公募要領 (PDF:765KB)

平成 29 年度
統合的気候モデル高度化研究プログラム
公募要領
公募受付締切日
平成 29 年 3 月 27 日(月)17 時必着
①e-Rad での提出かつ②郵送での提出の両方が必要です。
【ご注意】府省共通研究開発管理システム(e-Rad)への事前登録について
本プログラムへの応募には、①あらかじめ「府省共通研究開発管理システム(e-Rad)
」へ所属機関及び代表者
の登録を行っていただくとともに、応募情報の e-Rad への申請及び応募内容提案書の e-Rad への提出が必要です。
その上で②提出書類一部及び電子媒体一式を郵送にて文部科学省に提出いただくことが必要です。
所属機関の e-Rad への登録手続きには、2 週間以上かかる場合がありますので、十分余裕を持って実施して下
さい。複数機関でチームを構成する場合は、主管実施機関及び共同参画機関の e-Rad への登録手続きが必要です。
詳細は e-Rad ポータルサイトを参照して下さい。また不明な箇所は、e-Rad ヘルプデスクにお問い合わせ下さい。
◆e-Rad ポータルサイト:http://www.e-rad.go.jp/
◆e-Rad 利用可能時間帯:年中無休(ただし、緊急のメンテナンス等により、サービスを停止する場合がありま
す。
)
◆e-Rad ヘルプデスク:Tel:0570-066-877(9:00~18:00 ただし土、日、祝を除く)
重要
e-Rad による申請手続きを行わないと、本プログラムへの応募が出来ませんので、ご注意ください。
<プログラム内容に関するお問い合わせ>(受付時間帯:平日 10:00~12:00 及び 13:00~17:00)
文部科学省
研究開発局
環境エネルギー課
TEL:03-5253-4111(内線 4472)
E メール:[email protected]
文部科学省
平成 29 年 3 月
0
目次
I. 事業概要 ................................................... 1
1.
2.
3.
はじめに .............................................................. 1
事業の背景 ............................................................ 1
事業の概要 ............................................................ 2
II. 公募概要 .................................................. 3
1. 募集から契約までのスケジュール ........................................ 3
2. 応募対象者 ............................................................ 4
3. 公募内容 .............................................................. 6
4. 採択後の事業実施体制 .................................................. 9
5. 実施期間、実施予定額 ................................................. 11
6. 事業の管理と評価 ..................................................... 11
7. 提案書類の受付等 ..................................................... 12
8. e-Rad を利用した応募書類の作成・提出等 ................................ 13
9. 実施責任者等の指定 ................................................... 17
10. 審査及び採択 ....................................................... 17
11. 公表等 ............................................................. 20
III. 契約の締結等 ............................................. 21
1.
2.
3.
4.
委託契約の締結 ....................................................... 21
委託費の範囲及び積算等 ............................................... 22
事業成果の取扱い ..................................................... 23
取得資産の取扱い ..................................................... 24
IV. 研究費の適切な執行について ............................... 25
V.
問合せ先 ................................................. 33
(別紙1) ................................................................ 34
I. 事業概要
1. はじめに
「統合的気候モデル高度化研究プログラム」は、近年の気候変動研究に対するニーズ
の高まりに応じるために、我が国の様々な大学、研究機関等の英知を結集した統合的な
研究体制をプログラム内に組み込みながら、国内外に資する気候変動に関する科学的課
題の解明や高度化された気候変動予測データセットの整備を、気候モデルという全ての
気候変動予測研究の基盤を高度化させることからアプローチを始める、平成29年度から
文部科学省が新たに開始する委託事業です。
本資料は、
「統合的気候モデル高度化研究プログラム」について、公募の手続き等を説
明するものです。応募にあたっては、以下の本事業の目的や公募概要等を十分ご理解い
ただいた上で、優れた成果が得られるように、本事業の趣旨に沿った応募をいただける
ようお願いいたします。
2. 事業の背景
ここ数年において、国際社会は気候変動対策で大きな進展を見せています。2015年12
月には、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)が開催され、世界的な平均気
温の上昇を産業革命以前に比べて2℃未満に抑えることを目標とし、同時に1.5℃に抑え
る努力を行うことを掲げた「パリ協定」が採択され、2016年11月4日に発効いたしました。
この「パリ協定」は、上記のような世界の緩和策の目標を掲げたものですが、それら目
標と並んで、気候変動に対する適応能力を向上させることも世界の目標として盛り込ま
れています。2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」に
おいても、2030年に向けた17の目標の一つに気候変動対策が明記されています。
また、気候変動に関する最新の科学的知見を評価する「気候変動に関する政府間パネ
ル(IPCC)」も、第6次評価報告書の作成に向けて始動しました。IPCCは、温暖化の原因
が人為起源の温室効果ガスによるものか否かの解明から、緩和策や適応策の立案・実施
に資する科学的知見の評価に重点を移しており、1.5℃上昇にかかる特別報告書をはじめ
として、科学的に中立でありつつ政策ニーズを意識した議論が始まっています。
国内においても気候変動対策が進みつつあります。日本政府は、気候変動の影響によ
る被害を最小化あるいは回避し、持続可能な社会を構築するために、2015年11月に「気
候変動の影響への適応計画」を閣議決定しており、今後、適応の推進について、フォロ
ーアップされる予定です。また、平成32年(2020年)を目途とする第2次気候変動影響評
価に向けた成果の創出も求められているところです。
これまで、当省では、「人・自然・地球共生プロジェクト」(平成14~18年度)、「21世
紀気候変動予測革新プログラム」(平成19年度~23年度)、そして「気候変動リスク情報
創生プログラム」(以下「創生プログラム」;平成24~28年度)へと、世界最高水準のス
ーパーコンピュータである「地球シミュレータ」の能力を最大限に活用しながら、気候
1
モデルの開発、気候変動予測情報の計算を進め、長年の気候モデル開発によりついに可
能となった気候変動リスク情報の創出を行ってまいりました。
前述のように国内外で気候変動対策の必要性が高まる中、将来を見通し、実効的な対
策を進めるためには、最先端の科学技術を駆使した気候変動予測の研究が極めて重要で
す。加えて、その科学技術をもって気候変動外交における我が国のプレゼンス向上と国
内の気候変動対策に引き続き貢献していくことも、我が国の政策上必要なことです。
そこで、国は、気候変動研究の更なる推進とその成果の社会実装に取り組むべく、
「創
生プログラム」で成果を上げた様々な専門家から成る独自の気候変動研究体制について、
研究に対して統合的に取組むよう設計段階で組み込みつつ、気候モデルの開発から始ま
る一連の気候変動予測研究を気候モデルの高度化という基盤の強化から発展させながら、
高度化された気候変動予測データセットの整備に挑みます。
3. 事業の概要
本プログラムにおいては、
「創生プログラム」の成果を発展的に継承しながら、気候モ
デルの高度化を含む世界最高水準の気候変動予測に関する研究を、4つの研究領域テーマ
(A.「全球規模の気候変動予測と基盤的モデル開発」、B.「炭素循環・気候感度・ティ
ッピング・エレメント等の解明」、C.「統合的気候変動予測」、D.「統合的ハザード予
測」)を連携させ統合的な研究体制を構築しながら、領域テーマごとに1件程度採択し、
実施する。
II.
