変化続ける世界に不断の挑戦

と思う。当社は、創業時
デジタル化が進んでいる
面では、おそらく急速に
インターフェースという
斎藤 生保業界につい
ていえば、特に対顧客の
――保険業界のデジタ
ル化の現状について。
べきことが多いと感じて
には、現時点で取り組む
西川 本当の意味で保
険会社がデジタル化する
のではないかと思う。
するのはなかなか難しい
で完全にペーパーレス化
ックのオペレーションま
有していることから、バ
生保は既存契約を多く保
は契約期間が長く、国内
いか。ただし、生保商品
は進みつつあるのではな
金融機関と同等くらいに
ビジネスにしていかなけ
また、そこをわれわれの
なり得ると考えており、
基幹系システムが強みに
当社が提供する先進的な
重要となる現時点では、
もむしろバックエンドが
えている。フロントより
急に取り組むべきだと考
エンドのデジタル化に早
化を行うためにもバック
管理するフロー・スルー
ない。全行程を一貫して
いということになりかね
エンドが全く対応できな
とになった際に、バック
チャネルも対象とするこ
際、今から想定できない
ような商品が実現した
がリアルタイムで変わる
きるようになり、保険料
まざまなデータが取得で
重視している。理由は二
方、商品はシンプルさを
ーケティングを目指す一
る。当社は、最先端のマ
な技術には注目してい
ロボアドバイザーのよう
ェースにおいて、AIや
で、対顧客のインターフ
う す べ は 少 な い。 一 方
ても、現状では保険に使
が、人をセンサリングし
活用範囲が広がっている
リングは性能が上がって
だとすれば、物のセンサ
術と分析とネットワーク
の本質がセンサリング技
わらないだろう。IoT
というと、たぶん何も変
険商品が一気に変わるか
らいしかなく、これで保
ではウェアラブル端末ぐ
しやすいと思うが、生保
分野の損保ではイメージ
自動車保険をはじめ第二
かつて欧米の通信業界で
はないかと考えている。
一段と分かれていくので
ルによって各社の特色が
会社など、ビジネスモデ
せして間口を広く構える
チャネルは代理店にお任
商品の特殊性を追求して
ー化する会社や、反対に
して商品はコモディティ
例えば、顧客接点を重視
どほんの一握りとなり、
ジネスモデルは大手社な
自社でそろえるようなビ
西川 従来のように商
品開発から販売まで全て
いくのか注目している。
とどのようにつながって
ド機能が今後、保険販売
に普及しているリコメン
いていえば、ネットで既
る。マーケティングにつ
は避けたいと考えてい
ーションが複雑になるの
は、企業経営上、オペレ
既に取引しているネット
上、対面販売もできる。
ーパーレスで対応可能な
ば、告知も口座振替もペ
ムを導入してもらえれ
代理店は、当社のシステ
ないと悩んでいるような
タル化するわけにもいか
も多く、一気に全てデジ
ていきたいが、既存契約
る環境を積極的に提供し
保険を検討し、判断でき
もどこでも納得いくまで
報を伝え、顧客がいつで
ンターネットで正しい情
は増えていると思う。イ
駄目だ」と考える代理店
ま同じことをしていては
ども変わる中で「このま
斎藤 テクノロジーが
日々進化し、保険業法な
――代理店との連携で
のデジタル化について。
も同じ道筋をた
日本の保険業界
進んでいった。
など製販分離が
会社が出てくる
て販売に徹する
を他社から借り
とができ、回線
ルを維持するこ
のビジネスモデ
数社だけが従来
に、メジャーの
されるととも
続けている。
しつつ、常に先手を打ち
の先進的な技術を参考に
しては、さまざまな業界
々進化している。当社と
だろうし、ⅠT自体も日
もその技術を高めてくる
てもいいが、当然、他社
り、当社の生命線と言っ
はとりわけ注力してお
でのデータ収集と分析に
いる。こうした顧客接点
の向上が要因だと考えて
マートフォン自体の技術
リテラシーの高まりとス
っており、消費者のⅠT
ートフォンの方が多くな
では既にPCよりもスマ
割もなかった。資料請求
しているが、3年前は1
マートフォン経由で加入
在、約4割の契約者がス
じ て い る。 当 社 で は 現
斎藤 ここ数年でⅠT
リテラシーの高まりを感
――近年の消費者の変
化について。
シップを結びたい。
とも積極的にパートナー
そうした他業種の代理店
に連携できることから、
ばリンクを張るなど容易
いる。ネット経由であれ
入り口が多様化してきて
携などにより保険販売の
は保険会社と他業種の提
えている。一方で、最近
に成長していきたいと考
り、デジタルを通じて共
なるのか非常に見通しづ
化によって、将来がどう
現在は技術革新や環境変
りだったと感じている。
たか分からないことばか
は想像できても対応でき
できなかったり、あるい
きたかというと、想像も
の世の中の変化が予測で
を振り返ってみて、現在
ていえば、例えば5年前
レキシビリティーについ
と思っている。一方、フ
の規模でないとできない
そうした取り組みは、今
ン」を現在進めている。
