奈良町の町並み保存のあり方を考える懇話会の意見

平成 29 年 2 月 25 日シンポジウム資料
(奈良市奈良町にぎわい課作成)
奈良町の町並み保存のあり方を考える懇話会の意見
1.奈良町における町家・町並みの保存・継承のための施策の展開に関する意見
今後の奈良町における施策は、奈良市歴史的風致維持向上計画と連携して次の3点に重点的に取り
組むものとする。
〇 奈良町の町家の保存・活用を戦略的に推進する
・奈良町の町家文化、住まいの文化を継承するために、奈良町の町家保存に関する条例を制定し、
保存活用を一層推進すること。
・現在の歴史的な建造物への修理に対する補助事業については、保存すべき町家を明確にし、重点
的に事業を継続すること。
・町家の保存・活用のために、技術者の育成と設計・施工に関する設計者・施工者の登録(推奨)
制度、町家バンク制度の周知・活用推進、古材・古道具など資材のバンクシステムの構築などの
仕組みづくりに取り組むこと。
〇 官民が連携して景観づくりに取り組む
・奈良町が目指すべき町並みの姿(目標像)を市民、民間団体、行政とが共有し、協働で取り組む
体制を確立すること。
・自治会や地域団体による身近な景観づくり活動に対する支援すること。
・奈良町の景観づくりのルールの意識付と景観法に基づく景観の規制・誘導を図ること。
・奈良町都市景観形成地区での、新築等の修景補助事業における民間団体による事前協議・景観誘
導体制により、修景事業の質的向上の仕組みづくりを構築すること。
・特に歴史的な町並みを残す区域において、都市計画部局と連携して重要伝統的建造物群保存地区
の指定や景観地区、地区計画による認定制度の活用を図ること。
〇 修理・修景補助事業の効果を高める
・修理・修景補助事業について、なら歴史まちづくり推進協議会への報告・意見聴取、補助実績の
記録保存の定期的な検証を実施すること。
・修理・修景補助事業をなら歴史まちづくり推進協議会における審査体制の構築、補助実績の積極
的な情報公開により事業の透明化を図り、市民の理解を得ること。
・修理・修景補助事業の利用推進のために補助事業の内容の周知・広報や成果の発信、見学会等の
開催し、市民の意識啓発に努め、利用しやすい制度設計を行うこと。
2.今後の奈良町におけるまちづくりの展開に関する意見
この構想は、市の重点施策として、総合計画などに位置付けることで、実効性を担保すること。
住民及び地元まちづくり団体等と意見交換をする場を継続的に設け、協議を重ねながら、各主体の
役割と責任を明確にし、地区ごとの特徴に応じたきめ細かな「新奈良町にぎわい構想」の実施計画と
なるアクションプランの作成を通じ、10 年先を見据えた計画的な取り組みを推進する。
奈良町に係る総合的な調査研究の仕組みや、住民等に対して情報発信体制の確立により、一層の奈
良町の価値を増幅する取り組みをすること。