論文 論文 株式に旬はあるか? ―カレンダーアノマリーの個別銘柄における検証― 岡 田 克 彦 羽 室 行 信 ステファニー・チュング 目 1.はじめに 2.季節性研究の中での本研究の位置付け 3.検証モデル 次 4.実証結果 5.頑健性の確認 6.結論 本稿では、超長期にわたって主要株式市場で観察されているハロウィーン効果/デカンショ節効果を、実務的 に収益化する手法を提案する。こうした季節性変動は、ファンド・マネジャーの評価時間軸を超えて発生するが 故に放置されているが、個別銘柄の季節性変動(旬)を探索しながら銘柄を組み合わせることで、収益化が可能 となる。ここで提案する手法を多くのパラメーターを用いて実験した結果、規模効果、バリュー効果を考慮後も 安定的なαの源泉になり得ることが分かった。 岡田 克彦(おかだ かつひこ) 関西学院大学大学院経営戦略研究科教授、㈱Magne-Max Capital Management CEO / CIO。1990年モルガン・スタンレー証券ニューヨークAssociate、91年同社東京支店トレ ーダー、92年UBS証券東京FVP、97年にシンガポールのヘッジファンド共同創業者を経 て05年よりアカデミアに転身。専門はBehavioral Asset Pricing。行動経済学会副会長、 学術雑誌『行動経済学』編集長、公認会計士試験委員。 羽室 行信(はむろ ゆきのぶ) 関西学院大学大学院経営戦略研究科准教授、㈱NYSOL代表取締役を兼任。科学技術振興 機構ERATO、CREST等多くの国家研究プロジェクトの主たる研究者を歴任。多くの企業 受託研究を手がけている。著書に『データマイニングとその応用』 (朝倉書店) 。日本OR 学会事例研究賞を2005年、08年、15年に受賞。人工知能学会金融情報学優秀論文賞、デ ータ解析コンペティション最優秀賞など受賞多数。論文多数。 ステファニー・チュング(Stephane Cheung) 科学技術振興CREST研究員。南カリフォルニア大学経営学部卒、南洋工科大学大学院で MBA取得後Monetary Authority of Singapore 研究員となる。その後National Institute of Education, Singapore Manager、科学技術振興機構ERATO湊離散構造処理系プロジ ェクト技術員を経て現職。 ©日本証券アナリスト協会 2017 69
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