 13.5 301,839 投資的経費 3 物件費 4 維持補修費 5 補助費等 6 積立金 756,738 2.6 1,019 0.0 755,719 7 投資・出資・貸付金 173,366 0.6 48,416 0.2 124,950 8 繰出金 2,689,939 9.4 3,296,409 14.0 ▲ 606,470 28,589,721 100.0 23,570,720 100.0 5,019,001 歳出合計 - 13 - 第1部 6 序論 まちづくりの主要課題 (1)安 全で 安心 できる 都市基 盤 熊本地震をはじめとした大規模な自然災害が今後も起こりうる可能性に対して市民の不安 は広が って いま す。こ う したこ とか ら、消 防・防 災体制 の充 実や 緊急 時に おける 救急・救助 体 制の充 実と とも に、地域 ぐるみ で自 助や 共助 など による 地域 防災 の推 進、安全で 安心 な生 活を 約束す る災 害に 強い 都市 基盤の 整備 が求 めら れて います 。 (2)地 域人 材を 生かす 産業基 盤 バブル 崩壊 後続 く景 気の 低迷や 厳し い雇 用・労働 情勢の 中、本市 で生 まれ 育った 若年 層の 定 住につ なが る雇 用の 確保 ととも に、退職 後の 雇用 対策も 問題 とな って おり 、一層 の取 り組 み強 化 が重 要 で す。 新 た な 産 業 の創 出 や コミ ュ ニ テ ィ ー ビジ ネ ス (※)の 支 援な ど 、意 欲 と 能力 の あ る人々 が新 しい 取り 組み に挑戦 でき る支 援体 制を 整える こと が求 めら れて います 。 (3) 安心 して 暮ら せる 生活基 盤 本市で は人 口減 少や 若年 層の流 出が 続く 一方 で高 齢化は さら に進 むと 予測 されて おり 、こ の ままで は地 域の 活力 低下 が懸念 され ます 。こ うし たこと から 、子 ども を安 心 して 生み 育て る子 育て環 境の 支援 や教 育環 境の充 実、 また 、市 民一 人ひと りが 地域 でい きい きと暮 らせ るよ う、 共に支 え合 って いく 仕組 みづく りや 高齢 者の 生き がいづ くり など が求 めら れてい ます 。 (4) 豊か な自 然と 共生 する生 活空 間 本 市に とっ て豊 かな 自然環 境は 大切 な財 産で す。特 に、都市 機能 との 調和が 生み 出す“ち ょ うどい い! ”生 活空 間は 、定住 意向 の大 きな 要素 にもな って おり 、今 後も 適切に 保全 して いく 必要が あり ます 。ま た、観光資 源や 環境 教育 への 活用、都市 景観 の形 成な どにつ なげ てい くこ とが求 めら れて いま す。 (5) 限ら れた 財源 を生 かす行 政基 盤 厳しい 財政 状況 の中、こ れまで の行 政サ ービ ス水 準を保 ちつ つ、市 民に と って“ ちょう どい い!”都市(ま ち)づく りを実 現す るた めに は、効率的 でよ り効 果的 な地 域経営 を進 め、施策 の選択 と重 点化 を図 りな がら、限ら れた 財政 資源 で最大 の成 果に 向け た行 財政改 革に よる 行政 運営が 求め られ てい ます 。 (6) 官民 協働 によ る地 域経営 今後の まち づく りに おい ては、市民 と行 政に よる 協働体 制の 強化 、市 民参 画によ る官 民協 働 型の推 進体 制の 構築 が必 要です 。また 、行政 運営 におい て も、市民 の信 頼 を得て 協働 のま ちづ くりに 取り 組む こと ので きる職 員の 育成 、効 率的 に地域 との 連携 を図 って いくた めの 組織 機構 の整備 が求 めら れて いま す。 - 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