日本の景気配慮型政策運営と欧州政治情勢

藤戸レポート
日本の景気配慮型政策運営と欧州政治情勢
ギリシャ、レバノンよりも財
政が疲弊している日本?
(表1)
政府一般債務の対GDP比率
2017 年 2 月 27 日
日本の財政健全化が課題となって、既に長い歳月がたつ。IMF(国際通
貨基金)の2016年10月発表のデータによれば、政府一般債務の対GDP比
率において、ワーストランキングは以下の通りである(表1)。
順位
国名
債務対GDP比率(%)
地域
順位
国名
債務対GDP比率(%)
地域
1
2
3
4
日本
ギリシャ
レバノン
イタリア
247.98
176.94
138.41
132.71
アジア
欧州
中東
欧州
11
12
13
14
米国
バルバドス
シンガポール
アンティグア
105.15
104.96
104.75
104.36
北米
中南米
アジア
中南米
5
6
7
8
9
10
ポルトガル
エリトリア
カーボヴェルデ
ジャマイカ
キプロス
ベルギー
128.98
127.13
120.54
120.39
108.87
106.05
欧州
アフリカ
アフリカ
中南米
欧州
欧州
15
16
17
18
19
20
スペイン
フランス
ブータン
ヨルダン
ガンビア
カナダ
99.26
96.14
94.80
93.39
91.64
91.50
欧州
欧州
アジア
中東
アフリカ
北米
(出所)IMF World Economic Outlook 2015年基準
世界185ヵ国中のワーストランキングだが、日本人にとっては馴染みの薄
いアフリカや中南米の国々に交じって、米国や欧州諸国も上位にあるのが
目に付く。しかし、何よりも突出した極端な数値が日本である。恒例となった
財政危機で揺れ動くギリシャや、シーア派イスラム原理主義のヒズボラに占
拠されて内戦が続くレバノンを超越して、ダントツの1位である。単純に数値
だけを見ると、明日にも日本が崩壊するかの如き状況だ。書店には「財政破
綻」や「日本国債暴落」といったセンセーショナルな見出しの本が多数並ん
でいる。しかし、冷静に考えれば、日本が混迷するギリシャや瓦礫の山と化
したレバノン以上に悪いとの評価に、違和感を抱かれる方も多いことだろ
う。実態とは乖離した数値との印象が残る。
CDSではAAA国を上回る信用
(表2)
各国のCDSスプレッド
※無登録格付け会社による無登録格付け。
詳細は巻末参照
今度は、各国債のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)スプレッドを見て
みよう(表2)。高ければ高いほどデフォルト・リスクが深刻と見る数値である。
国名
CDS(bp)
フィッチ格付
国名
CDS(bp)
フィッチ格付
ギリシャ
1057.1
CCC
英国
30.0
AA
レバノン
ポルトガル
イタリア
スペイン
428.6
303.0
194.1
80.9
BBB+
BBB+
BBB+
米国
ドイツ
日本
デンマーク
24.6
24.3
23.9
20.9
AAA
AAA
A
AAA
フランス
オランダ
65.0
30.9
AA
AAA
スウェーデン
ノルウェー
20.7
19.8
AAA
AAA
(出所)ブルームバーグのCMANデータ。2/23時点
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
2017 年 2 月 27 日
ストラテジー
マーケット分析
ワースト上位のメンバーは上記の表と同様である。ところが、スペイン、フ
ランスと続いた後に、財政健全国がズラリと並んでいるが、なんと日本が米
国やドイツよりも高い評価である。「財政破綻」どころか、投資のプロから日
本国債は、AAA格付国さえ凌駕する最大級の信頼を得ているのだ。
25年連続で世界最大の債権国
(グラフ1)
対外純資産残高
世界一の日本
このジキルとハイドの如き正反対の評価は、どこから生まれているのか?