公募概要
1. 募集から契約までのスケジュール
本事業における募集から契約までのスケジュールの概略を以下に示します。
募集受付
(3 月 3 日(金)~3 月 27 日(月)17 時)
書面審査
(3 月下旬予定)
※1
ヒアリング審査
(3 月 30 日(木)予定)
実施機関選定
(4 月中旬予定)
※2
契約及び事業開始
(4 月下旬予定)
(目安であり変更もあり得ることに留意)
※1
※2
ヒアリング審査の対象機関に対して、実施日時等を連絡します。
実施責任者及び事務連絡担当者に採否結果を通知します。
【公募説明会について】
事業の内容、応募の手続き等についての説明会を以下のとおり実施します。
日時:平成 29 年 3 月 7 日(火) 15 時 30 分~17 時 00 分
場所:文部科学省 18 階 研究開発局会議室 1
参加ご希望の方は、以下の宛先に e-mail にて、氏名、所属、電話番号、メールアドレ
スをご記入の上、お申込みください(申し込み締切り:3 月 6 日(月)17 時)。
e-mail:[email protected]
件名:「統合的気候モデル高度化研究プログラム公募説明会申込」
2. 応募対象者
本事業では、以下の要件を満たす国内の機関を募集します。複数の研究機関等による
共同提案も可能としますが、その場合には主管機関を 1 機関定め、当該機関から応募し
てください。
応募機関の要件
本事業に応募できるのは、以下に示す国内の大学、研究開発機関、企業等の機関とし
ます。研究者・職員個人は対象としません。なお、委託契約の履行能力を確認するため、
審査時に機関の営む主な事業内容、資産及び負債等財務に関する資料等の提出を求める
事があります。
・ 大学(学校教育法(昭和 22 年法律第 26 号)第 1 条に規定する大学をいう。)
・ 高等専門学校(学校教育法(昭和 22 年法律第 26 号)第 1 条に規定する高等専門
学校をいう。)
・ 大学共同利用機関(国立大学法人法(平成 15 年法律第 112 号)第 2 条第 4 項に
規定する大学共同利用機関をいう。)
・ 独立行政法人(国立研究開発法人含む)
・ 一般社団・財団法人又は公益社団・財団法人
・ 民間企業(ただし、法人格を有すること)
・ 特定非営利活動促進法第 10 条第 1 項の規定により認証を受けた特定非営利活動
法人
また、応募する機関は、以下の要件も満たす必要があります。
・ 予算決算及び会計令第 70 条の規定に該当しない者であること。なお、未成年者、
被保佐人又は被補助人であって、契約の締結のために必要な同意を得ている者は、
同条中、特別の理由がある場合に該当する。
・ 文部科学省の支出負担行為担当官等から取引停止の措置を受けている期間中の
機関でないこと。
・ 採択された場合に、本事業の実施に際し、所属機関の施設及び設備が使用できる
機関であること。
・ 採択された場合に、本事業の契約手続等の事務を行うことができる機関であるこ
と。
領域代表者の要件
領域代表者は、領域テーマ A~D の各研究課題の実施主体の共同研究に関する提案及
びヒアリング等の審査過程に関する連絡・対応に当たって、総括的な責任を有する者と
し、当該共同研究が採択された後は、実施体制における円滑な研究の推進と各研究課題
の達成目標に向けて、領域テーマの代表者として研究推進に係る連絡の取りまとめを行
うとともに、PD・PO(後述)と連携し、研究分担を含む研究計画の作成及び見直しに
係る調整等、研究の円滑な実施のための進行管理を行います。
本事業に応募できる領域代表者は、事業推進の責任を果たすことができる次の(ア)
~(エ)すべてを満たす研究者とします。
(ア)
(イ)
(ウ)
(エ)
事業を実施する適切な体制を取ることが可能であること。
提案した事業計画を適切に実施する能力を有していること。
実施期間を通じて委託事業全体に責任を負い、研究開発等に力を注げること。
不適正経理に係る申請資格の制限等を有していないこと。
研究参画者の要件
研究に参画する者については、提案書に記載されているものとします。但し、データ
収集のみの担当者等は研究グループの構成員に記載しないものとします。なお、一時的
に関わる者も含め、共同研究としての論文発表等の連名は差し支えないものとします。
その他の要件
上記の他、本事業に応募する者は、以下の要件を満たしている必要があります。なお、
複数の研究機関等による共同提案として応募する場合は、主管機関及び参画機関で各項
目を満たしていれば可とします。
(ア) 領域テーマ A~C の実施に当たっては、高度なシミュレーションを行うための計
算機資源として、世界最高水準のスーパーコンピュータである地球シミュレータの
活用を前提とすること。
【具体的要件】
・ 大型計算機(スーパーコンピュータ)の利用経験があり、自ら改良できるプログラ
ムを持っていること。
・ 地球シミュレータは、高性能ベクトルプロセッサを高性能プロセッサ間ネットワー
クで結合することにより、プログラムの高速実行が可能になっている。このような
システムの特徴を生かすため、プログラムのベクトル化率が高く並列化効率の高い
プログラムを実行できること。
・ 応募時に、必要となる地球シミュレータの使用量を明示すること。
※留意事項:
なお、採択後の事業の実施にあたっては、地球シミュレータの利用に関して、別途、
国立研究開発法人海洋研究開発機構地球シミュレータセンターが定める利用条件
に従い、利用手続きを行う必要があります。
(イ) 本事業では、IPCC への貢献を重要な目的であり社会実装方策の一つとして掲げ
ていることから,本事業に参画する者は、IPCC 第 6 次評価報告書や UNFCCC 等に対し
て、執筆活動や会合参加などによる積極的な貢献を果たす意思を有すること。
3. 公募内容
以下の研究領域テーマ A~D について、実施機関を募集します。なお、テーマの達成
目標を果たす上で重要であるにもかかわらず達成目標に言及のない技術的課題が存在す
る場合には、その新たな課題を追加設定し、必要な体制を提案することを認めます。
また、事業として統合的な気候変動研究の実施を行うために、各領域テーマの研究内
容及び実施体制等に関して、文部科学省は、他の領域テーマとの連携を受託者に求めま
す。
※留意事項:
達成目標との関係で研究計画修正の必要が認められる場合には、採択時に計画修正
や実施体制の変更を条件として付す場合があります。
テーマ A.全球規模の気候変動予測と基盤的モデル開発
【達成目標】
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第 5 次評価報告書(AR5)や、AR5 に向
けて実施された第 5 次結合モデル相互比較プロジェクト(CMIP5)での予測結果は、2015
年 12 月にフランス・パリで開催された気候変動枠組条約(UNFCCC)第 21 回締約国
会議(COP21)での議論の基盤となる科学的知見として活用された。現在、次の第 6 次
評価報告書(AR6)を作成することが決定されており、AR6 に向けた第 6 次結合モデル
相互比較プロジェクト(CMIP6)も開始されている。IPCC に対する我が国の貢献を果
たすべく、世界に通用する信頼性の高い大気海洋結合モデル等を用いて、この CMIP6
実験に参加する必要がある。
また、気候モデルを気候変動の緩和策・適応策に資する気候予測・影響評価研究の基
盤とするためには、継続的なモデル開発により信頼性を向上させることが不可欠である。
特に、雲・降水・放射・海洋・陸面等のプロセスの高度化や、最新衛星データを活用し
たモデルの検証と改良等が、予測や影響評価のための精度向上等の基礎となる研究開発
要素として挙げられる。これらの研究開発と共に、気候モデルの高解像度化を進めるこ
とで、気候システムのプロセス高度化を果たし、近未来予測などを含めて様々な時間ス
ケール・対象を切れ目なく扱うことができる「シームレス」な予測基盤モデルの開発に
つなげる。
このようなモデルの高度化は、適切な気候変動対策の評価基盤のために必要となる気
候感度の不確実性を低減させることにも貢献する。重要性の高い気候感度に関する議論
において日本が科学的見地から主導的役割を果たすことにつながるため、気候感度の不
確実性低減に向けて研究にも取組む。さらに、上記のモデル開発の取組と併せて、気候
変動に関して未解決となっている基礎的・基盤的研究の解決にも着手し、創生プログラ
ムが推進してきたイベント・アトリビューション(精巧かつ多量のシミュレーションに
よって、気象イベントのメカニズムを解明し、温暖化の寄与を算定すること)研究の発
展や、仮説検証実験に基づく過去から近未来までの気候変化の科学的理解などによる、
広域気候変動のメカニズム及び要因分析を進める。
また、高度化された気候モデルによる、データ同化技術等を併用した気候変動予測に
関する研究の推進にも取組み、世界の気候変動研究コミュニティーにおける日本のプレ
ゼンスを高める先進的な研究成果を達成する。
テーマ B.炭素循環・気候感度・ティッピング・エレメント等の解明
【達成目標】
大気海洋結合モデルに炭素循環や生態系変化等のプロセスを取り込んだ地球システム
モデルは、物質循環と気候変動との相互作用を取り扱うことができることから、高精度
な気候変動予測が可能となることが期待される。この地球システムモデルを用いて
CMIP6 実験に参加することで、IPCC に対する我が国の貢献を果たす。
また、地球システムモデルによる予測の精度向上のためには、モデルを構成する要素
である陸域生態系や海洋熱・炭素吸収過程、窒素循環等の精度を向上させ、地球システ
ムモデルの高度化を果たす必要がある。
上記の他に地球システムモデルに期待される役割として、気候感度やティッピング・
エレメント(気候変動があるレベルを超えたとき、気候システムに不可逆性を伴うよう
な激変が生じるような事象)等の気候変動対策に与える影響が非常に大きい要素の解明
や、ジオエンジニアリングの評価がある。そこで、地球システムモデルまたはそれを構
成する氷床モデル、陸面過程モデル等の各モデルを用いて、解明及び評価を目指す。
さらに、地球システムモデルの研究開発に当たっては、緩和策や適応策に必要な評価
を行うべく、気候変動が含む複雑な相互作用及び多様な影響が起こる可能性などを考慮
することができるように、地球システムモデルの拡張として、各種モデルとの結合の可
能性について挑戦することも視野に入れる。
以上のテーマ課題に加えて、様々な科学的課題に対して取り組むためには、領域テー
マ横断的研究体制及び対応が必要となる。このために、緩和策や適応策の評価に結びつ
