伝統 産業 伝統工芸が受け継いできた技と心を 今に伝え、 より身近なものに 一年を通じて下町をにぎやかに彩る祭りや伝統行事 の数々は、年間4,500万人以上が訪れる国際文化観 台東区は全国有数の伝統工芸産業の 集積地。江戸時代から多くの神社・仏閣 や芝居小屋があったことから多くの職 人が集まり、鍛え抜かれた本物の技術 が受け継がれてきました。 「江戸下町伝統工芸館」は、伝統工芸産 業の振興を図るために平成9年にオー プン。約45業種350点の伝統工芸品を 常設展示する他、職人さんたちと連携し て実演や体験などのイベントを行って おり、おろし金や銅製ビアカップなどの 光都市・台東区の大きな魅力です。日本の伝統や文化 を体感したいと、 海外からも大勢の観光客が訪れます。 ▲下町七夕まつり お土産品が買えるコーナーも人気です。 毎週末に行われている製作実演の際 は、職人さんに話しかけることももちろ んOKです。職人さんは寡黙な方が多い ように思われがちですが、実際は話し好 きな方がとても多く、気さくにいろいろな ことを教えてくれます。また職人さん自身、 お客さまと話したことからアイデアを得 ることもあるそうなので、職人さんとの会 話を楽しんでいただければと思います。 また年に2回、夏と冬にオークション 文化産業観光部 産業振興課 伝統工芸・雇用担当 菊池 絵梨子さん も行っています。展示品の入れ替えに伴 って行われるため、物によっては参考市 価の半額くらいになるものもあります。 これを楽しみに遠方から足を運ばれるリ ピーターも多くいらっしゃいます。 伝統工芸品は、量産製品にはない温も りや味わいがあるのが特徴です。選び抜 かれた材料と受け継がれてきた匠の技 を駆使してできあがる作品を通じて、歴 史や文化の豊かさを知り、本物を愛でる 楽しみを知っていただければと思います。 ▲隅田公園桜まつり 台東区の伝統工芸は、江戸時代から続く下町の 歴史と風土の中で育まれ、現代へと受け継がれ てきました。「江戸下町伝統工芸館」を拠点とし、 匠の技を国内外へ発信しています。 ▲江戸下町伝統工芸館 ▶江戸木版画の 制作風景 文化産業観光部 観光課 ▲浅草流鏑馬 遠藤 理恵さん 伝統的な武芸の魅力を皆さんに届けます 台 東 区 は 四 季 折々の 祭りや 伝 統 行 事で 一年中活気 に満ち溢 れています。 そのなかでも、台東区が主催している や ぶ さ め 「浅草流鏑馬」は、大変人気のある行事 です。 流鏑馬とは、狩装束姿の射手が馬を 走らせながら矢を放つ武芸のこと。浅 草流鏑馬は、江戸時代に浅草神社で正 月に実施されていた神事を、観光行事と して継承・復活させたもので、 毎年4月に 6 04-07_16120421.02a_MCS4.indd 6-7 隅田公園の特設会場で開催されます。勇 壮な射手が矢を射る瞬間は流鏑馬の最 大の見せ場ですが、射手の装束や立ち居 振る舞いに注目している人も多いです。 都心の観光地で開催される伝統行事へ の関心は高く、近年は2万人もの見物客が 訪れて会場は大変にぎわいます。たくさん の人たちを魅了する行事を企画し、関係者 との調整を行うのが私たちの仕事です。 また、開催当日は、混雑する会場やその周 辺でひとりのけが人も出さないために、 観光課総出で警備にあたっています。 流鏑馬の他に、隅田川花火大会、浅草 サンバカーニバルなど、台東区には、い くつもの祭りや行事があり、歴史のなか で培われてきた伝統や下町文化を楽し もうと大勢の人が訪れます。その魅力を もっと多くの人に知ってもらうため、国 内はもちろん、外国人向けの情報発信に も力を入れています。 台東区は、伝統工芸だけでなく、 多様な地場産業が息づく 「ものづく りのまち」 です。靴、 カバン、 ベルト、 傘、ジュエリーなどがあり、海外ブ ◀▲宝飾品 ※ ランドとの技術提携によるOEM 品などを中心に、ファッション性の 高い製品が生産されています。 ※発注元企業のブランド名で販売される 製品を製造すること。 ▲革製品 7 2017/01/11 19:00
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