政府一般債務の対GDP比率は、10年、20年、30年といった長期的視点で
のリスクである。一方、国債のCDSスプレッドは、5年国債が対象であり、比
較的中期のリスクと捉えることができる。ただし、それだけでは十分な説明に
はならない。南欧諸国やレバノンの評価は、債務比率とCDSスプレッドがほ
ぼ一致している。一つの理由は、日本が世界最大の債権国でもある事実
だ。財務省によると、2015年末の対外資産残高は948兆7,290億円、対外負
債残高は609兆4,660億円で、ネットの対外純資産残高は339兆2,630億円
に達する。これで、25年連続の世界一である。2位のドイツ195兆円、3位中
国192兆円(年末為替で換算。当時は1ドル=120円台の円安水準だった)
と比べても、傑出した存在であることが分かる(グラフ1)。対外純資産残高の
推移を見ても、2014年のピーク366兆8,560億円からは若干減少したが、
1980年台後半からは増加トレンドが鮮明化していることが分かる。また、政
府一般債務の対GDP比率に関しては、国有資産の視点が欠けているとの
指摘も、しばしば起きている。負債にのみ焦点を当てて、資産を無視してい
るとのロジックである。すぐに売却は不能の有形固定資産は別にしても、地
方公共団体や政府系金融機関等への貸付金や出資金、株式、預金等を
含めて考えるべきで、「借金1,000兆円」のみをフォーカスするのは妥当では
ないとの見方だ。
各国の対外純資産(2015年末)
日本
339.3
ドイツ
195.2
中国
192.4
香港
118.0
ノルウェー
85.3
カナダ
56.9
ロシア
37.8
英国
フランス
イタリア
-11.8
-49.9
(出所)財務省のデータよりMUMSS作成
-57.2
-100.0
-50.0
0.0
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
2
50.0
100.0
150.0
200.0
250.0
300.0
350.0
(兆円)
400.0
2017 年 2 月 27 日
ストラテジー
マーケット分析
独以上の評価は安倍政権の勲
章
(グラフ2)
ドイツに並ぶ
日本のCDSスプレッド
ここで、財政問題の「迷路」に踏み込むつもりはない。しかし、投資の観点
から見た場合には、「借金1,000兆円→国債暴落→超円安→株価暴落」と
いったセンセーショナル本は、「百害あって一利なし」である。日本国債の
CDSスプレッドの推移を見ると、2008年のリーマン・ショックによる世界的な
信用リスクの高まりで、上昇を始めたことが分かる。この前後から、胡散臭い
雑誌だけではなく、主要なメディアでも財政の疲弊に関する報道が目立ち
始めた。ヘッジファンドの中には、「国債暴落論」に乗って日本国債の空売
りを展開する向きもあった。2011年3月の東日本大震災の惨害は、この論調
を敷衍させた。2007年8月には僅か2.3bpに過ぎなかったが、2011年10月
(ユーロ危機時)には154.7bpまで上昇する局面があった。実は、政治的に
見ると、日本国債の信用リスクが高まった時期は、民主党政権と重なる。鳩
山首相の就任が2009年9月、その後菅直人政権を挟んで、野田政権が瓦
解したのが2012年12月である。リーマン・ショック、大震災、ユーロ危機と困
難な状況にあったことは事実だが、政策運営への投資家の不安があったこ
とも否定できない。第2次安倍政権の成立は2012年12月だが、日本国債の
CDSスプレッドは、その後ほぼ一貫して低下傾向を続けた。ドイツ以上の評
価の獲得は、安倍政権の勲章でもある(グラフ2)。
日本とドイツのCDSスプレッド
(bp)
160.0
(出所)BloombergのデータをもとにMUMSS作成
140.0
120.0
安倍政権
誕生
(2012/12/26)
100.0
80.0
日本
60.0
40.0
20.0
ドイツ
0.0
2012/1
景気配慮型の政策運営が必要
2012/10
2013/7
2014/4
2015/1
2015/11
2016/8
足下で、再び財政問題を扱う記事が増えたのは、内閣府による「中長期
の経済財政に関する試算」で、2020年度のプライマリー・バランス(基礎的
財政収支)の赤字が8.3兆円に拡大することが示されたためだ。昨年7月の
試算では、2020年度は5.5兆円の赤字とされていた。最大の要因は、円高
等による税収の伸び悩みである。したがって、メディアのトーンが、再び緊
縮路線を掲げる動きへと強まっているのだ。確かに、野放図な財政赤字拡
大が容認されるはずがない。ただし、財政健全化は10年単位で行うべき国
家の大計であるが、景気は生き物であり、今の緩慢な浮揚力で手を抜けば、
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3
2017 年 2 月 27 日
ストラテジー
マーケット分析
再び縮小均衡の悪循環に陥るリスクがあると考えている。OECD(経済協力
開発機構)の見通しでは、日本の実質成長率は2017年1.0%・2018年0.8%で
ある。IMFはさらに厳しく、2017年0.8%・2018年0.5%に過ぎない(グラフ3、4)。
日本の民間エコノミスト41名によるESPフォーキャスト調査(2月)でも、2017
年度は1.16%・2018年度1.06%である。つまり、度重なる補正予算、消費増税
の先送りを実施しても、日本経済は良くて1%程度の成長に過ぎないのだ。
外部環境の悪化があれば、IMFシナリオのように0%台半ばと、事実上横ば