くことから様々な科学的課題との親和性が特に高い本領域テーマ B を中心として、本領
域テーマ B における研究活動を活かしながら、データセットを詳細に把握しつつ各研究
者に最適な形で渡るようデータサーバーを運用し、さらに本プログラム内外で連携する
研究者を束ねる統合的な研究体制を構築する。さらに、研究成果の社会実装に向けて、
一般社会に向けた啓発活動等を行う。
テーマ C.統合的気候変動予測
【達成目標】
2015 年 11 月に閣議決定された「適応計画」にもあるように、気候変動による影響へ
の適応策を我が国として策定していく必要がある。その適応策の検討に資する情報を創
出していくためには、地域レベルの詳細なハザード予測等が必要となってくるが、その
ためには、高精度な全球・領域気候モデルによる気候変動予測情報を提供していくこと
が求められる。そこで、全球・領域気候モデルについて、数キロメートルへの高解像度
化に取組むと共に、各種要素モデルの導入等を通じ、台風や豪雨といった顕著現象等の
研究を進め、モデル出力の適応範囲を画期的に広げる高解像度の力学的ダウンスケーリ
ングによる気候変動予測実験のデータセットの充実に取組む。
さらに、日本近海の高解像度な気候変動に関する実験を充実させる観点からは、ロン
グランやマルチシナリオラン、多数アンサンブル計算による既存の気候変動予測情報の
充実だけでなく、自然変動を考慮した過去及び将来の気候を正確に把握するためにも、
将来予測実験だけでなく、過去の気候変動の再現も必要である。そこで、将来の気候変
動予測情報の充実とともに過去の気候変動に対する理解を助ける長期再解析について、
データ同化等の実施を行い、これらデータセットの整備を通じて、メカニズムの理解を
進める。
2015 年 9 月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」での 2030
年に向けた 17 の目標の一つとして、気候変動対策が明記されているように、気候変動
対策は世界的課題であり、日本だけではなくアジアや世界に向けて、我が国の気候変動
分野における貢献を展開することで我が国のプレゼンスを高めることができる。そこで、
本テーマにおいて開発される高解像度でかつ高精度な全球・領域気候モデルを用いて、
CMIP6 実験等の国際的実験枠組みに参加して実験を行うことに加えて、アジア諸国等
との連携研究による現地の気候変動予測情報の精細化への協力を行うことで、アジア諸
国等における SDGs の実現への貢献に向けての土台構築に取組む。
その他、気候変動予測情報の充実を進めるに当たっては、関係省庁が適応策として実
際に活用できるように連携を深めるべきである。
テーマ D.統合的ハザード予測
【達成目標】
気候変動による影響への適応策を我が国として策定していくためには、高精度な全
球・領域気候モデルによる気候変動予測情報に基づいた、日本全国をカバーする詳細な
ハザード予測が必要となってくる。そのためには、高精度化された気候変動予測情報を
受け取るハザードモデルに関しても、陸面モデルの改良等によるプロセス高度化や、高
解像度化、日本全域へのハザードモデルの最適化などの研究開発を行う。また、全球気
候モデルや領域気候モデルの力学的ダウンスケーリングによる実験の利点を特に得られ
る台風や豪雨などの極端現象等に関するハザードについて、その頻度や最大クラスの評
価も含めたハザード予測を行う。
また、自然災害や水資源の分野では、適応策の定期的な見直しへの科学的貢献が求め
られることから、温暖化が進行した今世紀末のハザード予測だけでなく、実際に今後進
んでいく適応策の実施期間中に徐々に進行していくハザードの極端化等の研究について
も、実施する必要がある。
さらに、気候変動に関する実験シリーズを充実させる観点から、過去の防災施策を評
価し適応策の出発点に結びつけるためにも、過去のハザードの条件データ収集や再現及
びその要因分析も必要である。
適応策を定期的に見直すという観点からは、進行する気候変動に対して手遅れとなら
ないよう順応的な運用のできる適応策の構築が求められると考えられる。そこで、適応
策の開始時期や効果を評価するような方法、その影響を左右する社会経済的要因も考慮
に入れた適応策評価について、その研究の可能性を探るべきである。
加えて、アジア諸国等との連携研究を通じてハザード予測技術を世界に向けて展開し
ていくことは、現地の気候変動対策に資するという点からアジア諸国等における SDGs
の実現への貢献へとつながるため、それに向けての土台構築に取組む。
その他、バイアス補正や極値統計などの手法を一般化・パッケージ化し、研究コミュ
ニティーにおいて利用できる状態にするための取組についても検討する。
なお、ハザード予測情報の作成を進めるに当たっては、関係省庁が適応策として実際
に活用できるように連携を深めるべきである。
4. 採択後の事業実施体制
本事業では、採択された機関が文部科学省と委託契約(共同提案の場合は、参画機関
は主管機関と再委託契約)を締結し、文部科学省に代わって事業を実施することになり
ます。なお、委託契約の締結等に係る詳細は III.をご参照ください。採択された機関
は、以下の体制で本事業を実施していただきます。
実施体制
実施機関は、文部科学省からの直接の受託者として、一定の契約責任を有する日本国
内の機関であることとします。なお、複数の研究機関等による共同提案の場合、II.3
を実施する母体として文部科学省からの直接の受託者となる1つの機関を主管機関と
し、II.3の実施内容を主管機関との間で業務分担し、当該範囲の実施責任を負いつつ
実施する機関を参画機関とします。
※留意事項:
再委託契約については、真に必要性が認められる場合に限ることとします。但し、
文部科学省から見て再々委託になる契約については認められません。
プログラム・ディレクター(PD)
PD は、文部科学省により事業全体の調整を図るために配置され、本プログラムを効
率的・効果的に運営するための全体調整について責任を負い、以下の役割を担います。
・ 採択課題の審査への参画
・ プログラム全体の研究開発の進捗状況の管理
・ プログラムの運営方針及び資金の配分額に関する検討
・ プログラムのマネジメントシステムの向上(研究調整委員会の主宰、課題間調整の
ための実施主体への指導、外部評価への対応の統括等)
プログラム・オフィサー(PO)
PO は、文部科学省により A~D の領域テーマ毎に配置され、本プログラムの研究開
発を効果的に推進するため、研究課題の進捗管理、研究計画の調整等、上記 PD の役割
を補佐します。
研究調整委員会
研究調整委員会は、PD が主催し、PD、PO、領域代表者、外部有識者等により構成
され、複数の研究課題を横断的に連携することにより、各研究課題の達成目標の実現を
促進します。研究調整委員会の事務局は領域テーマ B が担当します。PD、PO の旅費等
については文部科学省が負担し、外部有識者の旅費等は研究調整委員会の事務局である
領域テーマ B が負担します。
研究運営委員会
研究運営委員会は、A~D の領域テーマ毎に領域代表者が主催し、PD、PO、領域代
表者、研究者、外部有識者等により構成され、領域に属する研究課題の円滑な推進、運
営管理に必要な連絡調整を行います。研究運営委員会の事務局は各領域テーマが担当し
ます。PD、PO、領域代表者、研究者、外部有識者の旅費等については、研究運営委員
会の事務局である各領域テーマが負担します。
その他
上記のほか、PD、PO 及び文部科学省は、研究開発の連携、アウトリーチ活動等に対
応する各種体制の設置や事業方針に関する指示・助言を行うことがあります。
研究調整委員会、研究運営委員会について、以下にイメージを示します。
5. 実施期間、実施予定額
実施期間
原則として 5 年間(平成 29 年度~平成 33 年度)とします。ただし、毎年度、事業の
実施状況等について評価又は確認等を行い、事業の継続の可否判断するものとします。
なお、契約の締結は年度毎に行うものとします。
実施予定額
地球シミュレータ使用料を除く各年度の計画額の規模については、テーマ A は 1.1 億
円程度、テーマ B は 2.2 億円程度、テーマ C は 1.1 億円程度、テーマ D は 1.1 億円程度
とします(地球シミュレータの使用に必要な経費については別途措置するので、提案時
には、利用希望ノード時間を記載し、費用の積算からは除外すること。)。
なお、領域テーマごとに、1 件程度の採択を予定しています。
ただし、平成 29 年度以降の毎年度の委託費については、研究開発の進捗や本事業の各
年度予算規模により、年度毎に決定します。
6. 事業の管理と評価
事業管理
本事業については、文部科学省から適宜事業の進捗状況の確認や報告を求めるととも
に、事業実施場所において事業状況の確認を行うことがあります。その結果、進捗状況
に応じて、計画の変更、課題の中止等を求めることがあります。また、経理面の確認も
行うことがあります。
評価
実施期間が 3 年目をむかえた時点で、中間評価を実施します。また、研究実施終了後
には事後評価を実施します。中間評価においては、それまでの事業の進捗を評価し、3
年目までの目標を達成しうるか否かについて確認した上で、委託機関として継続するこ
との可否を判断します。なお、中間評価及び事後評価の結果については、文部科学省科
学技術・学術審議会研究計画・評価分科会に報告されるとともに、文部科学省のホーム
ページを通じて公表されます。
7. 提案書類の受付等
本事業の応募の募集期間及び提案書類の提出先等は以下のとおりです。提案書類の提
出は、e-Rad と郵送の両方による方法とし、提案書類は提出期限内に提出してください。
提案書類書式の入手方法等
提案書類書式等、応募に必要な資料の入手については、文部科学省ホームページの公
募情報(http://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/index.htm)、もしくは e-Rad ポータル
サイトからダウンロードしてください。
提出を要する提案書類は「様式1~様式9」及び別添「提出書類チェックシート」で
す。様式4の「用語の説明書」については、提出を義務付けるものではありませんが、
難解な専門用語等を記載している場合は、提案内容の理解を助ける補助資料として、必
要に応じ、提出してください。
公募に参加を希望する者は、提案書等の提出時に、支出負担行為担当官が別に指定す
