ロイコトリエン受容体拮抗薬 気管支喘息治療薬

2017年2月作成(第1版)
ロイコトリエン受容体拮抗薬
気管支喘息治療薬
《モンテルカストナトリウム細粒》
MONTELUKAST FINE GRANULES 4㎎ “TOWA”
日本標準商品分類番号 87449
承認番号
貯
法:室温保存
使用期限:外箱に記載
【禁忌(次の患者には投与しないこと)
】
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
【組成・性状】
1包中の
有効成分
日局 モンテルカストナトリウム………………4.16㎎
(モンテルカストとして4㎎)
D-マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロース、
エリスリトール、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸Mg
添加物
性状
薬価収載
販売開始
22900AMX00485 薬価基準未収載
白色の細粒剤である。また分包品である。
【効能・効果】
気管支喘息
【用法・用量】
通常、1歳以上6歳未満の小児にはモンテルカストとして4㎎
(本剤1包)を1日1回就寝前に経口投与する。
7)モンテルカスト製剤を含めロイコトリエン拮抗剤使用時に
Churg-Strauss症候群様の血管炎を生じたとの報告がある。
これらの症状は、おおむね経口ステロイド剤の減量・中止
時に生じている。本剤使用時は、特に好酸球数の推移及び
しびれ、四肢脱力、発熱、関節痛、肺の浸潤影等の血管炎
症状に注意すること。
8)本剤投与により効果が認められない場合には、漫然と長期
にわたり投与しないように注意すること。
9)小児では一般に自覚症状を訴える能力が劣るので、本剤の
投与に際しては、保護者等に対し、患者の状態を十分に観
察し、異常が認められた場合には速やかに主治医に連絡す
る等の適切な処置をするように注意を与えること。
2. 相互作用
本剤は、主として薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP)2C8/
2C9及び3A4で代謝される。
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
【用法・用量に関連する使用上の注意】
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
フェノバルビタール 本剤の作用が減弱す フェノバルビタール
るおそれがある。
がCYP3A4を誘導
し、本剤の代謝が促
進される。
1)体重、年齢、症状等による用量調節をせず、全量を服用
すること。
2)光に不安定であるため、開封後直ちに(15分以内に)服
用すること。
(「適用上の注意」の項参照)
【使用上の注意】
1. 重要な基本的注意
1)本剤は、喘息の悪化時ばかりでなく、喘息が良好にコント
ロールされている場合でも継続して服用するよう、患者、
保護者又はそれに代わり得る適切な者に十分説明しておく
こと。
2)本剤は気管支拡張剤、ステロイド剤等と異なり、すでに起
こっている喘息発作を緩解する薬剤ではないので、このこ
とは患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に十分説
明しておく必要がある。
3)気管支喘息患者に本剤を投与中、大発作をみた場合は、気
管支拡張剤あるいはステロイド剤を投与する必要がある。
4)長期ステロイド療法を受けている患者で、本剤投与により
ステロイドの減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行
うこと。
5)本剤投与によりステロイド維持量を減量し得た患者で、本
剤の投与を中止する場合は、原疾患再発のおそれがあるの
で注意すること。
6)モンテルカスト製剤との因果関係は明らかではないが、う
つ病、自殺念慮、自殺及び攻撃的行動を含む精神症状が報
告されているので、患者の状態を十分に観察すること。
〔「その他の注意」の項参照〕
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3. 副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実
施していない。
1)重大な副作用(頻度不明)
(1) アナフィラキシー:アナフィラキシーがあらわれること
があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合
には直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。
(2) 血管浮腫:血管浮腫があらわれることがあるので、観察
を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を
中止し適切な処置を行うこと。
(3) 劇症肝炎、肝炎、肝機能障害、黄疸:劇症肝炎、肝炎、
肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を
十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、
適切な処置を行うこと。
(4) 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:
TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多
形紅斑:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多
形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、
異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行
うこと。
(5) 血小板減少:血小板減少(初期症状:紫斑、鼻出血、歯
肉出血等の出血傾向)があらわれることがあるので、こ
のような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切
な処置を行うこと。
2)その他の副作用
次のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中止
するなど適切な処置を行うこと。
【薬 物 動 態】
生物学的同等性試験
モンテルカスト細粒4㎎「トーワ」と標準製剤を、クロスオー