いに陥るリスクも少なからずある。財政健全化にウェイトを掛け過ぎると、脆
弱な回復力を減耗させることになるのだ。したがって、現状では、より景気配
慮型の政策運営を継続する必要があるものと考えている。トランプ政権が打
ち出す大胆なグロース戦略と、日本の景気刺激策の相乗効果がないと、本
格的な浮揚は難しいものと思われる。
(グラフ3)
OECDは2017年の
日本の実質GDPは+1.0%予想
(グラフ4)
IMFは+0.8%と
厳しめ予想
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4
2017 年 2 月 27 日
ストラテジー
マーケット分析
極右政党が台頭するオランダ
(グラフ5)
極右・超保守の自由党躍進が
予想されるオランダ総選挙
海外に目を転じると、欧州選挙シーズンがオランダ(3/15)で始まる。ま
ず、オランダの政治情勢を整理しておこう。オランダ第2院(下院)の議席数
は150であるが、政党の乱立傾向が強い。2012年の前回選挙でも、①自民
党41、②労働党36、③社会党15、④キリスト教民主アピール13、⑤自由党
12、等々で以下も少数政党が多い。2012年は、①+②の連立で、かろうじ
て過半数に達して組閣することができた。ところが、足下の世論調査では、
極右・超保守の自由党躍進の可能性が高まっている(グラフ5)。議席数は30
~35議席の獲得が想定され、第1党になるのが濃厚だ。党首のヘルト・ウィ
ルダース氏は、反イスラム、イスラム教国からの移民禁止を掲げ、イスラム教
の聖典コーランも「ファシストの書物」として発禁処分にすべきとの極論を展
開している。この極右政党が、反移民感情に乗って第1党になる可能性は、
欧州病弊の深刻さの象徴である。しかし、たとえ第1党になったところで、連
立を組む相手政党は見出し難い。したがって、大幅に議席減が予想されて
はいるが、自民党が5~6党程度の連立を組む可能性を指摘されている。政
治的混迷は続きそうだが、オランダ国債のCDSスプレッドは30bp台に留まっ
ており、相場への影響は極めて限定的だ。
(%)
45
世論調査に基づくオランダの政党別予想獲得議席数
40
現政権与党
35
2012年総選挙
30
最近の世論調査結果
(17/1/29時点)
25
20
15
10
5
0
出所:PeilのデータをもとにMUMSS作成
オランダ混迷の相場への影響
は限定的
ユーロ危機等に象徴される欧州問題は、直接的な日本への影響よりも、
投資マネー・フローの変化をもたらす点で要注目となる。昨年6月の英国国
民投票の結果で、日経平均が6/24安値14,864円まで沈んだのは記憶に新
しい。ユーロ危機の端緒となったギリシャ危機でも、日本から見れば遠い異
国の感が強かったが、結局世界的な混乱を招いた。つまり、投資家のスタン
スが、「リスク・オフ・モード」に傾斜してしまえば、日本株と雖も巻き込まれて
しまうことが明白になったのだ。ただし、今回のオランダ総選挙が、日本株を
憂慮させる可能性は低い。なぜならば、アムステルダムAEX株価指数が高
騰を続けているためである。昨年2/11安値378.5を大底として、今年2/22に
は500.9と32.3%の上昇を見せている(グラフ6)。年初来の上昇率では、①復
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5
2017 年 2 月 27 日
ストラテジー
マーケット分析
(グラフ6)
2016年来の高値を更新する
オランダ主要株価指数
(P)
アムステルダムAEX株価指数
520
500.9
(2/22)
(出所)BloombergのデータよりMUMSS作成
500
480
オランダ
総選挙
(3/15)
460
440
420
400
Brexeit
(6/23)
380
378.5
(2/11)
360
2016/1
2016/2
2016/4
2016/6
2016/7
2016/9
2016/10 2016/12
2017/2
調 した アルセ ロー ル・ミ タル+ 19.9% 、② M&Aの 思惑 漂 うユ ニリ ーバ +
13.4%、④ニコンを粉砕したステッパーのASMHD+9.4%等、世界的な企業
が牽引している(2/23・為替考慮なし)。自由党が獲得議席トップの予想で
も株価堅調となれば、日本株への影響は限定的である。
仏大統領選でトップを走るル
ペン候補
ただし、オランダ自由党のトップが実現すれば、フランス大統領選挙へ影
響が及ぶ可能性がある。「国民戦線」を率いるマリーヌ・ルペン党首は、反イ
スラム、反移民である所はウィルダース氏と同様である。特に、フランスで
は、シャルリ・エブド事件(イスラム教の風刺画に対する12名の殺害)、パリ
同時多発テロ(死者130名・負傷者300名以上)といった大規模テロを経験し
ているだけに、ルペン氏は「イスラム過激主義を粉砕する」と絶叫している。
実は、安全保障政策で、最も支持率が高いのはルペン氏である。このフラ
ンスの治安問題が、超保守主義のルペン氏浮揚の原動力となっているの
だ。対抗馬はエマニュエル・マクロン氏だが、39歳の若さだ。フランスの会計
検査官、ロスチャイルド銀行を経て、2014年に経済・産業・デジタル大臣に
就任している。政治家としてのキャリアは極めて浅く、大統領たり得るのか否
かについては意見が割れている。もう一人は、フランソワ・フィヨン氏だが、こ
ちらは1983年からサブレ・シュル・サルトの市長を皮切りとして政治キャリア
を積み上げ、数々の閣僚を経験した後でサルコジ政権の首相を務めてい
る。本来ならば大本命のはずだが、妻と子供に不正給与(日本円で約7,000