る暴力団等に該当しない旨を誓約書(様式6)に記入し、所属機関長による署名(自署
に限る。公印不要。)の上、e-Rad 及び郵送にて提出してください。誓約書を提出せず、
又は虚偽の誓約をし、若しくは誓約書に反することとなったときは、当該者の契約を無
効とします。ただし、機関の代表者の選任・任命を国が行う機関(国立大学法人、独立
行政法人、国立研究開発法人等)に該当する機関は提出の必要はありません。
提案書類の受付期間
平成 29 年 3 月 3 日(金) ~ 平成 29 年 3 月 27 日(月)17 時(厳守)
(郵送が必要な提案書類は期日までに必着)
※全ての提案書類について、期限を過ぎた場合には一切受理できませんので御注意く
ださい。
提案書類の郵送による提出先
提案書類は、e-Rad での入力、添付に加え、以下に記載の提出先までご提出下さい。
その際には、実施責任者(共同提案の場合、主管機関の実施責任者)、その所属機関名、
部署名、応募課題名を明記した送付状を添付してください。
〒100-8959 東京都千代田区霞が関 3-2-2
文部科学省 研究開発局 環境エネルギー課
「統合的気候モデル高度化研究プログラム」公募担当
8. e-Rad を利用した応募書類の作成・提出等
府省共通研究開発管理システム(e-Rad)について
府省共通研究開発管理システム(e-Rad)とは、各府省が所管する競争的資金制度を
中心として研究開発管理に係る一連のプロセス(応募受付→審査→採択→採択課題管
理→成果報告等)をオンライン化する府省横断的なシステムです。
※「e-Rad」とは、府省共通研究開発管理システムの略称で、Research and Development
(科学技術のための研究開発)の頭文字に、Electric(電子)の頭文字を冠したも
のです。
e-Rad の操作方法
e-Rad の操作方法に関するマニュアルは、ポータルサイト
(http://www.e-rad.go.jp/)から参照またはダウンロードすることができます。
利用規約に同意の上、応募してください。
e-Rad の操作方法に関する問合せ先
事業そのものに関する問い合わせは従来通り文部科学省研究開発局環境エネルギ
ー課公募担当にて受け付けます。府省共通研究開発管理システム(e-Rad)の操作方
法に関する問い合わせは、e-Rad ヘルプデスクにて受け付けます。e-Rad のポータ
ルサイト(以下、「ポータルサイト」という。)をよく確認の上、問い合わせてく
ださい。なお、審査状況、採否に関する問合せには一切回答できません。
府省共通研究開発管理システム(e-Rad)の操作方法に関する問い合わせ
府省共通研究開発管理システム(e-Rad)ヘルプデスク
0570-066-877 (ナビダイヤル)
午前 9:00~午後 6:00 ※土曜日、日曜日、祝祭日及び年末年始を除く
・ポータルサイト:http://www.e-rad.go.jp/
e-Rad の利用可能時間帯
(月~日)0:00~24:00(24 時間 365 日)
ただし、上記利用可能時間帯であっても保守・点検を行う場合、運用停止を行う
ことがあります。
運用停止を行う場合は、ポータルサイトにてあらかじめお知らせします。
e-Rad を利用した応募方法
本事業への応募は府省共通研究開発管理システム(e-Rad)を通じて行っていただきま
す。
その他、応募書類については、別途、7.
(3)に記載の提出先へ、郵送での送付が必
要ですので、ご注意下さい。
また、応募の際は、特に以下の点に注意してください。
e-Rad 使用にあたる事前登録
e-Rad の使用にあたっては、研究機関及び研究者の事前登録が必要となります。
① 研究機関の登録
応募にあたっては、応募時までに e-Rad に研究機関が登録されていることが必要とな
ります。
研究機関で 1 名、e-Rad に関する事務代表者を決めていただき、事務代表者はポータ
ルサイトより研究機関登録様式をダウンロードして、登録申請を行ってください。登録
手続きに日数を要する場合がありますので、2 週間以上の余裕をもって登録手続きをし
てください。なお、一度登録が完了すれば、他省庁等が所管する制度・事業の応募の際
に再度登録する必要はありません。また、既に他省庁等が所管する制度・事業で登録済
みの場合は再度登録する必要はありません。
② 研究者情報の登録
本制度に応募する際の実施担当者を研究者と称します。研究機関は実施担当者の研究
者情報を登録し、ログイン ID、パスワードを取得することが必要となります。ポータル
サイトに掲載されている所属研究機関用マニュアル(研究機関事務代表者用)及び所属
研究機関用マニュアル(研究機関事務分担者用)を参照してください。
③ e-Rad を利用した公募の流れ
e-Rad ポータルサイトにアクセス
http://www.e-rad.go.jp
e-Rad 等から提案書類様式をダウンロード
提案書類の作成
主管機関において e-Rad に必要事項を記入の上、提案書類をアップロード
(公募締切日:平成 29 年 3 月 27 日(月)17 時)
参画機関がある場合、参画機関の承諾書(様式5)を提出
(該当する機関のみ)誓約書(様式6)の提出
(締切日:平成 29 年 3 月 27 日(月)17 時)
受理
なお、提案書類のアップロード後は、システムにて提案書類受理状況が確認できます。
e-Rad への応募情報入力
システムへの応募情報入力にあたっては、ポータルサイトに掲載されている研究者用
マニュアルを参照してください。
応募書類の作成上の注意事項
提案書類の作成に当たっては、以下に示す注意事項とともに、e-Rad への応募情報入
力に当たっては、ポータルサイトに掲載されている研究者用マニュアルを参照してくだ
さい。提案書類に不備がある場合、受理できないことがありますのでご注意ください。
・ 電子媒体に貼り付ける画像ファイルの種類は「GIF」「BMP」「PNG」形式のみとして
ください。それ以外の画像データを貼り付けた場合、正しく PDF 形式に変換されま
せん。画像データの貼り付け方については、研究者向け操作マニュアルを参照して
ください。
・ アップロードできる電子媒体は 1 ファイルで最大容量は 10MB です。それを超える容
量のファイルは、文部科学省研究開発局環境エネルギー課公募担当まで連絡してく
ださい。
・ 電子媒体の様式は、アップロードを行う前に PDF 変換を行う必要があります。PDF 変
換はログイン後のメニューから行ってください。また、同じくメニューから変換ソ
フトをダウンロードし、お使いのパソコンへインストールしてお使いいただくこと
も出来ます。外字や特殊文字等を使用した場合、文字化けする可能性がありますの
で、変換された PDF ファイルの内容をシステムで必ず確認してください。利用可能
な文字に関しては、研究者用操作マニュアルを参照してください。
・ 研究機関からの承認が必要な応募課題の情報は、「未処理一覧」画面から確認する
ことができます。
・ 提出締切日までにシステムの「応募課題管理」画面の「申請進行ステータス」が「配
分機関処理中」となっていない申請は無効となります。正しく操作しているにも関
わらず、提出締切日までに「配分機関処理中」にならなかった場合は、文部科学省
環境エネルギー課公募担当まで連絡してください。
提案にあたっての注意事項
提案に対する機関の承認
採択後に契約行為を伴いますので、所属する研究機関の了承を得た上での承認が必須
となります。e-Rad 上で機関承認の処理を必ず行ってください。研究者が e-Rad に登録
したのみでは提案書は受け付けられませんので、御注意願います。
なお、複数の参画機関が共同で事業を実施する場合には、参加する全ての参画機関の
了承を得た上で提出してください。
また、所属機関の事務担当者は、e-Rad により提案内容を閲覧することができます。
提案内容の調整
実施機関の選定及び本事業の実施に当たっては、予算の制約等の理由から、提案内容
の修正を求めることがあります。また、本事業の実施に割り当てられる経費は、予算状
況により変わる場合がありますので、あらかじめ御了承ください。
対象外となる提案について
以下に示す提案は本事業の対象外となります。
・ 単に既製の設備備品の購入を目的とする提案(単に試験設備の製作・試運転を目
的とするもの)
・ 他の経費で措置されるのがふさわしい設備備品等の調達に必要な経費を、本事業
の経費により賄うことを想定している提案
その他の注意事項
・ 提案書類に不備等がある場合は、審査対象となりませんので、公募要項及び様式
に示した注意事項を熟読の上、御記入してください。提案書類のフォーマットは
変更しないでください。
・ 提案書類の返却はいたしません。
・ 提案書類の作成はカラーでも可としますが、公平性の観点から審査はモノクロ印
刷した書類で行いますので、御了承願います。
・ 提案書類の記載(入力)に際しては、本項目及び様式1~様式9に示した注意事
項に従って、必要な内容を誤りなく記載してください。
・ 提案書類は日本語で作成してください。
・ 数値は原則として半角で入力してください。((例)郵便番号、電話番号、金額、
人数等)
・ 郵便番号は 7 桁で記入してください。
・ 用紙の大きさは、全て日本工業規格 A4 版とします。
・ 字数制限や枚数制限を定めている様式については、制限を守るよう努めてくださ
い。また、制限がない様式であっても、応募に際して利用する e-Rad においてア
ップロードできるファイルの容量に制限があることに御注意ください。
・ 提案書類は、様式1を第1ページとし、1/○、2/○、・・・、(○は全ページ数)
として通しページ番号を中央下に必ず付けてください。
・ 記載欄が不足する場合は、適宜枠を広げてご記入下さい。
・ 提案書等の作成費用については、選定結果にかかわらず提案者の負担とします。
9. 実施責任者等の指定
本事業への応募にあたっては、以下の方を指定してください。
実施責任者等
応募にあたっては、事業の推進に責任を持つ実施責任者 1 名を指定してください。
(共同提案を行う場合は、主管機関における実施責任者 1 名を指定してください。)
参画機関実施責任者
共同提案を行う場合においては、参画機関における事業の推進に責任を持つ参画機関
実施責任者を指定してください。
事務連絡担当者の指定
本事業に応募するに当たっては、文部科学省との事務連絡を速やかに行うことができ、
かつ常に実施責任者と連絡をとることができる、実施責任者と同じ機関に所属する担当
者(事務連絡担当者)を指定してください。なお、実施責任者が事務連絡担当者を兼ね
ることはできません。
10.