テクチャ見直し5年プラ
再検討しようと「アーキ
クチャ(基本設計)から
り、システムをアーキテ
ってきていると感じてお
ずつよどみのようにたま
なオペレーションが少し
ずだが、それでも例外的
年足ら
ておくということ。当社
なるべく避けて単線化し
必要なオペレーションを
一つは、例外的な対応が
ィーが求められる。もう
テムにはフレキシビリテ
イスへの対応など、シス
つは、例えばマルチデバ
イントは2点あって、一
ことが不可欠となる。ポ
ためには例外を作らない
ことが重要であり、その
斎藤 オペレーション
をシンプルに保ち続ける
しなければならないし、
続けて業界全体を後押し
もお客さまと共に変化し
そのためには、われわれ
れの成長にもつながる。
していくことが、われわ
ネスとして持続的に成長
――今後の展望は。
西川 保険会社のお客
さまが変化し続け、ビジ
るシステムだと思う。
たって長く使い続けられ
ることからも、将来にわ
り返し、進化を続けてい
てバージョンアップを繰
る。顧客ニーズに対応し
ルさと柔軟性に特長があ
携が容易な点などシンプ
や、外部システムとの連
せで商品定義できる点
ンポーネントの組み合わ
に、主契約と特約などコ
にサポートするととも
ジネスプロセスを包括的
約管理における全てのビ
egral Life
Cobol」は、保険契
くと確信している。
まとの関係が広がってい
たなパートナーやお客さ
うした取り組みの中で新
ることが重要であり、そ
ること、常に変化し続け
る。とにかく挑戦し続け
社でありたいと思ってい
りと対応できるインフ
れる技術に対してしっか
社は、今後も新しく生ま
斎藤 デジタルをベー
スに事業運営している当
じている。
ていくことが使命だと感
お客さまの成長を支援し
活用しながら保険業界の
いるので、それをうまく
ジーを導入し知見を得て
トとして新しいテクノロ
て、ⅠTのスペシャリス
な業界のお客さまに対し
業界だけでなくさまざま
負している。当社は保険
顧客ニーズの多様化や保険業界を取り巻く環境変化がますます加速する中、保険会社にはデジタル
化へのトランスフォーメーションが求められている。そこで、デジタルインシュランスにシフトする
ためのポイントや保険会社が今後進むべき方向性などについて、ダイレクト生保として最先端のマー
ケティングを取り入れ、シンプルな商品構成を展開するアクサダイレクト生命代表取締役社長の斎藤
英明氏と、情報テクノロジーを活用した先進的なビジネスソリューションとサービスを提供するCS
Life
Cobol(旧称:LIF
Cジャパン執行役員の西川望氏に聞いた。アクサダイレクト生命は2008年の開業以来、CSCジ
英明氏
ャ パ ン が 提 供 す る 保 険 契 約 管 理 シ ス テ ム「 I n t e g r a l
E/J)」を導入している。
斎藤
望氏
くらフロントでデジタル
西川
アクサダイレクト生命 代表取締役社長
CSCジャパン 執行役員
だった。6~7年前ぐら
いから契約手続きをデジ
化しても後につながらな
フロントよりも
バックエンドが
重要
タル化する会社が出てき
西川執行役員(左)と斎藤社長
かと思う。
デジタルを通じ
て代理店と連携
らくなっていることか
ら、たとえどう変化して
もいち早く対応していけ
るようなシステムに保っ
ておくことが不可欠だと
ジネスプランを備えた会
ラ、オペレーション、ビ
また、それができると自
からインターネットで申
いる。例えば、契約から
れば、保険業界自体のビ
つあって、一つは、ネッ
に積極的な代理店とは、
デジタルインシュランスの潮流
し込みする仕組みなどで
入金までの過程を全て電
ジネスがシュリンクする
は、 規 模 の 大 小 を 問 わ
マーケティング手法を情
デジタル化を進めてきた
子的に行うストレート・
方向にすら行ってしまう
ず、どの会社も同じビジ
考えている。その点、C
対談
が、営業職員チャネルを
スルー・プロセッシング
トの世界ではコモディテ
ネスモデルだったが、各
――今後、デジタルイ
ンシュランスに求められ
SCジャパンの「Int
変化続ける世界に不断の挑戦
持つ他の生保では従来、
はまだこれからである
ィー化できない複雑な生
報交換したり、共同で取
ることは。
は創業してまだ
紙の申込書類でやりとり
と考えている。
保商品は顧客に勧めにく
社の力点の置き方によっ
り組みを進めたりしてお
10
どるのではない
をしており、バックのオ
し、バックエンドのデジ
く、ニーズ喚起が不可欠
て徐々に淘汰(とうた)
い。例えば、将来的にさ
くのが難しい。もう一つ
ペレーションも紙ベース
――2~3年先の保険
業界の変化について。
なことから、販売してい
ており、現在は他業種の
ポイントはシン
プルさとフレキ
シビリティー
タル化が進まないと、い
斎藤 IoTについて
いえば、テレマティクス
2 0 1 7 年(平成 2 9 年)2 月 2 7 日(月曜日) (12)
(第 3 種郵便物認可)