万円)を支払っていた疑惑で失速した。マクロン氏にも、妻子がありながら
「同性の愛人」がいるとか、ルペン氏にも自分のボディーガードに対する欧
州議会の不正報酬疑惑が出るなど、「ワイドショー・ネタ」満載のスキャンダ
ル合戦だ。「オピニオン・ウェイ」の世論調査(2/22時点)では、①ルペン
26%、②マクロン22%、③フィヨン21%であり、4/23の第1回投票ではルペン氏
がリードする予測になっている。
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6
2017 年 2 月 27 日
ストラテジー
マーケット分析
ヘッジファンド好みの大イベ
ント
(グラフ7)
フランス国債のCDSスプレッド
2月に入り急上昇
第1回選挙で過半数を獲得すれば、素直に大統領誕生となる(1965年以
降は一度もない)。しかし、現状ではその可能性が低く、5/7に上位2名の決
戦投票が実施されよう。各種世論調査では、反ルペンの2位・3位連合が成
立し、ルペン約40%に対して連合が約60%と、マクロン(あるいはフィヨン)大
統領の誕生と予測している。ただし、昨年の英国国民投票、米大統領選挙
で、投資家は世論調査の精度の劣悪さを痛感している。大統領選挙まで
に、フランスでテロでも起ころうものならば、一気にルペン大統領の流れとな
る可能性も否定できない。第1回投票で、ルペン氏が予想以上の票を獲得
した場合には、「リスク・オフ・モード」へのシフトが起こることも想定できる。オ
ランダの総選挙の影響は限定的としたが、フランス大統領選挙はヘッジファ
ンドがターゲットにする大イベントになろう。既に、フランス国債のCDSスプレ
ッドは怪しい動きだ。昨年9/19のボトム27.5bpが、今年2/22には69.6bpに上
昇する局面があった(グラフ7)。株価指数の年初来騰落率を見ても、フランス
CAC株価指数+0.6%と、独DAX指数+4.0%や英FT100指数+1.8%と比較
すると勢いがない(2/23・ブルームバーグ)。
フランスCDSスプレッドとCAC40株価指数
(bp)
(P)
100.0
5,200
(出所)BloombergのデータをもとにMUMSS作成
5,000
90.0
4,800
80.0
CAC40株価指数(右)
4,600
70.0
4,400
60.0
4,200
50.0
フランスCDS
スプレッド(左)
4,000
40.0
3,800
フランス
大統領選挙
4/23、5/7
30.0
20.0
2016/1
アノマリーが炸裂するリスク
3,600
3,400
2016/3
2016/5
2016/7
2016/9
2016/12
2017/2
各国国債の信用力を表すCDSスプレッドには、政治が大きく寄与してい
る。特に、フランスの場合は、ルペン大統領誕生リスクが重くのしかかってい
るものと思われる。日本国債の信用リスクがAAA国並みか、それを凌駕する
評価を得ているのも、安倍政権が盤石の体制にあることが大きい。成功裏
に終わった日米首脳会談後の世論調査では、60%を超える支持率も見られ
た。オランダ、フランスの後には、秋にドイツの総選挙が待っている。メルケ
ル首相率いるCDU(キリスト教民主同盟)はSPD(社民党)と支持率が拮抗し
ており、蓋を開けてみるまでは分からない。つまり、欧州政治情勢の混迷
は、相対的に日本の評価が高まることに繋がるのだ。
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
7
2017 年 2 月 27 日
ストラテジー
マーケット分析
株式投資の観点からは、オランダと異なって最大級の注視が必要となろ
う。フランス大統領選挙の「ルペン・リスク」は、投資マネー・フローに影響を
及ぼす可能性が高い。特に、選挙が2回にわたって行われることを考える
と、4月下旬から5月初旬にかけては、少なくとも様子見姿勢に傾斜する投
資家が多くなるものと思われる。ヘッジファンドがイベント・ドリブン的な動き
を強めれば、ボラタイルな展開となるかもしれない。気になるのは、先週号
でも指摘したように、日本株が4~6月期、特にゴールデンウィーク前後にピ
ークアウトするアノマリー(季節的特性)があることだ(グラフ8)。「春までは強
気」のスタンスを維持するが、中期的な展望では、フランス大統領選挙前後
に屈折点を迎えるリスク・シナリオも想定しておくべきであろう。また、4月は
「麻生副総裁=ペンス副大統領」の日米包括的協議が始まる可能性が高
い。シビアな貿易問題がフォーカスされる点にも留意したい。
(グラフ8)
日本株は4~6月に
ピークアウトするアノマリー
(円)
日経平均推移(2015/1~・日足)
23,000
(出所)BloombergのデータよりMUMSS作成
22,000
20,9527
(6/24)
21,000
Brexeit
(6/23)
20,000
19,615
(1/5)
19,000
17,613
(4/25)
18,000
17,000
16,901
(9/29)
16,000
人民元
切下げ
ショック
15,000
14,000
13,000
2015/1
日本株を支える黒田日銀
16,111
(11/9)
2015/4
2015/7
14,865
(2/12)
2015/10
2016/1
14,864
(6/24)
2016/5
2016/8
米大統領
選挙
(11/8)
2016/11
2017/2
足下の相場は、目先筋がイライラするように膠着感が強い。ダウ工業株30
種平均が10連騰をマークしながら、日経平均は19,100~19,400円程度のナ
