情報収集期間▶応募・選考期間▶内定期間▶試用期間▶本採用 3 求人票や求人情報誌の内容はどこまで保証されるのか? 大学等のキャリアセンター・就職課に掲示される求人票のほか、求人情報 誌、インターネット等に記載されている求人の労働条件は、その内容が保証 されているわけではありません。例えば、賃金の表記が「昨年実績」・「見込」 となっている場合には、昨年実績の残業時間数や賞与も、入社後に保証され るものではありません。 企業説明会や面接で説明された内容と求人情報が異なっていた場合には、 説明を受けた内容の方が優先されます。求人票等に記載された賃金はあくま で見込額( 「入社時までに確定されることが予定された目標としての額」)で あるため、実際の額と異なっていても請求することはできません。 しかし、応募者は記載された労働条件で働けることを期待して応募してい るため、実際の賃金が求人票の見込額と比べ、著しく下回ることは許されな いとされています(八州測量事件 東京高裁判決昭和 58.12.19)。 ここをチェック 「基本給」と「諸手当」の関係 求人票等の求人情報において、給与見込 額が左記のように記載されていることがあ 内訳 基 本 給:17 万円 ります。 下記のような内容の求人票は珍しいものではありません。 業務手当: 1 万円 昇給や賞与・退職金等の計算基準は基本給 地域手当: 1 万円 であることが一般的です。そのため、記載さ 残業手当: 3 万円 給与見込額 ( 額面) 22 万円 れた賃金合計額が同じであっても、基本給と (昨年実績 20 時間見込) 内訳 基 本 給: 17 万円 手当の比率によって、実際にもらえる額に大 賞与 ( 実績 ):基本給 4 か月分 業務手当: 1 万円 きな差がつく場合がありますので注意が必 要です。 地域手当: 1 万円 各種手当は、基本給と異なり、種類ごとに支給条件があり、勤続年数とは関係のないも (昨年実績 20 時間見込み) 残業手当: 3 万円 のがほとんどです。 賞与 ( 実績 ):基本給 4 か月分 残業手当は実際に残って仕事をしなければ貰えません。そのため、上記のケースでは、残 業をしなかった場合には額面で 19 万円(基本給+業務手当+地域手当)しかもらえません。 昇給や賞与・退職金等の計算基準は基本給であることが一般的です。 そのため、記載された賃金合計額が同じであっても、基本給と手当の 比率によって、実際にもらえる額に大きな差がつく場合がありますの ここをチェック 「固定残業代」について で注意が必要です。 上のケースの「残業手当」の名称のほか、「固定残業手当」や「営業手当」等の 各種手当は、基本給と異なり、種類ごとに支給条件があり、勤続年 「基本給」と「諸手当」の関係 名称で、決められた残業時間分まで一定額の残業代をまとめて支払ういわゆる「固 数とは関係のないものがほとんどです。 残業手当は実際に残って仕事をしなければ貰えません。そのため、 定残業代」の制度となっていることがあります。例えば、残業時間 20 時間までで 下記のような内容の求人票は珍しいものではありません。 上記のケースでは、残業をしなかった場合に額面で 19 万円(基本給 あれば、5万円を一律で支給するというケースです。この場合でも決められた残業 +業務手当+地域手当)しかもらえません。 時間(例えば 20 時間)を超えた分については別途残業代の支払いが必要です。手 給与見込額 ( 額面) 22 万円 当が固定残業代として支払われる見込みなのか、その手当は何時間分の残業に相当 内訳 基 本 給: 17 万円 するものなのか等、事前によく確認することが大切です。 業務手当: 1 万円 「基本給」と「諸手当」の関係 給与見込額 ( 額面) 22 万円 4 地域手当: 1 万円 残業手当: 3 万円(昨年実績 20 時間見込み)
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