審査及び採択
審査・選定方法等
本事業の公募に係る審査は、文部科学省に設置する審査委員会において行います。審
査委員会は、応募のあった機関の提案内容について、以下「(2)選定の観点(審査項
目)」に基づき、書面審査及びヒアリング審査を行い、合議審査により実施機関を選定
します。
ヒアリング審査は、書面審査で選定された提案を対象に実施します。文部科学省研究
開発局環境エネルギー課からヒアリング審査対象課題の面接の実施について実施責任者
及び事務連絡担当者に連絡をします。なお、ヒアリング審査までの間に、追加資料の提
出を求める場合があります。
審査委員会は、必要に応じて、提案書類に記載のあった計画内容や、実施体制等につ
いての意見を述べることがあります。また、書面審査及びヒアリング審査の結果、提案
内容の修正や不足部分の追加を求め、再審査、又は、再公募を実施し、ヒアリング審査
を別途実施する場合があります。
審査は非公開とし、選定に携わる関係者には、審査の過程で取得した一切の情報を、
審査期間だけではなく、審査終了後も第三者に漏えいしないこと、情報を善良な管理者
の注意義務をもって管理すること等の秘密保持を遵守することを義務づけます。
選定の観点(審査項目)
審査委員会の各委員が、提案内容について以下の1)~4)の項目ごとに評価を行い
ます。その後、各項目の評価結果の合計を平均したものを当該提案の得点とし、総合的
に審査を行った上で採択を決定します。
【評価基準】
・ 評価項目 1)2)3)
大変優れている=5 点 優れている=4 点 普通=3 点、
やや劣っている=2 点 劣っている=1 点
・ 評価項目 4)
えるぼし認定段階 2 以上、プラチナくるみん認定、ユースエール認定のいずれか
=2 点、えるぼし認定段階 1、くるみん認定、のいずれか=1 点
1) 実施内容に関する評価項目
① 提案者が実施機関の要件(II.2.参照)に適合していること。
② 達成目標を実現するためのプロセス及び期待される成果が明確かつ具体的であ
り、実現性・妥当性があること。なお、達成目標を果たす上で重要であるにもか
かわらず達成目標に言及のない技術的課題が存在する場合には、その新たな課題
を追加設定し、必要な体制を提案することを認める。
③ 内容・研究開発の水準が世界的に見て高いものであること。
④ IPCC や UNFCCC 等の国際的な気候変動研究の場における貢献や、国内の緩和策・
適応策の策定への貢献など、我が国が実施することが適当な国際的あるいは国内
的な重要課題であり、優先度の高い取組であること。
⑤ 地球シミュレータを直接利用もしくはその計算結果を活用する必要のある研究
内容であること。
2)実施体制に関する評価
① 参加している機関の役割分担及び責任体制が明確かつ妥当であるとともに、目標
達成に向けて連携して実施する体制であること。
② 本事業を実施するための人員・組織体制が整っており、業務管理を適切に遂行で
きる体制を有していること。
③ 本事業を適切に遂行するための専門的知識、ノウハウ及び実績を有しているこ
と。
④ 主管研究実施機関・共同研究参画機関は、研究課題全体に関する事務的管理(研
究の運営管理、機関間の調整、財産管理、研究成果の普及等)を実施する機能を
有していること。
3)事業計画に関する評価
① 所要経費の内容が妥当であり、有効に使用されることが見込まれること。
② 目標設定が具体的かつ達成できるように適切に定められていること。
③ 目標の実現に向けて、具体的かつ適切な規模で、期間内に達成できる見通しの計
画となっていること。
④ 研究代表者は、課題全体の研究計画を着実に推進し、統一的な成果を取りまとめ
るための能力及び指導者性を有していること。
⑤ 全体代表者は、共同実施体制における円滑な研究の推進と各研究項目の達成目標
に向けて、研究計画の作成及び見直しに係る調整等、研究の円滑な実施のための
進行管理を行うための能力及び指導者性を有していること。
4)ワーク・ライフ・バランス等の取組に関する評価
① 以下のいずれかの認定等があること。ワーク・ライフ・バランス等の取組に関す
る認定内容等により加点する。複数の認定等に該当する場合は、最も認定段階が
高い区分により加点を行うものとする。
・ 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づ
く認定(えるぼし認定企業)を受けていること。
・ 次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく認定(くるみん認定企業・
プラチナ認定企業)を受けていること。
・ 青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)に基づく認定を受け
ていること。
選定結果の通知等
・ 全ての審査終了後、ヒアリング審査と同様の連絡先に採択の可否を通知します。
なお、選考の途中経過についての問合せには一切応じられません。
・ 採択に当たっては、研究開発の内容、事業期間、事業に要する経費、実施体制等
に関し、条件を付すことがあります。
・ 採択の決定後、文部科学省ホームページへの掲載等により、審査委員等について
の情報を公開します。
11.