ロウ・レンジの往来に終始している。2月第3週(13~17日)の投資主体者別
売買動向では、外国人▲763億円、生損保▲250億円、銀行▲159億円、
信託銀行▲539億円、事業法人▲14億円、投信▲117億円、個人(現金)▲
762億円とほとんどが売り越しである。僅かに、個人(信用)が+884億円の
買い越しで、株式需給面から見れば脆弱な状況にある(表3)。株式先物で
も、外国人▲277億円、信託銀行▲219億円、投信▲1,191億円で、合計す
ればショート額が拡大する(表4)。それにもかかわらず、19,100円で踏み止
まるのはなぜか?鍵は日銀である。日銀は、2/16、17に各716億円のETF
(上場投信)買いを実施している。つまり、2月第3週の最大の買い手は中央
銀行なのだ。その後も、2/20、2/23に716億円の買入だ(グラフ9)。「そもそも
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
8
2017 年 2 月 27 日
ストラテジー
マーケット分析
(表3)
委託部門は個人(信用)以外
全て売り越し(2月3週)
●投資部門別株式売買状況
区
分
年月
13年
14年
年
間
15年
16年
8月
9月
月
10月
間
動
11月
向
12月
1月
12月4週
1月1週
週 1月2週
間 1月3週
動 1月4週
向 2月1週
2月2週
2月3週
2月3週
売買シェア
(億円)
法人
外国人
(海外
金融機関
投資家) 生損保 都・地銀 信託銀
151,196 -10,751 -2,830 -39,664
8,527 -5,038 -1,290 27,848
-2,510 -5,841 -3,094 20,075
-36,888 -5,739 -4,930 32,651
-4,698
-467
-318
5,363
-11,051
-58
-479
-785
4,717
-696
-211
-807
15,440
-778 -1,623 -2,659
4,825
-294
-584
24
326
-254
-319
427
325
-188
-242 -1,827
2,326
-61
-18
-461
1,106
49
-123
-256
-1,040
-128
-180
507
-2,067
-115
3
637
-2,448
133
-31
-596
1,372
-148
-398
-393
-763
-250
-159
-539
69.3%
0.2%
0.2%
2.8%
個人
事法
投信
信用
現金
6,297
11,018
29,632
22,236
2,981
740
554
3,573
57
46
-109
-80
68
53
6
230
582
-14
4,267
-2,105
2,429
-3,890
-485
26
-2,558
-2,520
-2,645
-2,492
-762
-430
-566
-1,045
-452
-757
-232
-117
29,774
13,189
16,748
6,508
434
1,055
-579
-92
1,154
1,462
394
-39
642
542
316
1,419
88
884
-117,282
-49,512
-66,744
-38,132
-2,560
-1,795
-7,081
-14,620
-13,816
-5,031
-2,550
-2,385
-575
-437
-1,634
623
-1,842
-762
1.4%
2.3%
13.7%
8.4%
(出所)JPX(日本取引所グループ)のデータをもとに、MUMSS作成
(表4)
外国人、信託銀行、投資信託
先物もそろって売り越し
●外国人投資家(現物・先物計)
先物
ミニ先物
月/週
JPX
日経
TOPIX
小計 【a】 日経平均 TOPIX 小計 【b】
日経400
平均
12月4週
912
869
13 1,794
281
34
315
1月1週 -875
-126
-14 -1,014 1,143
55 1,198
1月2週 -1,584
-274
-22 -1,880
317
25
342
1月3週 -1,069
-745
-67 -1,882
-141
29
-113
1月4週 1,799 1,280
-35 3,044
335
5
341
2月1週
357 -1,941
-13 -1,597
-675
2
-673
-65
2月2週 -631
592
-27
81
21
102
547
2月3週
236
318
-7
-864
40
-824
(億円)
先物合
計
【a+b】
2,109
184
-1,538
-1,994
3,384
-2,270
36
-277
現物・先物合計
現物
【c】
【a+c】 【a+b+c】
325
2,326
1,106
-1,040
-2,067
-2,448
1,372
-763
2,119
1,312
-774
-2,921
977
-4,045
1,306
-216
2,434
2,510
-432
-3,034
1,318
-4,718
1,408
-1,040
(出所)JPX(日本取引所グループ)のデータをもとに、MUMSS作成
信託銀行の週間先物
売買差額(億円)
月/週
現物
12月4週 -1,827
1月1週
-461
1月2週
-256
1月3週
507
1月4週
637
2月1週
-596
2月2週
-393
2月3週
-539
先物
794
495
206
-1,081
2,672
-142
211
-219
合計
-1,033
34
-50
-574
3,309
