福井市文化会館整備基本構想(案)の概要 3 文化会館の必要性と将来像 1 基本構想策定の背景 (1)福井市文化会館開館後の社会経済情勢 物質的豊かさを求めた高度経済成長から 社会が成熟期に移行 (2)国の文化政策の動向 平成 13 年「文化芸術振興基本法」 ・ 心豊かな活力ある社会形成に極めて重要(文 化芸術振興の基本理念) 人口減少 少子高齢化 都市と地方の格差拡大 生活環境の変化 平成 24 年「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」 ライフスタイルや価値観の多様化 生きがいや潤いといった心の豊かさの必要性 平成 27 年「文化芸術の振興に関する基本的な方針」 (3)劇場・ホールの変遷および動向 ・ 「公会堂」から「市民会館、文化会館」 ・ 専門性を高めた「主目的ホール、専用ホール」 へと変化 ・ アートマネジメント専門家の登用や市民と のコラボレーション ・ 住民が日常的な創造活動を行う機能や誰で も気軽に立ち寄れる機能 ・ 実演芸術を振興し、心豊かな国民生活や活力 ある地域社会の実現等に寄与 ・ 文化芸術は成熟社会における成長の源泉 ・ 社会参加の機会をひらく社会包摂の機能 ・ 周辺領域への波及効果を視野に入れた施策の展開 (4)福井市の文化芸術に関する施策 第七次福井市総合計画(平成 29~33 年度) ・ 市民の誇りとなる文化芸術を振興する。 福井市教育に関する大綱(平成 29~33 年度) ・ 市民の文化芸術活動を支援し、優れた文化芸 術に触れる機会をつくる。 文化芸術は、市民の創造性を育み、多様性を受 け入れることが出来る心豊かな社会を形成しま す。また、文化芸術は市民一人ひとりのふるさと に対する愛着と誇りを育てます。 市民が豊かさを実感できるまちづくりのために は、身近に訪れることができ、子どもの頃から文 化芸術に触れ合い楽しめる、文化創造の拠点が必 要です。さらに今後の北陸新幹線福井開業などを 見据え、県都である福井市の魅力を高め、誰もが 住み続けたい、住んでみたいと思えるふくいの創 造に寄与することが求められています。 文化会館は、福井市の文化芸術のシンボルとし て約半世紀にわたり市民に愛されてきました。そ して現在も、福井市の文化振興に不可欠な拠点施 設です。 2 福井市文化会館の現状 ・ 所在地 ・ 面積 ・ ホール稼働率 44.4%(全国平均 48.3%) ・ 利用団体の内訳は、学校教育 37.5%、主催事業等 22.6%、文化団体等 20.8% ・ 興行利用は 7.7%と低く、その理由として施設の老 朽化や控室、リハーサル室、搬入口、駐車場などの 利便性が劣ることが挙げられる。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 構造 竣工 定員 諸室 駐車場 管理運営 福井市春山2丁目7番1号 敷地 2,690 ㎡、建築 1,974.21 ㎡ 延床 5,439.13 ㎡ 鉄骨鉄筋コンクリート(地下 1 地上 4) 昭和 43 年(1968 年) 1,162 名(車椅子約6台分) 楽屋2、会議室5、応接室3 無し 指定管理者 (3)市民意見・関係機関ヒアリング等の結果 ○アンケート・ワークショップ結果 公演鑑賞機会の充実、本格的な舞台機能が求められて 【類似施設との比較】 いる。文化活動を通じた地域の活性化拠点としての役 ○福井県立音楽堂大ホール(固定 1,456 席) 割、生活スタイルに文化芸術活動が加わること等を期 待。 クラシック音楽に特化した施設で、管弦楽団のコン ○文化会館関係機関ヒアリング結果 サートやコンクールに利用。福井県におけるクラシッ 施設の老朽化や機能不足等により利用者の要求水準 ク音楽鑑賞、発表、練習拠点。 を満たせていない、使い勝手に問題がある、耐震性が不 ○フェニックス・プラザ(可動 2,000 席) 足している等の課題がある。 多目的ホールの柔軟性や規模から、コンベンション、 ○エンターテインメント関係機関 講演会やパーティ、展示会などに加え、コンサートや 福井県、福井市に市場性はあるが、興行に適した規模 (座席数)や設備等の要件が整った施設が少ないのが現 演劇の興行利用が多い。 状。 ○福井市文化会館(固定 1,162 席) 〇MICE関係機関等 舞台芸術に必要な舞台設備を使用した演劇や舞踏・ 市への大規模MICE誘致の可能性が低いことから バレエなどに加え、音響反射板などの音響設備を使用 メインホール整備の主目的にすることは難しいが、付加 施設はMICE利用も考慮し検討が必要。 した音楽関係の利用が多い。 ・ 多くの人々が文化芸術を介して時間と場所を共有 し、様々な交流を生みだします。 ・ 多くの人々が郷土の文化芸術や伝統文化に接する ことで、豊かな創造性や感受性を育み、ふるさとへ の誇りを醸成します。 ・ 多くの人々がさまざまな形で文化芸術を体験し、よ り高いレベルを目指して練習し、発表、発信します。 ・ 文化芸術が持つ幅広い分野への波及効果が活かさ れ、地域コミュニティの活性化と地域の発展を支え ます。 【目指す方向性】 ① 鑑賞の場をつくる (鑑賞機能) ② 交流と活動の場をつくる(交流機能) ③ 創造支援・人材育成の場をつくる (創造機能) ④ 地域文化の継承と活用 (継承機能) ⑤ 文化情報の収集と発信 (情報機能) ⑥ 人が集まる場をつくる (集客機能) ・ 文化芸術は心豊かな活力ある社会形成に極めて重要。 (2)利用状況(平成 27 年度) ・ 多くの人々が質の高い文化芸術を享受します。 4 基本理念 福井市文化芸術振興ビジョン(平成 19 年~) (1)施設概要 【福井市文化会館の将来像】 5 今後の整備方針 ・ 文化会館を引き続き使用する場合、大規模な改修が必要。 ・ 改修では初期費用は抑えられるものの、施設の耐用年数が大 きく伸びることはない。また、練習室、リハーサル室、バリ アフリー、新しい演出に対応した機能などを十分に補うこと もできないため、基本理念の実現が困難である。また、改修 期間中は文化会館を使用できない。 ・ 新たな基本理念を実現し、市民が文化会館に求める役割に応え るためには、施設機能の拡充が必要。 【施設整備の要件】 ・ホール … ・練習室・会議室 … ・展示スペース … ・公共交通と駐車場… 文化会館の魅力向上と、さらな る利用促進、そして福井市の文 化振興の効果的な推進を図る ため、「建替」による再整備を 基本として検討を進めます。 舞台芸術に重点を置き、音楽での利用性能を向上させる技術を取り入れる。 リハーサルや発表、展示企画の場など多目的に使用できる諸室の整備。 絵画、書道など生活文化活動の発表ができる場所。 公共交通のアクセスを重視。一定数の駐車場設置を検討。
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