公表等
e-Rad 上の採択された提案内容に関する情報の取扱い
採択された提案内容に関する情報(事業名及び実施責任者名、予算額及び実施期間等)
については、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」(平成 11 年法律第 42 号)
第 5 条第 1 号イに定める「公にすることが予定されている情報」であるものとします。
これらの情報については、採択後適宜、本事業のホームページにおいて公開する予定で
す。
e-Rad からの内閣府への情報提供等
文部科学省が管理運用する e-Rad を通じ、内閣府に、各種の情報を提供することがあ
ります。また、これらの情報の作成のため、各種の作業や情報の確認等についてご協力
いただくことがあります。
III. 契約の締結等
1. 委託契約の締結
契約条件等
選定の結果、契約予定者と企画提案書を基に契約条件を調整するものとします。なお、
契約金額については、業務計画書の内容を勘案して決定するものとするため、企画提案
書の提示する金額と必ずしも一致するものではありません。また、契約条件等が合致し
ない場合には契約締結を行わない場合があります。加えて、国の契約は、契約書を締結
(契約書に契約の当事者双方が押印)したときに確定することとなるため、契約予定者
として選定されたとしても、契約締結後でなければ事業に着手できないので、企画提案
書作成にあたっては、事業開始日に柔軟性を持たせた上で作成する必要があることに十
分留意してください。再委託先がある場合は、この旨を再委託先にも十分周知してくだ
さい。
採択された機関(共同提案の場合、主管機関)については、予算の成立を前提に、文
部科学省との間において、国の会計年度の原則に従い、単年度ごとに委託契約を締結す
ることになります。契約を締結するに当たっては、その内容(経費の積算を含む。)が双
方の合意に至らない場合は、採択された機関(共同提案の場合、主管機関)であっても
取消しとなることがあります。
契約締結後においても、予算の都合によりやむを得ない事情が生じた場合には、事業
計画の見直し又は中止を求めることがあります。
なお、中間評価等の結果を踏まえ、年度途中での事業計画の見直し等による契約変更
を行うことがあります。
再委託契約について
主管機関が事業を実施するに当たって、本委託契約の一部を参画機関に委託するよう
な共同提案の場合は、主管機関は参画機関との間において再委託契約を締結するととも
に、再委託先における事業の進捗状況及び事業に要する経費について管理することが必
要となります。
契約の準備について
採択後、速やかに契約作業が進められるよう、採択された機関(共同提案の場合、主
管機関)は、①業務計画書の作成、②業務計画に必要な経費の見積書の徴取、③会計規
程及び職務発明規程等の整備を行う必要があります。採択された機関(共同提案の場合、
主管機関)は当該年度の業務計画書を文部科学省に提出し、文部科学省との契約締結の
手続を行います。
なお、これらについては、省内で調整の結果、修正を求めることがあります。
契約に関する事務処理
「科学技術・学術政策局、研究振興局及び研究開発局委託契約事務処理要領」に基づ
き、必要となる事務処理を行う必要があります(参画機関(再委託先)についても同様。)。
委託費の額の確定等について
当該年度の委託契約期間終了後、委託契約書に基づいて提出していただく委託業務実
績報告書を受けて行う委託費の額の確定等において、事業に要する経費の不正使用又は
当該委託業務として認められない経費の執行等が判明した場合は、経費の一部又は全部
が支払われないことがあります。
なお、共同提案の場合、本委託契約を行う主管機関は、当該年度の委託契約期間終了
までに参画機関(再委託先)からの委託業務実績報告書を受けて、再委託契約の額の確
定等を、当該主管機関における国の確定調査の前に行い、その結果を国の確定調査の際
に報告するようにしてください。
2. 委託費の範囲及び積算等
委託費の範囲
委託費の範囲は、本事業に直接係る経費及び間接的経費とします。詳細は、以下の「経
費取扱区分表」をご参照ください。
大項目
中項目
備考
取得価格が 10 万円以上かつ耐用年数が 1 年以上の機械装置、工
設備備品費
具器具備品の購入、製造又は改良に要する費用。
※資産計上するものの経費。
試作品費
試作する装置に要する費用。
※文部科学省の指示で資産計上する可能性があるもの
人件費
業務担当職員
業務担当職員と補助者は必ず別の中項目とすること。さらに、単
補助者
価の違いに応じて、
「主任研究員」「研究員 A」「部長級」等と細
社会保険料等
分した中項目を用いても良い。独立行政法人、特殊法人、国立大
事業主負担分
派遣職員
学法人及び学校法人については、人件費対象者が運営費交付金、
私学助成の補助対象者ではないこと。
※他の経費からの人件費支出との重複について特に注意する
こと
業務実施費
消耗品費
中項目欄は、上記の各大項目に含まれない、
(研究用等)消耗品
国内旅費
費、国内旅費、外国旅費、外国人等招へい旅費、諸謝金、会議開
外国旅費
催費、通信運搬費、印刷製本費、借損料、雑役務費(委託業務に
外国人等招へい
専用されている設備備品で委託業務使用中に故障したものを補
旅費
修する場合を含む)、電子計算機諸費(プログラム作成費を含む)、
諸謝金
保険料(委託業務を実施するうえで法律により保険料の支払が義
会議開催費
務づけられているもの)
、光熱水料(間接的経費からの支出では
通信運搬費
見合わない試験等による多量の使用の場合のみ、かつ原則個別メ
印刷製本費
ータがあること)、消費税相当額(「人件費(通勤手当除く)」、
「外
借損料
国旅費・外国人等招へい旅費のうち支度料や国内分の旅費を除い
雑役務費
た額」、
「諸謝金」及び「保険料」の 8%に相当する額等、消費税
電子計算機諸費
に関して非(不)課税取引となる経費)等を記載する。なお、消
保険料
費税相当額については、消費税の免税事業者等について計上しな
光熱水料
いこと。また、課税仕入分について還付を予定している経費につ
消費税相当額
いては、見合い分を差し引いて計上すること。
※公共交通機関を利用して移動する際の交通費について切符購
入など又は IC カードによる乗車で二重運賃が発生する場合
は、その取扱いについて定めること。
※消費税相当額の算出に当たり、一円未満の端数があるときは切
捨てること。
間接的経費
間接的経費は、委託業務を実施するうえで必要な経費であるが、
直接経費(設備備品費、試作品費、人件費及び業務実施費)以外
の経費。
摘要欄等に記載する際は、間接的経費は「上記経費の 30%」。
※間接的経費の算出に当たり、一円未満の端数があるときは切捨
てること。
委託費の積算
本事業に必要な経費を費目ごとに算出し、総額を計上の上、
(様式2)に記載してくだ
さい。
委託費の支払
委託費は、原則として当該年度の委託契約期間終了後に文部科学省が支払うものとし
ます。ただし、文部科学省が必要と認める場合には、委託費の全部又は一部を概算払い
することができます。
3. 事業成果の取扱い
委託業務成果報告書の提出
事業成果を取りまとめた委託業務成果報告書(要約版を含む。)を契約に基づき紙媒体
及び電子媒体で提出していただきます。電子媒体はファイル形式を PDF 形式とします。
また、同内容の電子媒体を Word 形式でも併せて提出してください。委託業務成果報告
書は、国立国会図書館等で公開されます。なお、成果報告会での発表を求めることがあ
ります。
事業成果の帰属
事業を実施することにより取得した特許権や著作権等の知的財産権については、産業
技術力強化法(平成 12 年法律第 44 号)における日本版バイ・ドール規定に基づく一定
の要件の下で受託者に帰属させることができます。その詳細については契約時に定める
契約条項によることとします。
事業成果のオープンアクセスの確保
経費が国の予算から支出されている観点から、受託者は、可能な限り事業成果(アプ
リケーション等)のオープンアクセスを確保するよう努めていただきます。また、事業
で得られた気候変動予測情報等についても、可能な限りデータ統合・解析システム(DIAS)
(http://www.diasjp.net/)等にアーカイブし、広く公開・提供していただきます。
4. 取得資産の取扱い
所有権
委託費により取得した資産計上対象物品(設備備品及び文部科学省が指定する試作品。
以下「設備備品等」という。)の所有権は、「額の確定」後、文部科学省に移転していた
だきます。次年度以降も継続して当該委託業務に使用を希望する場合は、別途、物品無
償貸付申請書により、文部科学省の承認を得る必要があります。
なお、設備備品等については、受託者が文部科学省との契約条項に従って善良な管理
を行ってください。
事業終了後の設備備品等の取扱い
事業終了後における設備備品等の取扱いについては、別途、文部科学省との協議とな
ります。
放射性廃棄物等の処分
汚染資産等及び委託業務の実施により発生した放射性廃棄物は、受託者の責任におい
て処分してください。
IV.