-738
-182
-758
投資信託の週間先物
売買差額(億円)
月/週
現物
12月4週
-762
1月1週
-430
1月2週
-566
1月3週 -1,045
1月4週
-452
2月1週
-757
2月2週
-232
2月3週
-117
先物
-915
25
-28
783
-2,379
-197
988
-1,191
合計
-1,677
-405
-594
-261
-2,830
-954
756
-1,308
(出所)JPX(日本取引所グループ)のデータをもとに、MUMSS作成
論」での良い悪いは別にしても、これだけ中央銀行がサポートすれば下値
は岩盤となる。やがて、国内機関投資家の決算対策売りが消失すれば
(3/10メジャーSQ前後と思われる)、上放れの可能性は十分あると言えよう。
膠着相場を利用した押し目買いを、粛々と行う局面である。
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
9
2017 年 2 月 27 日
ストラテジー
マーケット分析
(グラフ9)
月間5,000億円ペースの
日銀ETF購入
(億円)
2,000
(円)
日銀ETF購入と日経平均
21,000
(出所)AstraManagerのデータをもとにMUMSS作成
1,800
19615
(1/5)
20,000
1,600
19,000
日経平均
(右メモリ)
1,400
18,000
1,200
2017/1以降
日銀のETF購入金額
1兆279億円
(1/23時点)
1,000
17,000
800
16,000
日銀のETF
購入金額
(左メモリ)
600
400
14,000
200
0
13,000
10/3
トランプ演説は「無難」で上昇
基調持続か
15,000
10/19
11/4
11/21
12/7
12/22
1/12
1/27
2/13
材料的には、トランプ大統領の上下両院合同会議での演説(2/28)が注
目されよう。新任大統領は、年頭の一般教書演説を行わないのが通例で、
初めての議会演説となる。おそらく、内容は就任演説と同様に「米国第一主
義」、「偉大な米国の再建」を訴えるものとなろう。減税政策やインフラ投資、
規制緩和にも言及する可能性はあるが、抽象的な概念に留まるものと思わ
れる。トランプ大統領のアドリブが入らない限り、スピーチ・ライターの草稿を
ベースにした「当たり障りのない」ものとなろう。マーケット的には、「驚くべき
減税策」に関する具体的な数値が欲しい所だが、おそらく期待を繋ぐ内容
に留まるものと思われる。少なくとも、マーケットの失望を招くことを回避する
文言は散りばめられていることだろう。直近の報道では、「オバマ・ケア」(医
療保険制度改革)への対応が先で、税制改革はその後になるとの見通しも
あり、「劇的」な演説を期待するよりも「無難」で十分と思われる。さすがに連
騰は止まるだろうが、上昇基調は持続できよう。
株屋は、自分に都合の良いデータしか使わないが、どうも「借金1,000兆
円」のプロパガンダにも同じ匂いがする。プライマリー・バランスに執着して、
リセッションを招くのは最大の愚行である。安倍総理、ブレーンの方々は十
分認識しているので、そのリスクは回避できよう。財政健全化論議に際して
は、政府一般債務の対GDP比率だけではなく、ぜひ国債のCDSスプレッド
にも目を向けていただきたい。そして、フランス国債のCDSに注視が必要で
ある。基本強気だが、欧州政治は波乱の芽となろう。
藤戸 則弘
投資情報部長
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
10
2017 年 2 月 27 日
三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
無登録格付に関する説明書
格付会社に対しては、市場の公正性・透明性の確保の観点から、金融商品取引法に基づく信用格付業者の登録
制が導入されております。
これに伴い、金融商品取引業者等は、無登録格付業者が付与した格付を利用して勧誘を行う場合には、金融商
品取引法により、無登録格付である旨及び登録の意義等を顧客に告げなければならないこととされております。
以下は、同法に基づいた無登録格付業者に関する説明です。
当社からご提供する格付情報につきまして、個別に「無登録格付である旨」をご案内している場合は、以下の
説明事項をご確認いただけますよう、お願いいたします。
1. 登録の意義について
登録を受けた信用格付業者は、①誠実義務、②利益相反防止・格付プロセスの公正性確保等の業務管理体
制の整備義務、③格付対象の証券を保有している場合の格付付与の禁止、④格付方針等の作成及び公表・
説明書類の公衆縦覧等の情報開示義務等の規制を受けるとともに、報告徴求・立入検査、業務改善命令等
の金融庁の監督を受けることとなりますが、無登録格付業者は、
これらの規制・監督を受けておりません。
2. 無登録の格付会社の例について
三菱UFJモルガン・スタンレー証券がご提供する格付情報を付与している格付会社のうち、下記の格付
会社グループは金融商品取引法第 66 条の 27 に基づく登録を受けておりません。
【スタンダード&プアーズ】
 格付会社グループの呼称について
S&P グローバル・レーティング(※)
 同グループ内で登録を受けている信用格付業者の名称及び登録番号
同グループの下記日本法人は当該登録を受けております。
スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社(金融庁長官(格付)第5号)