バー法によりそれぞれ0.5g(モンテルカストとして4㎎)健康
成人男子(n=12)に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度
を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)につい
て90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log
(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された1)。
頻度不明
過敏症
皮疹、そう痒、蕁麻疹、肝臓の好酸球浸潤
頭痛、傾眠、情緒不安、不眠、幻覚、めまい、感
覚異常(しびれ等)、異夢、易刺激性、痙攣、激
精神神経系
越、振戦、夢遊症、失見当識、集中力低下、記憶
障害、せん妄
呼吸器
肺好酸球増多症
消化器系
下痢、腹痛、胃不快感、嘔気、胸やけ、嘔吐、便
秘、口内炎、消化不良
肝臓
肝機能異常、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、
Al-P上昇、γ-GTP上昇、総ビリルビン上昇
筋骨格系
筋痙攣を含む筋痛、関節痛
その他
口渇、尿潜血、血尿、尿糖、浮腫、けん怠感、白
血球数増加、尿蛋白、トリグリセリド上昇、出血
傾向(鼻出血、紫斑等)、動悸、頻尿、発熱、脱
毛、挫傷、脱力、疲労、遺尿
4. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有
益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与するこ
と。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。海
外の市販後において、妊娠中にモンテルカスト製剤を服用
した患者から出生した新生児に先天性四肢奇形がみられた
との報告がある。これらの妊婦のほとんどは妊娠中、他の
喘息治療薬も服用していた。モンテルカスト製剤とこれら
の事象の因果関係は明らかにされていない。
]
2)授乳中の女性に投与する場合は慎重に投与すること。[動
物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
]
(注) 本剤の承認用法・用量は、1歳以上6歳未満小児に対し
てモンテルカストとして1日1回4㎎である。
5. 小児等への投与
1)6歳以上の小児に対しては、モンテルカストチュアブル錠
5㎎を1日1回就寝前に投与すること。
2)1歳未満の乳児、新生児、低出生体重児に対するモンテル
カスト製剤の安全性は確立していない。[国内でのモンテ
ルカスト製剤の使用経験がない。
]
6. 適用上の注意
1)本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。
2)本剤は口に直接入れるか、スプーン1杯程度の柔らかい食
物(室温以下)と混ぜて服用することができる。またス
プーン1杯(約5mL)の調製ミルク又は母乳(室温以下)
と混ぜて服用することもできる。本剤服用後は水などの飲
み物を摂取してもよい。
3)本剤は光に不安定であるため、服用の準備ができるまで開
封しないこと。柔らかい食物、調製ミルク又は母乳と混ぜ
た場合も、放置せずに直ちに(15分以内に)服用すること。
4)本剤は光に不安定であるため、再分包しないこと。
7. その他の注意
他社が実施したプラセボ対照臨床試験41試験を対象に統合解析
を行った結果、モンテルカスト製剤投与群9,929例中1例にお
いて自殺念慮が認められたのに対して、プラセボ群7,780例に
おいて自殺念慮は認められなかった。
また、他社が実施したプラセボ対照臨床試験46試験を対象に統
合解析を行った結果、行動変化に関連する事象(不眠、易刺激
性等)が、モンテルカスト製剤投与群11,673例中319例
(2.73%)、プラセボ群8,827例中200例(2.27%)において認め
られたが、統計学的な有意差は認められなかった。
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取
回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
【薬 効 薬 理】
ロイコトリエン受容体に拮抗し、気管支平滑筋収縮作用及び血管
透過性亢進作用等を抑制することにより、気管支喘息等の症状を
改善させる2)。
【有効成分に関する理化学的知見】
構造式:
一般名:モンテルカストナトリウム(Montelukast Sodium)
化学名:Monosodium (1-{[((1R )-1-{3-[(1E )-2-(7chloroquinolin-2-yl)ethenyl]phenyl}-3-[2-(1hydroxy-1-methylethyl)phenyl]propyl)sulfanyl]
methyl}cyclopropyl)acetate
分子式:C35H35ClNNaO3S
分子量:608.17
性 状:白色~微黄白色の粉末である。メタノール及びエタノー
ル(99.5)に極めて溶けやすく、水に溶けやすい。
吸湿性である。光によって黄色に変化する。結晶多形が
認められる。
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【取扱い上の注意】
安定性試験
最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)
の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが推測
された3)。
【包
装】
モンテルカスト細粒4㎎「トーワ」:0.5g×28包
0.5g×140包
【主 要 文 献】
1)東和薬品株式会社 社内資料:生物学的同等性試験
2)グッドマン・ギルマン薬理書 第12版,1349,2013
3)東和薬品株式会社 社内資料:安定性試験
【文献請求先・製品情報お問い合わせ先】
主要文献(社内資料を含む)は下記にご請求下さい。
東和薬品株式会社 学術部DIセンター(24時間受付対応)
〒571-8580 大阪府門真市新橋町2番11号
0120-108-932 TEL 06-6900-9108 FAX 06-6908-5797
http://www.towayakuhin.co.jp/forstaff
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