研究費の適切な執行について
1. 不合理な重複・過度の集中に対する措置
不合理な重複に対する措置
本事業への提案において、研究者が、実質的に同一の研究内容で、既に研究助成(公
的助成及び民間との共同研究等を含む)を受けている場合、本事業の審査対象からの除
外、採択の決定の取消し、又は経費の削減(以下「採択の決定の取消し等」という。)を
行うことがあります。
なお、本事業への提案段階において、他の研究助成等への応募を制限するものではあ
りませんが、他の研究助成等に採択された場合には速やかに本事業の事務担当に報告し
てください。この報告に漏れがあった場合、本事業において、採択の決定の取消し等を
行う可能性があります。
過度の集中に対する措置
本事業に提案された事業内容と、他の研究助成等を活用して実施している研究内容が
異なる場合においても、当該研究者のエフォート(研究者の全仕事時間(※)に対する
当該研究の実施に必要とする時間の配分割合(%))等を考慮し、研究者に当該年度に
配分される研究費全体が効果的・効率的に使用できないと判断される場合には、本事業
において、採択の決定の取消し等を行うことがあります。
このため、本事業への応募書類の提出後に、他の公的助成等に応募し採択された場合
等、記載内容に変更が生じた場合は、速やかに本事業の事務担当に報告してください。
この報告に漏れがあった場合、本事業において、採択の決定の取消し等を行う可能性
があります。
※研究者の全仕事時間とは、研究活動の時間のみを指すのではなく、教育活動中や管
理業務等を含めた実質的な全仕事時間を指します。(別紙1)
不合理な重複・過度の集中排除のための応募内容に関する情報提供
不合理な重複・過度の集中を排除するために、必要な範囲内で、応募(又は採択課題・
事業)内容の一部に関する情報を、府省共通研究開発管理システム(e-Rad)などを通じ
て、他府省を含む他の競争的資金制度等の担当に情報提供する場合があります。また、
他の競争的資金制度等におけるこれらの確認を行うため求められた際に、同様に情報提
供を行う場合があります。
2. 他府省を含む他の競争的資金等の応募受入状況
様式3の研究者情報の「他制度での研究助成等の有無」の記入内容について、事実と
異なる記載をした場合は、不採択、採択取消し又は減額配分とすることがあります。
3. 不正使用及び不正受給への対応
実施課題に関する研究費の不正な使用及び不正な受給(以下「不正使用等」という。)
については以下のとおり厳格に対応します。
契約の解除等の措置
不正使用等が認められた課題について、委託契約の解除・変更を行い、委託費の全
部又は一部の返還を求めます。また、次年度以降の契約についても締結しないことが
あります。
申請及び参加※1 の制限等の措置
本事業の研究費の不正使用等を行った研究者(共謀した研究者も含む。(以下「不
正使用等を行った研究者」という。))や、不正使用等に関与したとまでは認定され
なかったものの善管注意義務に違反した研究者※2 に対し、不正の程度に応じて以下の
表のとおり、本事業への申請及び参加の制限措置、もしくは厳重注意措置をとります。
また、他府省及び他府省所管の独立行政法人を含む他の競争的資金等の担当に当該
不正使用等の概要(不正使用等をした研究者名、制度名、所属機関、研究課題、予算
額、研究年度、不正等の内容、講じられた措置の内容等)を提供する場合があります。
不正事案の公表について
本事業において、研究費の不正使用等を行った研究者や、善管注意義務に違反した研
究者のうち、本事業への申請及び参加が制限された研究者については、当該不正事案の
概要(制度名、所属機関、研究年度、不正の内容、講じられた措置の内容)について、
文部科学省において原則公表することとします。
また、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」にお
いては、調査の結果、不正を認定した場合、研究機関は速やかに調査結果を公表するこ
ととされていますので、各機関においては同ガイドラインを踏まえて適切に対応してく
ださい。
【HP アドレス】http://www.mext.go.jp/a_menu/kansa/houkoku/1364929.htm
4. 他の競争的資金制度で申請及び参加の制限が行われた研究者に対する措置
国又は独立行政法人が所管している他の競争的資金制度※において、研究費の不正使
用等により制限が行われた研究者については、他の競争的資金制度において応募資格が
制限されている期間中、本事業への申請及び参加を制限します。
「他の競争的資金制度」について、平成 29 年度以降に新たに公募を開始する制度も含
みます。なお、平成 28 年度以前に終了した制度においても対象となります。
※現在、具体的に対象となる制度につきましては、以下の HP をご覧ください。
【HP アドレス】http://www8.cao.go.jp/cstp/compefund/kyoukin267_seido_ichiran.pdf
5. 関係法令等に違反した場合の措置
関係法令・指針等に違反し、研究を実施した場合には、研究費の配分の停止や、研究
費の配分決定を取り消すことがあります。
6. 繰越について
事業の進捗に伴い、試験研究に際しての事前の調査又は研究方式の決定の困難、計画
又は設計に関する諸条件、気象の関係、資材の入手難その他のやむを得ない事由により、
年度内に支出を完了することが期し難い場合には、財務大臣の承認を経て、最長翌年度
末までの繰越を認める場合があります。
7. 年度末までの研究期間の確保について
年度末一杯まで研究を実施することができるよう、以下の対応をすることとします。
・ 主管機関は、事業完了後、速やかに事業完了届を提出することとし、文部科学省
においては、事業の完了と研究成果の検収等を行う。
・ 会計実績報告書の提出期限を委託費の全部を概算払いした場合 5 月 31 日とする。
・ 研究成果報告書の提出期限を 5 月 31 日とする。
各研究機関は、これらの対応が、年度末までの研究期間の確保を図ることを目的と
していることを踏まえ、機関内において必要な体制の整備に努めてください。
8. 「国民との科学・技術対話」の推進について
「国民との科学・技術対話」の推進について(基本的取組方針)(平成 22 年 6 月 19
日 科学技術政策担当大臣、総合科学技術会議有識者議員)を踏まえ、「国民との科学・
技術対話」への積極的な取組をお願いします。
9. 研究設備・機器の共用促進に係る事項
「研究成果の持続的創出に向けた競争的研究費改革について(中間取りまとめ)」(平
成 27 年 6 月 24 日 競争的研究費改革に関する検討会)においては、そもそもの研究目的
を十全に達成することを前提としつつ、汎用性が高く比較的大型の設備・機器は共用を
原則とすることが適当であるとされています。
また、「研究組織のマネジメントと一体となった新たな研究設備・機器共用システム
の導入について」(平成 27 年 11 月科学技術・学術審議会先端研究基盤部会)にて、大
学及び国立研究開発法人等において「研究組織単位の研究設備・機器の共用システム」
(以下「機器共用システム」という。)を運用することが求められています。
これらを踏まえ、本事業により購入する研究設備・機器について、特に大型で汎用性
のあるものについては、他の研究費における管理条件の範囲内において、所属機関・組
織における機器共用システムに従って、当該研究課題の推進に支障ない範囲での共用、
他の研究費等により購入された研究設備・機器の活用などに積極的に取り組んで下さい。
○「研究組織のマネジメントと一体となった新たな研究設備・機器共用システムの導
入について」
(平成 27 年 11 月 25 日 科学技術・学術審議会先端研究基盤部会)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu17/index.htm
○「研究成果の持続的創出に向けた競争的研究費改革について(中間取りまとめ)」
(平成 27 年 6 月 24 日 競争的研究費改革に関する検討会)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shinkou/039/gaiyou/1359306.htm
○競争的資金における使用ルール等の統一について
(平成 27 年 3 月 31 日 競争的資金に関する関係府省連絡会申し合わせ)
http://www8.cao.go.jp/cstp/compefund/siyouruuru.pdf
○「大学連携研究設備ネットワーク事業」
https://chem-eqnet.ims.ac.jp/
10.
若手の博士研究員の多様なキャリアパスの支援について
「文部科学省の公的研究費により雇用される若手博士研究員の多様なキャリアパス支
援に関する基本方針」【平成 23 年度 12 月 20 日 科学技術・学術審議会人材委員会】
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu10/toushin/1317945.htm)
に
おいて、
「公的研究費により若手の博士研究員を雇用する公的研究機関および研究代表者
に対して、若手の博士研究員を対象に、国内外の多様なキャリアパスの確保に向けた支
援に積極的に取り組む」ことが求められています。これを踏まえ、本公募に採択され、
公的研究費(競争的資金その他のプロジェクト研究資金や、大学向けの公募型教育研究
資金)により、若手の博士研究員を雇用する場合には、当該研究員の多様なキャリアパ
スの確保に向けた支援への積極的な取組をお願いいたします。
11. 「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」に基
づく体制整備について
本事業への応募、研究実施等にあたり、主管機関及び参画機関には、「研究機関にお
ける公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」(平成 26 年 2 月 18 日改正)
※1
の内容について遵守していただく必要があります。
研究機関においては、標記ガイドラインに基づいて、研究機関の責任の下、研究費の
管理・監査体制の整備を行い、研究費の適切な執行に努めていただきますようお願いし
ます。
ガイドラインに基づく体制整備状況の調査の結果、文部科学省が機関の体制整備等の
状況について不備を認める場合、当該機関に対し、間接的経費の削減等の措置を行うこ
とがあります。
※1「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」につ
いては、以下のウェブサイトをご参照ください。
【HP アドレス】http://www.mext.go.jp/a_menu/kansa/houkoku/1343904.htm
12. 「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」に基
づく「体制整備等自己評価チェックリスト」の提出について
本事業の契約に当たり、主管機関及び参画機関では標記ガイドラインに基づく研究費
の管理・監査体制を整備すること、及びその状況等についての報告書である「体制整備
等自己評価チェックリスト」(以下「チェックリスト」という。)を提出することが必
要です(チェックリストの提出がない場合及び内容に不備が認められる場合の事業実施