 信用格付を付与するために用いる方針及び方法の概要に関する情報の入手方法について
スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社のホームページ
(http://www.standardandpoors.co.jp)の「ライブラリ・規制関連」の「無登録格付け情報」
(http://www.standardandpoors.co.jp/unregistered)に掲載されております。
 信用格付の前提、意義及び限界について
S&P グローバル・レーティングの信用格付は、発行体又は特定の債務の将来の信用力に関する現
時点における意見であり、発行体又は特定の債務が債務不履行に陥る確率を示した指標ではなく、
信用力を保証するものでもありません。また、信用格付は、証券の購入、売却又は保有を推奨す
るものでなく、債務の市場流動性や流通市場での価格を示すものでもありません。
信用格付は、業績や外部環境の変化、裏付け資産のパフォーマンスやカウンターパーティの信用
力変化など、さまざまな要因により変動する可能性があります。
S&P グローバル・レーティングは、信頼しうると判断した情報源から提供された情報を利用して
格付分析を行っており、格付意見に達することができるだけの十分な品質及び量の情報が備わっ
ていると考えられる場合にのみ信用格付を付与します。しかしながら、S&P グローバル・レーテ
ィングは、発行体やその他の第三者から提供された情報について、監査・デューデリジェンス又
は独自の検証を行っておらず、また、格付付与に利用した情報や、かかる情報の利用により得ら
れた結果の正確性、完全性、適時性を保証するものではありません。さらに、信用格付によって
は、利用可能なヒストリカルデータが限定的であることに起因する潜在的なリスクが存在する場
合もあることに留意する必要があります。
(※)
「S&P グローバル・レーティング」は 2016 年 4 月 28 日付で「スタンダート&プアーズ・レ
ーティング・サービシズ」から名称を変更しました
【ムーディーズ】
 格付会社グループの呼称について
ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク
 同グループ内で登録を受けている信用格付業者の名称及び登録番号
同グループの下記日本法人は当該登録を受けております。
ムーディーズ・ジャパン株式会社(金融庁長官(格付)第2号)
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
11
2017 年 2 月 27 日


信用格付を付与するために用いる方針及び方法の概要に関する情報の入手方法について
ムーディーズ・ジャパン株式会社のホームページ(ムーディーズ日本語ホームページ
(https://www.moodys.com/pages/default_ja.aspx )の「信用格付事業」をクリックした後に表
示されるページ)にある「無登録業者の格付の利用」欄の「無登録格付説明関連」に掲載されて
おります。
信用格付の前提、意義及び限界について
ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク(以下、
「ムーディーズ」という。
)の信用格
付は、事業体、与信契約、債務又は債務類似証券の将来の相対的信用リスクについての、現時点
の意見です。ムーディーズは、信用リスクを、事業体が契約上・財務上の義務を期日に履行でき
ないリスク及びデフォルト事由が発生した場合に見込まれるあらゆる種類の財産的損失と定義し
ています。信用格付は、流動性リスク、市場リスク、価格変動性及びその他のリスクについて言
及するものではありません。また、信用格付は、投資又は財務に関する助言を構成するものでは
なく、特定の証券の購入、売却、又は保有を推奨するものではありません。ムーディーズは、い
かなる形式又は方法によっても、これらの格付若しくはその他の意見又は情報の正確性、適時性、
完全性、商品性及び特定の目的への適合性について、明示的、黙示的を問わず、いかなる保証も
行っていません。
ムーディーズは、信用格付に関する信用評価を、発行体から取得した情報、公表情報を基礎とし
て行っております。ムーディーズは、これらの情報が十分な品質を有し、またその情報源がムー
ディーズにとって信頼できると考えられるものであることを確保するため、全ての必要な措置を
講じています。しかし、ムーディーズは監査を行う者ではなく、格付の過程で受領した情報の正
確性及び有効性について常に独自の検証を行うことはできません。
【フィッチ・レーティングス】
 格付会社グループの呼称について
フィッチ・レーティングス
 同グループ内で登録を受けている信用格付業者の名称及び登録番号
同グループの下記日本法人は当該登録を受けております。
フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社(金融庁長官(格付)第7号)
 信用格付を付与するために用いる方針及び方法の概要に関する情報の入手方法について
フ ィ ッ チ ・ レ ー テ ィ ン グ ス ・ ジ ャ パ ン 株 式 会 社 の ホ ー ム ペ ー ジ
(https://www.fitchratings.co.jp/web/)の「規制関連」セクションにある「格付方針等の概要」
に掲載されております。
 信用格付の前提、意義及び限界について
フィッチ・レーティングス(以下「フィッチ」という。
)の格付は、所定の格付基準・手法に基づ
く意見です。格付はそれ自体が事実を表すものではなく、正確又は不正確であると表現し得ませ
ん。信用格付は、信用リスク以外のリスクを直接の対象とはせず、格付対象証券の市場価格の妥
当性又は市場流動性について意見を述べるものではありません。格付はリスクの相対的評価であ
るため、同一カテゴリーの格付が付与されたとしても、リスクの微妙な差異は必ずしも十分に反
映されない場合もあります。信用格付はデフォルトする蓋然性の相対的序列に関する意見であり、
特定のデフォルト確率を予測する指標ではありません。
フィッチは、格付の付与・維持において、発行体等信頼に足ると判断する情報源から入手する事
実情報に依拠しており、所定の格付方法に則り、かかる情報に関する調査及び当該証券について
又は当該法域において利用できる場合は独立した情報源による検証を、合理的な範囲で行います
が、格付に関して依拠する全情報又はその使用結果に対する正確性、完全性、適時性が保証され
るものではありません。ある情報が虚偽又は不当表示を含むことが判明した場合、当該情報に関
連した格付は適切でない場合があります。また、格付は、現時点の事実の検証にもかかわらず、
格付付与又は据置時に予想されない将来の事象や状況に影響されることがあります。
信用格付の前提、意義及び限界の詳細にわたる説明については、フィッチの日本語ウェブサイト
上の「格付及びその他の形態の意見に関する定義」をご参照ください。
この情報は、平成 28 年 4 月 30 日に信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完
全性を当社が保証するものではありません。詳しくは上記格付会社のホームページをご覧ください。
以
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。
12
上
【重要な注意事項】
(本資料使用上の留意点について)
・ 本資料は当社が信頼できると考える情報ベンダーから取得したデータをもとに作成されておりますが、機械作業
上データに誤りが発生する可能性があります。当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。ここに
示したすべての内容は、当社の現時点での判断を示しているに過ぎません。本資料は、お客様への情報提供の
みを目的としたものであり、特定の有価証券の売買あるいは特定の証券取引の勧誘を目的としたものではありま
せん。本資料にて言及されている投資やサービスはお客様に適切なものであるとは限りません。また、投資等に
関するアドバイスを含んでおりません。当社は、本資料の論旨と一致しない他のレポートを発行している、或いは
今後発行する可能性があります。本資料でインターネットのアドレス等を記載している場合がありますが、当社自
身のアドレスが記載されている場合を除き、アドレス等の内容について当社は一切責任を負いません。本資料の
利用に際してはお客様御自身でご判断くださいますようお願い申し上げます。
(利益相反情報について)
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す。当社および関係会社は、本資料に記載された証券、同証券に基づくオプション、先物その他の金融派生商品
について、買いまたは売りのポジションを有している場合があり、今後自己勘定で売買を行うことがあります。また、
当社および関係会社は、本資料に記載された会社に対して、引受等の投資銀行業務、その他サービスを提供
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兼任しております。:三菱UFJフィナンシャル・グループ、カブドットコム証券、三菱倉庫
(外国株に関する注意事項について)
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書(Annual Report)、四半期報告書、アーニングリリース等の会社発表による公開情報をもとに作成しております。
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本資料と外国証券情報の数値等が異なる場合があります。
・ 本資料で取り上げられている外国証券は、我が国の金融商品取引法に基づく企業内容の開示は行われておりま
せん(金融商品取引法上の情報開示銘柄を除く)。当該外国証券の開示情報は、主要取引所の所在する国の開
示基準に基づいています。
(リスク情報について)
・ 日本および外国の株式・債券への投資は、株価の変動や、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する
外部評価の変化、金利・為替の変動等により、投資元本を割り込むリスクがあります。
(手数料について)
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代金が193,000円以下の場合は最大2,700円(税込み))。株式は、株価の変動等により、損失が生じるおそれ
があります。
・ 外国株式の売買取引には、現地委託手数料と国内取次手数料の両方がかかります。現地委託手数料等は、その
時々の市場状況、現地情勢等に応じて決定されますので、その金額等をあらかじめ記載することはできません。
詳細はお取引のある部店までお問合せください。国内取次手数料は、約定代金に対して最大1.080%(税込
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