は認められません。)。
このため、以下のホームページの様式に基づいて、契約日までに、研究機関から文部
科学省研究振興局振興企画課競争的資金調整室に、府省共通研究開発管理システム
(e-Rad)を利用して、チェックリストが提出されていることが必要です。
ただし、平成 27 年 9 月以降、別途の機会でチェックリストを提出している場合は、今
回新たに提出する必要はありません。
チェックリストの提出方法の詳細については、以下文部科学省ホームページ をご覧く
ださい。
【HP アドレス】 http://www.mext.go.jp/a_menu/kansa/houkoku/1301688.htm
※注意:なお、提出には、e-Rad の利用可能な環境が整っていることが必須となりま
すので、e-Rad への研究機関の登録手続を行っていない機関にあっては、早急に手
続をお願いします。(登録には通常 2 週間程度を要しますので十分ご注意くださ
い。e-Rad 利用に係る手続きの詳細については、上記ホームページ に示された提
出方法の詳細とあわせ、以下ホームページをご覧ください。)
【HP アドレス】 http://www.e-rad.go.jp/shozoku/system/index.html
また、標記ガイドラインにおいて「情報発信・共有化の推進」の観点を盛り込んでい
るため、本チェックリストについても研究機関のホームページ等に掲載し、積極的な情
報発信を行っていただくようお願いいたします。
13. 「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」に基づく体制
整備について
研究機関は、本制度への応募及び研究活動の実施に当たり、
「研究活動における不正行
為への対応等に関するガイドライン」(平成 26 年 8 月 26 日 文部科学大臣決定、以下
「ガイドライン」という。)※1を遵守することが求められます。
ガイドラインに基づく体制整備状況の調査等に基づき、文部科学省が機関における体
制の未整備、規程の未整備、研究倫理教育の未実施等の不備を認める場合、当該機関に
対し、全競争的資金の間接的経費の削減等の措置を行うことがあります。
※1「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」については、以
下のウェブサイトをご参照ください。
【HP アドレス】http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/08/1351568.htm
14. 「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」に基づく取組
状況に係るチェックリストの提出について
本制度の契約に当たり、主管機関及び参画機関は、「「研究活動における不正行為への
対応等に関するガイドライン」に基づく取組状況に係るチェックリスト」
(以下「研究不
正行為チェックリスト」という。)を提出することが必要です。(研究不正行為チェック
リストの提出がない場合の事業実施は認められません。)
このため、下記ホームページの様式に基づいて、契約日までに、研究機関から文部科
学省科学技術・学術政策局人材政策課研究公正推進室に、府省共通研究開発管理システ
ム(e-Rad)を利用して、研究不正行為チェックリストが提出されていることが必要で
す。ただし、平成 29 年 4 月以降、別途の機会で研究不正行為チェックリストを提出し
ている場合は、今回新たに提出する必要はありません。
研究不正行為チェックリストの提出方法の詳細については、下記文部科学省 HP をご覧
ください。
【HP アドレス】http://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/fusei/1374697.htm
※注意:なお、提出には、e-Rad の利用可能な環境が整っていることが必須となりま
すので、十分にご注意ください。e-Rad 利用に係る手続きの詳細については、下記
ホームページをご覧ください。)
【HP アドレス】http://www.e-rad.go.jp/shozoku/system/index.html
15. 研究活動における不正行為に対する措置
本事業において、研究活動における不正行為(捏造、改ざん、盗用)があった場合、
ガイドラインに基づき、以下の措置を行います。
契約の解除等の措置
本事業の研究課題において、研究活動における不正行為が認められた場合、委託契約
の解除・変更を行い、不正行為の悪質性等に考慮しつつ、委託費の全部又は一部の返還
を求めます。また、次年度以降の契約についても締結しないことがあります。
申請及び参加の制限等の措置
本事業による研究論文・報告書等において、不正行為が認定された者や、不正行為に
関与したとまでは認定されなかったものの当該論文・報告書等の責任者としての注意義
務を怠ったこと等により、一定の責任があると認定された者に対し、不正行為の悪質性
等や責任の程度により、以下の表のとおり、本事業への申請及び参加の制限措置を講じ
ます。
応募制限期間
不正行為に係る応募制限の対象者
不正行為の程度
(不正が認定さ
れた年度の翌
年度から※1)
1.研究の当初から不正行為を行
うことを意図していた場合など、
10年
特に悪質な者
当該論文等の責
当該分野の研究の進展へ
任を負う著者(監
の影響や社会的影響が大
修責任者、代表
きく、又は行為の悪質性が
不正行為
2.不正行為
に関与し
があった研
のものと同等の責 当該分野の研究の進展へ
た者
究に係る論
任を負うと認定さ
の影響や社会的影響が小さ
文等の著者
れたもの)
く、又は行為の悪質性が低
5~7年
執筆者又はこれら 高いと判断されるもの
3~5年
いと判断されるもの
上記以外の著者
2~3年
3.1.及び2.を除く不正行為に関
2~3年
与した者
当該分野の研究の進展へ
の影響や社会的影響が大
不正行為に関与していないものの、不正行為
きく、又は行為の悪質性が
のあった研究に係る論文等の責任を負う著者
高いと判断されるもの
(監修責任者、代表執筆者又はこれらの者と同
当該分野の研究の進展へ
等の責任を負うと認定された者)
の影響や社会的影響が小さ
く、又は行為の悪質性が低
2~3年
1~2年
いと判断されるもの
※1 不正行為等が認定された当該年度についても、参加を制限します。
また、応募及び参加の制限措置を講じた場合、文部科学省及び文部科学省所管の独立
行政法人が配分する競争的資金制度等(以下「文部科学省関連の競争的資金制度等」と
いう。)の担当、他府省及び他府省所管の独立行政法人が配分する競争的資金制度(以
下「他府省関連の競争的資金制度」という。)の担当に情報提供することにより、文部
科学省関連の競争的資金制度等及び他府省関連の競争的資金制度において、同様に、申
請及び参加が制限される場合があります。
他の競争的資金制度等及び基盤的経費で申請及び参加の制限が行われた研究者
に対する措置
本事業以外の文部科学省関連の競争的資金制度等や国立大学法人、大学共同利用機関
法人及び文部科学省所管の独立行政法人に対する運営費交付金、私学助成金等の基盤的
経費、他府省関連の競争的資金制度による研究活動の不正行為により応募及び参加の制
限が行われた研究者については、その期間中、本事業への申請及び参加を制限します。
不正事案の公表について
本事業において、研究活動における不正行為があった場合、当該事案の内容(不正事
案名、不正行為の種別、不正事案の研究分野、不正行為が行われた経費名称、不正事案
の概要、研究機関が行った措置、配分機関が行った措置等)について、原則公表します。
また、ガイドラインにおいては、調査の結果、不正を認定した場合、研究機関は速や
かに調査結果を公表することとされていますので、各機関において適切に対応して下さ
い。
【HP アドレス】http://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/fusei/1360839.htm
16. 研究倫理教育の履修義務について
本事業への研究課題に参画する研究者等は、研究上の不正行為を未然に防止するため、
研究倫理教育に関するプログラムを履修又は所属する研究機関等の研究倫理教育を受講
することになります。
提案した研究課題が採択された後、交付申請手続きの中で、実施責任者は、自ら研究
倫理教育に関するプログラムを履修又は所属する研究機関等の研究倫理教育を受講し、
不正行為を行わないことを約束するとともに、参画する研究者等に対して、研究倫理教
育に関するプログラムを履修又は所属する研究機関等の研究倫理教育を受講する義務を
周知し、更に、内容を理解してもらうことを参画する研究者等と約束し、あわせてこれ
らを確認したとする文書を、契約時に提出していただきます。
V. 問合せ先
本公募に関する問合せ先は以下のとおりです。
問い合せ先
文部科学省 研究開発局 環境エネルギー課「統合的気候モデル高度化研究プログラ
ム」公募担当(若松、仲、渡邊)
住所
電話・FAX
電子メール
〒100-8959 東京都千
TEL:03-5253-4111(内線 4472)
[email protected]
代田区霞が関 3-2-2
FAX:03-6734-4162
※公募要領は電子媒体のみ用意しております。冊子の請求は受け付けておりませんの
であらかじめご了承ください。
なお、e-Rad における研究機関・研究者の登録および e-Rad の操作については、以下
にお問合せください。
府省共通研究開発管理システム(e-Rad)の操作方法に関する問い合わせ
府省共通研究開発管理システム(e-Rad)ヘルプデスク
0570-066-877(ナビダイヤル)
午前 9:00~午後 6:00 ※土曜日、日曜日、祝祭日及び年末年始を除く
・ポータルサイト:http://www.e-rad.go.jp/
(別紙1)
エフォートの考え方
エフォートの定義について
○ 第3期科学技術基本計画によれば、エフォートは「研究に携わる個人が研究、教育、
管理業務等の各業務に従事する時間配分」と定義されています。
○ 研究者の皆様が課題を申請する際には、当該研究者の「全仕事時間に対する当該研究
の実施に必要とする時間の配分割合」を記載していただくことになります。
○ なお、この「全仕事時間」には、研究活動にかかる時間のみならず、教育活動や管理
業務等にかかる時間が含まれることに注意が必要です。
○ したがって、エフォートの値は、研究計画の見直し・査定等に応じて、変更し得るこ
とになります。
例:年度途中にプロジェクトαが打ち切られ、プロジェクトβに採択された場合の
全仕事時間の配分状況(この他、プロジェクトγを一年間にわたって実施)
20%
教育活動,
20%
管理業務
10%
プロジェクトγ
30%
教育活動
20%
管理業務
10%
プロジェクトγ
プロジェクトβ
50%
10月~
プロジェクトα
4月~9月
40%
0
10
プロジェクトα
20
30
プロジェクトβ
40
50
60
プロジェクトγ
70
教育活動
80
90
100
管理業務
○ このケースでは、9月末でプロジェクトαが終了(配分率40%)するとともに、1
0月から新たにプロジェクトβが開始(配分率50%)されたことにより、プロジェ
クトγのエフォート値が30%から20%に変化することになります。